ブーリン家の姉妹

そーか、ヘンリー8世にも性的に魅力的な時期があったんですね〜。ヘンリー8世って、どうしてもアゴがめり込んだ肥満体の晩年の印象が強くていけないです。おまけに太った頃は足に潰瘍ができ（梅毒のせい？）じくじくと臭い膿を出していたっていうのだから、魅力のあった時代がエリック・バナなんて、なんてことでしょう。

個人的にはアナ・トレントが演じていたキャサリン王妃が一番好きでした。さすがイサベラ女王の娘。毅然として美しかったです。他の俳優さんは出身がバラバラなのに、ここだけちゃんとスペイン人だということにプチこだわりも感じられて感動しました。（考え過ぎ？）

余談ですが、姉妹の可哀想な弟の密告妻が許せんという人に朗報です。このあと彼女はヘンリー8世の５番目の妻のキャサリン・ハワードの侍女になりますが、キャサリン妃の不義密通（正真正銘）を手引きした罪で、王妃と同様に処刑されます。くびちょんです。因果応報ってやつですかね。夫に愛されなかった状況は同情できるけど性格悪過ぎでしたから。

史実では弟（兄との説もあり）だけではなく、全部で5人も不倫相手としてしょっぴいたヘンリー８世。そこまでするかなあ。やっぱ悪いおじさんだ。

に、惹かれて、劇場に観に行きました（笑）

ナタリーが魔性の女として悪名高いアン王妃を演じ、スカーレットが心優しいメアリーを演じるってだけでも、

観たいっ！！！

と思った人、大勢いたと思います。

で、観終わった感想は、と言いますと・・・

このキャスティング、ピッタリです。

勝気で激情的で脆く不安定なアン役をナタリーは見事に演じて、その対象ともいえる心優しく物静かでも芯のしっかりとしたメアリー役を、これまたスカーレットは見事に演じています。

ブーリン家の物語でもあり、国を大きく変えることになる愛憎劇でもあり、数々の陰謀も渦巻き、歴史物というよりしっかりとエンターテイメントの要素もある、見ごたえのある作品だと思います。

歴史物にありがちな分かりにくい為の退屈さというのは無いので、気軽に（？）このオドロオドロしくも感じる恋愛劇を楽しんでみて下さい。

韓流好きな人、好きかも。

『大奥』好きには、なにやら懐かしいドラマです。
イングランドの王ヘンリーにまつわる
男たちの出世のために道具とされた女たちの哀しい人生を
描いています。
まさしくイングランド版『大奥の女たち』？！
そこには、命をかけた女たちの闘いが
ドロドロと描かれていました。

ブーリン家、
知性と美貌を兼ね備える姉のアン（ナタリー・ポートマン）は、
叔父と父の出世のために
息子のいないヘンリー王の愛人として勧められるのですが
王に気に入られたのは、
なんと気立ての優しい結婚したばかりの妹メアリー
（スカーレット・ヨハンソン）でした。

妹メアリーを恨むアンは、王の愛情を自分に向けるため
そして、輝かしい王妃の座を奪うために
王を巧みに操って
ついに王妃の座に就くのですが…。

跡取りの息子を産めない女たちの過酷な生き様が
そこには描かれていました。
それにしても
なんて恐ろしい時代だったのでしょう。

大事に育てた子供たち３人を
身内の男たち（夫や弟）の出世の道具として
無残な姿になるまで見守リ続けなければならなかった
母のミセス・ブーリンの怒りと哀しい叫びが、
同じ母親として、切なかったです。

結局、アンが、産んだ娘エリザベスは
その後、４０年にも長きにわたり女王として
君臨しますが、彼女も決して平和な人生ではありませんでした。

アンが
欲しかったものは、真実の愛だったのか？
それともただの栄誉？
彼女の最期が、あまりにも哀しい…。

★★★☆☆

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イングランド国王ヘンリー８世の寵愛を受けることとなるブーリン姉妹。
王を巡り姉妹の間で巻き起こる波乱、そして歴史をも変えてしまう程の壮絶な愛憎。
陰謀渦巻く宮廷を背景に、スキャンダラスかつ美しくも哀しい恋の物語。

内容を知らずに、ナタリー・ポートマン×スカーレット・ヨハンソンの競演ってことで観たので、
これが歴史に刻まれた史実だと思うと、言葉選びが変かもしれませんがワクワクしてしまいました。
ブーリン家の策略で、王に差し出される娘たち。計算高く頭の切れる姉アンは、
王の愛人という誘惑に飛びつく、でも王に見初められたのは清純で心優しい妹のメアリー。
仲の良かった姉妹が一人の男を巡って、嫉妬や裏切りに歪んでいく関係には居た堪れなかったです。
夫を愛しているメアリーは、王の命令で愛人にさせられてしまうわけですが、
王の寵愛に次第にヘンリーを愛するようになるメアリーの幸福感は女性としては見逃せない一場面。

しかし、したたかなアンの行き過ぎた言動には恐れおののかされました。
あそこまで王を手玉に取り、メアリーを傷付け、王妃の座まで得ながら転落していく様には、
あまり同情の余地がないですね・・・王を愛したのではなく、王妃というステータスに
溺れただけですからね。後の国の在り方まで変えた女ってことはそれだけでも偉大だとは思いますがｗ
反対に姉想いのメアリーがアンや一族の思惑に翻弄される運命には心が痛かったけれど、
最後まで姉を想って奔走した、彼女の深い慈愛に少し救われた気がします。
アンとメアリーの対照的な生き方は、その最期までもが歴史に刻まれる結末でした。

後に女王として即位するエリザベス１世誕生の秘話って考えるとさらに興味深いですよね。
これが、ケイト・ブランシェット主演の『エリザベス』に繋がるのかと思うと、
もう一度見直したい気になりました。また新たな発見がありそうです。
史実としても面白いですし、ドラマティックに描かれていて夢中で観ちゃいました。
ナタリー・ポートマン×スカーレット・ヨハンソンの競演も見応えありますし！！
対照的な姉妹を象徴するかのように、いろいろな場面で色違いのドレスを身にまとい、
登場する二人がとても可愛らしかったです。

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​​サイコパスで名高いイングランド王ヘンリー８世の２番目の妻アン・ブーリン（ナタリー・ポートマン）を巡る話だった。
最初ヘンリー８世に気に入られたのはアンの妹メアリー（スカーレット・ヨハンソン）だった。
しかし、野心家のアンに心優しいメアリーは押しのけられる。
ヘンリー８世は男の子を強く望んだが、アンが生んだのは女の子だった。
おまけに次の子は流産だった。
ヘンリー８世から捨てられることを怖れたアンはそれを隠し、あろうことか、弟に自分と寝ることを強要する。
そして、二人が寝所に居る所を弟の妻に目撃され告げ口される。
哀れ、弟とアンは断頭台の露と消えた。
そもそも、家運の隆盛を画策した父と伯父に仕向けられた運命だった。
その後、父は失意の内に亡くなり、伯父はひ孫の代まで反逆罪で裁かれた。
史実ではアンと弟の近親壮観及び姦通罪は怪しいらしい。
第一、ヘンリー８世自体、ヒトラー以上のサイコパスと呼ばれる人物だ。
ことの真相は藪の中である。
ひとつ言えることは、権力はしばしば人を狂わせるということだろう。​
ともあれ、なるほど、美貌ではスカーレット・ヨハンソンよりナタリー・ポートマンの方がやや上かもしれない。
だが、相変わらず演技はややクサかった。​