アニマル・キングダム

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「タランティーノ」が絶賛！なので急きょ劇場で鑑賞したのだが・・

母が死んでしまい孤児となった少年（主人公）は伯母に引き取られる。
だが、伯母の息子３人は刑事からもマークされる程の犯罪一家であった！（息子と言ってもオッサンだ
悪徳刑事の陰謀で犯罪一家の息子が１人殺され主役の少年も事件に巻き込まれて行く。
ってか、少年が犯罪一家に命を狙われるハメに・・
正義刑事が少年に、極悪息子らの犯罪を見たまんま法廷で証言するよう仕向ける。
だが、本当に少年の安全を守ってくれる者は誰もいなかった。逆に悪徳刑事からも命を狙われるハメに・・
そこで、１人ぼっちの少年は、生存を掛け「ある決意」をする！！！

ま、内容は良いとして、緩いね。ホ〜ンマに絶賛したんかいな！？
極悪息子は何をしでかすか分からない雰囲気ではあったかも！？
単なる不気味なだけだった伯母もラストになって恐ろしくなる！？

劇場ではところどころ居眠りぶっこいた・・ オチは良かった！ が、観てるとだるくなるぜぇ・・
「スティーヴンキング」みたいに「タランティーノ」もあっちこちで絶賛しないで欲しい！＾＾

タランティーノ監督も絶賛との触れ込みの本作。犯罪者一家をテーマにして描かれた実話ベースの物語らしいです。
アル中でヤク中の突然の母の死に途方に暮れていた１７才の高校生ジョシュア（Ｊ・フレッシュヴィル）は、母が長年付き合いを避けて来た祖母ジャニーン（Ｊ・ウィーヴァー）の元で暮らすことに。しかし、祖母と３人の息子たちは、銀行強盗や麻薬密売などの犯罪に手を染め、祖母はそのリーダー格。
そんな野獣の王国に放り込まれたジョシュア。生きていくためには、その王国の一員とならざるを得ないでしょうね。
この一家から逃げ出せないうちは、犯罪からも逃れることなどできるはずがありません。
ネイサン・レッキー刑事は、（ガイ・ピアーズ）そんなジョシュアに目を付けます。

冒頭の母の死から少年の無表情さが際立っています。母が亡くなったというのに、平然とクイズ番組を眺めていてほとんど動じません。しかし、じわりと変容をうかがわせて来るこの辺りの表現が巧いです。ガールフレンドの死で一度だけ一気に感情を爆発させる場面は迫真の演技です。
そして祖母ジャニーンは、ゴッドマザーの迫力があり、色々と指示する姿は、真の悪党そのものです。彼女の笑顔の裏に隠された本当の素顔が底知れず怖いです。

生き残るための術を得ようと模索するジョシュアが、やがて一家の崩壊を狙う警察と家族の絆との間で板挟みになって行きます。
安易な救いや逃げ道のない世界で、葛藤を乗り越えた青年が出した結論がこれとは。ある意味悲しい現実というより他ないですが、それだけにやるせなさを感じます。
警官の「悪は必ず破滅する」と捨て台詞が響きます。家族の間の歪んだ愛情と絆は長くは続かないのかもしれません。

ガイ・ピアースが出てる映画は観とけ！っという都市伝説（？）を信用して、
ノワール映画の傑作との呼び声も高い「アニマル・キングダム」を観てみました！

・・・なんなんだこの緊張感はっ！？
面白い！面白すぎる！って、この映画を面白いと言って良いのか！？っとも思うけど、やっぱ面白いっ！

オープニングは、小汚いＴＶのクイズ番組の映像→ソファに座る少年・・・っつー感じで、
ふわっとローテンションで始まるんやけど・・・

なんでこんなにドキドキするん！？
なんなんだこの緊張感は！？

睡眠不足（あ、自分が睡眠不足で映画館に行っただけです）もイライラもどこへやら、
すーっと映画の中に吸い込まれてもーたよ！

そして、あの唐突な１発目の事件の、恐くて醜悪で美しいあの描写の素晴しさ！

それまでのいつ何が起きても不思議ではない不穏な空気感が、
実体のあるものだと実証してしまうその描写以降は、
ＧＳでビクビクするクレイグ同様、自分もビクビクしっぱなし！

