ファニーゲーム / スザンネ・ローター
ファニーゲーム
/ミヒャエル・ハネケ
平均評価点:
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全体の平均評価点: (5点満点)
(116)
解説・ストーリー
穏やかな夏の午後。バカンスのため湖のほとりの別荘へと向かうショーバー一家。車に乗っているのはゲオルグと妻アナ、息子のショルシ、それに愛犬のロルフィー。別荘に着いた一家は明日のボート・セーリングの準備を始める。そこへペーターと名乗る見知らぬ若者がやって来る。はじめ礼儀正しい態度を見せていたペーターだったが、もう一人パウルが姿を現す頃にはその態度は豹変し横柄で不愉快なものとなっていた。やがて、2人はゲオルグの膝をゴルフクラブで打ち砕くと、突然一家の皆殺しを宣言、一家はパウルとペーターによる“ファニーゲーム”の参加者にされてしまう。
穏やかな夏の午後。バカンスのため湖のほとりの別荘へと向かうショーバー一家。車に乗っているのはゲオルグと妻アナ、息子のショルシ、それに愛犬のロルフィー。別荘に着いた一家は明日のボート・セーリングの準備を始める。そこへペーターと名乗る見知らぬ若者がやって来る。はじめ礼儀正しい態度を見せていたペーターだったが、もう一人パウルが姿を現す頃にはその態度は豹変し横柄で不愉快なものとなっていた。やがて、2人はゲオルグの膝をゴルフクラブで打ち砕くと、突然一家の皆殺しを宣言、一家はパウルとペーターによる“ファニーゲーム”の参加者にされてしまう。
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「ファニーゲーム」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
穏やかな夏の午後。バカンスのため湖のほとりの別荘へと向かうショーバー一家。車に乗っているのはゲオルグと妻アナ、息子のショルシ、それに愛犬のロルフィー。別荘に着いた一家は明日のボート・セーリングの準備を始める。そこへペーターと名乗る見知らぬ若者がやって来る。はじめ礼儀正しい態度を見せていたペーターだったが、もう一人パウルが姿を現す頃にはその態度は豹変し横柄で不愉快なものとなっていた。やがて、2人はゲオルグの膝をゴルフクラブで打ち砕くと、突然一家の皆殺しを宣言、一家はパウルとペーターによる“ファニーゲーム”の参加者にされてしまう。
「ファニーゲーム」 の作品情報
「ファニーゲーム」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
ファニーゲームの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
104分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/ステレオ/ドイツ語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
D*ASBX4391 |
2009年06月26日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
10枚
|
1人
|
3人
|
ファニーゲームの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
104分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/ステレオ/ドイツ語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
D*ASBX4391 |
2009年06月26日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
10枚
|
1人
|
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|
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ユーザーレビュー:116件
リトマス試験紙
投稿日:2011/02/16
レビュアー:JUCE
「良い映画ってどんな映画の事を指すのだろう?」と時折考える。
演出的技法や美術、脚本、役者、もちろん映画から受けるインスピレーションなど
様々な角度から検証が出来るとは思うが、別に映画産業を生業にしていなければ
技術論はそれほど重要でないのかもしれない。
さすれば映画を観てどう感じたのかが映画の良さの重要な要素と言えるのではないだろうか。
ヒューマンドラマを観て感動した、あるいは涙した。
ホラーを観て恐怖を感じた。
