シェーン / アラン・ラッド
シェーン
/ジョージ・スティーヴンス
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全体の平均評価点: (5点満点)
(45)
解説・ストーリー
舞台は緑麗しいワイオミングの高原地帯。縁あって開拓移民のスターレット一家に厄介となる、旅人シェーン(A・ラッド)。折しも、この地では開拓移民と牧畜業者の間で土地をめぐる諍いが起こっていた。やがて、スターレット一家にもその騒動が飛び火してきた時、世話を受けていたシェーンは、彼らの間に割って入っていく……。<BR>ラストシーンがあまりにも有名な、西部劇史上に残る傑作。
舞台は緑麗しいワイオミングの高原地帯。縁あって開拓移民のスターレット一家に厄介となる、旅人シェーン(A・ラッド)。折しも、この地では開拓移民と牧畜業者の間で土地をめぐる諍いが起こっていた。やがて、スターレット一家にもその騒動が飛び火してきた時、世話を受けていたシェーンは、彼らの間に割って入っていく……。<BR>ラストシーンがあまりにも有名な、西部劇史上に残る傑作。
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「シェーン」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
舞台は緑麗しいワイオミングの高原地帯。縁あって開拓移民のスターレット一家に厄介となる、旅人シェーン(A・ラッド)。折しも、この地では開拓移民と牧畜業者の間で土地をめぐる諍いが起こっていた。やがて、スターレット一家にもその騒動が飛び火してきた時、世話を受けていたシェーンは、彼らの間に割って入っていく……。<BR>ラストシーンがあまりにも有名な、西部劇史上に残る傑作。
「シェーン」 の作品情報
「シェーン」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
シェーンの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
118分 |
日本語英語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
TDV135C |
2005年08月26日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
20枚
|
2人
|
0人
|
シェーンの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
118分 |
日本語英語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
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レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
TDV135C |
2005年08月26日
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在庫枚数 |
1位登録者: |
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20枚
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ユーザーレビュー:45件
夫の鑑、ジョン・スターレット氏
投稿日:2009/06/30
レビュアー:港のマリー
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
BS2の「シネマ堂本舗」で山本晋也監督が「うつくしい〜」
と絶句していた本作、シェーンのもはや神話的ともいえる魅力については今さら言うことはありません。あぁ、確かにひとつの時代の終焉を告げるためには、彼は馬上で息絶えなければならないのかもしれませんね。
今回、私が注目したのはシェーンが食客となるスターレット家の当主、ジョン・スターレット氏です。
シェーンの影に隠れて目立ちませんが、彼はたいへんな人格者です。勤勉で実直で責任感、正義感ともに強く、勇気があってひとには親切、リーダーシップも備えその気になれば、腕力もかなりのもの。そして、何よりエライのは“嫉妬”をしないことです。
息子はもう夢中、妻の心も揺れている、そんな男に対しどこまでも友人としての態度を崩さない。独立記念日、その日を自分たち夫婦の結婚記念日にする演出も粋ですねえ、のダンスで息のあった様子を見せつけられて、一瞬表情を曇らせるものの、嫌みなんて絶対言わない。それどころか、決死の殴り込みに出かけようとする時のセリフ、
「鈍感な俺にだって見えるものがある。俺といるより幸せになれるかもしれない」
なんて、悶絶しそうになりました。夫という種族は普段は妻に興味がなくても、他の男と妻が…という状況になれば、がぜん所有欲を燃え立たせるものです。まさに「欲望とは他人の欲望」(ルネ・ジラール) ひとが欲しがれば惜しくなる。
そんな浅ましき人間の本性を敢然と覆して見せる、心映えの美しさ、気高さ。そういう人間像を何の衒いもなく映画に描くジョージ・スティーブンスの愚直さに、心の汚れきった私は、呆然したのでした。
妻をも友をも固く信じて疑わず、常に相手の気持ちを思いやり、息子はおおらかに包み込む、まさに夫の鑑、父の見本です!
