鉄道員 / ピエトロ・ジェルミ
鉄道員
/ピエトロ・ジェルミ
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全体の平均評価点: (5点満点)
(27)
解説・ストーリー
第2次世界大戦後のイタリアに生きる庶民の人生の歓びや哀しみを、ある一人の初老の鉄道機関士の姿を通して描いた感動作。50歳のクリスマスを迎えたイタリアの鉄道機関士アンドレア・マルコッチは、末っ子のサンドロから英雄のように慕われていたが、長女のジュリアと長男のマルチェロからは、その厳格さや律儀で一徹な態度から敬遠されていた。しかしそんな彼らもやさしく献身的な母サーラがいるおかげで毎日平穏に暮らしていた。
第2次世界大戦後のイタリアに生きる庶民の人生の歓びや哀しみを、ある一人の初老の鉄道機関士の姿を通して描いた感動作。50歳のクリスマスを迎えたイタリアの鉄道機関士アンドレア・マルコッチは、末っ子のサンドロから英雄のように慕われていたが、長女のジュリアと長男のマルチェロからは、その厳格さや律儀で一徹な態度から敬遠されていた。しかしそんな彼らもやさしく献身的な母サーラがいるおかげで毎日平穏に暮らしていた。
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「鉄道員」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
第2次世界大戦後のイタリアに生きる庶民の人生の歓びや哀しみを、ある一人の初老の鉄道機関士の姿を通して描いた感動作。50歳のクリスマスを迎えたイタリアの鉄道機関士アンドレア・マルコッチは、末っ子のサンドロから英雄のように慕われていたが、長女のジュリアと長男のマルチェロからは、その厳格さや律儀で一徹な態度から敬遠されていた。しかしそんな彼らもやさしく献身的な母サーラがいるおかげで毎日平穏に暮らしていた。
「鉄道員」 の作品情報
「鉄道員」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
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鉄道員のシリーズ商品
鉄道員
第2次世界大戦後のイタリアに生きる庶民の人生の歓びや哀しみを、ある一人の初老の鉄道機関士の姿を通して描いた感動作。50歳のクリスマスを迎えたイタリアの鉄道機関士アンドレア・マルコッチは、末っ子のサンドロから英雄のように慕われていたが、長女のジュリアと長男のマルチェロからは、その厳格さや律儀で一徹な態度から敬遠されていた。しかしそんな彼らもやさしく献身的な母サーラがいるおかげで毎日平穏に暮らしていた。
収録時間: |
字幕: |
音声: |
110分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/イタリア語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
PCBH70098 |
2004年10月20日 |
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
3枚 |
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鉄道員 デジタル・リマスター版
第2次世界大戦後のイタリアに生きる庶民の人生の歓びや哀しみを、ある一人の初老の鉄道機関士の姿を通して描いた感動作。50歳のクリスマスを迎えたイタリアの鉄道機関士アンドレア・マルコッチは、末っ子のサンドロから英雄のように慕われていたが、長女のジュリアと長男のマルチェロからは、その厳格さや律儀で一徹な態度から敬遠されていた。しかしそんな彼らもやさしく献身的な母サーラがいるおかげで毎日平穏に暮らしていた。
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110分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/イタリア語
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レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
OPSDR886 |
2009年11月06日 |
在庫枚数 |
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7枚 |
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鉄道員
作品詳細を開く
- 収録時間:
110分
- 字幕:
日本語
- 音声:
1:ドルビーデジタル/モノラル/イタリア語
