メトロポリス / ブリギッテ・ヘルム
メトロポリス
/フリッツ・ラング
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(15)
解説・ストーリー
F・ラングが無声映画時代に製作した、21世紀近未来SF映画。科学の飛躍的な発展の結果、労働者たちは地下に押しやられ、巨大な工場で家畜同然に管理されている一方、資本家たちは地上で享楽的生活を送っている。社長の息子は地下に降りて、彼らの悲惨な生活を知る。労働者の娘マリアは、労使間に人間的な絆が皆無であることを仲間に訴え、これがストライキの気運を生む。そこで社長はマリアを監禁、彼女そっくりの人造人間を作って事態収拾にあたるが、人造人間は狂い始め……。
F・ラングが無声映画時代に製作した、21世紀近未来SF映画。科学の飛躍的な発展の結果、労働者たちは地下に押しやられ、巨大な工場で家畜同然に管理されている一方、資本家たちは地上で享楽的生活を送っている。社長の息子は地下に降りて、彼らの悲惨な生活を知る。労働者の娘マリアは、労使間に人間的な絆が皆無であることを仲間に訴え、これがストライキの気運を生む。そこで社長はマリアを監禁、彼女そっくりの人造人間を作って事態収拾にあたるが、人造人間は狂い始め……。
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「メトロポリス」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
F・ラングが無声映画時代に製作した、21世紀近未来SF映画。科学の飛躍的な発展の結果、労働者たちは地下に押しやられ、巨大な工場で家畜同然に管理されている一方、資本家たちは地上で享楽的生活を送っている。社長の息子は地下に降りて、彼らの悲惨な生活を知る。労働者の娘マリアは、労使間に人間的な絆が皆無であることを仲間に訴え、これがストライキの気運を生む。そこで社長はマリアを監禁、彼女そっくりの人造人間を作って事態収拾にあたるが、人造人間は狂い始め……。
「メトロポリス」 の作品情報
「メトロポリス」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
<淀川長治監修 世界クラシック名画100撰集 3>メトロポリスの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
83分 |
字幕スーパー版 |
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
CPVD1021R |
2002年10月01日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
3枚
|
15人
|
1人
|
<淀川長治監修 世界クラシック名画100撰集 3>メトロポリスの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
83分 |
字幕スーパー版 |
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レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
CPVD1021R |
2002年10月01日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
3枚
|
15人
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1人
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ユーザーレビュー:15件
SF映画の金字塔
投稿日:2020/01/28
レビュアー:趣味は洋画
メトロポリス(1927年・ドイツ、モノクロ、104分、サイレント)
映画ファンの一人として、この ‘超お宝フィルム’ にめぐり合え作品を鑑賞できたことは、何ものにも代え難い最大の喜びであります。
世界初のSF映画は、1902年のフランス映画「月世界旅行」(ジョルジュ・メリエス監督・脚本)と云われていますが、この「メトロポリス」はSF映画に必要な要素がすべて散りばめられており、以降の作品群に多大な影響を与えています。
このフリッツ・ラングの大傑作をリストインし、待ちに待って、やっと観ることが出来ました。
2026年、メトロポリスと呼ばれる未来都市。高層ビルがそびえ立ち、平和で優雅な生活が成り立っていると思いきや、その実態は大きくかけ離れていた。摩天楼の上層階に住む ‘知識指導者階級’ と、地下で過酷な労働に耐える ‘労働者階級’ に二極化されていたのである。すべては指導者階級の権力者フレーダーセン(アルフレート・アーベル)が握っていた。ある日、フレーダーセンの息子フレーダー(グスタフ・フレーリッヒ)は、労働者階級の娘マリア(ブリギッテ・ヘルム)と出会い、初めて地下社会の過酷な実態を知る。マリアが階級社会の矛盾を説くと、労働者たちの間でストライキの気運が高まる。これを危惧したフレーダーセンは、発明家のルトワング(ルドルフ・クライン=ロッゲ)に命じ、マリアとそっくりのアンドロイドを製造させる。そして ‘アンドロイド・マリア’ を地下社会へ送り込ませるが...
