『ブロードウェイ♪ ブロードウェイ』という関連(といいますか)のドキュメンタリー映画を観にいって、こちらも懐かしく観直して、やはり面白かったです。 うろ覚えですがいくつか好きなナンバーがあって、まず最初の「この仕事欲しい!」という I Hope I Get It の軽快なリズムでもう気分が乗ってきます。それから素晴らしいパフォーマンスを見せてくれる黒人男性の性体験ソング(?)Surprise Surprise 。♪and I did again って、あんまり面白くないと言いながらやっぱり何度もしてしまうのが可笑しい。それから名曲だなあと思うのは、At The Ballet。♪everything was beautiful at the ballet で最後の高音部分は聞きどころ。整形さんの「おっぱいとお尻」も楽しいし、キャシー(アリソン・リード)が素晴らしい Let Me Dance For You、そして One。 楽曲とダンス、そして群舞の魅力は申し分ないです。衣装はレオタードで舞台装置もなしという「夢のなさ」ですが、だからかえってラストの金ピカが生きていると思います。 感動したのは確かですけれど、初見の劇場公開時には何となく腑に落ちない感じもしました。つまり、端役を選ぶのにあんなに大変なオーディションをして、人生と自分を語らせなくちゃいけないのかなあと思ったんです。でも今回見直してみると、最初に多数の中で埋没していたひとりひとりが、人数が絞られていくに従って、個性を見せ始める。いろんな語りを聞いて、終盤になるとキャラクターが見えてくる。合格者も不合格者もいっしょに(!)ラストではまた群舞の中で無個性な動きを要求されているのですが、彼らはただのパーツではなくて、ひとりひとりの人生を背負った個性的な存在である。つまり、この作品はダンサーへのエールに満ちたファンタジーなのだなあと思いました。 舞台版を観ていないので確かではないのですが、この映画版はもっともっと面白くなる可能性があったような気がします。というのも、主としてマイケル・ダグラスの演じる舞台演出家ザックまわりの描き方が、とても稚拙です。キャシーとの過去のエピソードなどをフラッシュバックとして挿入することは映画的ではあるのですが、せっかくの舞台上のパフォーマンスを寸断する結果になっています。なぜリチャード・アッテンボローだったんでしょう? また、ダンサーたちのパフォーマンスに対するザックの反応があまりにも素人臭いのも気になりました。評価をザックが顔に表わしてしまうことで、観客は傍観者の位置に置かれてしまい、誰が選ばれるのかというドキドキ感がほとんど感じられないんです。こういう映画で、それはもったいないような気がするのです。 当然といえば当然ですが、『ブロードウェイ♪』はその点で、オーディションの臨場感に溢れていました。70点。
『ブロードウェイ♪ ブロードウェイ』という関連(といいますか)のドキュメンタリー映画を観にいって、こちらも懐かしく観直して、やはり面白かったです。 うろ覚えですがいくつか好きなナンバーがあって、まず最初の「この仕事欲しい!」という I Hope I Get It の軽快なリズムでもう気分が乗ってきます。それから素晴らしいパフォーマンスを見せてくれる黒人男性の性体験ソング(?)Surprise Surprise 。♪and I did again って、あんまり面白くないと言いながらやっぱり何度もしてしまうのが可笑しい。それから名曲だなあと思うのは、At The Ballet。♪everything was beautiful at the ballet で最後の高音部分は聞きどころ。整形さんの「おっぱいとお尻」も楽しいし、キャシー(アリソン・リード)が素晴らしい Let Me Dance For You、そして One。 楽曲とダンス、そして群舞の魅力は申し分ないです。衣装はレオタードで舞台装置もなしという「夢のなさ」ですが、だからかえってラストの金ピカが生きていると思います。 感動したのは確かですけれど、初見の劇場公開時には何となく腑に落ちない感じもしました。つまり、端役を選ぶのにあんなに大変なオーディションをして、人生と自分を語らせなくちゃいけないのかなあと思ったんです。でも今回見直してみると、最初に多数の中で埋没していたひとりひとりが、人数が絞られていくに従って、個性を見せ始める。いろんな語りを聞いて、終盤になるとキャラクターが見えてくる。合格者も不合格者もいっしょに(!)ラストではまた群舞の中で無個性な動きを要求されているのですが、彼らはただのパーツではなくて、ひとりひとりの人生を背負った個性的な存在である。つまり、この作品はダンサーへのエールに満ちたファンタジーなのだなあと思いました。 舞台版を観ていないので確かではないのですが、この映画版はもっともっと面白くなる可能性があったような気がします。というのも、主としてマイケル・ダグラスの演じる舞台演出家ザックまわりの描き方が、とても稚拙です。キャシーとの過去のエピソードなどをフラッシュバックとして挿入することは映画的ではあるのですが、せっかくの舞台上のパフォーマンスを寸断する結果になっています。なぜリチャード・アッテンボローだったんでしょう? また、ダンサーたちのパフォーマンスに対するザックの反応があまりにも素人臭いのも気になりました。評価をザックが顔に表わしてしまうことで、観客は傍観者の位置に置かれてしまい、誰が選ばれるのかというドキドキ感がほとんど感じられないんです。こういう映画で、それはもったいないような気がするのです。 当然といえば当然ですが、『ブロードウェイ♪』はその点で、オーディションの臨場感に溢れていました。70点。