恐いよ！

歩いてるだけのでもビクビク！
寝てるだけでもビクビク！
少しの物音でビクビク！
ばあさんにビクビク！

なんなんだ、この緊張感の作り方の上手さは！！！

映画の中に軸がキチンとある（女の子の家族）し、
そんなに少なくないキャラがキチンと描けてるし、
感情と行動のリアルがキチンと取れてるし、
正直この「アニマルキングダム」という映画の世界のなかで、おかしい部分は何も無い！

ほぼ完璧と言ってイイでしょう！

娯楽映画としての展開のセオリーからは終盤少し外れるけれど、
そのスカし方（ズラシ方）が、また映画の落としどころを不鮮明にする効果をあげていて、
「その不安定さこそがこの映画をさらに一歩上の映画へと押し上げてる」のも素晴しい！

完璧に不安定な、完璧な娯楽映画。
観終わった後に、実は娯楽映画を観ていたことに気付く。

人間をキチンと描ききると、こんなにも面白い映画が出来上がるのです！！！
それは娯楽映画として成立するのです！！！
思いつくまま書いてるので長文＆内容ダブりすんません（←オイ）

とりあえず、今年の映画はアタリが多い！
「灼熱の魂」「ドラゴンタトゥーの女」「アニマルキングダム」「タッカー＆デイル」どれも傑作！

まだ２月やのにこれからどーなる！？
※これ書いたときは２月でした（それからも今年は傑作が山盛り！）

嬉しすぎて嬉しすぎて、
映画スキとしてこんなに幸せなことは無いので、
ただただ嬉しいと書きたくて、ココに書きました←なんじゃそれ！？

個人的満足度　８７点！
オススメ度　８０点！（良い気分にはなりません）

知ってる俳優さんが、脇役のガイ・ピアースを除いては、ひとりもいなかったオーストラリア映画。
犯罪一家を牛耳ってる祖母を演じたジャッキー・ウィーヴァーが、アカデミー賞にノミネートされたりしてたけど、この人も初見でした。

物語の主人公である17歳の少年の、腐った魚のような目。
ソファの隣に横たわっている母親が意識を失っても、救急車を待つ間、少年が何事もなかったかのようにTVを見続けるファーストシーンはある意味ショッキング。
母親の様子を心配したり、取り乱したりすることは全くなく。

母が連絡を取ることを避けていた実家は犯罪一家。
少年はそこで暮らすことになるが、戸惑いはみられない。ただ、与えられた環境を受け入れて、あるがままに流されていくだけ。
一家の犯罪に加担するような局面になっても、迷いは感じられない。
そんな少年の姿が不甲斐なくて、「本当にそれでいいのか？抵抗しなくていいのか？」と言ってみたくなる。

それだけに、少年が初めて自分で決断し行動するラストシーンは衝撃的で、「よくやった！！」と思ったけど、よく考えてみるとこれがまた新たな悲劇の始まりともいえるのですね。

冒頭ソファに二人で座っている男女
となりで見るからにオーバードーズでグダッテいる女（実は母親）がいるのに無関心でクイズ番組を見ている少年（主人公）
救急隊が到着しても少年はテレビの画面を見たり救急隊の母親を救助している活動を見たり、あまり興味がなさそうです
この無気力で無関心さのシーンが普通ではない違和感を感じました

そしてこの後続く今度は緊張感が普通ではありません
何か起こりそうで起こらない
そして唐突にBang!!Bang!!Bang!!と事件は３つくらい起こります
その唐突に起こる事件の間合いの何か起こりそうで起こらない緊張感

ストーリーに特化したものは感じませんでしたが、上記の普通ではない無気力感（冒頭だけ）や緊張感、そして唐突に起こる事件の描き方が凄いです
それぞれのキャラクターもよかったです

まぁ最後のBang!!は必然ですかね
あぁしないと決着がつきません