ジョニーは戦場へ行った / ティモシー・ボトムズ
ジョニーは戦場へ行った
/ダルトン・トランボ
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全体の平均評価点: (5点満点)
(22)
解説・ストーリー
戦争によって“意識ある肉塊”と化したひとりの青年を描いたD・トランボの小説を自身の脚色・初監督で完成させたトランボ渾身の反戦ドラマ。ジョーは今、野戦病院のベッドで静かに横たわっている。第一次大戦の中、彼はほとんどの器官を失う大怪我を負いここに運ばれてきたのだ。真の暗闇の中でジョーは想う。釣り好きだった父と過ごした日々や、出征前夜に恋人と交わした愛の営み……。やがてひとりの看護婦がジョーの胸に書き記した文字によって彼は外界との繋がりを持つのだが……。
戦争によって“意識ある肉塊”と化したひとりの青年を描いたD・トランボの小説を自身の脚色・初監督で完成させたトランボ渾身の反戦ドラマ。ジョーは今、野戦病院のベッドで静かに横たわっている。第一次大戦の中、彼はほとんどの器官を失う大怪我を負いここに運ばれてきたのだ。真の暗闇の中でジョーは想う。釣り好きだった父と過ごした日々や、出征前夜に恋人と交わした愛の営み……。やがてひとりの看護婦がジョーの胸に書き記した文字によって彼は外界との繋がりを持つのだが……。
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「ジョニーは戦場へ行った」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
戦争によって“意識ある肉塊”と化したひとりの青年を描いたD・トランボの小説を自身の脚色・初監督で完成させたトランボ渾身の反戦ドラマ。ジョーは今、野戦病院のベッドで静かに横たわっている。第一次大戦の中、彼はほとんどの器官を失う大怪我を負いここに運ばれてきたのだ。真の暗闇の中でジョーは想う。釣り好きだった父と過ごした日々や、出征前夜に恋人と交わした愛の営み……。やがてひとりの看護婦がジョーの胸に書き記した文字によって彼は外界との繋がりを持つのだが……。
「ジョニーは戦場へ行った」 の作品情報
「ジョニーは戦場へ行った」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
ジョニーは戦場へ行ったの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
112分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DABR4110 |
2011年12月09日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
8枚
|
1人
|
1人
|
ジョニーは戦場へ行ったの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
112分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DABR4110 |
2011年12月09日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
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|
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ユーザーレビュー:22件
手足を奪われたキリスト。
投稿日:2011/12/21
レビュアー:ぴよさん
(ちょいネタバレあり)
幼い時に観て以来の再見で、細部の描写は違っていたが、やはりトラウマ必至のフィルムで
あることは間違いなかった。戦場の悲惨さを直接的に描くのでは無く、四肢・目・耳・鼻・口を
失った、名も無い負傷兵の姿を、ただ淡々と描くのみ。
監督・原作のドルトン・トランボは、悪名高い赤狩りの標的となった「ハリウッド・テン」の一人
(彼はアメリカ共産党員であった)原作小説は二次大戦勃発の同年に出版されるが、その内容
ゆえ、発禁→長らく絶版の憂き目に会った。
反戦小説として強烈だったのが、この物語が徹頭徹尾、傷痍兵ジョニーの一人称で切々と