- レイティング:
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PCBH70098
- レンタル開始日:
2004年10月20日
- 在庫枚数
3枚
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第2次世界大戦後のイタリアに生きる庶民の人生の歓びや哀しみを、ある一人の初老の鉄道機関士の姿を通して描いた感動作。50歳のクリスマスを迎えたイタリアの鉄道機関士アンドレア・マルコッチは、末っ子のサンドロから英雄のように慕われていたが、長女のジュリアと長男のマルチェロからは、その厳格さや律儀で一徹な態度から敬遠されていた。しかしそんな彼らもやさしく献身的な母サーラがいるおかげで毎日平穏に暮らしていた。
鉄道員 デジタル・リマスター版
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110分
- 字幕:
日本語
- 音声:
1:ドルビーデジタル/モノラル/イタリア語
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OPSDR886
- レンタル開始日:
2009年11月06日
- 在庫枚数
7枚
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第2次世界大戦後のイタリアに生きる庶民の人生の歓びや哀しみを、ある一人の初老の鉄道機関士の姿を通して描いた感動作。50歳のクリスマスを迎えたイタリアの鉄道機関士アンドレア・マルコッチは、末っ子のサンドロから英雄のように慕われていたが、長女のジュリアと長男のマルチェロからは、その厳格さや律儀で一徹な態度から敬遠されていた。しかしそんな彼らもやさしく献身的な母サーラがいるおかげで毎日平穏に暮らしていた。
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ユーザーレビュー:27件
死が二人を分かつまで
(ネタバレあり)
初めて観たのは日曜洋画劇場、ごく初期のころ何周年かの特別企画だったと思います。
今回たぶん四半世紀以上ぶりに観ました。 やはり名画だと思いましたが、古さを感じたのも正直なところ。
最近観た『 ジャイアンツ 』には古さを感じなかったのは、最初から自分たちとはかけ離れた世界の描写だったからでしょう。
反対に、貧乏な家族の絆を描いたこの作品には、かつてはとても親近感を感じてわかりやすかったのが、観ている私たちの日本社会自体が大きく変わってしまったので、古く感じてしまうのだと思います。
アナログ、演歌やシャンソンのメロディ、家族や職場との濃密な絆、熱い感情のぶつかりあう社会から、デジタル、ロックやヒップ・ホップのビート、希薄な人間関係、冷めた感情の社会に変わりました。
たとえば『キューポラのある街』と『トウキョウ・ソナタ』は同じ国の映画とは思えないほど、時代は変わったのですね。 この映画の後のヌーベルバーグがいかに映画を変えたのかも感じます。
家父長、父の威厳、男の沽券は今やすっかり衰退した男性像ですし、酒のみに対する見方も変わって、豪放さよりもアルコール依存だとして白眼視されてしまいます。
さて、当時は日本でもまだまだ離婚は少なかったですが、カトリックの国、イタリアに離婚法ができたのは1970年のこと。
それでもローマ教皇庁に批判され、現在でも協議離婚はできず、手続きに数年を要して離婚がしにくい国と聞きます。
この映画の公開時、離婚は法律的にできない(結婚の取り消しという「なかった」ことにはできた?)ということは、この映画の娘夫婦の別居状態も事実婚ならぬ事実別居、事実離婚ということでしょうか。
避妊も中絶も非合法ということは、できちゃつた婚になる可能性が高いとおもいますが、シングルマザーに否定的で男が責任を取って結婚すべきというのは、当時の日本でもまず当たり前の世間の感覚。
それから日本だとシルヴァ・コシナほどの美貌でセクシーだったら、あんなクリーニング工場ではなく、もっと高収入の水商売で働くのじゃないでしょうか。
夫婦は死が二人を分かつまで添い遂げるしかない社会なんですね。 アンドレアの奥さんも大変。
いまや否定的なレッテルを張られたら、家族からも切り捨てられ離散されますが、どんなに憎みあっても家族の絆、仲間の絆は絶対だったんですね。
また労働者階級に生まれたら、そこから抜け出るのは大変なのでしょう。
BSで放送した際、山本晋也監督は、アンドレアの最期の場面、妻のシーンにはレンブラント・ライト(頭上からの照明、天上からの光を表す)が使われていると解説していました。
悲惨なことがいろいろあっても、この映画は救いになって終わっています。 人生を肯定しているんですね。
(ykk1976さんの映画会・第7回としてレビュー)
このレビューは気に入りましたか?