昭和残侠伝の高倉健、池部良ばりに酒場でふたり、暴れた後、帰宅して妻、マリアンの手当を受ける場面があります。夫が先に引き上げシェーンと二人きりで微妙な空気に。察したシェーンは姿を消しますが、入れ替わりに再び現れた夫にマリアンは「強く抱いて」と迫る。いや、うまいなと思いました。奥さんが急に妙に情熱的になったら、要注意かもしれません。
ジョーイ少年は、少し煩いと感じなくもないのですが、映画の世界は結局、この少年の澄んだまっすぐな視線が捉えたものなんだと、考えれば納得できます。
ほんとうに美しい〜映画でした。
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7人の会員が気に入ったと投稿しています
宿飯の恩義を返し去っていく潔い男 少年の声の反響
「シェーン」(1953、米国、カラー、118分)。
監督はジョージ・スティーヴンス(1904〜1975)。主演はアラン・ラッド(1913〜1964)、ジーン・アーサー(1900〜1991)、ジャック・パランス(1919〜2006)、ベン・ジョンソン(1918〜1996)、ヴァン・ヘフリン(1910〜1971)、ブランドン・デ・ワイルド(1942〜1972)。
生まれて初めて見て、記憶が残っている映画は本作。たぶんTVの洋画劇場で見たのでしょう。ふと気がつくと、ヴィクター・ヤングの「遙かなる山の呼び声」を口ずさんでいることがあります。仕事の合間、家の掃除中、確定申告の待ち時間、来ない流しタクシーを待っている頃、風呂の中。50歳で死んだアラン、スティーヴのことをそれから想う。
1890年の初夏のこと。ワイオミング州の新規開拓者の小牧畜場では、若い家長「ジョー・スターレット」(ヘフリン)、妻「マリアン」(アーサー)と息子「ジョーイ」(ワイルド)の三人家族がいる。流れ者のガンマン「シェーン」(ラッド)は自分と愛馬の水をもらう。そこへ無法者が来て、「シェーン」は素早く追い払う。彼は一家に食事を供され、宿泊する。「ジョー」は土地や水を巡り、近隣の古い大地主「ライカー」(エミル・メイヤー)から嫌がらせを受けていた。自分は銃器が使えないので、冬までここで(用心棒として)働いてほしいと頼む。「シェーン」は快諾する。「ライカ―」は、プロの殺し屋「ジャック・ウィルスン」(パランス)を雇う。土地を譲って出て行けという「ライカ―」の脅迫を拒んだ「ジョー」は、酒場に談判に行こうとしたが、「シェーン」が止める。
「シェーン」の早撃ちが秒の10分の1単位で「ウィルスン」を勝る。黒づくめの殺し屋「ウィルスン」を演じたジャック・パランスは、悪役を経て性格俳優になり、「バクダット・カフエ」(1987)、「シティ・スリッカーズ」(1991)などで実力を見せてくれました。好きな脇役俳優です。
【今月の西部劇はこの10本目でで終わります】
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額縁に入れたくなる西部劇の名画
1953年 アメリカ映画
原作:ジャック・シェーファー
必ずレビューを書こうと思っていた一本です。
今回それを後押ししてくれたのは美容院で読んだ“HERS”というファッション誌の記事でした。
いつも美容院では雑誌をパラパラ程度にしか読まないのですが、昨日たまたま読んだ雑誌にこの「シェーン」のロケ地が載っていて、熟読してしまいました(笑)
その記事には美しいグランドティートンの山々の写真が載っていて、内容は「イエローストーン国立公園とグランドティートン国立公園の両方をセットで廻ろう」といった旅の記事でした。それによるとアメリカの本当の魅力とは、NYやロサンゼルス、サンフランシスコの様な都市ではなく、広大な大自然にこそあるそうです。(うーん確かに!)そしてアメリカの温泉50%がこの国立公園に集まっているとか。昔、州こそ違うけれど、グランド・キャニオンに行った時のあの断崖に吸い込まれそうになったのを思い出してしまいました。この記事を読んで無性にシェーンを観たくなり昨夜再見しました。
やっぱりいいですね〜、シェーン。大好きな映画です。
