白線流し

実は、オンエアのときにも全話欠かさずチェックしたので、今回で2度目ということになるんだけど、１〜３話を観て「あー、こんなに丁寧につくってあったんだぁ」と改めて感心した。主役二人が本当の意味で「出逢う」までのお互い別々のシチュエーションをこれといった『ドラマ』もなく、ただ淡々と描写していくあたりが、あの『踏切』の大感動（ってこれは自分だけか？）へと続いていくんだなぁと。
しかし、8年前の酒井美紀のキュートさって、他に真似できる役者って後にも先にもいないんじゃないか、んー「バタアシ金魚」の高岡早紀なら何とか対抗できるか。
まぁ、バリバリというほどではない学年で３０％くらいは国立大にいっていた共通一次以降の進学校の高校生たちのひきこもごもがリアルというわけではないのだけれど、ちょうどいい感じに描かれていて、そういう高校時代を過ごした多くの人たちの共感を呼ぶだろう。
まぁ、残っていないんだろうけど、メイキングなどの付録がないのが残念。

今で見たドラマで最高だと思います。
仲良し組みたいなのがとても自然なな感じで、自分の青春時代とオーバーラップしてきます。
まあ当然あんなドラマはありませんでしたが。
岩城太郎の音楽がまた逸品でドラマを切なく彩ります。
1話目の最後、歴史に残るくらい素敵なシーンだと思います。
酒井美紀が可愛すぎる。

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第10話「天使の孤独」第11話「空も飛べるはず」の2話を収録。

優介をはじめ仲間たちのゴタゴタもなんとか落ち着き、進学組は本番へ向けて一直線。
信大合格を条件に渉の学費の援助を両親に願い出る園子ですが、その重圧たるや見ている方も息が詰まるようでした。なんだか園子のそういう部分ってあまり好きになれません。渉を自分の夢の代替的な存在にして、彼を支える事で自分の存在意義を確認している、こういう関係は絶対にうまくいかないですからね・・・でも園子も薄々それに気づいていて、試験を欠席してしまった事に対して純粋に人助けの気持ちだけだったのか、それとも逃げ出したかっただけのか。真面目に悩む姿はやはり園子らしいです。「お前は太陽のようだ」と励ます渉の言葉もまた良し。

やっとここに来て「白線流し」についてのエピソードが挿入されます。実際に岐阜県立斐太高校では現在も受け継がれている行事で、川から大海へ向かって流れ行く白線を、自分たちの旅立ちと成長に重ね合わせるその儀式はなかなか感慨深いものがありますね。
園子と冬美は東京、渉は北海道、優介は京都、慎司と茅乃は松本、まどかは名古屋と見事に全国に散る7人。
北海道へ旅立つ渉に、クリスマスのときに渡せなかったマフラーを差し出し握手で別れる2人は、これまた白線らしい清々しさですね。

ファンとしては北海道と東京の遠距離でこの2人大丈夫なんかなぁ・・・とお節介な事を考えつつ、そして優介の逆転劇も少し期待しながら、次作以降も彼らの行く末には目が離せそうにありません。

第4話の駅でのすれ違いから踏切のシーンは、自分が生まれて初めてTVドラマを観ながら、嗚咽をもらしてしまったシーン。今観ると、心の準備ができちゃっているせいか、それほどでもないのだが、当時の感情の昂ぶりを思い出したりして、それでも涙ボロボロ。
やはり、基本的には女の子3人を（いや、以後は茅野も入れて4人か）中心にした物語なんだなー、園子、冬美が木陰で寝転んで、保健室の並んだベッドの上で、会話するシーンとか観ると、女の子たちの普通の会話ってそれだけで画になるんだよなー（男のそれは全然画にならないのに）とか思ってしまう。
しかし、特典が一切ないってのはどうなんでしょう、これはレンタル版だけ？

こんなに高校生の揺れ動く気持ちを描いたドラマがあったでしょうか。すごくいいです。お勧めですよ。長瀬の演技もすばらしいです。