コメディーを観て、笑った。
ドキュメンタリーを観て、憤りを感じた・・・などなど
これは映画を観て、感情が動かされた結果だ。
感情が動かない作品はまず間違いなくつまらない(その人にとって)作品だ。
この『ファニーゲーム』は他の方のレビューを拝見しても、
観た人の感情を大きく揺さぶっている事が分かる。
しかしかなり評判が芳しくない。
それはこの映画が揺り動かす感情は“不快感”だから。
感動、喜び、笑い、こう行った感情はプラス方向の感情だからまだ分かる。
しかし、悲しみ、恐怖、こうした負の感情を揺り動かす作品も高い評価を
受けるのに対し、何故“不快”を極めた作品は評価されにくいのだろうか。
“不快作品”このようなジャンルがあるかどうかは知らないが、
実はハネケ監督の他にもラース・フォン・トリアー監督やギャスパー・ノエ監督、
古くはパゾリーニ監督 などは、“不快”を追求していると言えよう。
実は私自身はトリアー監督やノエ監督作品はどちらかと言うと好きでは無いのだが、
どうも一般的には逆の傾向があるように思う。
トリアー監督やノエ監督作品監督は映画を制作することに熱を感じるのに対し、
ハネケ監督の作品は熱の無い、冷たい無機質な感触がある。そういった差異が
好き嫌いを決めているようにも思う。
私はこの冷たい無機質な雰囲気が好きだ。
無機質な日本刀や拳銃、あるいは調理器具などに美しさを見出すのと
同じ心理がそこに働いている。
ハネケ監督の作品は美しいと思う。
この『ファニーゲーム』ほど的確に不快のツボを刺激してくる作品は稀有だ。
心理学を学んだハネケ監督の怜悧な演出が冴えわたっていると言えよう。
映画という虚構に対する問いや映画の価値など、
様々な問題を観客に突きつけてくるこの『ファニーゲーム』は
つまるところ自分と向きあう映画なのかもしれない。
この作品は映画を鑑賞する人につきつけられたリトマス試験紙だ。
このレビューは気に入りましたか?
44人の会員が気に入ったと投稿しています
キュルルルル、ヒドイ、ヒドスギルよ。
投稿日:2008/01/21
レビュアー:JUCE
この映画を一言で言ってしまえば、「徹底的に観客を挑発」する映画。
不快感や嫌悪を感じる人、怒りを感じる人、それが当然で監督の狙い通りなのだと思います。
そもそも人が人を殺すということは、非常に不快なものであるはずです。本作では殺人と言うものに「スペクタル」も無ければ、「カタルシス」を感じる事も無く、理不尽で不気味な犯人に対する恐ろしさがあるだけです。
この「不快さ」こそ、この映画が健全な映画であることの証でもあります。凄惨な物語であっても、決して暴力を肯定する映画では無いことは冷静になってみれば気付く事だと思います。
凄惨な映画と書きましたが、よくよく思い出してみると本作では暴力の直接な描画は皆無といってもよい位です。音や暴力後の描写でその凄惨さを間接的に描き、観客のイマジネーションを高めることに成功しています。「ベーニーズ・ビデオ」でハネケ監督が述べていた「増幅」効果ですね。
この映画が「不快」さを感じるもうひとつの要素は観客を犯人達の「共犯」に仕立て上げているところです。通常映画ではどうしても被害者よりの視点、あるいは同情のポイントをつくるところですが、本作は徹底的に殺人者サイドの物語です。しかも犯人はこの恐ろしい「ファニー・ゲーム」の共犯者として観客を巻き込んでいくのです。
観客に向かって話しかけたり、ウィンクしたり、そうもうひとりの犯人は私達観客自身になのです。「私は違う」という意見もあるでしょうが、本作を観始めた時点であなたはこのゲームに参加しているのです。犯人に都合が悪いシチュエーションには「禁じ手」とも言える「キュルルルル」という必殺技まで登場します。これで被害者の希望は潰えてしまいます。「ねぇ楽しいでしょ。ゲームプレイヤーは何だって可能なんだよ」という理不尽さ。これは「ベーニーズ・ビデオ」でハネケ監督が述べていた「異化」ですね。
ハネケ監督の演出は天才的です。「ベーニーズ・ビデオ」で試みられていた技法はより完成度を高めた形で本作の中に見ることが出来ます。その才能はヒラメキというものでは無く、正確無比な冷徹な科学者の目のような演出手法です。
とにかく凄い作品です。何が凄いのかは是非ご自分の目で確かめてください。
本作はハネケ監督によるハリウッドセルフリメイクが行われています。出演はティム・ロス、ナオミ・ワッツなど。アップルサイトにあるリメイクのトレイラーを観たのですが、本作と出演者が変わった以外はカット割りや美術などもほぼ同じのように見えました。
これだけ完成度の高い作品を同じ設定でリメイクする必要があるのかというところは少し疑問ですが、リメイクにあたってのサプライズが潜んでいるのでしょうか。ちょっと期待してしまいます。
このレビューは気に入りましたか?