語られたこと(さすがに映画では、第三者の視点も使われたが)戦争を推進しようとする勢力
からすれば、とんでもなく都合の悪い作品と言える。兵隊は勇ましく戦って、さっさと死んで
くれなければならない。それならば、いくらでも美化のしようがある。
ジョニーには、実在のモデルがいた。第一次大戦で同じような状態になった英軍兵士は
その状態で15年間も生き続けたという。美化のしようが無い、想像を絶する苦しみだ。
病床でジョニーの意識は、幸福だった過去と、悲惨な戦場、そして悪夢の様な幻覚の間
を行きつ戻りつする。負傷後のモノクロ画面が冷徹な現実を突きつける。
これ以上無い絶望の果てにジョニーが望んだ「自らの扱い」それは人々が予想だにせず
また軍部にとって、かなえてはならない要望だった。
ここに至って、想起されること。それは「受難」だ。ジョニーの夢とも現とも知れぬ記憶
の中に唐突に登場する、「キリストと呼ばれる男」 12という数字を嫌い(12使徒だ)
ジョニーに、諦観と哀れみを持って接する男…。 彼は消え、替わりにジョニーはベッドで
磔(はりつけ)られている。彼の言葉を聞き、理解する者はわずか…。
「ジョニーはキリストである」と、連想させはしないか。
ハリウッドを追放されたトランボは、偽名で『ローマの休日』の脚本を書き、アカデミー脚本賞
を受賞する。その後も数々の名作の脚本を手がけるが、「作家ドルトン・トランボ」としては抹殺
されたまま。(60年の『スパルタカス』に、本名でクレジットされ復帰を果たす)
トランボは自らの忸怩たる思いも重ね合わせて、この受難の物語の映像化を望んだ。そして
ハリウッド追放後30年を経て、自らの手でそれを果たしたのだ。
このレビューは気に入りましたか?
16人の会員が気に入ったと投稿しています
いたたまれない
TVで観たのは中学生の時だったか。
ジョーが繰り返す「S…O…S…」に胸えぐられる、居ても立ってもいられぬ感覚に襲われた記憶が鮮明にあります。
再見したく探したもののどこにも見当たらず、しかし思いがけずDISCASさんでレンタルされる事になったのはとても嬉しい。
それも在庫100枚とは、渋い英断に感激すらおぼえました。
今更ですが記憶というのは曖昧で、出征前夜の逢瀬と病室の出来事しか憶えていないんですね。
父親も、キリストを彷彿させる男も、私の記憶からは完全に抜け落ちている。
「肉塊」となった後のモノクロ画面ばかりが脳裏に焼き付き、幸福な過去も啓示の場面も、カラー映像の殆どが意識の中には留まっていないのです。
ただ単純に「生ける屍」となったジョーの絶望と焦燥だけで、充分過ぎる衝撃だったのです。
それはこの年齢になっても同様で、同じ時代に生きたなら容易に我と我が身に置き換えられるあり得なくは無い運命に、身震いします。
他人が自分の「生」に持つ認識のズレ、今ある「意志」に気付かれない、自らは何も出来ない、死ぬ事すら出来ない絶望感。
ジョーの「望み」には、『ブリキの太鼓』が連想されました。
何の脈絡も無い、ただ「見世物」の感覚がそれを思い出させただけかも知れませんが。
人の尊厳を打ち砕くのが戦争の最大の罪ならば、敢えて自分を衆目に晒し、真実を身を挺して伝えたい、ジョーの「生」はその「意志」にすがりつくしかありません。
しかし、当然それは受け入れられる筈も無い。
そしてもうひとつの「意志」すらも叶わない、何という理不尽。
ジョーの魂の叫びは、ドアの向こうに永遠に封じ込められてしまうのです。
意志有る一人の人間も国家にすれば「一個の駒」、生死すら当然国家にとって都合の良いものでなければならない……。
ジョーが極く平凡な若者だからこそ、余計にいたたまれぬ思いがするのです。
昭和30年代生まれの私には戦争体験は無いものの、親や祖父母、周囲の大人達から教えられ、書物や映像から浅い乍らも様々な知識を得ています。
しかし世代が若くなるほどに「知識」としての戦争すらあやふやになっているのは、ゆゆしき事態ではないかと思います。
せめて美化せず、その実態は解っていなければなりません。
これは有無を言わさぬ反戦映画です。
昨今お手軽に製作される「感動の戦争映画」に、無邪気に感涙される方々にこそ観て頂きたいと思うのです。
たまには映画で苦しむのも必要ではないでしょうか。
このレビューは気に入りましたか?