14人の会員が気に入ったと投稿しています
テイストはかなり古いけどサンドロ坊やがあまりにも可愛らしい
投稿日:2006/03/26
レビュアー:吟遊旅人
運転士たちの過酷な労働、鉄道事故、労働者たちの団結とストライキ、スト破り、家庭内のゴタゴタ、と一通り労働者生活の悲喜こもごものすべてをこの映画は丁寧に描いていく。
かわいいサンドロ坊やの歳の離れた姉が女優のように美しい。こんな場違いに美しい娘が鉄道員の貧しい家庭にいるとは! でもこの家、社宅(官舎)なんだろうけど、うちの家よりずっと広いんじゃないの? 部屋数が多いし。日本のうさぎ小屋に比べれば安アパートでもヨーロッパの家は広いわ。
ま、そんなことはともかく、家長としての矜持を暴力的に発揮する父親、やさしい母親、かわいい息子、美しいけれど幸せではない娘、とまあ、いろいろあって、父親の運転士は事故のせいで配転させられて、とこれまたいろいろあって、結局最後はなんだか暖かい、一家の物語。
てな具合に、一生懸命働いているニッポンのお父さんの涙を絞りそうな展開。人の一生が幸せだったかどうかは死ぬときにわかる。このマルコッチは幸せだったに違いない。
ということで、イタリアの清く貧しい家父長制を懐かしむにはぴったりの映画。やっぱりテイストはかなり古い。
このレビューは気に入りましたか?
13人の会員が気に入ったと投稿しています
人生は簡単でなく、生き難く、でも美しい
ずっと観たいと思っていましたが、ピエトロ・ジェルミといえば、社会派ドラマの監督で、
世相を切り取った暗い映画を作るイメージ。
(一作も見ていないけど、映画のストーリー紹介文も決して明るくない)
それで、主催している映画会(ディスカス上で有志が月1回同じ映画を観る催し)で、
みんなで見ちまおうということで、今回やっと観ました。
確かに、若く明るい歌声に〜♪など鼻歌を歌いながら、気楽に観れる映画ではないですが、
いい作品というのは、胸を打ち心を泣かすものです。
監督・脚本も手がけているピエトロ・ジェルミのガンコ親父がもういるだけでいいです。
俳優なのに、石炭の匂いのぷんぷんするぽっぽやにしか、どうひっくりかえしても見えない。
彼を支えるつつましいお母さんもまた愁いがあってよく、美男だができそこないの長男、
新婚なのになぜか薄倖の美女である長女、末っ子のサンドロがかわいくてしょうがないです。
サンドロ(サンドリアーノの愛称もかわゆく、彼にぴったり)の目線で映画は進んでいくんですが、
「人生は簡単ではなく、生き難く、でも美しい」としみじみ思います。
うちの子は2歳ですが、九州新幹線全線開通のあおりを受けて、バリバリの鉄男です。
この映画を観ながら、鉄道の仕事をさせるのも悪くないと思ってしまいました。
厳しく、責任の重い、人の命を背負う大変な仕事でしょうが、
みんな仕事に矜持や誇りを持っている姿を見て、心奪われました。
ヴィットリオ・デ・シーカ作品を観ても同じく感じたのですが、
この映画にもやはり少し昭和の日本の匂ひを感じました。
なんか、向田邦子作品を原作に作られた久世光彦演出のドラマのような感じと言ったら
いいでしょうか。
「こんな1年がありました」というナレーションを黒柳徹子さんが語りだしたら、
しっくりきそうな気がします。
映画は娯楽ではあるが、喜びでもあると、つくづく思える映画です。
(ykk1976の映画会・第7回)
このレビューは気に入りましたか?
