血を吸う宇宙

本作は一応究極脱力ホラー『発狂する唇』の続編の位置付けで、前作で視聴者は、見たまんまの捻り無のネーミングにサプライズした中西学新必殺技「上からドン」を食らったかのような笑撃を受け、瀕死の重傷を負わされたのですが、今回も懐かしの永源遙唯一の必殺技「唾攻撃」を受けたかのような「何で当たるねん」と自分の鈍い逃げ足に舌打ちし、その場に居合わせてしまった事に後悔を伴う笑撃に打ちひしがれることになるやもしれません。

前作に引き続き点が集合しても線にはなりえない現実を強制的に実感させられる、ぶつ切り脱力ギャグが奔流の如く押し寄せます。
勿論どれも下品極まりない下ネタ風味の為、女性の方は吐き気を伴う悪寒が走るかもしれません。
しかし、お下劣耐力が常識以上のキワモノ物好き体質の方にとっては腹筋が休まる暇も無いでしょう。

前作の見せ場であった、三輪ひとみ「穴が有れば入りたい劇場」や大杉蓮「天狗音頭」等のサプライズイベントは影を潜めたものの、今回も三輪ひとみは心斎橋にて『ノックは無用』魅惑の大変身で魅せてくれ、物語の重要な役回りを受け持つ似非関西弁を駆使する代議士・亀山パンチなる御仁は明らかにエロダコ・横山ノックをもじっており不可思議な笑いを常時振り撒いてますし、Ｊホラーの重鎮、黒沢清や中田秀夫も何食わぬ顔で物語を無駄にかき回し、阿部ちゃん＆ルーシーのＦＢＩコンビも、前作で犬死したはずのルーシーが何食わぬ顔で奇跡の復活を果たし、またまた大袈裟すぎる”オー！ノー！”をひたすらリピートする洋モノ雄叫び艶声をご披露、阿部ちゃん今回は重要な狂言回しを任命され『血を吸う宇宙』ではなく『乳を吸う宇宙』で雄叫びを上げる始末。

要注目はやはり刑務所内での吉本新喜劇級のドタバタっぷりでしょうか。
唐突な女囚さそり世界に歌謡ショーをぶっこみ、挙句の果てに三島ゆり子ひとりガラス芸で余計なサービス税を徴収する始末。
止めは前作踏襲の意味不なカンフーアクションで一気にボルテージを下げてくれます。
さて、一体この作品はコメディなのかホラーなのか一体何のジャンル？って疑問が生じますが、勿論あくまでホラーです。

今視覚でとらえているこの世界は本当に現実に起きている事象なのか？
自分の記憶はアブダクションされ改変されたのではないのか？
人間と宇宙人の混血児は存在するのか？
自分の家族は本当に地球人なのか？
リインカーネーションを信じていいのか？
揺るぎないはずの現実に隙間が生じ、その隙間から魔が顔を現し、現実の世界を食い散らかしていく・・・日常の事象全てに疑心を持ってしまう恐怖を味わう魔訶不思議ホラーなのです(*^m^*)

ちなみに主演を演じた中村愛美嬢の魅力で作品を牽引していると云っても過言では無い、可憐なルックスに似合わない思わず顔を赤らめそうなお下劣演技もなんのそのと、体当たり演技で男性諸氏の視線を釘づけにさせてくれるのも心地良いですね。
このシリーズ、マドンナは様々なこっ恥ずかしい演技をこなさないといけないので、同情心を恋心と勘違いせずに冷静な鑑賞を推奨しますｗ

わたくし、ホラーは小学校高学年レベル(またまた進化!)なので、正直言って高橋洋の「本質的ホラー」を受け入れる度量はまだできておりません。ですから、『ソドムの市』も本作の前作に相当する『発狂する唇』も、そしてもちろん本作も、その愉しさをわかり得ていないと正直に白状しましょう。確かに表面的に見れば、あちこちで言われているように「程度の低い自主映画」っぽいかんじはあるとは思いますし、少なくとも何の前提もなく無心に楽しめる作品だとも思えません。でも、高橋洋のやることなんだから、何なあるんじゃないか、あるはずだとの思いもあります。まあ、この作品に限らず映画(鑑賞)は慣れによるところが少なからずありますので、いつかわかる日が来るんじゃないかな、なんてね。

でも、ことこの作品に関してはそれなりに楽しむことはできました。ただし、『発狂する唇』の続編としてと言う前提が付きます。前作と同じキャラが同じ役割で多数出てくるために、それだけで結構笑えましたし、楽屋落ちなどと言われているようですが黒沢清と中田秀夫のシーンは無条件に笑わせて貰いました。余談になりますが、黒沢清は『刑事(デカ)物語』の幾つかにもちょい役で出ているのですが、なかなか良い役者ですよね。もっといろいろな作品に積極的に出て欲しいと思います。

あっ、念のために言っておくとこの作品はジャンルとしてはコメディーではなくてホラーですし、上記で私が「わかりたい」と言ったのは、この作品におけるホラーの要素のことですので・・・。

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これ、恐ろしい話ですが実話です。
オカルト現象検証番組で、いつも「たま出版」の編集長が大槻教授と喧嘩になりますが、どちらの立場に立つかで見方が変わってきます。（ちなみに私はどっちもどっちと思います。）
UFOビリーバー達の信じている話を集めた、ある意味本当の話です。新耳袋の妄想版？として楽しんでください。

まず始めにこのジャケットご覧下さい！そしてこのタイトル！
Ｂ物（Ｂ級）の匂いがプンプンですよ！
思わず即借りですよ！

作品が始まるや昭和の匂い、しかも日活のような感じがたまりません♪音楽、撮り方、理解しがたい話の内容、無茶苦茶なストーリー展開、シュールな笑い。どれを取ってもＢ物の要素満載です！

シリアスな展開になれば、次にはコメディー展開へと最後まで目が離せません！

霊的な話、宇宙人、インディアン、ＦＢＩ・・・挙句には主人公が

　　　　　　　『敵は日本政府！』

いやぁ、名言ですよｗ凄い台詞です！
終盤には、まさかのカンフーアクションまで！思考回路がついていけません！

阿部寛さんの演技も秀逸です！主役の中村愛美さんも良い女優さんですねえ。

私にとっては“とんでもない金脈を掘り当てた”感じでした！
実に楽しい作品でした。すばらしいＢ物でした！
特典映像の『血を吸う宇宙外伝　変身』も必見です！

ただ気を付けて頂きたいのがＢ物好きで無い方や
単に“阿部寛　阿部サダヲ　荒川良々”のファンだからと借りる方にはお薦めできません。


※Ｂ物とは決して作品を貶してるわけではありません。
　マイナーだが愛すべき作品としての称号と思って下さい。

すごい、すごすぎる。こんな映画初めてかも。絶対借りた方がいいと思いますよ。驚かせられまくりです。口ずっと開けっ放しです。最高！