14人の会員が気に入ったと投稿しています
必見の映画であることは間違いありません。
レンタルできるようになったんすね。
とりあえず必見の映画であることは間違いありません。
が、オススメか?っていわれると、あまりにも重たいし、面白い映画では無いんで何ともいえません。
全然面白く無いし、解決策は提示されて無いし、ただただ観客に絶望感や不快感を与えるだけの映画と言えなくも無い。
観客に根本的な正義とは何なのかを忘れさせないための映画ともいえるし、観客に考えることを強要する映画とも言える。
ああ、なんか何を書いて良いのかわからない。
とにかく必見の映画であることは間違いありません。
個人的満足度 75点! オススメ度 70点!(しかし必見)
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13人の会員が気に入ったと投稿しています
「閉じ込め症候群」その2 ジョニーは今も生みだされている。
投稿日:2013/02/03
レビュアー:港のマリー
初めて見て衝撃を受けた。恥ずかしいことに長いことベトナム反戦映画だと漠然と思っていた。
映画化の時期はたしかにベトナム戦争時だが、原作は1939年発行の小説、その題材は第一次世界大戦下に実在した負傷兵から採られた。
負傷兵はジョニーのように四肢と顔面の大半を爆撃で失い、脳の機能は保たれていたのだが、目も耳も口もなく、見ることも聞くこともできず、音のない暗闇で声を発することもなく15年間を生き続けたそうである。彼はとくに手記を残したわけではなかったようなので、ジョニーの心の叫びは、原作者であり、脚本を書き、監督もしたダルトン・トランボの、推察であり創作、フィクションだ。
そのフィクションが強烈で生々しく、毛布にくるまれた顔の欠けたトルソーのようなジョニーの肉体の造形と相まって、たまらない気持ちにさせられる。
かわいそうにどんなに辛いことだろう、戦争は健康な若者の肉体をこんなふうに無残に破壊してしまう、戦争は悪だ、戦争をしてはいけない。
もちろん、そうした正統的な反戦思想に導かれもする。
でもそれだけではない。ラスト、ジョニーの病室の窓が閉ざされたとき、現代の私たちはもっと濃い、まがまがしい闇に突き落とされてしまったのではないかと、暗澹とし、こころなしか背筋が寒くなった。
第一次世界大戦以降も戦争は絶えることなく続き、平行して兵器・武器の殺傷能力もかくだんに上がった。人体破壊の度はますます高まった。世界中でトルソーと化してしまった人間たちが絶望のうめきを上げているのだろう。報道されることはないけれど。
あるいは戦場では「安楽死」が常態なのかもしれない。ジョニーのような厭戦気分をかき立てかねない負傷者には死んでもらったほうがいい。本人もそう思うだろう。
自由と民主主義と祖国防衛のための名誉ある戦死者として丁重に葬れば、次の戦争にも若者を呼べる。
戦場で撃たれ、爆撃された肉体はどうなるのか、どんな扱いを受けるのか、ほんとうのところを私たちは知らない。
だからこそのジョニーの必死の訴えだった。
反戦という視点をいったん離れてみれば、本作もまた「潜水服は蝶の夢を見る」と同様、人間のぎりぎりの状況下でのコミュニケーションの神秘を証した映画、闇の中でまたたく一点の灯りを探す試みを讃える映画である。美しい看護師さんが、ジョニーの胸に指で描くMの文字もいいけれど、なんといっても感動的なのは頭を振ってのモールス信号。
いいぞ、よくやった。かれのモールス信号が伝えた内容に、この映画の地球の裏側まで突き抜けるような重みがある。
貫禄ある婦長がはじめて病室の窓を開けるシーンもいい。陽の光を感じたジョニーの喜び、みずみずしい感動が伝わってくる。
トランボについても知らなかった。大好きな「スパルタカス」「ガン・ファイター」「いそしぎ」それに「パピヨン」の脚本を書いた脚本家だったとは。
赤狩りで一時ハリウッドを追放された怒りと怨念もこめたのであろう、とにかく濃い映画でした。
このレビューは気に入りましたか?