27人の会員が気に入ったと投稿しています
「問題作」とは、まさにこの事。
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
この作品はカンヌ国際映画祭のパルム・ドール候補になった
(受賞は日本の今村昌平監督の「うなぎ」)今やカルト的な作品。
因みに次作の「ピアニスト」で審査員特別賞・男優賞・女優賞を受賞しており、その実力は世界で高く評価されてる監督です。
が、・・・
この作品を観終わった貴方は、おそらく見た事を忘れる事が
出来ない程の疲労感を味わう事になる事は、間違いありません。
監督がインタビューで答えている通り、この作品のテーマは
「unpleasantness」つまり「不快」なのです、人が最も不快と
思うものは何か?、それは暴力ではないかと言うのが監督の
演出のテーマで、それを徹底的に且つとても冷酷に描いている
その描く視点こそ、他の作品の追従を許さない程の客観性の
示唆に富んでいる、これが見る側に憤慨の基となっています。
お金を払って「こんな胸糞悪いもの見るのはアホや」と言う
方のご意見はごもっともだと思います、私も正直そう思います。
しかし、何と無くそれだけでない「なにか」を、この作品は
感じさせてくれるのです、この半端でない後味の悪さは何か
と延々考えさせられる、そんな変な魅力をもった作品です。
DVDが既に絶版になっているので、是非レンタルでどうぞ。
くれぐれも、体調の悪い時には見ない方がよいと思います。
因みに最新作「隠された記憶」も、超お薦めです。
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21人の会員が気に入ったと投稿しています
おやおや「不愉快な映画」を観たい人がこんなに多いとは。
驚いたことに、1997年版は在庫の10倍の1位登録者が・・・
それで追加の在庫が「近日リリース」ということか。
みなさん物好きですねえ。
こんなに不愉快にさせられる映画はないですよ。
とはいえ、私も昨年この映画を観て「大嫌いだ」と思ったくせに、ハネケのハリウッド版がレンタル開始と聞いて、検索でここにたどり着いたわけだが。
間違えてはいけません。
残酷描写とか猟奇的犯罪とかに興味があっても、
普通のホラーファンはそれを娯楽として楽しんでいるはず。
流血シーンは苦手という人も、映画の中の銃撃戦やクラッシュは面白がって見る。
この映画は、リアルな虚構という映画の「お約束」を破って観客を打ちのめす。
こうあってほしい、と観客が期待することをことごとく打ち砕き、
「映画を虚構として楽しむ」ことを許さない。
普通の映画ファンを馬鹿にし,憎悪しているように感じる。
拷問シーンに「うわあ酷い」なんていうお気楽な普通の鑑賞をしたい人には
向かない映画なのでご注意を。
残酷描写がお好きなら「ホステル」なんかどうでしょう。(2はダメよ)
スリリングな心理劇が観たいなら「隣人は静かに笑う」「ミザリー」などいいかもしれません。「ミザリー」はメジャーすぎ? では「ボクシング・ヘレナ」。
こんな悪意に満ちた映画、お金払って観ることないです。
このレビューは気に入りましたか?
