キャプテン・フィリップス

実際にあったお話。

最近、実話の映画が多いと思うのは私だけでしょうか？

最後まで飽きずに観ることができました。
何といっても、このトム・ハンクスはとても良かったです。
演技に惹きこまれました。

ただ、ふと思ったのは、船長一人の為にアメリカは軍艦を動かし、シールズを投入し、大統領まで出てくる。
果たして、これが逆だったら・・ソマリアは何も出来ないでしょうね。
軍事力で大国アメリカに勝てるわけがない。
アメリカの強さを、見せ付けられた様な感覚に襲われました。
海賊でもしないと食べていけない貧しいソマリア。
途中で出てくる台詞が心に残りました。
「ニューヨークに行って車を買うんだ」

何だかな・・・政府がちゃんとしてあげないとね・・・簡単じゃないことなんだろうけど(-_-;)

海賊と思しき追跡船が危険海域に忽然と現れ、一旦は船長の
奇策で逃げ切るも、結局はしごをかけて武装勢力が乗船して
くるまでの前半部分、日常から非日常への転換は、恐怖感に
満ちており、ひじょうに見事です。

だからこそ、それ以降の展開、すなわち船員と海賊との
戦い、そしてただ一人拉致されるキャプテンと海賊との
攻防が、やや切れ味に欠ける点が惜しまれます。

そもそも、本作は実話ベースゆえに、キャプテンが超人
でなく、勇敢ではあっても、銃に立ち向かうわけではなく、
目隠しされているうちにドラマが進行することは理解します。

また、船内という閉塞的な舞台が作品に緊張感をもたらす
効果や、出航後は海のシーンしかない潔さも嫌いではありません。

だけど、米海軍SEALs がバックにあってこその作品で、
まあ、他国には作れんわなという白けた気持ちもあり。
（そう言えば、今日は劇場でみた名探偵コナンにも、SEALs
の連中が出てきたな。最近の流行りですか）

グリーングラス監督なら、後半ももっと面白く作れるでしょう
にと思ってしまったのが率直なところ。

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実話がベースという事で、結果がどうなるかは分かっていたのだけれど緊迫感がすごかった。
描き方がとても丁寧で、観ていてドキドキするシーンも。

ただ、大きいコンテナ船なのに、あんなにもあっけなく乗っ取られちゃうものなのかな〜って
思ってしまいました。一度は、振り切れたのに。犯人たちの執念はスゴイ。

3万ドルを貰って、さっさと過ぎ去ればよかったのに
もっと、もっとと欲を出す犯人たち。
でも、本当は、ボスに、もっと取れと言われてたんでしょうね。

途中で、犯人がＮＹで車を買うんだ・・・みたいな台詞を言っていて
この人たちのしている犯行は許せない事なんだけど
何だか、貧困のどん底を見てしまったようで
色々と考えさせられてしまい
ただ単に、ラストがハッピーで良かったね！！と
スカッと思えなくて、心がどよーんとしてしまいました。
特に、少年が射殺されちゃって
そのシーンは、少し悲しかったですね。

でも、そんな描き方をした監督に私は好感が持てました。
アメリカ万歳！的な描き方をされていたら
私、多分、この映画を観なかったと思います。（^^；）

こんな経験をした船長と乗組員の皆さんは本当に怖かっただろうなぁと
ただただ思って観ていました。
なのに、船長は、また復帰している。
すごい精神力だなと感動しました。

緊張感があってワクワクします。
演技力も良かったです。

ソマリアの、人材がもったいないと思った。
海賊に我が社に来て欲しいと思えた。
すごい優秀だと思う。
特にムセとビラルは。。。1，2年でトップになれる素因あり。

ムセが言った「他に道がなかったのか」のに対する、「アメリカならね」がとても印象的。アイリッシュも、ムセも分かっている。
平和と自由の尊さについて再確認させられる。

「昔はまじめにちゃんと仕事をしていれば船長になれた」などなど、この映画の伏線の数は凄い。制作者側のメッセージの強さと作品への思いの強さに感動します。
世界トップクラスの脚本家や監督、俳優、スタッフのすごさ、そして話の元となったフィリップス船長、海運会社、アメリカ軍、国連WFP、国際連合平和維持活動などなど。。。世の中まだまだあきらめてないぞ人類はと。。。想いがはせます。

隣村のビラルも優秀になり得たと思うが平和な社会では生きにくいと思われる。あの劣等感の荒ましさ。彼をこちらの世界に引き寄せることは難しいのかな。思想レベルから行くとバックにいる将軍とは相性抜群だろうなと思う。

もちろん、トムハンクス演じる船長は素晴らしい。
特に最後の最後まで、その瞬間瞬間で最良のできることを探り生き残る行動をしている。
家族の存在ってすごいなと感じた。現実には全然目立って見えないけど、ああいう家族関係になって生きたいなと感じた。
普段から意識して生きると緊急時にどう対応できるかが面白いほどヒットしている。
手紙を書き終え生きて帰るという希望の一線が切れた後の行動。
人事を尽くし天命を待つ瞬間、神は我を救いたもう。なんてね。

トムハンクスとよく共演する俳優さん。いい味出してる。クルーの勇気も凄い。やっぱ優秀な人の周りには優秀な人が集まってくるんだなと感じました。映画だけじゃなく現実はもっとかっこいいと思う。

マッチョなアメリカ兵をみて、おぉぉ〜なんて感じたり。。。ちょっとゲームっぽいかも。最近のEAのゲームのバトルフィールドとか見ていると、現実とゲームの違いが分からなくなる。ニュースのロシア軍を見て、ゲームまんまだと。
ああいうのに慣らされていいのか。狙撃やりてぇ。
が。。。狙撃対象や救出対象を考えると悲しい。が、やっぱりバンバン撃っちゃいます。そんなことを考えながらゲームなんてできないっしょ。

ムセもアメリカいけたし、フィリップスも生還できた。
これ、ハッピーエンドなのかな。
これ以上の落としどころが考えられない現実が少し悲しい。
そうせざる得ない現実を何とかしたいけど、ビラルのような人の方が声が大きいからつらいかも。愚直に努力に目を向けず目立ちたがりで劣等感があり奪うと破壊以外の方法ばかりが習慣の人種。。。

スクリーンから離れて我々も落としどころを思いながら生きていかなければと。。。爽快な娯楽映画ではなく、考えさせられる映画だと思う。

エンターテイメントの目的が現実を忘れるほど楽しい世界ならば、この映画はその線から外れている。土俵を意識してみれば、これは緊張感とはらはらどきどきを疑似体験ができて結構面白い。個人的にあたりの映画でした。