ドイツのウーファ社が総力を挙げて製作した無声映画(プロデューサーはエリッヒ・ポマー)で、当時フリッツ・ラング監督夫人でありSF作家として知られたテア・フォン・ハルボウが脚本を書いています。
彼女が書き上げた未来世界は、高層ビルの間を複葉機が飛び交い、空間に設けられた道路を行き交う車など、当時として100年後の世界を創造するに十分過ぎるものです。
反して地下社会の実態は、頭(コウベ)を垂れ、整列して無言で職場へ向かう群衆のリアルさに象徴的に描かれています。
この労働者の反乱をスペクタクルに描いた映像は、年月を経てもいささかも古びておらず、観る者に熱い感動を呼び覚ませてくれます。
徐々に水が噴き出る映像技術、そして階段に流れ落ちる水の上を小さな子供たちが駆け落ちるシーン、溢れかえる大量の水の中を逃げ惑う労働者階級の人々...思わず胸が詰まりました。
その映像を見た瞬間、「戦艦ポチョムキン」(1925年・ロシア映画)を思い出しました。
「戦艦ポチョムキン」も無声映画で、当時の資本主義と共産主義の対立を描いた作品でした。
全編に終始ピアノの旋律が流れるところも同じで、そのとめどない単調さが不気味でもありました。
本作は美術も素晴らしく、中世のゴシック風建物や、歓楽郷 ‘ヨシワラ’ が登場するところは、82年「ブレード・ランナー」への影響も感じます。
そしてアンドロイド・マリアのデザインは、「スター・ウォーズ」シリーズに登場するC−3POのモデルともなっており、SF映画の先駆的名作の名に恥じない素晴らしいものです。
さて、監督のフリッツ・ラング(1890〜1976/オーストリア出身)ですが、私が彼の作品に最も影響を受けたのは、31年「M」です。
ペイター・ローレの主演作でもあり、その異様な興味深さと面白さは、単行では言い表せません。
フリッツ・ラングの監督作品で鑑賞済みのものは、上述の「M」以外は米国での作品です。
36年「激怒」、37年「暗黒街の弾痕」、40年「地獄への逆襲」、41年「マン・ハント」、43年「死刑執行人もまた死す」、44年「恐怖省」、44年「飾窓の女」、52年「無頼の谷」、53年「復讐は俺に任せろ」、54年「仕組まれた罠」の10を観ています。
アメリカに渡ってからの作品は、何やら暗黒っぽいものが目立ちますが、どれも傑作でした。
この「メトロポリス」、「M」以外のドイツ時代の彼の作品を観てみたいです。
「ドクトル・マブゼ」、「月世界の女」、「怪人マブゼ博士」などです。
本作では象徴的なセリフがエンディングとなっていました。
「手(労働者階級)と頭脳(知識指導者階級)は互いに思いやりを持つことで理解し合えるのだ」
このレビューは気に入りましたか?
5人の会員が気に入ったと投稿しています
現代の階級社会に与えられた福音
SF映画ファンにはよく知られた作品。
とにかくスゴイ!これが1926年(昭和元年)の製作だなんて驚いてしまう。
この作品がその後のSF作品に与えた多大な影響や、その内容のすばらしさについては、各種メディアの解説や他レヴュアーさんの評などを参照いただくとして、私は私なりの感想を書いてみよう。
この作品で描かれている「ディストピア(⇔ユートピア)」は、現代の先進国大都市の姿を大枠で予見している。
冒頭の場面、生気を失った、ロボットのような労働者の列は極端だが、二極分化した階級社会の描き方が先見性に満ちており、その他のディテールでも精度の高い未来予測に脱帽するばかり。
漫画家の松本零士氏も、ヒット作『銀河鉄道999』の中で似たような光景を描いている。
その舞台が宇宙列車が飛ぶ未来の時代であるにもかかわらず、超高層ビル群の遥か下には、地面にへばりつくように立ち並ぶあばら家のスラム街を描いているのだ。
クリエーターが描く未来には、「時代がどこまで進んでも、人間の社会的格差は決してなくならないのだ」という共通認識があるように思われる。
作品の材料が聖書の中からいろいろ取られていることは、見たとおり。
ヒロインのマリアは“マグダラのマリア”に擬しているのかもしれない。
二役で、本物が民に癒しと希望を与え解放へと導く預言者である一方、偽者のアンドロイドは人心を惑わす毒婦のごときイメージで描かれているからだ。
フレーダーが自室で「福音書ヨハネ伝」を手にしている場面がある。ドイツの宗教改革者M・ルターはこの福音書を高く評価したという。
大げさだが、ひょっとしたらF・ラング監督は、新しい福音書を提供するような心持で、この作品の製作に携わっていたのかもしれない。なんとなれば、作品の命題となっている「頭脳と手をつなぐものは、心でなければならない」は、新しい救世主が唱える福音とも思われるからだ。
ところで、アンドロイドを登場させたのはなぜだろう?