10人の会員が気に入ったと投稿しています
ガンコ父さんに祝福の光。
投稿日:2011/04/15
レビュアー:ぴよさん
見事なる「ホームドラマのお手本」 平凡な労働者一家の一年間の悲喜こもごもを
切り取っている。ドラマの視点は幼いサンドロ少年に、また家族を俯瞰出来ているのは
母親サーラだけ。主人公であるはずの「ガンコ父さん」アンドレアが、最も家族のこと
が見えていないという構図だ。 (もちろん「見えてはいない」が「考えてない」わけ
ではない。)
鉄道一筋に生きてきたアンドレアにとって、その根幹はプロ鉄道員としての矜持。
それを根拠として家族を統べ、自分に関わる人々との関係を保ってきた。突発的な運命
によってそれが失われた時、全ての歯車がガタガタと狂い始めるのは必然か。
彼が「スト破り」をした理由は、曖昧にされている。組合にとって、経営者側に付い
てスト破りをする者は、非常に都合の悪い存在だ。一部でも職場が稼動してしまうこと
は、ゼネストのインパクトを著しく弱めるわけで、組合から見れば最大の裏切り行為と
言える。アンドレアの場合はさらに、「仕事を干された彼を労組が守ってくれなかった
ことへの意趣返し」とも取られかねず、仲間達への二重の敵対行為となりかねない。
だが、おそらく話はごく単純。彼はただ純粋に「列車を運転したかった」だけだ。
組合員や父親である前に、彼は鉄道員なのだ。「乗ってくれ」と言われれば、彼は
乗るだろう。それがどんな結果を引き起こすかなんて、深く考えることもなしに。
この映画が製作された1956年。時代は、ソ連でフルシチョフによるスタリーン批判が
展開され始めた共産主義混迷の時代。各国の共産党や労組も次世代の労働運動の
方針を巡って、かなり動揺していたと思われる。
ピエトロ・ジェルミの視線は、急進的な労働運動に対しては批判的だ。労組幹部が
官僚化し、労働者の傍から離れてしまっているサマ(アンドレアの主張は全く聞き入れ
られない)を見せ「労働者の思いから乖離した抽象的・観念的な労働運動に、果たして
どれほどの意義があるのか」と、寂しく笑っている。
その意味でこの作品は、ジェルミのポピュリスト的側面を素朴に表現していると思うが
それは決して声高なものでは無い。
最期の場面で撮影のレオニーダ・バルボーニは、陰になった部屋の中でアンドレアの
手元とギターだけに薄く光を当てた。名も無い労働者の人生を、まるで天国からの光で、
優しく照らすかのように。 アンドレアは、祝福されたのだと思う。
「ネオリアリズム」鉄道も本線は分岐し、ロッセリーニ号が分岐点で形而上的表現方面
へと、デ・シーカ号やジェルミ号は人の心の機微や人情劇方面へと針路をとった。
人生もまた様々に分岐し、時に再会を果たしたり、永遠に交わることなく別れたりする。
それ自体がまるで、線路のように見える。
(ykk1976さんの映画会・第7回レビュー)
このレビューは気に入りましたか?
10人の会員が気に入ったと投稿しています
格調高い質感がウリ
投稿日:2006/06/17
レビュアー:ひきむすび
一人の少年の目に映る 家庭の崩壊と再生の物語。
失くして初めてわかる大切な存在を切に訴えてきます。
この作品の特筆すべきは 画像です。
抑え目の光でしっかり隅々まで照らしきられ
白黒作品の中でも 格調高い質感が出た逸品です。
このレビューは気に入りましたか?
10人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
死が二人を分かつまで
投稿日
2011/04/15
レビュアー
ロキュータス
(ネタバレあり)
初めて観たのは日曜洋画劇場、ごく初期のころ何周年かの特別企画だったと思います。
今回たぶん四半世紀以上ぶりに観ました。 やはり名画だと思いましたが、古さを感じたのも正直なところ。
最近観た『 ジャイアンツ 』には古さを感じなかったのは、最初から自分たちとはかけ離れた世界の描写だったからでしょう。
反対に、貧乏な家族の絆を描いたこの作品には、かつてはとても親近感を感じてわかりやすかったのが、観ている私たちの日本社会自体が大きく変わってしまったので、古く感じてしまうのだと思います。
アナログ、演歌やシャンソンのメロディ、家族や職場との濃密な絆、熱い感情のぶつかりあう社会から、デジタル、ロックやヒップ・ホップのビート、希薄な人間関係、冷めた感情の社会に変わりました。