再見して思った事はアラン・ラッドの秒速なガンさばきはもちろん、何と言ってもあの大自然のスケールの大きさと、シンプルなストーリーながら結構奥が深かったんだと感じました。
シェーンとジョーイの友情、開拓地で人々がこれから自分の土地を切り拓く事の難しさ、ジョーの苦労や葛藤、マリアンが次第にシェーンに惹かれる姿など。
シェーンの「銃は他の道具と同じ、(中略)使い方次第で良くも悪くもなる」
マリアンの「銃さえ無くなればこの辺りももっと平和になるのに」
この双方の気持ち、わかります。そしてやっぱりラストのあのジョーイの台詞はアメリカ映画の名ゼリフベスト100に選ばれただけあります。
ヴィクター・ヤングの「遙かなる山の呼び声」も心地よく映画に浸る事ができます。
アラン・ラッドが馬に乗ってやって来る姿、ジョーイに銃の使い方を教えるシーン、酒場での撃ち合うシーン、シェーンとマリアンのダンスシーン、そしてあのラストシーンと、どこを切り取っても額縁に入れたくなるような西部劇の名画です。
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素直な気持ちで、不滅の西部劇です
投稿日:2013/09/30
レビュアー:趣味は洋画
もう10回以上観た。映画史上かつてない感動を呼んだ不滅の西部劇の名作で、アラン・ラッドが一世一代の快演を見せる。その早撃ちシーンと相まって、観客に永遠に記憶されるであろう主人公となった。彼の息子デヴィッドも出演している(6歳)。実は少ない登場シーンながらも強烈なインパクトを残して消えていくジャック・パランスの黒ずくめのガンマンもいい。ジョーイ役のブランドン・デ・ワイルデは1972年、交通事故により30歳の若さで世を去った。出演時11歳だが、可愛くもしっかりした演技が評判でアカデミー助演男優賞にノミネートされた。主人公シェーンに扮したA・ラッドのガンさばきが実にかっこいい。ワイオミングの移住民、ジョー・スターレット(ヴァン・ヘフリン)はシェーンを頼り、妻のマリアン(ジーン・アーサー)も心密かにシェーンに想いを寄せ、一人息子ジョーイ(ブランドン・デ・ワイルデ)の気持ちはラストシーンの叫び‘シェーン!...カムバック!’に集約されている。ところでヴァン・ヘフリンは‘アメリカの良心’ジョーを真摯に演じているが、70年「大空港」で爆弾を抱えた小心者の精神異常者ゲレロ役が忘れられず、この二作で彼のファンになってしまった。 ヴィクター・ヤングのスコアも印象深いが、なんと衣装はイーディス・ヘッドなのである。
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血なまぐさい時代とともに消えていく、憂愁のヒーロー
ロキュの69日連続レビュー V 第59日
( ネタばれあり)
最初に観たのは、十代の頃、たぶんテレビの洋画劇場で、これもおそらく30年以上ぶりの鑑賞。
長い間観ていない理由の一つは、ラストのジョーイ少年の「 シェーン !! カムバック !! 」があまりに有名で、センチメンタルで古風な西部劇と思い、食指が動かなかったためです。
それと、『 シェーン 』と言えば早撃ちで、60年代くらいまでは大人から子どもまで男子専科の遊びで、それも時代を感じたからです。 たとえばサミー・デイビス・ジュニアも西部劇のガンさばき、早撃ちが趣味でしたし、黒澤明の『 天国と地獄 』で誘拐される子どもたちの遊びも西部劇で、西部劇の決闘や早撃ちとかチャンバラが男子の普通の遊びというのは時代を感じます。
改めて観ると、やはり義理と人情の、旧世代の映画と時代を感じさせますが、さすがのクラシック名画で魅せますね。
まず、暴力シーンの描き方が意外にリアルなのに気づきます。
殴り合いのシーンは、娯楽西部劇でよくあるモブシーンとかと全然違って、重く痛みを感じさせるもの。
またフランク・ " ストーン・ウオール “トーリー( エリシャ・クック Jr )をジャック・ウィルソン( ジャック・バランス )が平然と射殺し、不敵な笑みを浮かべる歴史的なシーンは、やはり強烈な印象を残します。
シェーン( アラン・ラッド )に銃の撃ち方の手ほどきを受け、ジョーイ少年( ブランデン・デ・ワイルド )が目を丸くしあこがれを抱くシーンは愛らしい。