マリアを双子にするとか、他にもアイデアはあったろうと思うのだが。
ひょっとして、やがて労働者の立場は疲れを知らないアンドロイドに取って代わられるという「なぞ掛け」ででもあるのだろうか。
いやよく考えてみれば、暴徒となる大衆の愚かさを表現するためとはいえ、中世の魔女狩りを想起させる「火あぶり」のシーンが残酷と非難されるからだろうな。
う〜ん、フィルムの1/4が消失しているとのことだが、どこかで見つからないかな。完全版を観てみたい。
台本は残ってないのだろうか。新しくセリフを入れたトーキー・バージョンも観てみたい。
今、F・ラング監督と脚本を書いたT・V・ハルボウが生きていたら、どんな作品を作るだろうか。
欧米に吹き荒れるテロリズムの問題を取り上げないはずはないだろうと、私は思うのだが ・・・
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4人の会員が気に入ったと投稿しています
やっと観ることができた!
もう何年も予約リストに入れて待っていましたが、在庫枚数6枚、1位登録者だけでも200人以上とあっては、私の手元に届くことなど無いと諦めました。
それで中古を探し、ディスカスでレンタルしているのと同じもの―<淀川長治監修 世界クラシック名画100撰集 3>メトロポリス―を購入することができました。
まず、地下の工場で働く者たちの勤務交替の風景とその重苦しい雰囲気、閉塞感と抑圧に息苦しさを覚えました。
仕事を終えた者と仕事に向かう者がすれ違っても互いを見ることはなく、ただただ俯いて惰性で行進しているようです。
何故か地下の時計の文字盤の目盛りは、1から10までしかありません。
やがて、マリアという娘が立ち上がり、労働者階級(手)と知識指導者階級(頭脳)をつなぐ調停者(心)の出現を預言します。
労働者たちはマリアを信奉しますが、その心理を利用して支配者ジョンは科学者にマリアそっくりの人造人間を作らせ、偽マリアによって労働者たちの団結を崩そうと図るのです。
本作においての圧巻は、何と言っても美しい人造人間です。
ジャケット写真ではそのビジュアルがハッキリと分からなくて残念ですが、金属的質感の中に漂う妖艶さというのでしょうか、とても魅了されます。
ブリギッテ・ヘルムの人間のマリアと人造人間の“マリア”の演じ分けも見事でした。
モノクロサイレントの作品ではありますが、要所要所で挿まれる画面いっぱいの字幕(セリフ)によって十分伝わりました。
「SF映画の原点にして頂点」という作品を観られたことに満足しています。
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3人の会員が気に入ったと投稿しています
字幕がよかった
映画のすごさについては皆様がお書きになっている通りです
私は、タイミングよく挿入される台詞の字幕に感心しました
ネイティブではないので、一時停止して字幕を読まないといけなかったのですが、なかなか味のある文章で、ちょっとした英語の勉強にもなったのでした(一緒に出てくる訳文が下の方にかぶさるのが難点でしたが、それがないと意味がわからなかったりして・・・)
このレビューは気に入りましたか?
2人の会員が気に入ったと投稿しています
ラング先生の頭の中
「凄いもん見た!」
見終わった後、一人つぶやいてしまいました。
ストーリーはもちろんのこと…。
構図の大胆さ、斬新さ、ユニークさ。そしてそれが完璧にまとまっていて、何より美しい!