11人の会員が気に入ったと投稿しています
ついに幻の作品がリリース・・・
になったんですね・・・私は学生時代に観て凄いブルーになった思い出があります。
イントロにもある、意識のある肉塊という表現はピッタリですよ。まさしく肉塊扱いでしょうね。
戦争で激しく損傷し、全ての器官を損失したジョニー。「キャタピラー」の芋虫亭主の方が、まだマシです。
意思伝達は可能だし、妻とヤレたし(笑 多少なら動けたし。しかし本作のジョニーは、ただ生かされてるだけ。
沈黙と闇の中で記憶を振り返るだけ・・・でもそんな彼に転機が訪れる。看護婦が彼の胸に触れて文字をなぞることによって、他人との関わりを得たのです。
最期に望んだジョニーの意思は、看護婦に託された。しかし・・・
本作は反戦ドラマといえば、そうなのかもしれない。でも、やはりおぞましいのは人間の欲望です。あの後のジョニーは・・・と想像すると残酷という他にないですね。気軽に観る映画ではありませんのでチョイスは慎重に♪
このレビューは気に入りましたか?
11人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
手足を奪われたキリスト。
投稿日
2011/12/21
レビュアー
ぴよさん
(ちょいネタバレあり)
幼い時に観て以来の再見で、細部の描写は違っていたが、やはりトラウマ必至のフィルムで
あることは間違いなかった。戦場の悲惨さを直接的に描くのでは無く、四肢・目・耳・鼻・口を
失った、名も無い負傷兵の姿を、ただ淡々と描くのみ。
監督・原作のドルトン・トランボは、悪名高い赤狩りの標的となった「ハリウッド・テン」の一人
(彼はアメリカ共産党員であった)原作小説は二次大戦勃発の同年に出版されるが、その内容
ゆえ、発禁→長らく絶版の憂き目に会った。
反戦小説として強烈だったのが、この物語が徹頭徹尾、傷痍兵ジョニーの一人称で切々と
語られたこと(さすがに映画では、第三者の視点も使われたが)戦争を推進しようとする勢力
からすれば、とんでもなく都合の悪い作品と言える。兵隊は勇ましく戦って、さっさと死んで
くれなければならない。それならば、いくらでも美化のしようがある。
ジョニーには、実在のモデルがいた。第一次大戦で同じような状態になった英軍兵士は
その状態で15年間も生き続けたという。美化のしようが無い、想像を絶する苦しみだ。
病床でジョニーの意識は、幸福だった過去と、悲惨な戦場、そして悪夢の様な幻覚の間
を行きつ戻りつする。負傷後のモノクロ画面が冷徹な現実を突きつける。
これ以上無い絶望の果てにジョニーが望んだ「自らの扱い」それは人々が予想だにせず
また軍部にとって、かなえてはならない要望だった。
ここに至って、想起されること。それは「受難」だ。ジョニーの夢とも現とも知れぬ記憶
の中に唐突に登場する、「キリストと呼ばれる男」 12という数字を嫌い(12使徒だ)
ジョニーに、諦観と哀れみを持って接する男…。 彼は消え、替わりにジョニーはベッドで
磔(はりつけ)られている。彼の言葉を聞き、理解する者はわずか…。
「ジョニーはキリストである」と、連想させはしないか。
ハリウッドを追放されたトランボは、偽名で『ローマの休日』の脚本を書き、アカデミー脚本賞
を受賞する。その後も数々の名作の脚本を手がけるが、「作家ドルトン・トランボ」としては抹殺
されたまま。(60年の『スパルタカス』に、本名でクレジットされ復帰を果たす)
トランボは自らの忸怩たる思いも重ね合わせて、この受難の物語の映像化を望んだ。そして
ハリウッド追放後30年を経て、自らの手でそれを果たしたのだ。
いたたまれない
投稿日
2011/12/25
レビュアー
まりこ