たとえば『キューポラのある街』と『トウキョウ・ソナタ』は同じ国の映画とは思えないほど、時代は変わったのですね。 この映画の後のヌーベルバーグがいかに映画を変えたのかも感じます。
家父長、父の威厳、男の沽券は今やすっかり衰退した男性像ですし、酒のみに対する見方も変わって、豪放さよりもアルコール依存だとして白眼視されてしまいます。
さて、当時は日本でもまだまだ離婚は少なかったですが、カトリックの国、イタリアに離婚法ができたのは1970年のこと。
それでもローマ教皇庁に批判され、現在でも協議離婚はできず、手続きに数年を要して離婚がしにくい国と聞きます。
この映画の公開時、離婚は法律的にできない(結婚の取り消しという「なかった」ことにはできた?)ということは、この映画の娘夫婦の別居状態も事実婚ならぬ事実別居、事実離婚ということでしょうか。
避妊も中絶も非合法ということは、できちゃつた婚になる可能性が高いとおもいますが、シングルマザーに否定的で男が責任を取って結婚すべきというのは、当時の日本でもまず当たり前の世間の感覚。
それから日本だとシルヴァ・コシナほどの美貌でセクシーだったら、あんなクリーニング工場ではなく、もっと高収入の水商売で働くのじゃないでしょうか。
夫婦は死が二人を分かつまで添い遂げるしかない社会なんですね。 アンドレアの奥さんも大変。
いまや否定的なレッテルを張られたら、家族からも切り捨てられ離散されますが、どんなに憎みあっても家族の絆、仲間の絆は絶対だったんですね。
また労働者階級に生まれたら、そこから抜け出るのは大変なのでしょう。
BSで放送した際、山本晋也監督は、アンドレアの最期の場面、妻のシーンにはレンブラント・ライト(頭上からの照明、天上からの光を表す)が使われていると解説していました。
悲惨なことがいろいろあっても、この映画は救いになって終わっています。 人生を肯定しているんですね。
(ykk1976さんの映画会・第7回としてレビュー)
テイストはかなり古いけどサンドロ坊やがあまりにも可愛らしい
投稿日
2006/03/26
レビュアー
吟遊旅人
運転士たちの過酷な労働、鉄道事故、労働者たちの団結とストライキ、スト破り、家庭内のゴタゴタ、と一通り労働者生活の悲喜こもごものすべてをこの映画は丁寧に描いていく。
かわいいサンドロ坊やの歳の離れた姉が女優のように美しい。こんな場違いに美しい娘が鉄道員の貧しい家庭にいるとは! でもこの家、社宅(官舎)なんだろうけど、うちの家よりずっと広いんじゃないの? 部屋数が多いし。日本のうさぎ小屋に比べれば安アパートでもヨーロッパの家は広いわ。
ま、そんなことはともかく、家長としての矜持を暴力的に発揮する父親、やさしい母親、かわいい息子、美しいけれど幸せではない娘、とまあ、いろいろあって、父親の運転士は事故のせいで配転させられて、とこれまたいろいろあって、結局最後はなんだか暖かい、一家の物語。
てな具合に、一生懸命働いているニッポンのお父さんの涙を絞りそうな展開。人の一生が幸せだったかどうかは死ぬときにわかる。このマルコッチは幸せだったに違いない。
ということで、イタリアの清く貧しい家父長制を懐かしむにはぴったりの映画。やっぱりテイストはかなり古い。
人生は簡単でなく、生き難く、でも美しい
投稿日
2011/04/15
レビュアー
ykk1976
ずっと観たいと思っていましたが、ピエトロ・ジェルミといえば、社会派ドラマの監督で、
世相を切り取った暗い映画を作るイメージ。
(一作も見ていないけど、映画のストーリー紹介文も決して明るくない)
それで、主催している映画会(ディスカス上で有志が月1回同じ映画を観る催し)で、
みんなで見ちまおうということで、今回やっと観ました。
確かに、若く明るい歌声に〜♪など鼻歌を歌いながら、気楽に観れる映画ではないですが、
いい作品というのは、胸を打ち心を泣かすものです。
監督・脚本も手がけているピエトロ・ジェルミのガンコ親父がもういるだけでいいです。
俳優なのに、石炭の匂いのぷんぷんするぽっぽやにしか、どうひっくりかえしても見えない。
彼を支えるつつましいお母さんもまた愁いがあってよく、美男だができそこないの長男、
新婚なのになぜか薄倖の美女である長女、末っ子のサンドロがかわいくてしょうがないです。
