ブラック・ジャックスペシャル　〜命をめぐる４つの奇跡〜

この作品は一昨年のクリスマスに放送されたＴＶスペシャル番組を収録している。その番組はブラックジャック生誕３０周年記念番組であった。カルテ１「医者がどこだ！」カルテ２「勘当息子」カルテ３「Ｕ−１８は知っていた」カルテ４「ときには真珠のように」の４話を収録している。

この時既にＴＶシリーズの放送が決まっていたのであろうが、その前哨戦という意味合いだったのかスペシャル番組で４話分をまとめた形になっていた。であるからして、作画レベル、キャラクター設定は今現在、毎週放送されている物と同じレベルである。今までに発表されているＯＶＡや劇場版と比べると作画レベルは低いと言わざるを得ない。スペシャルという事でＢＪの誕生の秘密が最初にどの話とも関係なくオープニングで描かれている。この番組のコンセプトが「命」であるならばピノコ誕生秘話やＢＪの顔の皮膚の色が何故違うままになっているのかも是非描いて欲しかった。

４話ともＢＪファンであれば誰でも知っている作品ばかりである。第１話では命の価値について描いたもので、原作と基本的に同じであるが大きく違うのはデビィがアクドの顔から股別の顔に整形し直すシーンは原作にはない。第２話では誰が一番母思いなのかを描いたもので、車の故障ではなく原作では列車の架線故障になっている。またピノコは同伴していない（笑）。第３話ではコンピュータの自覚について描いたもので、Ｕ−１８がとても近代的なデザインになっている（笑）。また診察などに人の形をしたホログラムが描かれているが原作で機械の手だけである。また最後子供のホログラムが出てくるが原作では女性の顔らしきものが画面に表示されるだけである。この辺はテレビ用の演出だろう。第４話では人体の神秘をＢＪの恩師である本間丈太郎先生のオペ中のミスの話に搦めて描いたもので、原作では喫茶店にいる本間先生の娘である久美子は登場していない。「人間が生きものの生き死にを自由にしようなんておこがましいと思わんかね」のセリフはとても深いものがある。

男が男に惚れさせるニヒルでかっこいい色気のある男である。架空の彼に夢中になる女性が多くいることもうなずける。漫画で読んだことのあるストーリーばかりだったのでちょっとがっかり、その点ではつまらなかったが、中身は漫画を読んでいない人にとっては非常に面白いと思う。商業的にはドラえもんなどの藤子不二雄に叶わなかった手塚治虫だが、ブラックジャックは、彼の漫画の奥深さを感じさせる代表的な作品だ。

現在放映中のＴＶ版と同様，原作を大切にした製作姿勢に好感を覚えます。放送時間の関係もあってか，若干冗長な印象を受ける場面もありますが，キャラデザインやセリフまわしなど原作のファンにはうれしい限りではないでしょうか。
全４話の中で，個人的に気に入っているのは第４話です。やはりブラック・ジャックという医師の出発点となったエピソードだと思います。
医療の限界を突き付けられながら，それでも医師を続ける道を選んだその答えが第１〜３話に示されていると思います。そして，本間先生の姿を借りて，ＢＪを見守る原作者の暖かい眼差しが感じられます。
豪華フルコース的なＯＶＡ版もたまにはいいけど，家庭料理的なＴＶ版も飽きが来なくていいですよ！

ブラックジャックの原点が描かれていると思います。
個人的には４話目が一番世良かったかな。
天才外科医、ブラック・ジャックでもどうする事も出来ない事だってあるんです。
これからブラックジャックを見てみようかと思う人は最初にこの、命をめぐる４つの奇跡
を見る事をオススメします。

期待通りのいつものブラックジャックでした。