その後父親( ヴァン・へフリン)と母親マリアン( ジーン・アーサー)が深刻な話をしている後ろを、ジョーイ少年が「 バン、バン 」と銃を撃つ真似をしてまわるウザったい。
その対比が、暴力への誘惑と結果の悲惨さをよく表しています。
ジョージ・スティーブンスは戦前戦中は、『 有頂天時代 』『 陽気なルームメイト 』『 女性No. 1』など都会的で軽快なコメディを撮っていました。
しかし、第二次世界大戦後は『 陽のあたる場所 』『 シェーン 』『 ジャイアンツ 』『 アンネの日記 』などスケールの大きい人間ドラマに作風が変わり、アメリカを代表する巨匠となります。
その理由は戦争体験、特に解放直後のダッハウ強制収容所の記録映画を撮影し、ホロコーストを見てしまったからと考えられています。
家族のドラマを、置かれている社会状況を背景にスケール感を持って描き、その上で格調高く、人間の気高さをこめた作風となったのは、逆に悲惨な地獄をみたからこそ、なのでしょう。
この作品はジョンソン郡戦争を背景にしていると言われます。 1890年サウスダコダ州でウンデッド・ニーの虐殺があり、フロンティアの消滅( 対インディアン戦争の終結 。白人による征服の完成) があり、1892年ワシントン州ジョンソン郡で大規模牧場主と開拓農民の土地争いで、大規模牧場主側が殺し屋を雇って虐殺したという事件。
のちに、ジョンソン郡戦争を題材にした映画がマイケル・チミノの『 天国の門 』ですし、直接的には描いてないが『 リバティ・バランスを射った男 』も同様の土地争いを描いています。
ジョージ・スティーブンスは西部開拓の血塗られた歴史を踏まえたうえで、時代とともに消えていく憂愁のヒーローを描いて見せました。
血なまぐさい現実は耐え難く、その代わりに、美しい伝説が語られてきた・・・・・、それが「 西部劇 」であることを映画史に遺した一作です。
このレビューは気に入りましたか?
4人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
夫の鑑、ジョン・スターレット氏
投稿日
2009/06/30
レビュアー
港のマリー
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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BS2の「シネマ堂本舗」で山本晋也監督が「うつくしい〜」
と絶句していた本作、シェーンのもはや神話的ともいえる魅力については今さら言うことはありません。あぁ、確かにひとつの時代の終焉を告げるためには、彼は馬上で息絶えなければならないのかもしれませんね。
今回、私が注目したのはシェーンが食客となるスターレット家の当主、ジョン・スターレット氏です。
シェーンの影に隠れて目立ちませんが、彼はたいへんな人格者です。勤勉で実直で責任感、正義感ともに強く、勇気があってひとには親切、リーダーシップも備えその気になれば、腕力もかなりのもの。そして、何よりエライのは“嫉妬”をしないことです。
息子はもう夢中、妻の心も揺れている、そんな男に対しどこまでも友人としての態度を崩さない。独立記念日、その日を自分たち夫婦の結婚記念日にする演出も粋ですねえ、のダンスで息のあった様子を見せつけられて、一瞬表情を曇らせるものの、嫌みなんて絶対言わない。それどころか、決死の殴り込みに出かけようとする時のセリフ、
「鈍感な俺にだって見えるものがある。俺といるより幸せになれるかもしれない」
なんて、悶絶しそうになりました。夫という種族は普段は妻に興味がなくても、他の男と妻が…という状況になれば、がぜん所有欲を燃え立たせるものです。まさに「欲望とは他人の欲望」(ルネ・ジラール) ひとが欲しがれば惜しくなる。
そんな浅ましき人間の本性を敢然と覆して見せる、心映えの美しさ、気高さ。そういう人間像を何の衒いもなく映画に描くジョージ・スティーブンスの愚直さに、心の汚れきった私は、呆然したのでした。
妻をも友をも固く信じて疑わず、常に相手の気持ちを思いやり、息子はおおらかに包み込む、まさに夫の鑑、父の見本です!
