ダークナイト　ライジング

デント検事殺害の罪を被ったまま、姿を消したバットマン。けれども、ゴッサムシティに、街の破壊をもくろむ凶悪犯ベインが現れたことで、億万長者のブルース・ウェインは、再びバットマンとなって戦うことを決意します。
冒頭の飛行機の機体ごと拉致するシーンが凄かったです。
飛行機の拉致が予想以上すぎて、正直なところこれ以上凄いシーンがこの後になかったのはちょっと残念でした。
前作から８年後。恋人レイチェルの死から立ち直れず、他人との接触を避け、世捨て人のように暮らすブルースの前に現れたのは、敵か味方か不明の謎の泥棒キャットウーマン（アン・ハサウェイ）と、不気味なヘッドギアを付けた史上最凶の男ベイン（トム・ハーディ）。
肉弾戦が凄くてバットマンがかなりやられると、胸が痛みましたが、悪役ベインが、最後にはやはりバットマンをより際立たせるために存在しているような気がしました。そこが前作に比べてもの足りない。やっぱり、ジョーカーを演じたヒース・レジャーの存在感には届かず、中々それを越えられませんね。

ブルース・ウェインの心の葛藤に相当な時間を割いたことや予告編で爆破シーンを見せすぎたことで、ベインの恐ろしさが半減してしまったことを残念に思いました。ベインによって無秩序化したゴッサム・シティに絶望しか感じれない中盤がちょっとだるいのと牢獄からの脱出のシーンとか長すぎるのは、終盤の意外性を出すための為のミスリードだったような気がします。それでも、それをも凌駕するクライマックス。余りに壮絶で、胸を締め付けられる幕切れ。魂を賭けた戦いには鳥肌が立ちます。ブルースの苦悩と哀しみが深く胸に突き刺さる作品でした。

今回は、両親を殺害され警察署で怯えているウェイン少年とゴードン警部の出会いのシーン(回想)がカットインされグッとくる場面が明かされ、ジョセフ・ゴードン＝レヴィットが演じる警官ジョンには、ラストに「そうか、彼が彼だったとは！」なども。
富と貧困、恐怖心と宗教、 自由と暴力などなど、 社会の不条理と人間の心の闇を織り込んで見事でした。

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いやぁ〜どんどん磨きが掛かっている「クリストファー・ノーラン」は天才だ！
この人は常に観客の目線に立って映画を製作しているサービスマンだ！
主観的にならず、客が何を望んでいるかが分かっている営業マンだ！

２時間４５分と言う長さ・・これが最適な上映時間だとは知る由もなかった・・
長編にも拘わらず飽きる場面が一切無かったのでスクリーン釘付け。

今回の敵は「トム・ハーディ」が強靭な肉体の持ち主として登場。
バットマンと闘ってもどっちが勝つか分からんようになっている。
つまり、巨漢で迫力抜群の一撃必殺の超人的なパワーを持つ殺人鬼、私の大好きなキャラ！
実際にバットマンがフルボッコされか〜なりの重傷を負い病院送りみたいな事になる。
北斗の拳で言えば、救世主ケンシロウが皇帝サウザーに一度敗れたのと同じ緊急事態＾＾

ゲイリー・オールドマンのセリフ「偶然を信じないから刑事だ」が印象的だったが
これでこのシリーズも完結。。。 あ・・もう終わってしまったか・・寂しいなぁ・・＾＾

復活を遂げた闇の騎士が破壊寸前のゴッサム・シティーを危機一髪で救う
と言うこの堂々たる直球勝負の傑作をぜひご覧あれ！

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待ちに待った３作目。映画館に見に行きました。
物語も映像もド迫力！スケールの大きさに圧倒されました。

キャストもいいんですよね♪みんな素晴らしいけど、特に執事のアルフレッド役のマイケル・ケイン。
「ぼっちゃんが生まれた時からずっと見守ってきました」って、もうその絵が見えるような雰囲気なんだもの。
キャットウーマン（アン・ハサウェイ）も魅力的でした。

（以下、派手にネタバレしています）
　
周到に計画を立てた強大な敵、べイン。ゴッサム・シティ滅亡へのタイムリミットが刻一刻と迫る…
息もつかせない緊迫した展開に引き込まれました。

そして、心底びっくりしたあの事実！！
「べインがラーズ・アル・グールの息子」という展開に「おおーっ？！」と見ていたら、なんとなんと「ミランダ・テイトが娘」だったとは！
昔の映像の、壁を登る子どもの顔はとってもかわいらしくミランダの面影あったし、背中に傷があったり「昔は貧しかった」と語るシーンがありました。
後から考えたら、ちゃんと伏線張ってあった…でも全然気づかなかったですよ！

