ワン・モア・ライフ！

（2019年製作・イタリア）
シチリア島のパルレモ。仕事帰りのピフがバイクに乗ってフ・フフ〜ンと鼻歌してると
横からトラックがドカッ！！
ピフは即死　♪オラは死んジまったダァー・・天国に行ったダァー♪
天国よいトコ一度はおいで♪

ピフが気がつくと、そこは役所なのか、ロースペックのパソコンを前に、スキル低そうな
ジイさんがモタモタと整理券を配布、「え〜、あなたは○億○番目の・・・」。
ピフはごねる。「俺は毎日ジンジャー入スムージーを飲んだのに、こんなに早く寿命くるの？」
ゴネてみるものだ、寿命の計算ミスが発覚したとの理由でピフは地上に戻れることになった。
しかし、そうは言っても時間はたったの「92分」。
さてさて、ピフは家族にちゃんと思いを伝えられるのか？・・92分で。

下界に着いて、場面はいきなりピフの不倫現場になる。
困ったことに回想シーンなのか妄想してるのかハッキリしない。（笑）
なにしろ、ピフはどこにでもいるオヤジだが、相手は超美女でゴージャス、
しかも相手からムンムン迫ってくる。（妄想だな）しかも一人や二人ではない。
みんな美人なのだ。おまけに奥さんもオシャレで若い。
（こりゃ死ねなかったなー）

ともあれ、ピフは奥さんに時間がないと打ち明け、子供たちともハグしまくる。
そして、運命の時間は来る・・・。
ま、そこそこ面白かったけどイタリア映画のこの作風が合うかどうかですね。
強くはススメません。

　舞台は陽気でのんびりしたシチリア島のパレルモ、中年で妻子持ちの主人公パオロは、いつものようにスクーターで仕事場から帰途につく。彼には変なこだわりがあって、両方の信号が赤になった一瞬に混雑した交差点を走り抜けるのを旨としている。（これ、危険なうえに立派な交通違反ですから、ゆめゆめ真似をされないように。信号が黄色になったので慌てて走り抜けるという、おばかな免許試験の問題を思い出します。）案の定、4分の１秒のずれで車と衝突、パオロはあえなく事故死する。

　天国に入る手続きで混雑している受付で、パオロは必死に役人に抗議する。そのかいあって、毎朝健康のために飲んでいるスムージー（！？）が寿命の計算にカウントされていなかったというミスが見つかって、その分数年という期待も虚しく、わずか92分だけ寿命が延長されて、付き添いの監視付きで地上に戻れることになる。

　与えられたこのチャンスにどれだけ有益で濃密な時間を過ごすのかと思いきや、それがいかにもイメージ通りのイタリアンな展開。ほとんどの時間は息子のフィリッポをスイミングスクールに迎えに行く時間に費やされ、サッカーの試合に気を取られたり、娘アウオラに着信拒否されたり。しんみりした家族との交流は最後の20分だけ。

　妻アガタとの出会いや子どもの誕生の回想シーンもあるにはあるのだけれど、大半の思い出が安易な浮気の数々。呆れます。家族に不誠実だった自分の実像や、いかに平々凡々の生き方をしてきたのかという現実を突き付けられ、後悔し反省するも、時すでに遅し、過ぎ去った時間はもう取り戻せない。浮気は別として、多くの人の人生なんて案外こんなものかもしれないと思ったりして身につまされます。

　すごく面白いかどうかは微妙ですが、死神までおおらかでアバウトというのは、いかにもイタリアらしいかもです。　

2019年　イタリア映画
監督：ダニエレ・ルケッティ

序盤の展開が面白かった。
ある日、お世辞にも理想的な父親とは言えないパオロ（ピエルフランチェスコ・ディリベルト）が、スクーターで出勤途中にあっけなく事故死してしまう。
交差点で赤信号でも渡れるという裏技を身につけていたが、4分の1秒でもズレれば一巻の終わりで、その4分の1秒ずれてしまったのだ。死後に手続きを受けるというのは「天国は待ってくれる」を連想させるしこの手続きが何ともユニーク。
自分の寿命はこんなに短いはずはない！と天国の入り口で猛抗議するパオロ。
これまでの人生を振り返って後悔し、もっと家族と一緒に過ごせば良かったと思うのはよくあること。
これが、死んでみて気がつくという発想と、天国の入り口でのやり取りも愉快。
お金を掛けて毎日飲んだジンジャー入りのスムージーも考慮されるべきと訴えるパオロに天国のお役人（？）がスムージーの分は計算されてなかったと認める。
パオロは計算されていなかったスムージーの余命一時間32分を貰って家族の元へ。
さぁ、パオロは家族との絆は取り戻すことができるのか？というお話。

私達はついつい大事なことを先延ばしにしがちです。
中弛みは否めませんが、ユーモラスな中にも家族への感謝や絆、そして生きている時間の無駄遣いをしてはならないと思わせてくれる。そんな要素が上手く混ざっています。
パオロと一緒に下界に降りてきた付き添い人（レナート・カルペンティエリ）もどこか温もりがあって憎めない存在感があります。

なかなか面白かったです。

事故で死んでしまった主人公パオロ。
あの世のゲートでの審査で、ちょっとした計算ミスにより
1時間32分早く死んだ事実が判り、地上に戻されます。
残された時間で冷え切った家族との関係を修復しようと奔走するパオロ。
今までの自分の行いを走馬灯のように振り返りながら
後悔でいっぱいになる彼は
果たして1時間32分で人生をやり直せるのか？

ちゃらんぽらんで面倒くさがり、浮気症で妻以外の女性との浮名の数々。
何故子供たちは自分を冷めた目で見るのか
何故妻は自分に辛く当たるのか
死ぬと判って初めて自分の今までの行いを悔いるなんて
後悔しても仕切れないことばかりで、
到底1時間32分で色々修復するのは至難の技でしょう。
どんな人でも後悔の無い人生などない。
だったら、死ぬと判ったときにいい人生だったと思えるように
日々精進しなされや、ということでしょうね。

それにしても、何故このパオロが女性にもてるのか
イタリア男の魅力は謎です(笑)

家庭をもつ普通の男が一瞬だけ生き返ったときどうなるのかという話でした。まぁ、映画ですし、イタリア男ですから、それなりに色々あって、その人生を振り返っていくような仕上がりになっております。

過去の女の話から、今の妻との出会い、そして家庭をもつまでの流れをところどころに挟み込みつつ物語は進んでいきます。うまい脚本であれば、うまく過去と現在を合わせながら物語を展開するのですが、現実のおっさんが思いだす思い出なんていうのはこんな感じで脈絡なく次から次へと思い浮かぶのかも知れません。

まぁ、よくあるパターンだなぁ、と思いながら観ていたのですが、おっさんも深くなると、ちょっとした何気ないシーンでもジンワリきます。

一瞬一瞬の日常を大事にしないといけないな、と改めて思います。それこそが幸せなんですよね。なかなかずっとそう思えないのが人間の悲しいところですが・・・