インターナル・アフェア　背徳の囁き

リチャード・ギアーが悪の世界に手を染めた警官役を演じたところに、多大なインパクトあり。ハンサムでボディーも良いが、演技が今いちかな〜と、思っていた矢先。かなりな演技力を見せられました。対するアンディ・ガルシアは『８００万の死にざま』で強烈な悪役のイメージあり。その彼が、善なる警官役。二人の味がうまく絡み合い、ラストの息つまる展開へ。Ａ・ガルシアの妻役を、ナンシー・トラヴィスが演じていましたが、若くて可愛くて、美しかったです。『ローズ・レッド』では、やはり年には勝てないかな？と感じました。未見の方はどうぞ。

　『背徳の囁き』という邦題からは何やらエロちっく〜なイメージを持ってしまいがちなのですが、実際はそういうもんではありません（そんな場面も若干かわいいのがありますが）。『インターナル・アフェア』という原題のとおり内部調査もので、悪徳警官リチャード・ギアと内務捜査官アンディ・ガルシアの対決を描いた作品です。
　ただし、いわゆる頭脳戦は展開されません。
　まさにゲスな男、リチャード・ギアに煽られるように、本来冷静沈着であるべき内務捜査官アンディ・ガルシアは感情的に突っ掛かっていきます。そんなわけなので、全体的には荒っぽく、また粗っぽい一作といえます。
　けれどもまあ、観てる間はけっこう引き込まれます。リチャード・ギアが本当に嫌な男を演じているので、この野郎を最後にどう料理して溜飲を下げさせてくれるのかってところに、いっそうの期待感が湧き上がります。
　けれども、その湧き上がった期待感は残念ながら微妙にはずされます。いやこれでいいと思われる方もいるかもしれませんが、やっぱりリチャード・ギアの最後のセリフには、“何で急に”という？マークが灯ります。だから、観終わった後に何とも釈然としない思いが残ってしまいます。こんなものかと思えばこんなものだし、残念といえば残念です。　
　ところで、本作をじっくり観直したのはかれこれ１０年以上ぶりになるのですが、エンドロールでイライジャ・ウッドの名前を見つけてちょっとビックリしました。当時はまるで認識していなかったもので。まあ、年齢的に子役での出演だと思うのですが、本編観直している時にも全然気がつかなかった。けど、思い返すにウィリアム・ボールドウィンの息子を演じていたのがきっと彼でしょう。
　これからご覧になる方がおられたら、ちょっと注意して観てみてください。

ロサンゼルス市警の凄腕警官のデニスは、部下も巻き込んで、
蓄財から汚職、麻薬取引のピンハネと、最悪の悪徳警官だ。
プリティ・ウーマンも11990年作品だがどちらが先に封切られたのか？
プリティ・ウーマンのナイスミドルの王子様とは真逆の役柄だ。
4人の妻たちに8人の子供たち。
そして更に、同僚警官の妻とも浮気を繰り返す・・・。
悪事をバラす警官は殺して口封じをする。
もう信じられない悪徳ぶり。
彼を摘発するのが新任内務調査員のレイモンド(アンディ・ガルシア)です。
彼も相当にしつこい男で、情熱の方向は違っても、執念では、
テニスと似通っています。
観ていて気持ち悪くなる位、悪役のリチャード・ギア。
「プリティ・ウーマン」と並べて観たら、腰を抜かしますね。

この映画はリチャード・ギアが悪役
やってるのがよいです。
アンディ・ガルシアの正義感あふれる
主人公を演じてますが、なんたって
この映画の見所はデニス刑事です。
悪役が良い（悪役もという事）映画は
良い映画が多いですけど、この映画も
その一つです。主人公だけが光ってる
映画はなんだか物足りないですよね。
Q&A（似てる映画）も面白かったけど、私はこっちの
方が好きですね。

背徳の囁き（１９８９年・アメリカ、カラー、１１５分）
　＜ビデオ・タイトルは「インターナル・アフェア／背徳の囁き」＞

クレジット１位ながら、リチャード・ギアが悪徳警官を演じ、対するアンディ・ガルシアがノーブルな顔立ちの警察内部監察官を演じています。２人の好対照な役柄が見どころです。

ロス市警のベテラン警官デニス・ペック（リチャード・ギア）は、犯罪組織との闇取引をはじめ、強引な捜査や捏造でを繰り返す悪徳警官だ。彼の相棒ヴァン（ウィリアム・ボールドウィン）が丸腰の人間を誤射した際も、死体にナイフを握らせて事件を捏造した。そんな折、ロス市警に内部監察官であるレイモンド・アヴィラ（アンディ・ガルシア）が着任した。彼は早速、女性刑事のエイミー・ウォーレス（ロウリー・メトカーフ）と共に、ヴァンの発砲事件の調査を行う。ヴァンと警察学校時代の友人であったレイモンドは、ヴァンが薬物依存であることを見抜く。更に調査を進めていくうち、ヴァンや仲間の警官たちが
デニスの斡旋するアルバイトで副収入を得ている情報を掴む。一方、ヴァンの告発を恐れたデニスは、闇組織を使ってヴァンの抹殺を画策する。デニスはレイモンドの妻キャスリーン（ナンシー・トラヴィス）にも接近していくが．．．。

リチャード・ギアの悪徳警官ぶりは、ストーリーが進行していくにつれて超醜くなります。
やり手の警官にもかかわらず、なぜか平巡査のままなのも納得。しかしロス市警の４割の警官にバイトの世話をしているほか、４度（たしか）の結婚歴がある。
白髪混じりで渋い中年俳優なのに、本作に限ってはファンもしらけてしまうのではないでしょうか。

女性刑事エイミーを演じたロウリー・メトカーフが素敵でした。
常に鋭い視線で捜査に集中し、隙をまったく見せません。この頃の彼女は「パシフィック・ハイツ」（９０年）、「ＪＦＫ」（９１年）、「−瞳が忘れない− ブリンク」（９３年）といったサスペンスの傑作に出演し続け、最も輝いていた頃でした。暫く彼女の出演作を観ていなかったのですが、最近は「レディ・バード」（２０１７年）でシアーシャ・ローナンの母親役を演じ、健在ぶりをみせているようです。

兎にも角にも、デニス・ペックの超ワルぶりは、悪徳警官というよりも極悪犯罪人です。
マイク・フィギス監督のハリウッド・デビュー作ですが、リチャード・ギアのファンからは憎まれそうですね（笑）。