15人の会員が気に入ったと投稿しています
ピアニストは痛いほど面白かったのに 本作でハネケ嫌いに
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
ある人の忠告を守り、年末年始の視聴は避けたのですが、これほど不快だとは、思ってもみませんでした。
「ピアニスト」で、女性をよりデープに人間の真実に迫る作品は、ゾクゾクするほど魅力的で、ストーリーテーラーとしても凄いものを感じました。
何故か心と言うか、魂?まで持っていかれてしまった私は、次の作品が恋しくなり、すっかりハネケ監督の虜になってしまったほどですが、これはどうも駄目でした。というか逆に嫌いになってしまったほどです。
この差は、一体何なのでしょう?
じわじわと締め付けられるような陰険さが漂います。
全ては、二人の策略で、気が付くと一家は完全に二人のゲームにはめ込まれていました。二人の凶悪犯が、死へのカウントダウンを楽しんでいるような、血も涙もない冷血人間なのも怖さを盛り上げます。
そして、リモコンのシーンで、私の期待は一気に砕かれてしまいました。あのシーンを入れた意味が本当に不可解です。
ひょっとして、民放で放送されている映画をみているような、CMが流れることによって、突然映画の世界から現実に戻される感覚。そのような感じを味あわせたかったのでしょうか?
それとも、TVを見ている視聴者への挑戦状なのでしょうか?
「劇場映画にしては、時間が足りない」犯人の言葉にハネケ監督の底意地の悪さを感じました。
ハリウッド映画のあのいかにもお決まりの感動シーンは気に食わないけれども、この作品を見て、ハリウッドの良さが改めて分かりました。安心して観れますよね。
それにしても、セルフリメイクは、ハリウッド映画は脳天気すぎるって、嫌味なメッセージを送ったのでしょうか?
このレビューは気に入りましたか?
15人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
リトマス試験紙
投稿日
2011/02/16
レビュアー
JUCE
「良い映画ってどんな映画の事を指すのだろう?」と時折考える。
演出的技法や美術、脚本、役者、もちろん映画から受けるインスピレーションなど
様々な角度から検証が出来るとは思うが、別に映画産業を生業にしていなければ
技術論はそれほど重要でないのかもしれない。
さすれば映画を観てどう感じたのかが映画の良さの重要な要素と言えるのではないだろうか。
ヒューマンドラマを観て感動した、あるいは涙した。
ホラーを観て恐怖を感じた。
コメディーを観て、笑った。
ドキュメンタリーを観て、憤りを感じた・・・などなど
これは映画を観て、感情が動かされた結果だ。
感情が動かない作品はまず間違いなくつまらない(その人にとって)作品だ。
この『ファニーゲーム』は他の方のレビューを拝見しても、
観た人の感情を大きく揺さぶっている事が分かる。
しかしかなり評判が芳しくない。
それはこの映画が揺り動かす感情は“不快感”だから。
感動、喜び、笑い、こう行った感情はプラス方向の感情だからまだ分かる。
しかし、悲しみ、恐怖、こうした負の感情を揺り動かす作品も高い評価を
受けるのに対し、何故“不快”を極めた作品は評価されにくいのだろうか。
“不快作品”このようなジャンルがあるかどうかは知らないが、
実はハネケ監督の他にもラース・フォン・トリアー監督やギャスパー・ノエ監督、
古くはパゾリーニ監督 などは、“不快”を追求していると言えよう。
実は私自身はトリアー監督やノエ監督作品はどちらかと言うと好きでは無いのだが、
どうも一般的には逆の傾向があるように思う。
トリアー監督やノエ監督作品監督は映画を制作することに熱を感じるのに対し、
ハネケ監督の作品は熱の無い、冷たい無機質な感触がある。そういった差異が
好き嫌いを決めているようにも思う。
私はこの冷たい無機質な雰囲気が好きだ。
無機質な日本刀や拳銃、あるいは調理器具などに美しさを見出すのと
同じ心理がそこに働いている。
ハネケ監督の作品は美しいと思う。
この『ファニーゲーム』ほど的確に不快のツボを刺激してくる作品は稀有だ。