サンドロ(サンドリアーノの愛称もかわゆく、彼にぴったり)の目線で映画は進んでいくんですが、
「人生は簡単ではなく、生き難く、でも美しい」としみじみ思います。
うちの子は2歳ですが、九州新幹線全線開通のあおりを受けて、バリバリの鉄男です。
この映画を観ながら、鉄道の仕事をさせるのも悪くないと思ってしまいました。
厳しく、責任の重い、人の命を背負う大変な仕事でしょうが、
みんな仕事に矜持や誇りを持っている姿を見て、心奪われました。
ヴィットリオ・デ・シーカ作品を観ても同じく感じたのですが、
この映画にもやはり少し昭和の日本の匂ひを感じました。
なんか、向田邦子作品を原作に作られた久世光彦演出のドラマのような感じと言ったら
いいでしょうか。
「こんな1年がありました」というナレーションを黒柳徹子さんが語りだしたら、
しっくりきそうな気がします。
映画は娯楽ではあるが、喜びでもあると、つくづく思える映画です。
(ykk1976の映画会・第7回)
ガンコ父さんに祝福の光。
投稿日
2011/04/15
レビュアー
ぴよさん
見事なる「ホームドラマのお手本」 平凡な労働者一家の一年間の悲喜こもごもを
切り取っている。ドラマの視点は幼いサンドロ少年に、また家族を俯瞰出来ているのは
母親サーラだけ。主人公であるはずの「ガンコ父さん」アンドレアが、最も家族のこと
が見えていないという構図だ。 (もちろん「見えてはいない」が「考えてない」わけ
ではない。)
鉄道一筋に生きてきたアンドレアにとって、その根幹はプロ鉄道員としての矜持。
それを根拠として家族を統べ、自分に関わる人々との関係を保ってきた。突発的な運命
によってそれが失われた時、全ての歯車がガタガタと狂い始めるのは必然か。
彼が「スト破り」をした理由は、曖昧にされている。組合にとって、経営者側に付い
てスト破りをする者は、非常に都合の悪い存在だ。一部でも職場が稼動してしまうこと
は、ゼネストのインパクトを著しく弱めるわけで、組合から見れば最大の裏切り行為と
言える。アンドレアの場合はさらに、「仕事を干された彼を労組が守ってくれなかった
ことへの意趣返し」とも取られかねず、仲間達への二重の敵対行為となりかねない。
だが、おそらく話はごく単純。彼はただ純粋に「列車を運転したかった」だけだ。
組合員や父親である前に、彼は鉄道員なのだ。「乗ってくれ」と言われれば、彼は
乗るだろう。それがどんな結果を引き起こすかなんて、深く考えることもなしに。
この映画が製作された1956年。時代は、ソ連でフルシチョフによるスタリーン批判が
展開され始めた共産主義混迷の時代。各国の共産党や労組も次世代の労働運動の
方針を巡って、かなり動揺していたと思われる。
ピエトロ・ジェルミの視線は、急進的な労働運動に対しては批判的だ。労組幹部が
官僚化し、労働者の傍から離れてしまっているサマ(アンドレアの主張は全く聞き入れ
られない)を見せ「労働者の思いから乖離した抽象的・観念的な労働運動に、果たして
どれほどの意義があるのか」と、寂しく笑っている。
その意味でこの作品は、ジェルミのポピュリスト的側面を素朴に表現していると思うが
それは決して声高なものでは無い。
最期の場面で撮影のレオニーダ・バルボーニは、陰になった部屋の中でアンドレアの
手元とギターだけに薄く光を当てた。名も無い労働者の人生を、まるで天国からの光で、
優しく照らすかのように。 アンドレアは、祝福されたのだと思う。
「ネオリアリズム」鉄道も本線は分岐し、ロッセリーニ号が分岐点で形而上的表現方面
へと、デ・シーカ号やジェルミ号は人の心の機微や人情劇方面へと針路をとった。
人生もまた様々に分岐し、時に再会を果たしたり、永遠に交わることなく別れたりする。
それ自体がまるで、線路のように見える。
(ykk1976さんの映画会・第7回レビュー)
格調高い質感がウリ
投稿日
2006/06/17
レビュアー
ひきむすび
一人の少年の目に映る 家庭の崩壊と再生の物語。
失くして初めてわかる大切な存在を切に訴えてきます。
この作品の特筆すべきは 画像です。
抑え目の光でしっかり隅々まで照らしきられ
白黒作品の中でも 格調高い質感が出た逸品です。
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