幸せのポートレート

この映画は最後まで変でした。
登場人物の誰一人として感情移入出来ない。
家族の中心であるママが第一に嫌な奴なんですから。
ラブストーリーなのかドタバタコメディなのかいったい何なの？
ちっともハートがウォーミングしません。
ただ出演者がごちゃごちゃ大勢居ただけなのに『ラブ・アクチュアリー』を超えるなんてよく言えたものです。

『きみに読む物語』のレイチェル・マクアダムズ が今回もきっつい役でした。
クレア・デインズは見るたびに男っぽくなっていると思うんですが・・・『ロミオ＆ジュリエット 』の頃の可愛さは何処へ行ったの？

予告編を観て
”彼の家族に気に入られようと必死になり、いつしか打ち解けて・・・”
みたいなノリの物語だと思っていたので、サラ・ジェシカ・パーカーを観る為だけに借りました。

・・・が、予想外に面白くて、あっとゆう間に終わっちゃいました。
私と同じ感覚で借りようかと思っている方には、十分楽しめると思います。

ダイアン・キートン、「恋愛適齢期」でも思ったのですが、味のある女優さんですよね。

どう考えても、この映画の主役はサラなのに、アメリカではクレア・ビーンズが主役扱いになっている！？
(エンディングでも、クレアの名が一番最初に出てくるし)
そこだけが納得いきません。。。

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この作品の、主役は一体誰なんでしょうか。
誰の目線で見るかによって、全然作品のイメージが変わってくるのでは？
私としては、誰の目線でも見ることが出来ず、登場人物の誰にも感情移入出来ませんでした。
だって、基本的に嫌な奴ばっかなんだもん。
メレディスは、堅物のキャリア・ウーマンというより、神経質なヒステリー女だし、エヴァレットは自分の恋人を庇いきれない中途半端な男。
ストーン家、何処が自由奔放でリベラルなのか、私には理解できない。
あれぐらい、普通なんじゃないの？
私の育った家庭では、普通に恋人の話や性の話、自分の嗜好や政治的な問題まで、兎に角色々話していたし、それが他の家庭と違っているとは、これっぽっちも思っていない。
逆に、ストーン家は、排他的なのでは？
身内だけで固まって、自分達とは異なった価値観を持った他者を受け入れない家族の、何処が自由でリベラルなのか。
特に末娘！
幾つの設定なのかは知らないが、あまりにも言動が幼稚で、最後までムカついた。
最後はあり得ないほどのご都合主義で、何だかなぁ、という気にさせられる。
これだけ個性的で豪華な出演陣なんだから、いっそのことこってこてのコメディにすれば、あり得ない程のご都合主義にも諦めが付いたのに・・・。
ダイアン・キートン、大好きな女優さんなだけに、何だかとても損した気分になってしまった作品でした。

　息子が連れてきた恋人キャリア・ウーマンを毛嫌いする母親や妹たち。それだけ一目見て嫌がるからには何か理由があるんだろうと「種明かし」を期待したというのに、これが何もないんだな。要するに気に食わないというだけ。あ、そうなの。そういうことならまあ、それでもいいんだけどね…。何か腑に落ちない。

　確かにわたしも一目みてこのメレディスのことは「嫌な女」だと思った。サラ・ジェシカ・パーカーがわたしの好みじゃないからだし、落ち着きの無いしゃべりかたとか、まったく「やな感じ」だ。だけど、やな感じなのは彼女だけじゃなくて、この映画に登場する誰もかれもが好ましく思えない。さしたる理由も無く他者を敵視したり、自由奔放な家庭をモットーにしていながら「異物」を毛嫌いする閉鎖性という矛盾した性質を抱えるオープンな家族とか、そういういった混沌とした状況がそのままに投げ出されたかのような映画なのだ。つまり、脚本が整理できていない。

　おまけに登場人物が多くて、ダイアン・キートンの一家が子沢山なのだ。兄弟が多い上にそのゲイの恋人までやって来るので、いったい誰と誰がきょうだいなのかと家族関係を把握するのに時間がかかってしまった。そのうえ台詞の流れが不自然で、ああ、これはハズレだったと思いながら見ていると、話はなんだか妙な方向へ動き出す。あれ？　れれれ？　というあたりから突然ドタバタコメディに早代わり、そうなると俄然面白くなってくるからやっぱり映画は捨てたもんではありません。

　途中からは　なんだか先が読めない展開になってきて、妙な可笑しさも漂い始め、「これ、ひょっとして面白いかも」と思えるようになってきた。そうなると一歩後退二歩前進って感じで映画の評価も猫の目大作戦。

　ま、ようするに花嫁の父は怖いの裏返しです。嫁はヨソ者、一家に受け入れてもらうには大変ということですな。ゲイのカップルが養子をもらうという話題とか、人種差別問題とか、なにやら社会派めいたネタも振ってはいるけれど、それが物語全体のなかでそれほど胡椒が効いているとも思えない。この映画は「多文化共生」とか「多様な価値観の共存」といったことを言いたいのだろうけれど、インパクトが弱い。

　完成度なんてまるで無視した説得力のないお話だけれど、それなりに楽しめたのでまあよし、と。

ラブストーリーなんだろうけど・・・もう一つリアルじゃないような・・・あまりにもオープンな家庭とお堅いキャリアウーマンって、何ともお約束的な発想で、ストーリーも一体、誰の何を主体に表現したいのかボケちゃっている気がする。本当にラブアクチュアリーを超えたのっ！ってツッこみたくなる内容だった。アメリカの家族愛って言えばそれまでだけど、どうも共感できないのは日本人のせい？正直、思ったよりツマらない作品でした。