心理学を学んだハネケ監督の怜悧な演出が冴えわたっていると言えよう。
映画という虚構に対する問いや映画の価値など、
様々な問題を観客に突きつけてくるこの『ファニーゲーム』は
つまるところ自分と向きあう映画なのかもしれない。
この作品は映画を鑑賞する人につきつけられたリトマス試験紙だ。
キュルルルル、ヒドイ、ヒドスギルよ。
投稿日
2008/01/21
レビュアー
JUCE
この映画を一言で言ってしまえば、「徹底的に観客を挑発」する映画。
不快感や嫌悪を感じる人、怒りを感じる人、それが当然で監督の狙い通りなのだと思います。
そもそも人が人を殺すということは、非常に不快なものであるはずです。本作では殺人と言うものに「スペクタル」も無ければ、「カタルシス」を感じる事も無く、理不尽で不気味な犯人に対する恐ろしさがあるだけです。
この「不快さ」こそ、この映画が健全な映画であることの証でもあります。凄惨な物語であっても、決して暴力を肯定する映画では無いことは冷静になってみれば気付く事だと思います。
凄惨な映画と書きましたが、よくよく思い出してみると本作では暴力の直接な描画は皆無といってもよい位です。音や暴力後の描写でその凄惨さを間接的に描き、観客のイマジネーションを高めることに成功しています。「ベーニーズ・ビデオ」でハネケ監督が述べていた「増幅」効果ですね。
この映画が「不快」さを感じるもうひとつの要素は観客を犯人達の「共犯」に仕立て上げているところです。通常映画ではどうしても被害者よりの視点、あるいは同情のポイントをつくるところですが、本作は徹底的に殺人者サイドの物語です。しかも犯人はこの恐ろしい「ファニー・ゲーム」の共犯者として観客を巻き込んでいくのです。
観客に向かって話しかけたり、ウィンクしたり、そうもうひとりの犯人は私達観客自身になのです。「私は違う」という意見もあるでしょうが、本作を観始めた時点であなたはこのゲームに参加しているのです。犯人に都合が悪いシチュエーションには「禁じ手」とも言える「キュルルルル」という必殺技まで登場します。これで被害者の希望は潰えてしまいます。「ねぇ楽しいでしょ。ゲームプレイヤーは何だって可能なんだよ」という理不尽さ。これは「ベーニーズ・ビデオ」でハネケ監督が述べていた「異化」ですね。
ハネケ監督の演出は天才的です。「ベーニーズ・ビデオ」で試みられていた技法はより完成度を高めた形で本作の中に見ることが出来ます。その才能はヒラメキというものでは無く、正確無比な冷徹な科学者の目のような演出手法です。
とにかく凄い作品です。何が凄いのかは是非ご自分の目で確かめてください。
本作はハネケ監督によるハリウッドセルフリメイクが行われています。出演はティム・ロス、ナオミ・ワッツなど。アップルサイトにあるリメイクのトレイラーを観たのですが、本作と出演者が変わった以外はカット割りや美術などもほぼ同じのように見えました。
これだけ完成度の高い作品を同じ設定でリメイクする必要があるのかというところは少し疑問ですが、リメイクにあたってのサプライズが潜んでいるのでしょうか。ちょっと期待してしまいます。
「問題作」とは、まさにこの事。
投稿日
2006/06/22
レビュアー
masamune
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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この作品はカンヌ国際映画祭のパルム・ドール候補になった
(受賞は日本の今村昌平監督の「うなぎ」)今やカルト的な作品。
因みに次作の「ピアニスト」で審査員特別賞・男優賞・女優賞を受賞しており、その実力は世界で高く評価されてる監督です。
が、・・・
この作品を観終わった貴方は、おそらく見た事を忘れる事が
出来ない程の疲労感を味わう事になる事は、間違いありません。
監督がインタビューで答えている通り、この作品のテーマは
「unpleasantness」つまり「不快」なのです、人が最も不快と
思うものは何か?、それは暴力ではないかと言うのが監督の
演出のテーマで、それを徹底的に且つとても冷酷に描いている
その描く視点こそ、他の作品の追従を許さない程の客観性の