昭和残侠伝の高倉健、池部良ばりに酒場でふたり、暴れた後、帰宅して妻、マリアンの手当を受ける場面があります。夫が先に引き上げシェーンと二人きりで微妙な空気に。察したシェーンは姿を消しますが、入れ替わりに再び現れた夫にマリアンは「強く抱いて」と迫る。いや、うまいなと思いました。奥さんが急に妙に情熱的になったら、要注意かもしれません。
ジョーイ少年は、少し煩いと感じなくもないのですが、映画の世界は結局、この少年の澄んだまっすぐな視線が捉えたものなんだと、考えれば納得できます。
ほんとうに美しい〜映画でした。
宿飯の恩義を返し去っていく潔い男 少年の声の反響
投稿日
2022/01/17
レビュアー
ちゅく
「シェーン」(1953、米国、カラー、118分)。
監督はジョージ・スティーヴンス(1904〜1975)。主演はアラン・ラッド(1913〜1964)、ジーン・アーサー(1900〜1991)、ジャック・パランス(1919〜2006)、ベン・ジョンソン(1918〜1996)、ヴァン・ヘフリン(1910〜1971)、ブランドン・デ・ワイルド(1942〜1972)。
生まれて初めて見て、記憶が残っている映画は本作。たぶんTVの洋画劇場で見たのでしょう。ふと気がつくと、ヴィクター・ヤングの「遙かなる山の呼び声」を口ずさんでいることがあります。仕事の合間、家の掃除中、確定申告の待ち時間、来ない流しタクシーを待っている頃、風呂の中。50歳で死んだアラン、スティーヴのことをそれから想う。
1890年の初夏のこと。ワイオミング州の新規開拓者の小牧畜場では、若い家長「ジョー・スターレット」(ヘフリン)、妻「マリアン」(アーサー)と息子「ジョーイ」(ワイルド)の三人家族がいる。流れ者のガンマン「シェーン」(ラッド)は自分と愛馬の水をもらう。そこへ無法者が来て、「シェーン」は素早く追い払う。彼は一家に食事を供され、宿泊する。「ジョー」は土地や水を巡り、近隣の古い大地主「ライカー」(エミル・メイヤー)から嫌がらせを受けていた。自分は銃器が使えないので、冬までここで(用心棒として)働いてほしいと頼む。「シェーン」は快諾する。「ライカ―」は、プロの殺し屋「ジャック・ウィルスン」(パランス)を雇う。土地を譲って出て行けという「ライカ―」の脅迫を拒んだ「ジョー」は、酒場に談判に行こうとしたが、「シェーン」が止める。
「シェーン」の早撃ちが秒の10分の1単位で「ウィルスン」を勝る。黒づくめの殺し屋「ウィルスン」を演じたジャック・パランスは、悪役を経て性格俳優になり、「バクダット・カフエ」(1987)、「シティ・スリッカーズ」(1991)などで実力を見せてくれました。好きな脇役俳優です。
【今月の西部劇はこの10本目でで終わります】
額縁に入れたくなる西部劇の名画
投稿日
2019/10/17
レビュアー
かつ
1953年 アメリカ映画
原作:ジャック・シェーファー
必ずレビューを書こうと思っていた一本です。
今回それを後押ししてくれたのは美容院で読んだ“HERS”というファッション誌の記事でした。
いつも美容院では雑誌をパラパラ程度にしか読まないのですが、昨日たまたま読んだ雑誌にこの「シェーン」のロケ地が載っていて、熟読してしまいました(笑)