どのシーンを目をつぶって一時停止にしても絵になること!台詞がなくても、映画ってこんなに人を感動させるのかあ。
フリッツ・ラング先生、頭の構造どうなってるんでしょうか。
個人的には主人公フレーダーの悪夢が最高でした。いやはや、これを画にしようってんだから現場のご苦労がしのばれます。
惜しみなく資金を注いだでしょうセットやエキストラ、衣装にも驚かされますが、サイレントならではの役者の演技も素晴らしい。
特に、マリア役のブリギッテ・ヘルムは一人二役なのですが、この人の演技は必見です!きれいな女優さんですがあっぱれの役者根性!
美しい顔が聖母になったり悪魔になったり。ちょっと笑えるセクシーダンス…これは紳士の皆様にとって1927年にはアリだったのか!?
なりふりかまわず、細い手足で画面を縦横無尽に飛び回ってこの映画に生身の力を与えています。
ティム・バートン監督はこういった「ドイツ表現主義」と呼ばれる一連の映画に強い影響を受けていると聞きますが、なるほど若き日のジョニー
デップなど、どこかこの主人公の青年を彷彿とさせるような?
最後にどなたか詳しい方いらしたら教えていただきたいのですが、この頃のドイツ映画、例えば「カリガリ博士」など、男性もお化粧しているのは何故でしょうか?
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2人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
SF映画の金字塔
投稿日
2020/01/28
レビュアー
趣味は洋画
メトロポリス(1927年・ドイツ、モノクロ、104分、サイレント)
映画ファンの一人として、この ‘超お宝フィルム’ にめぐり合え作品を鑑賞できたことは、何ものにも代え難い最大の喜びであります。
世界初のSF映画は、1902年のフランス映画「月世界旅行」(ジョルジュ・メリエス監督・脚本)と云われていますが、この「メトロポリス」はSF映画に必要な要素がすべて散りばめられており、以降の作品群に多大な影響を与えています。
このフリッツ・ラングの大傑作をリストインし、待ちに待って、やっと観ることが出来ました。
2026年、メトロポリスと呼ばれる未来都市。高層ビルがそびえ立ち、平和で優雅な生活が成り立っていると思いきや、その実態は大きくかけ離れていた。摩天楼の上層階に住む ‘知識指導者階級’ と、地下で過酷な労働に耐える ‘労働者階級’ に二極化されていたのである。すべては指導者階級の権力者フレーダーセン(アルフレート・アーベル)が握っていた。ある日、フレーダーセンの息子フレーダー(グスタフ・フレーリッヒ)は、労働者階級の娘マリア(ブリギッテ・ヘルム)と出会い、初めて地下社会の過酷な実態を知る。マリアが階級社会の矛盾を説くと、労働者たちの間でストライキの気運が高まる。これを危惧したフレーダーセンは、発明家のルトワング(ルドルフ・クライン=ロッゲ)に命じ、マリアとそっくりのアンドロイドを製造させる。そして ‘アンドロイド・マリア’ を地下社会へ送り込ませるが...
ドイツのウーファ社が総力を挙げて製作した無声映画(プロデューサーはエリッヒ・ポマー)で、当時フリッツ・ラング監督夫人でありSF作家として知られたテア・フォン・ハルボウが脚本を書いています。
彼女が書き上げた未来世界は、高層ビルの間を複葉機が飛び交い、空間に設けられた道路を行き交う車など、当時として100年後の世界を創造するに十分過ぎるものです。
反して地下社会の実態は、頭(コウベ)を垂れ、整列して無言で職場へ向かう群衆のリアルさに象徴的に描かれています。
この労働者の反乱をスペクタクルに描いた映像は、年月を経てもいささかも古びておらず、観る者に熱い感動を呼び覚ませてくれます。
徐々に水が噴き出る映像技術、そして階段に流れ落ちる水の上を小さな子供たちが駆け落ちるシーン、溢れかえる大量の水の中を逃げ惑う労働者階級の人々...思わず胸が詰まりました。
その映像を見た瞬間、「戦艦ポチョムキン」(1925年・ロシア映画)を思い出しました。
「戦艦ポチョムキン」も無声映画で、当時の資本主義と共産主義の対立を描いた作品でした。
全編に終始ピアノの旋律が流れるところも同じで、そのとめどない単調さが不気味でもありました。