示唆に富んでいる、これが見る側に憤慨の基となっています。
お金を払って「こんな胸糞悪いもの見るのはアホや」と言う
方のご意見はごもっともだと思います、私も正直そう思います。
しかし、何と無くそれだけでない「なにか」を、この作品は
感じさせてくれるのです、この半端でない後味の悪さは何か
と延々考えさせられる、そんな変な魅力をもった作品です。
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くれぐれも、体調の悪い時には見ない方がよいと思います。
因みに最新作「隠された記憶」も、超お薦めです。
おやおや「不愉快な映画」を観たい人がこんなに多いとは。
投稿日
2009/05/30
レビュアー
驚いたことに、1997年版は在庫の10倍の1位登録者が・・・
それで追加の在庫が「近日リリース」ということか。
みなさん物好きですねえ。
こんなに不愉快にさせられる映画はないですよ。
とはいえ、私も昨年この映画を観て「大嫌いだ」と思ったくせに、ハネケのハリウッド版がレンタル開始と聞いて、検索でここにたどり着いたわけだが。
間違えてはいけません。
残酷描写とか猟奇的犯罪とかに興味があっても、
普通のホラーファンはそれを娯楽として楽しんでいるはず。
流血シーンは苦手という人も、映画の中の銃撃戦やクラッシュは面白がって見る。
この映画は、リアルな虚構という映画の「お約束」を破って観客を打ちのめす。
こうあってほしい、と観客が期待することをことごとく打ち砕き、
「映画を虚構として楽しむ」ことを許さない。
普通の映画ファンを馬鹿にし,憎悪しているように感じる。
拷問シーンに「うわあ酷い」なんていうお気楽な普通の鑑賞をしたい人には
向かない映画なのでご注意を。
残酷描写がお好きなら「ホステル」なんかどうでしょう。(2はダメよ)
スリリングな心理劇が観たいなら「隣人は静かに笑う」「ミザリー」などいいかもしれません。「ミザリー」はメジャーすぎ? では「ボクシング・ヘレナ」。
こんな悪意に満ちた映画、お金払って観ることないです。
ピアニストは痛いほど面白かったのに 本作でハネケ嫌いに
投稿日
2009/02/22
レビュアー
ミルクチョコ
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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ある人の忠告を守り、年末年始の視聴は避けたのですが、これほど不快だとは、思ってもみませんでした。
「ピアニスト」で、女性をよりデープに人間の真実に迫る作品は、ゾクゾクするほど魅力的で、ストーリーテーラーとしても凄いものを感じました。
何故か心と言うか、魂?まで持っていかれてしまった私は、次の作品が恋しくなり、すっかりハネケ監督の虜になってしまったほどですが、これはどうも駄目でした。というか逆に嫌いになってしまったほどです。
この差は、一体何なのでしょう?
じわじわと締め付けられるような陰険さが漂います。
全ては、二人の策略で、気が付くと一家は完全に二人のゲームにはめ込まれていました。二人の凶悪犯が、死へのカウントダウンを楽しんでいるような、血も涙もない冷血人間なのも怖さを盛り上げます。
そして、リモコンのシーンで、私の期待は一気に砕かれてしまいました。あのシーンを入れた意味が本当に不可解です。
ひょっとして、民放で放送されている映画をみているような、CMが流れることによって、突然映画の世界から現実に戻される感覚。そのような感じを味あわせたかったのでしょうか?
それとも、TVを見ている視聴者への挑戦状なのでしょうか?
「劇場映画にしては、時間が足りない」犯人の言葉にハネケ監督の底意地の悪さを感じました。
ハリウッド映画のあのいかにもお決まりの感動シーンは気に食わないけれども、この作品を見て、ハリウッドの良さが改めて分かりました。安心して観れますよね。
それにしても、セルフリメイクは、ハリウッド映画は脳天気すぎるって、嫌味なメッセージを送ったのでしょうか?
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