その記事には美しいグランドティートンの山々の写真が載っていて、内容は「イエローストーン国立公園とグランドティートン国立公園の両方をセットで廻ろう」といった旅の記事でした。それによるとアメリカの本当の魅力とは、NYやロサンゼルス、サンフランシスコの様な都市ではなく、広大な大自然にこそあるそうです。(うーん確かに!)そしてアメリカの温泉50%がこの国立公園に集まっているとか。昔、州こそ違うけれど、グランド・キャニオンに行った時のあの断崖に吸い込まれそうになったのを思い出してしまいました。この記事を読んで無性にシェーンを観たくなり昨夜再見しました。
やっぱりいいですね〜、シェーン。大好きな映画です。
再見して思った事はアラン・ラッドの秒速なガンさばきはもちろん、何と言ってもあの大自然のスケールの大きさと、シンプルなストーリーながら結構奥が深かったんだと感じました。
シェーンとジョーイの友情、開拓地で人々がこれから自分の土地を切り拓く事の難しさ、ジョーの苦労や葛藤、マリアンが次第にシェーンに惹かれる姿など。
シェーンの「銃は他の道具と同じ、(中略)使い方次第で良くも悪くもなる」
マリアンの「銃さえ無くなればこの辺りももっと平和になるのに」
この双方の気持ち、わかります。そしてやっぱりラストのあのジョーイの台詞はアメリカ映画の名ゼリフベスト100に選ばれただけあります。
ヴィクター・ヤングの「遙かなる山の呼び声」も心地よく映画に浸る事ができます。
アラン・ラッドが馬に乗ってやって来る姿、ジョーイに銃の使い方を教えるシーン、酒場での撃ち合うシーン、シェーンとマリアンのダンスシーン、そしてあのラストシーンと、どこを切り取っても額縁に入れたくなるような西部劇の名画です。
素直な気持ちで、不滅の西部劇です
投稿日
2013/09/30
レビュアー
趣味は洋画
もう10回以上観た。映画史上かつてない感動を呼んだ不滅の西部劇の名作で、アラン・ラッドが一世一代の快演を見せる。その早撃ちシーンと相まって、観客に永遠に記憶されるであろう主人公となった。彼の息子デヴィッドも出演している(6歳)。実は少ない登場シーンながらも強烈なインパクトを残して消えていくジャック・パランスの黒ずくめのガンマンもいい。ジョーイ役のブランドン・デ・ワイルデは1972年、交通事故により30歳の若さで世を去った。出演時11歳だが、可愛くもしっかりした演技が評判でアカデミー助演男優賞にノミネートされた。主人公シェーンに扮したA・ラッドのガンさばきが実にかっこいい。ワイオミングの移住民、ジョー・スターレット(ヴァン・ヘフリン)はシェーンを頼り、妻のマリアン(ジーン・アーサー)も心密かにシェーンに想いを寄せ、一人息子ジョーイ(ブランドン・デ・ワイルデ)の気持ちはラストシーンの叫び‘シェーン!...カムバック!’に集約されている。ところでヴァン・ヘフリンは‘アメリカの良心’ジョーを真摯に演じているが、70年「大空港」で爆弾を抱えた小心者の精神異常者ゲレロ役が忘れられず、この二作で彼のファンになってしまった。 ヴィクター・ヤングのスコアも印象深いが、なんと衣装はイーディス・ヘッドなのである。
血なまぐさい時代とともに消えていく、憂愁のヒーロー
投稿日
2020/08/06
レビュアー
ロキュータス
ロキュの69日連続レビュー V 第59日
( ネタばれあり)
最初に観たのは、十代の頃、たぶんテレビの洋画劇場で、これもおそらく30年以上ぶりの鑑賞。
