キング　罪の王

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

この作品は、旧約聖書に出てくる「カインとアベル」の様な、古くから語り継がれている永遠のテーマをもとに、作られた様です。
私の乏しい知識の中で、ちょっとだけ説明しますと、
「アダムとエヴァ」は、楽園を追放された後、「カイン」と「アベル」という子供を授かった。
ある日、神への捧げ物を持って礼拝所へ行き、弟アベルは、一頭の子羊を捧げ、兄カインは、いくつかの穀物を祭壇の上に置いた。神は、アベルの子羊を「よし」と言った。
それを聞いたカインは、神に拒絶された怒りを覚え、アベルを殺してしまう・・・というお話し。
昔・・・聖書という授業があって、その中で、この「カインとアベル」の話を思い出しました。
たとえ、血を分けた兄弟でも「憎しみ」を感じ、止めることができずに殺してしまった。この悲劇、親の愛を感じられずに今でも、あるかなぁ〜と。

悲劇の後で行き着いたところは、父の元。エルビスは、言います。
「ざんげして天国へ」
たとえ、懺悔したとしても、天国には行けないと思っていると思います。
父から、もっと早くに与えられるべきだった愛を・・・
この悲劇が起こる前に、エルビスは、もっと早くに愛されるべきだったのです。
偽善に満ちたアメリカンビューティーの崩壊に・・・
出るのは、ため息ばかりです。

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

解説を読まずに観たので、私にはエルビス青年が復讐するために
父親家族に近づいたとは感じなかった。
異母兄弟の妹にしたって彼女に惹かれたのは兄妹の関係を
知る前だったし、弟を刺してしまったのも向こうが脅してきた結果である。父親から息子と迎えられたときのエルビスの嬉しそうな顔に復讐する気など全く感じられない。あまり復讐劇だとは
思わずに観た方がいいと思うよ

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

見捨てられた子どもが見捨てた親に復習をする。
復讐の手段は親の持つ幸福な家庭と社会的地位を崩壊させること。
たとえ最初の出会いで父が優しく接したとしても計画は実行されたに違いない。
冷ややかな実行力で着々と実の妹を惑わせ弟を排除し、その母に取入る。

わずか16歳の娘は突然現れた謎めいた青年に惹かれる。箱入りの世間知らずな娘が、強引な男とずるずると深みにはまり、真実の愛だと勘違いする風情がよく出ていた。ぎこちない姿態が徐々に大胆になるが、官能的でもなく初体験の男に引きずられるように従う姿が何かしら不憫である。演じたペル・ジェームスの実年齢が20代後半とのこと、とてもそうは見えなかったが、だからこそ出来た演技なのかもしれないと思った。

教会には大勢の信者集い牧師の社会的信望も厚い。息子は大学進学を控え、娘は素直、妻は従順。一見順風な関係に見える。しかし聖職者といえども彼は威圧的で傲慢な部分を持っており、それに従う家族には自覚しないまでも反発心が潜んで見えた。その辺りのウィリアムハートも上手いし、無機的な表情の妻や垢抜けず世慣れしない息子の演技もよかった。

こうした襞の間のような描写がちゃんと描かれているのでドロドロストーリーが下品になってない。信仰に基づいているはずの家庭の崩れ方があまりにあっさり脆く、その実行に迷いやためらいはないように見え、事件は過激ながらもとてもさらっと描かれている。エルヴィスの蛇のように冷たい残虐性が計画を淡々と進めていくため由縁だろう。105分にサッとまとめてある。この映画の魅力は感情を抑えた復讐劇。その方法が激情的、暴力的というより、拭いきれない大きな罪を彼らに負わしめ、呵責に苦しめる点だろう。面白いと思いました。


でも牧師さんがおおっぴらに鹿を撃つってのもすごいですね。キリスト教は殺生とか精進の観念が仏教と違うのか、あるいはワザとの演出ですか？

懺悔を受け入れたのかどうか・・・。
これ以上の復習はないだろうっていうやり方。

もしもエルビスが父親から金の無心に来たような迎えられ方をしなければ、もっと再開を喜んでくれていれば結果はどうなったのか？
きっとこうはなってなかっただろうなぁ・・・。

彼が実の兄だと知った時の妹の苦しそうな顔が印象的。

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

海軍を除隊した主人公エルビスは、かつて母と自分を捨てた父に会いにいくが、幸せな家庭を築いた上に、牧師として信頼を集めている父から冷たく拒絶される。エルビスの存在を「過去の過ち」としてすまそうとする父に対する、壮絶な復讐が始まる。
かわいい顔をした青年が、近親相姦も殺人もいとわず、自分を拒絶した父を着々と破滅に追いやっていく様が非常に恐ろしい。

ガエル・ガルシアファンの私は、もちろん映画館でみましたが、そもそも上映期間がものすごく短かったし、レディースデーに混雑を覚悟でいったのに、ものすごく空いていて拍子抜けしました。ガエル・ガルシアの人気もまだそれほどじゃないってことなのか。

私はどうも海軍のセーラーカラーの制服に弱いようで、この映画のガエル・ガルシアといい、「父親たちの星条旗」のライアン・フリップといい、あの制服姿にクラッときてしまう。
この映画で主人公は父親への復讐のために、実の妹と知りながら誘惑するのだが、最初のデートに誘うときには、あの笑顔で　What are you afraid of?　そういわれたらどこへでもついて行ってしまうよね。妊娠したことを打ち明けると、手を握って　We can keep it.　そういわれたら、なんとかなりそうな気がするよね。
とにかく私はずっと誘惑される妹の気分でみました。
ほんとは宗教を批判した映画なんだろうけど、すみません、こんな見方しかできなくて。こんなレビューで。