パーク　アンド　ラブホテル

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　劇場で見逃してしまいとても楽しみにしていた作品だったが、実に退屈だった。確かにメ・メスケさんのおっしゃるとおり、辛気臭い作品でもある。そしてラブホテルであるという必然性があまり感じられないのは、致命的と言えるかもしれない。
　設定は惹かれるものがないではない。ラブホテルの屋上に忽然とある小さな公園。キャッチコピーのいう、「魂の解放区」に触れることによって、人生の一歩を踏み出す女性たち。映画はオムニバス状に三人の女性のエピソードをつないで、そこに解放区のヌシたる艶子（りりィ）の隠された過去が――。
　脚本は、むしろ陳腐と言っていいほどよくある成長話であるし、言わずもがなの独り言の多用などどうかと思うのだが、舞台の猥雑さをうまくとらえれば『ラースと、その彼女』のようなハートフルなエンタテインメントになりそうだ。逆に言うと、そのくらい軽く扱ったほうがいい題材だろう。
　うまくすれば楽しい作品になったかもしれないが、題材を重々しく捉える演出が、中身の薄さを目立たせてしまう。監督は脚本も書いているそうだから、このお話が詰まらないものだという客観的な視点がないのが辛い。
　屋上の公園に集う人々が、お年寄りも子どもも謎のミュージシャンも、楽しそうにふるまっているのに、ちっとも楽しく見えない。ラブホテルの屋上の狭苦しい公園なら、普通の公園と同じでいいのか、と僕は考える。
　子どもが遊んでいて、お年寄りは碁か将棋をやっていて、ヘンな音楽を演奏して歌う（しかもジプシー系）って、そこらの公園みたいだ。発想が貧困で、これは「解放区」とはとても思えない。いかにもな要素が狭い空間に押し込められて、むしろ「抑圧的」でさえある。
　大まかには、屋内では揺れる手持ちカメラ、屋外では引き目の固定ショット、どちらも長回しを多用している。ところが映画的な感動が少しも起きないのだ。ホテルの前を掃除するりりィの長回しは、ただ掃除しているだけで、何も伝えていない。その脇をちはるが歩いて行くカットなど、イメージの反復が映画に魅力ではなく退屈を与えてしまっている。
　これは、才能の差というものかもしれない、と思う。やっぱり大した話ではない『犬猫』の井口奈巳や『ジャーマン＋雨』の横浜聡子が、演出で面白い映画を作りあげているのに比べてしまうと、本作のダメさがはっきりするのである。
　頭で映画を作りそうな人だから、ハネケ路線かテレビ的エンタメの世界に向いているような気がする（大きなお世話である）。
　りりィは雰囲気はとてもいい。でも演技はよくない。艶子という人物が少しも魅力的でないからだ。35点。

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陽な存在の公園と陰で淫な存在のラブホテル。
この真逆の合わせ技にはとても興味がそそられるし、
ヨーロッパの映画のような曇った色彩で、
退廃的でありつつオシャレな雰囲気を窺わせる。
ただしかし。
なにしろ退屈なことこの上ない。そしてそんなにオシャレでもない。

りりぃと三人の女たちの絡み（Ｈな意味ではない）が中心に話しが進んでいくのだが、
りりぃの演技が全然魅力的でないし、三人の女がイラタダシいばかりで
まったく物語に惹き込まれない。特に一人目の女中学生の言い草には腹がたつ。
せっかくラブホテルなんだから、お色気シーンはなくてもいいとして、
もっと男女の色恋沙汰とリリィとの絡みで話を進めてほしかった。
あまり、ラブホテルの意味がない。

なんか辛気臭かった。

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　ラブホテルの屋上に公園があるってんで、みんなの憩いの場になっていて。そこの未亡人と集まる3人の女性の話。

　最初の話の少女と女主人が一番濃密だった気がします。残りの2編の女のひとたちは、結構な偶然が重なる感じを受けました。
　主人と少女が暗闇からぼんやりと浮かんでくるシーンの出来は秀逸だと思いました。

　ラストカットでみせる女主人の表情も素晴らしい出来だと思いました。彼女に関わる女性たちは、みんなどこかが救われていく感じでしたが。主人だけが、救われない映画で。最後の食卓での涙は、何ともいえない気持ちで見てました。

　妙にインディーズチックな長廻しで、やたら上映時間が長くなってしまった印象を受けました。もう少し、短いほうが個人的には面白かったと思います。

　にしても、ラブホテルの屋上で子供を遊ばせておいても。親は何も言わないのかしら?　なんて思いました

りりィさんは強そうで、冷たそうで、無機質な外見。（めちゃめちゃ失礼、ごめんなさい）
そこから、にじみ出る優しさとか温かさとかせつなさとか．．．
媚びてない感じがものすごくあって、いつも印象に残る。

そんな彼女が主演の映画。
やはり一人で生きている女性の役がぴったしで絶品。

孤独を感じていそうだけど、大丈夫そうで...
強さを感じさせるのに、なんだかせつないほど脆そうで...
ポーカーフェイスなのに感情がめちゃめちゃ伝わってくる。

公園とラブホテル。外面と内面。強さと弱さ。子供と大人。建前と本音。
なんか色んな正反対のものが、ポーカーフェイス。
だけど一色単になって持ちつ持たれつ生きていることを実感．．．