TVで観たのは中学生の時だったか。
ジョーが繰り返す「S…O…S…」に胸えぐられる、居ても立ってもいられぬ感覚に襲われた記憶が鮮明にあります。
再見したく探したもののどこにも見当たらず、しかし思いがけずDISCASさんでレンタルされる事になったのはとても嬉しい。
それも在庫100枚とは、渋い英断に感激すらおぼえました。
今更ですが記憶というのは曖昧で、出征前夜の逢瀬と病室の出来事しか憶えていないんですね。
父親も、キリストを彷彿させる男も、私の記憶からは完全に抜け落ちている。
「肉塊」となった後のモノクロ画面ばかりが脳裏に焼き付き、幸福な過去も啓示の場面も、カラー映像の殆どが意識の中には留まっていないのです。
ただ単純に「生ける屍」となったジョーの絶望と焦燥だけで、充分過ぎる衝撃だったのです。
それはこの年齢になっても同様で、同じ時代に生きたなら容易に我と我が身に置き換えられるあり得なくは無い運命に、身震いします。
他人が自分の「生」に持つ認識のズレ、今ある「意志」に気付かれない、自らは何も出来ない、死ぬ事すら出来ない絶望感。
ジョーの「望み」には、『ブリキの太鼓』が連想されました。
何の脈絡も無い、ただ「見世物」の感覚がそれを思い出させただけかも知れませんが。
人の尊厳を打ち砕くのが戦争の最大の罪ならば、敢えて自分を衆目に晒し、真実を身を挺して伝えたい、ジョーの「生」はその「意志」にすがりつくしかありません。
しかし、当然それは受け入れられる筈も無い。
そしてもうひとつの「意志」すらも叶わない、何という理不尽。
ジョーの魂の叫びは、ドアの向こうに永遠に封じ込められてしまうのです。
意志有る一人の人間も国家にすれば「一個の駒」、生死すら当然国家にとって都合の良いものでなければならない……。
ジョーが極く平凡な若者だからこそ、余計にいたたまれぬ思いがするのです。
昭和30年代生まれの私には戦争体験は無いものの、親や祖父母、周囲の大人達から教えられ、書物や映像から浅い乍らも様々な知識を得ています。
しかし世代が若くなるほどに「知識」としての戦争すらあやふやになっているのは、ゆゆしき事態ではないかと思います。
せめて美化せず、その実態は解っていなければなりません。
これは有無を言わさぬ反戦映画です。
昨今お手軽に製作される「感動の戦争映画」に、無邪気に感涙される方々にこそ観て頂きたいと思うのです。
たまには映画で苦しむのも必要ではないでしょうか。
必見の映画であることは間違いありません。
投稿日
2011/10/25
レビュアー
KASPAR
レンタルできるようになったんすね。
とりあえず必見の映画であることは間違いありません。
が、オススメか?っていわれると、あまりにも重たいし、面白い映画では無いんで何ともいえません。
全然面白く無いし、解決策は提示されて無いし、ただただ観客に絶望感や不快感を与えるだけの映画と言えなくも無い。
観客に根本的な正義とは何なのかを忘れさせないための映画ともいえるし、観客に考えることを強要する映画とも言える。
ああ、なんか何を書いて良いのかわからない。
とにかく必見の映画であることは間違いありません。
個人的満足度 75点! オススメ度 70点!(しかし必見)
「閉じ込め症候群」その2 ジョニーは今も生みだされている。
投稿日
2013/02/03
レビュアー
港のマリー
初めて見て衝撃を受けた。恥ずかしいことに長いことベトナム反戦映画だと漠然と思っていた。
映画化の時期はたしかにベトナム戦争時だが、原作は1939年発行の小説、その題材は第一次世界大戦下に実在した負傷兵から採られた。