本作は美術も素晴らしく、中世のゴシック風建物や、歓楽郷 ‘ヨシワラ’ が登場するところは、82年「ブレード・ランナー」への影響も感じます。
そしてアンドロイド・マリアのデザインは、「スター・ウォーズ」シリーズに登場するC−3POのモデルともなっており、SF映画の先駆的名作の名に恥じない素晴らしいものです。
さて、監督のフリッツ・ラング(1890〜1976/オーストリア出身)ですが、私が彼の作品に最も影響を受けたのは、31年「M」です。
ペイター・ローレの主演作でもあり、その異様な興味深さと面白さは、単行では言い表せません。
フリッツ・ラングの監督作品で鑑賞済みのものは、上述の「M」以外は米国での作品です。
36年「激怒」、37年「暗黒街の弾痕」、40年「地獄への逆襲」、41年「マン・ハント」、43年「死刑執行人もまた死す」、44年「恐怖省」、44年「飾窓の女」、52年「無頼の谷」、53年「復讐は俺に任せろ」、54年「仕組まれた罠」の10を観ています。
アメリカに渡ってからの作品は、何やら暗黒っぽいものが目立ちますが、どれも傑作でした。
この「メトロポリス」、「M」以外のドイツ時代の彼の作品を観てみたいです。
「ドクトル・マブゼ」、「月世界の女」、「怪人マブゼ博士」などです。
本作では象徴的なセリフがエンディングとなっていました。
「手(労働者階級)と頭脳(知識指導者階級)は互いに思いやりを持つことで理解し合えるのだ」
現代の階級社会に与えられた福音
投稿日
2011/08/14
レビュアー
哲郎
SF映画ファンにはよく知られた作品。
とにかくスゴイ!これが1926年(昭和元年)の製作だなんて驚いてしまう。
この作品がその後のSF作品に与えた多大な影響や、その内容のすばらしさについては、各種メディアの解説や他レヴュアーさんの評などを参照いただくとして、私は私なりの感想を書いてみよう。
この作品で描かれている「ディストピア(⇔ユートピア)」は、現代の先進国大都市の姿を大枠で予見している。
冒頭の場面、生気を失った、ロボットのような労働者の列は極端だが、二極分化した階級社会の描き方が先見性に満ちており、その他のディテールでも精度の高い未来予測に脱帽するばかり。
漫画家の松本零士氏も、ヒット作『銀河鉄道999』の中で似たような光景を描いている。
その舞台が宇宙列車が飛ぶ未来の時代であるにもかかわらず、超高層ビル群の遥か下には、地面にへばりつくように立ち並ぶあばら家のスラム街を描いているのだ。
クリエーターが描く未来には、「時代がどこまで進んでも、人間の社会的格差は決してなくならないのだ」という共通認識があるように思われる。
作品の材料が聖書の中からいろいろ取られていることは、見たとおり。
ヒロインのマリアは“マグダラのマリア”に擬しているのかもしれない。
二役で、本物が民に癒しと希望を与え解放へと導く預言者である一方、偽者のアンドロイドは人心を惑わす毒婦のごときイメージで描かれているからだ。
フレーダーが自室で「福音書ヨハネ伝」を手にしている場面がある。ドイツの宗教改革者M・ルターはこの福音書を高く評価したという。
大げさだが、ひょっとしたらF・ラング監督は、新しい福音書を提供するような心持で、この作品の製作に携わっていたのかもしれない。なんとなれば、作品の命題となっている「頭脳と手をつなぐものは、心でなければならない」は、新しい救世主が唱える福音とも思われるからだ。
ところで、アンドロイドを登場させたのはなぜだろう?
マリアを双子にするとか、他にもアイデアはあったろうと思うのだが。
ひょっとして、やがて労働者の立場は疲れを知らないアンドロイドに取って代わられるという「なぞ掛け」ででもあるのだろうか。
いやよく考えてみれば、暴徒となる大衆の愚かさを表現するためとはいえ、中世の魔女狩りを想起させる「火あぶり」のシーンが残酷と非難されるからだろうな。
う〜ん、フィルムの1/4が消失しているとのことだが、どこかで見つからないかな。完全版を観てみたい。
台本は残ってないのだろうか。新しくセリフを入れたトーキー・バージョンも観てみたい。
今、F・ラング監督と脚本を書いたT・V・ハルボウが生きていたら、どんな作品を作るだろうか。
欧米に吹き荒れるテロリズムの問題を取り上げないはずはないだろうと、私は思うのだが ・・・
やっと観ることができた!