長い間観ていない理由の一つは、ラストのジョーイ少年の「 シェーン !! カムバック !! 」があまりに有名で、センチメンタルで古風な西部劇と思い、食指が動かなかったためです。
それと、『 シェーン 』と言えば早撃ちで、60年代くらいまでは大人から子どもまで男子専科の遊びで、それも時代を感じたからです。 たとえばサミー・デイビス・ジュニアも西部劇のガンさばき、早撃ちが趣味でしたし、黒澤明の『 天国と地獄 』で誘拐される子どもたちの遊びも西部劇で、西部劇の決闘や早撃ちとかチャンバラが男子の普通の遊びというのは時代を感じます。
改めて観ると、やはり義理と人情の、旧世代の映画と時代を感じさせますが、さすがのクラシック名画で魅せますね。
まず、暴力シーンの描き方が意外にリアルなのに気づきます。
殴り合いのシーンは、娯楽西部劇でよくあるモブシーンとかと全然違って、重く痛みを感じさせるもの。
またフランク・ " ストーン・ウオール “トーリー( エリシャ・クック Jr )をジャック・ウィルソン( ジャック・バランス )が平然と射殺し、不敵な笑みを浮かべる歴史的なシーンは、やはり強烈な印象を残します。
シェーン( アラン・ラッド )に銃の撃ち方の手ほどきを受け、ジョーイ少年( ブランデン・デ・ワイルド )が目を丸くしあこがれを抱くシーンは愛らしい。
その後父親( ヴァン・へフリン)と母親マリアン( ジーン・アーサー)が深刻な話をしている後ろを、ジョーイ少年が「 バン、バン 」と銃を撃つ真似をしてまわるウザったい。
その対比が、暴力への誘惑と結果の悲惨さをよく表しています。
ジョージ・スティーブンスは戦前戦中は、『 有頂天時代 』『 陽気なルームメイト 』『 女性No. 1』など都会的で軽快なコメディを撮っていました。
しかし、第二次世界大戦後は『 陽のあたる場所 』『 シェーン 』『 ジャイアンツ 』『 アンネの日記 』などスケールの大きい人間ドラマに作風が変わり、アメリカを代表する巨匠となります。
その理由は戦争体験、特に解放直後のダッハウ強制収容所の記録映画を撮影し、ホロコーストを見てしまったからと考えられています。
家族のドラマを、置かれている社会状況を背景にスケール感を持って描き、その上で格調高く、人間の気高さをこめた作風となったのは、逆に悲惨な地獄をみたからこそ、なのでしょう。
この作品はジョンソン郡戦争を背景にしていると言われます。 1890年サウスダコダ州でウンデッド・ニーの虐殺があり、フロンティアの消滅( 対インディアン戦争の終結 。白人による征服の完成) があり、1892年ワシントン州ジョンソン郡で大規模牧場主と開拓農民の土地争いで、大規模牧場主側が殺し屋を雇って虐殺したという事件。
のちに、ジョンソン郡戦争を題材にした映画がマイケル・チミノの『 天国の門 』ですし、直接的には描いてないが『 リバティ・バランスを射った男 』も同様の土地争いを描いています。
ジョージ・スティーブンスは西部開拓の血塗られた歴史を踏まえたうえで、時代とともに消えていく憂愁のヒーローを描いて見せました。
血なまぐさい現実は耐え難く、その代わりに、美しい伝説が語られてきた・・・・・、それが「 西部劇 」であることを映画史に遺した一作です。
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