連続ドラマＷ　石の繭

「石の繭」（2015年・ＷＯＷＯＷ・カラー・１話：54分×５話＝計：270分）。

ＷＯＷＷＯＷのテレビ映画「連続ドラマＷ」の中の作品。原作は麻見和史の同名小説（2011年・講談社刊）。

しっかりした原作があり、連続テレビ映画の本領である長時間の確保、すぐれた脚本（「舟を編む」の渡辺謙作）、良い配役があれば、かなりのレベルの映像作品ができることを証明しているように思います。

如月塔子（木村文乃）は、亡父・功（仲村トオル）の後を継ぐように警察官を志望し、警視庁・捜査一課「殺人分析班」に配属されたばかりの巡査部長。
ある日、新橋の廃ビルの地下室で、床にモルタルで塗り込まれた男の死体が発見される。現場には、都内の美術館で開催されていた「大ポンペイ展」の半券が残されていました。
「ポンペイ」は南イタリアにあった都市で、紀元67年、ヴェスヴィオ火山の大噴火の火砕流と火山灰によって埋没し、逃げ遅れた多くの住人が犠牲になります。
1700年代中ごろからポンペイの発掘が始まり、火山岩や火山灰の中に閉じ込められていた住民の遺体のあとが見つかりました。多く遺体は肉体すべてが長年の間に溶けて消え、火山灰の中に遺体をかたどった空洞ができていました。
そこに石膏を流し込み、住民の最期の全身像を彫像として再現し、ポンペイの遺跡に展示されているそうです
最近、テレビ番組で、ポンペイの石膏像は風化しきていること、石膏像の中には人骨が残ったものがあり、それを調査・保存する活動があることを知りました。

ポンペイの話を長々と書きましたが、このポイントが270分すべてに交響しているのです。

「塔子」を演じた木村文乃は、もっとしっかりしたプロファイラーの役を演じられたはずですが、指定された役柄だから仕方ありません。好演です。
彼女をサポートする本庁・捜査一課のメンバーの男優たちが個性ある演技者で、このドラマに展開を重厚なものにしています。
「塔子」とコンビを組み、最初は非常にきつく当たる「鹿野秀昭」（青木崇高）が最も重要な役です。
二人ともに「殺人分析班」を構成する警部補「門脇」（平岳大）、ベテラン巡査部長「徳重」（北見敏之）、若い巡査部長「尾留川」（小柳友）。
捜査一課の係長「早瀬」（渡辺いっけい）、捜査一課のトップ「神谷」課長（段田安則）。

事件は連続殺人に展開し、第一の殺人の直後、「トレミー」を名乗る犯人から捜査本部に電話がかかり、「その後」「トレミー」「塔子」は毎日、午前８時に電話で会話を交わす。
犯人には非常な恨みがあり、第一・第二の殺人の被害者はそれぞれ「17年前」の未解決事件の加害者であったことが分かってきます。その未解決事件の捜査に「塔子」の父「功」が加わっていたことが分かります。
「功」の相棒は「神谷」でした。

同じ原作者、監督、木村・青木の主演コンビによる続編「水晶の鼓動」（原作：2012年、ＴＶ映画化：2016年）も続けて見たいと思います。

サスペンスというだけで、あまり期待もせずに借りた作品でしたが、結果 借りて大正解でした。
警察モノで主人公が女性刑事だと、できる女という設定が多いですが、この主人公は新米刑事で、あれこれ悩みながら勉強中の毎日。
木村文乃さんが好演されていました。
脇を支える役者さん方も皆さん素晴らしかったです。

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見始めて早々に犯人に気づいてしまった・・。でもそうなる過程・背景であったりとか、そこに行きつくまでの捜査官たちの努力とか過去とか、そういう面でもすごく楽しめたので、犯人がわかっていても十分おもしろかったです。ただ、私的には犯人の演者の方に迫力というか、重い過去を背負ってきたオーラみたいのが伝わらず、評価-1.5です。ネタバレになるかもしれませんがこの演者さんはかわいすぎて、きれいすぎて犯罪者向きではないなーと思いました。木村文乃さんはなんか、新しい一面を見たかな。新米刑事の初々しさが伝わってきました！内容もおもしろかったので書籍の方も拝読しています。

木村文乃のサスペンスドラマと思って借りたのですが、これは拾い物ですね。いやー、面白かったです。
いきなり捜査一課に配属され、犯人との交渉役に抜擢され、爆発などに巻き込まれたり、大変ですが、如月塔子の今後の成長が楽しみですね。

お芝居が(笑)話し飛んじゃう位破壊力あるなぁ

かわいいだけなのね