投稿日
2015/09/10
レビュアー
kazupon
もう何年も予約リストに入れて待っていましたが、在庫枚数6枚、1位登録者だけでも200人以上とあっては、私の手元に届くことなど無いと諦めました。
それで中古を探し、ディスカスでレンタルしているのと同じもの―<淀川長治監修 世界クラシック名画100撰集 3>メトロポリス―を購入することができました。
まず、地下の工場で働く者たちの勤務交替の風景とその重苦しい雰囲気、閉塞感と抑圧に息苦しさを覚えました。
仕事を終えた者と仕事に向かう者がすれ違っても互いを見ることはなく、ただただ俯いて惰性で行進しているようです。
何故か地下の時計の文字盤の目盛りは、1から10までしかありません。
やがて、マリアという娘が立ち上がり、労働者階級(手)と知識指導者階級(頭脳)をつなぐ調停者(心)の出現を預言します。
労働者たちはマリアを信奉しますが、その心理を利用して支配者ジョンは科学者にマリアそっくりの人造人間を作らせ、偽マリアによって労働者たちの団結を崩そうと図るのです。
本作においての圧巻は、何と言っても美しい人造人間です。
ジャケット写真ではそのビジュアルがハッキリと分からなくて残念ですが、金属的質感の中に漂う妖艶さというのでしょうか、とても魅了されます。
ブリギッテ・ヘルムの人間のマリアと人造人間の“マリア”の演じ分けも見事でした。
モノクロサイレントの作品ではありますが、要所要所で挿まれる画面いっぱいの字幕(セリフ)によって十分伝わりました。
「SF映画の原点にして頂点」という作品を観られたことに満足しています。
字幕がよかった
投稿日
2019/08/07
レビュアー
daichan
映画のすごさについては皆様がお書きになっている通りです
私は、タイミングよく挿入される台詞の字幕に感心しました
ネイティブではないので、一時停止して字幕を読まないといけなかったのですが、なかなか味のある文章で、ちょっとした英語の勉強にもなったのでした(一緒に出てくる訳文が下の方にかぶさるのが難点でしたが、それがないと意味がわからなかったりして・・・)
ラング先生の頭の中
投稿日
2011/03/18
レビュアー
meg
「凄いもん見た!」
見終わった後、一人つぶやいてしまいました。
ストーリーはもちろんのこと…。
構図の大胆さ、斬新さ、ユニークさ。そしてそれが完璧にまとまっていて、何より美しい!
どのシーンを目をつぶって一時停止にしても絵になること!台詞がなくても、映画ってこんなに人を感動させるのかあ。
フリッツ・ラング先生、頭の構造どうなってるんでしょうか。
個人的には主人公フレーダーの悪夢が最高でした。いやはや、これを画にしようってんだから現場のご苦労がしのばれます。
惜しみなく資金を注いだでしょうセットやエキストラ、衣装にも驚かされますが、サイレントならではの役者の演技も素晴らしい。
特に、マリア役のブリギッテ・ヘルムは一人二役なのですが、この人の演技は必見です!きれいな女優さんですがあっぱれの役者根性!
美しい顔が聖母になったり悪魔になったり。ちょっと笑えるセクシーダンス…これは紳士の皆様にとって1927年にはアリだったのか!?
なりふりかまわず、細い手足で画面を縦横無尽に飛び回ってこの映画に生身の力を与えています。
ティム・バートン監督はこういった「ドイツ表現主義」と呼ばれる一連の映画に強い影響を受けていると聞きますが、なるほど若き日のジョニー
デップなど、どこかこの主人公の青年を彷彿とさせるような?
最後にどなたか詳しい方いらしたら教えていただきたいのですが、この頃のドイツ映画、例えば「カリガリ博士」など、男性もお化粧しているのは何故でしょうか?
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