ボビー

凄い！・・・。のは豪華出演人だけだった。
どうしても、こういった社会派ドラマってのは好きになれないと言う人が多いと思うけど、自分的には今まではそんなふうに思ったことはなかったけど、この作品に関しては結構辛かったなー。

一応は、ロバート・F・ケネディ暗殺事件が中心になってストーリーが進んでいくんだけど、実際のところは、L.A.アンバサダーホテルに偶然居合わせた22人の人間模様がメインになってるので、ある意味、暗殺されてしまったロバート・F・ケネディが違う意味でも可哀そうな気がしないでもない。おまけに当時の映像が使われるのはしょうがないと思うけど、かなり強引に現在の映像を紛れ込ませてしまうのはいかがなもの？って感じでした。さらに、L.A.アンバサダーホテル内でのストーリーになってるのは当然としても、実際のところは、話としても真実なんだろうか？とついつい疑問に感じてしまう。

もちろん素晴らしい作品だ！と言う方も多数いるでしょうけど、こういった作品ってのは、間違いなく見る人を選ぶでしょうね。
眠さに勝てる方はどうぞ・・・とまではいかないような気がしないでもない。

L.A.アンバサダーホテルでたまたま居合わせた人々の日常を描きながら、その当時のファッション、考え方、文化がさりげなく織り込まれている。
彼らの日常を軽めに表現しながら、願いや希望、夢もさらっと織り込み、それがボビー暗殺で、一瞬のうちに途切れてしまう。そして彼らの夢と理想の代弁者の命が一瞬の狂気で奪われてしまう。
その後、ボビーの実際の演説が流れてきてエンディングになる。その演説には当時、はびこっていた暴力、テロ、非人間的な言動に対する真摯な疑問、アメリカの憂うべき現状が映し出されていたし、それは今も全く変わらないものである。
そしてアメリカはこのような悲惨な歴史を幾度となく繰り返してきたし、将来も繰り返していくような気がするのはなぜだろうか？
普段の日常の中にアメリカの現状をさりげなく織り込み、それを普遍的な問題として表現した手法は見事としか言いようがない。
豪華なキャスティングはその手法をより効果的にしている。

独断オススメ度　　８７　　　アメリカン憂い痛感度　９０

豪華キャスティングが普通に見えてしまう不思議感　　９６

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監督がエミリオエステベス
制作総指揮　アンソニー　ホプキンズ



出演している俳優陣は全て素晴らしい。
けれど、監督ってやっぱ大事なんだなーって。今更ながら感じる作品。



どのシーンも俳優陣の演技が素晴らしく。それぞれの良さが全面に出ていると思う。シーン、シーンを追って行けば、本当に素晴らしい「シーン」が沢山ある。



しかしながら、映画として考えると、なんとも雑然とした漠然とした、観客を落ち着かせない映画だと思う。それが「狙い」であると言うなら、それは思いっきり「外れ」でしょう。


感動する。って、映画の登場人物の人となりに触れ、その人物を知れば知る程、その人物に自分の感情がシンクロして行き、だからこそ、登場人物の身の上に起こる悲劇が、まるで自分のことのうように、悲しくて、頭に来て、おかしい訳だから。


だから観客が登場人物の誰にもシンクロできない映画＝駄作となると私は思う。





俳優陣はやたら喜々としてそれぞれのキャラを演じているような感じを受けたけど。私はそのキャラの誰にもシンクロできず、映画が終わるまでずーっと気持ちを置いてけぼりにされて、口あーんぐりって感じだった。


特に最後、ボビーが襲撃されて、巻き添えになって数人が撃たれるんだけど・・・・・・。ボビーは亡くなって、他の被害者は命を取り留めた・・・・。っつーテロップだけ。え？？？？


と思った。そ、それだけ？



随分と乱暴な映画だ。


この時代には、私は生まれてないんだけど。どれだけ混沌とした時代であったかは、残された資料から想像するしかないんだけど。ここに登場するキャラの発言だけで、時代背景や思想や何かを汲み取れと？



映画と全く関係ないけど、アンソニー　ホプキンス制作総指揮ってだけあり、アンソニーに演技の駄目出しをされてる俳優達が想像されるんだけど・・・・・・（もちろん勝手な妄想だけど）。



ちゃんとした監督が居たら、もっと面白かったのに。




残念。

評価：★★☆☆☆（２つ）

豪華キャストに驚きました。

アンソニー・ホプキンス、デミ・ムーア、シャロン・ストーン、マーティン・シーン。

この映画ＪＦＫとは全く違った映画で、ロバート（ボビー）ケネディの暗殺事件に遭遇した人たちそれぞれのオムニバス映画です。

いろいろな人種、階級の差別、夫婦問題などが同時進行で描かれていて、伝えたい主張が１つではなく分散してしまったように感じました。

そのために、残念ながら感動には繋がりませんでした。

暗殺した人の背景、動機、行動をメインにした映画であれば、もっと分かりやすくストレートに映画を見ていて入り込めたように感じました。

ケネディ家の光と影。実際の当時の映像とうまくつながって、違和感なく見れた。豪華キャストもよかった。誰一人、浮いている人もなかったし。面白いところでは、エミリオとデミ・ムーアの共演。日本ではあんまりないような・・・？！当時のアメリカの状況、世界の流れ。人々がどんなにボビーに希望をもっていたか、とても感動的。ボビーの素晴らしいスピーチも聞けてよかった。こんなにも残酷な出来事があっても、今世界のリーダー的存在であるアメリカ。その力強さがわかるような、映画だと思う。
暗殺現場に居合わせた人々が誰一人亡くならなかったことが、ボビーの救いだったに違いない。色々と考えさせられる映画だった。