負傷兵はジョニーのように四肢と顔面の大半を爆撃で失い、脳の機能は保たれていたのだが、目も耳も口もなく、見ることも聞くこともできず、音のない暗闇で声を発することもなく15年間を生き続けたそうである。彼はとくに手記を残したわけではなかったようなので、ジョニーの心の叫びは、原作者であり、脚本を書き、監督もしたダルトン・トランボの、推察であり創作、フィクションだ。
そのフィクションが強烈で生々しく、毛布にくるまれた顔の欠けたトルソーのようなジョニーの肉体の造形と相まって、たまらない気持ちにさせられる。
かわいそうにどんなに辛いことだろう、戦争は健康な若者の肉体をこんなふうに無残に破壊してしまう、戦争は悪だ、戦争をしてはいけない。
もちろん、そうした正統的な反戦思想に導かれもする。
でもそれだけではない。ラスト、ジョニーの病室の窓が閉ざされたとき、現代の私たちはもっと濃い、まがまがしい闇に突き落とされてしまったのではないかと、暗澹とし、こころなしか背筋が寒くなった。
第一次世界大戦以降も戦争は絶えることなく続き、平行して兵器・武器の殺傷能力もかくだんに上がった。人体破壊の度はますます高まった。世界中でトルソーと化してしまった人間たちが絶望のうめきを上げているのだろう。報道されることはないけれど。
あるいは戦場では「安楽死」が常態なのかもしれない。ジョニーのような厭戦気分をかき立てかねない負傷者には死んでもらったほうがいい。本人もそう思うだろう。
自由と民主主義と祖国防衛のための名誉ある戦死者として丁重に葬れば、次の戦争にも若者を呼べる。
戦場で撃たれ、爆撃された肉体はどうなるのか、どんな扱いを受けるのか、ほんとうのところを私たちは知らない。
だからこそのジョニーの必死の訴えだった。
反戦という視点をいったん離れてみれば、本作もまた「潜水服は蝶の夢を見る」と同様、人間のぎりぎりの状況下でのコミュニケーションの神秘を証した映画、闇の中でまたたく一点の灯りを探す試みを讃える映画である。美しい看護師さんが、ジョニーの胸に指で描くMの文字もいいけれど、なんといっても感動的なのは頭を振ってのモールス信号。
いいぞ、よくやった。かれのモールス信号が伝えた内容に、この映画の地球の裏側まで突き抜けるような重みがある。
貫禄ある婦長がはじめて病室の窓を開けるシーンもいい。陽の光を感じたジョニーの喜び、みずみずしい感動が伝わってくる。
トランボについても知らなかった。大好きな「スパルタカス」「ガン・ファイター」「いそしぎ」それに「パピヨン」の脚本を書いた脚本家だったとは。
赤狩りで一時ハリウッドを追放された怒りと怨念もこめたのであろう、とにかく濃い映画でした。
ついに幻の作品がリリース・・・
投稿日
2011/11/29
レビュアー
エコエコアザラク
になったんですね・・・私は学生時代に観て凄いブルーになった思い出があります。
イントロにもある、意識のある肉塊という表現はピッタリですよ。まさしく肉塊扱いでしょうね。
戦争で激しく損傷し、全ての器官を損失したジョニー。「キャタピラー」の芋虫亭主の方が、まだマシです。
意思伝達は可能だし、妻とヤレたし(笑 多少なら動けたし。しかし本作のジョニーは、ただ生かされてるだけ。
沈黙と闇の中で記憶を振り返るだけ・・・でもそんな彼に転機が訪れる。看護婦が彼の胸に触れて文字をなぞることによって、他人との関わりを得たのです。
最期に望んだジョニーの意思は、看護婦に託された。しかし・・・
本作は反戦ドラマといえば、そうなのかもしれない。でも、やはりおぞましいのは人間の欲望です。あの後のジョニーは・・・と想像すると残酷という他にないですね。気軽に観る映画ではありませんのでチョイスは慎重に♪
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