ラストはアルフレッドが語った、あの休暇のオチになると思った…（じわーっと涙が…）
「過去を消せるソフト」も「自動操縦」の件も、後でうまく使ってきれいにまとめてあったなあ。やっぱうまいわー。クリストファー・ノーラン監督。

でもちょっとツッコミたいことも…

★ブルース・ウェイン、女性に騙され過ぎでしょ！
（お坊ちゃんだから仕方ないか…）

★副署長、役に立たなさすぎでしょ！
（こういうフツーの人も必要か…）

★べインと戦う時、いかにも怪しげなマスクを狙ったらよかったのに！
（そこで勝負ついたらあっけな過ぎるか…）

★ゴードン署長へ…「今頃かいっ！」
（前２作の細かいところ忘れてたけど、ゴードンはバットマンがブルースだってこと知らなかったんだっけ。主要人物の割には最後の最後で…）

　とりあえず『ダークナイト』を楽しんだ人（僕も）は観て損はないと思いますが、うーん、という感じです。お話の続きを観た、というだけかなあ。
　いろいろとっ散らかって重々しくして、で細部はいい加減。これ『ビギンズ』の感想にとても近いです。『ビギンズ』観たときには、まさか『ダークナイト』があんなに面白くなるわけないと思ったけど、また元に戻っちゃった。
　『インセプション』もイマイチだったし、クリストファー・ノーランって、やっぱ映画はヘタなんじゃないでしょうか。
　大変なお金がかかっていると思いますが、今回はちっともスケール感出ていません。　一応、前作では「ゴッサムシティが滅びること」は世界の終りのような気がしたのですが、今回はコップの中の嵐にしか見えない。
　登場人物それぞれの苦悩も雰囲気だけ台詞だけなんで、途中からどうでもよくなります。キャット・ウーマンひとりとっても、そんなに過去を消すことが大事で大変なの？　と思っちゃう。　ティム・バートン版の異形の者の苦しみみたいなのは皆無だから、きれいだけどマネキンのようでエロティックではないし。
　まあ反ウォール街デモなんかを想起させてショボいお話は仕方がないとして、やっぱね……「原子炉」の扱いはこのご時世ちょっと感じるものがどうしてもあります。この映画は社会的な対立・抑圧がテーマですから、この核の扱いの軽さは単にＳＦアクションだからということで収まらないです。『トゥルーライズ』とか『インディジョーンズ３作目』みたいなお笑いにするなら諦めがつく部分もあるんですけど、一方で社会派をきどっているわけですからね。この無知感には脱力しそうになりました。そこは今の日本を生きるものとしては、どうしても思ってしまうわけです。切り離して楽しめ？　まあそういう意見もあるでしょうが、映画は現実世界と隔離されているものではないと思います。
　とまあいくつも突っ込みどころや脱力どころはありました。いちいち挙げないですが、ひとつだけ本当にひどいなあと思ったのを書くと、「奈落」（この設定もつまらん）からブルース・ウェインが脱出するシーン。それまでのジャンプと何が違うのか、達成感ゼロの演出は逆の意味で瞠目に値します。
　キャットウーマンがドでかいバイクに乗って走り出した瞬間は、僕がこの映画で唯一胸躍らせそうになった瞬間でしたが、あまりにＣＧ臭がきついので醒めてしまいました。
　２作目が突出して面白のは珍しい、というＫＡＳＰＡＲさんの意見はまさにその通り。やっぱジョーカーのおかげだったのかなあ。３５点。　

映画館で観終わった後、グッタリしてしまった。
計算され尽くした精緻な完成度の『ダークナイト』より、荒削りでゴツゴツした印象。前作のジョーカーと比べてゴリ押し系のベイン様御一行が敵役というのもあるし、バットマンの立場の浮き沈みが激しくて、ダイナミズムが強まったというのも大きいんだと思う。

今回は目に見えるカタチでの、ゴッサムシティ侵略のスケールがデカい。基本的にバットマンは孤独な存在だから、これを一人で解決できるのかと心配になってしまう。そもそも、彼がスーパーヒーローでいられる“ゆえん”が奪われる時点で、とんでもなく絶望的な状況だし…。

165分と上映時間は長いが、それを感じさせない濃密さ。陽気な作品ではないので、「面白くてアッという間！」ってワケじゃないが、終始緊張感が持続し、退屈する時間を与えられなかった。観てるだけで、カロリーをだいぶ消費した感じ。

これほど見事なトリロジー、近年では『ロード・オブ・ザ・リング』くらい。ドル箱企画だけに、映画会社がそのうちまた新しいバットマンシリーズを作るだろうけど、どう考えても無謀なチャレンジになりそうです。