スペース・バンパイア

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

私はこの作品は率直に大好きです、確か夏休み映画として劇場で観た記憶が有りますが、映画としての面白さが詰め込まれた作品だと思います。原作はColin Wilson著「宇宙ヴァンパイア」で邦題と同じでかなり脚色されてますが監督のTobe Hooperの言いたい事は原題「LIFE FORCE」で見事に表されてます。監督については今更申し上げる事も無いと思いますが、代表作「ポルターガイスト」は実は製作のSteven Spielbergが我慢しきれず自ら演出(監督)しちゃったらしく、これが基でスタジオと喧嘩になり長くハリウッドから遠ざかる事に成った話は有名です。本作は最も予算規模の大きい監督の作品と言えます。本作が他の作品に無い特長はやはりスタジオが英国と言う事も有り、全編が良い意味でダークな点です。視覚効果担当のJohn Dykstraも良い仕事してます、当時はC.G初期の頃でしたから本作の様な手作り感覚溢れるSFXも悪くないです。誰もが耳を疑う勇壮なマーチが、あのHenry Mancini？しっかりロンドン交響楽団が奏でる音楽は思わず東宝かと思いました。そして何よりMathilda Mayの文字通りの熱演！これで19歳らしいですがホント？正に記憶に残る女優さんです。このエロ設定は後に「スピーシーズ」に受け継がれる事になります。クライマックスのロンドン市街でのゾンビ展開も中々の出来、ここで監督が「悪魔のいけにえ」を作った事を思い出させてくれます。残念なのはやや脚本が散漫な点かな？盛り込み過ぎた感は有りますが、まあ娯楽作品なので良しとしましょう。

本作は吸血鬼とゾンビと言うホラーの古典的なテーマを、SFと言う現代のテーマでオブラートし、それに「エロ」エッセンスをふりかけた大人も楽しめる映画。もう少し評価されても良いと思います。

いけね、またやっちまった。『アメリカン・ナイトメア』のレビューで「トビー・フーパーの『悪魔のはらわた』」って書いちゃいましたが、これもちろん『悪魔のいけにえ』の間違いです。サム・ライミ『悪魔のはらわた』はDISCASでもレンタルできますし、作品そのものも勝王さんが仰いっているとおりパロディーもしくはコメディーとして接するべき作品でしょうからホラー映画、いや映画史に燦然と輝くべき『悪魔のはらわた』と混同なんぞちちゃいけません＞自分

と言うことでフーパー繋がりと言うことでついでに『スペースバンパイア』のレビューもしますが、実はこの作品(も)結構好きです。 雲黒斎さんが書かれているとおり「物語の破綻はなんのその、フーパー節が炸裂」している作品ですが、その破綻や炸裂そのものがかなり愉しいのです。ホラーと、メロドラマと、エロスが混在し、でもそれらが各々分離することなく「こわ寂しい」とでも言うべき妙な感覚を味合わせてくれるところがこの作品の勘所で、味わいという点では『スポンティニアス・コンバッション』とよく似ていると言えるのではないでしょうか。でも原子力問題などと言うような時事的・社会的ことがらを無理矢理結び付けた『スポンティニアス・コンバッション』よりも、宇宙人＝吸血鬼という身も蓋もないようなことを悲劇の根底に置いた本作品の方が悲劇性がより強い分だけ優れているように思いました。ま、個人的な好みの範躊の話しではありますが。

そう言えば、「雲黒斎」さんって、マンガ『キャンパス・クロッキー』の事実上の主役(笑)だった小陳恋次郎や万腰太蔵と同じノリのハンドルだったんですね。公衆の面前ではとても声に出しては言えないこれらの名前と同じノリだと言うことを、ラヴァ様からの指摘を読むまでは気が付きませんでした。こんなところに表音文字と表意文字(あるいはシニフィエとシニフィアン)とを無理矢理にではなく分離させることが可能な日本語の構造が露出しており、ジュリア・クリステヴァはホントは中国語なんぞに熱を入れるよりも日本語こそ真面目に学ぶべきだと思うのですが、まあそんなことはどうでもいい話で、雲黒斎のハンドルはもう皆さん馴染んでるでしょうし別に声に出して呼ぶわけではないので、そのままでよろしいんじゃないでしょうか(に一票)。

「悪魔のいけにえ」でお馴染みホラー界の巨匠トビーフーパー監督のSFホラー。脚本は「バタリアン」のダンオバノンとくれば面白くない訳はないでしょう。
が、意外と賛否両論分かれるこの作品。私はB級ホラー大好きな事もあって、1985年製作の古さを感じさせない出来に今観ても大満足。
吸血鬼＋ゾンビのようなストーリー展開に思わず目を奪われる。
精気を吸い取られたミイラのような絞りかすに驚いたなぁ。


と、ここまで書いて自分でもどうも違和感が…

やはりスペースバンパイアで、マチルダメイのおっぱいに触れない訳にはいかんのです。
何と言っても当時小学生のガキには強烈過ぎた、仰向けに寝ているのに完璧な小山を形成するおっぱいに性の目覚めを感じたものです。
あんなに大胆に、且つ何シーンも何分間も美しい裸体を拝める映画なんて当時非常に珍しかったんですから。
もちろんバンパイアホラーとしても必見の面白さだけど、それ以上にやっぱりマチルダメイのおっぱい、必見です。



※ここにレビュー以外の事は極力書かないようにしてるんですが、先日おそらくお一人で1日に170件もの「参考になった」票を頂きまして、この場を借りてお礼申し上げます。くだらないレビューに目を通してくれる方がいらっしゃると思うと素直に嬉しいものです。これを見ているか分かりませんが…m(__)m

paroleさんにイチャモンを付ける気はまったくありませんので、気を悪くなさらないようお願いしたいのですが、サム・ライミは「死霊のはらわた」で、「悪魔のはらわた」はポール・モリセイが監督したエログロ３Ｄ映画です。公開当時は成人映画でしたが、その後なぜかテレビ放映されてます。最近、アンディー・ウォーホールパックとしてＤＶＤが出ましたが、ディスカスのリストにはありません（加えて欲しいものです）。「フレッシュ・フォー・フランケンシュタイン」なんてタイトルに変わってました。まあしかし、お間違えになるのも無理はありません。「悪魔のはらわた」は配給の日本ヘラルドが無関係な映画３本を勝手に「ヘラルド悪魔シリーズ」なんて名前で公開したもので、第１弾が「はらわた」、第２弾が「悪魔のいけにえ」第３弾が「悪魔の墓場」で、３作とも悪魔と何の関係もありません。まだこれは良い方で、例えば「ザ・ショックス」（ドキュメンタリー）「ザ・ショック」（マリオ・ヴァーバの秀作）「ザッツ・ショック」（オムニバス）「ショッカー」（ウェス・クレイブン）などは、非常に紛らわしく区別がつく人も少ないでしょうし区別がついても偉くとも何ともありません。それはともかく、「スペースバンパイア」は秀作です。全裸の女性エイリアンでゾンビ化、という一歩間違えるとバカ映画になりそうなストーリーを、ちゃんとしたＳＦホラーにしているのですから大したもんです。私は核問題を絡めて実にダークなムードの「スポンティニアス・コンバッション」の方が怖くてゾクゾクしましたが、もちろんこっちも楽しみました。

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

　宇宙美女に男たちが精気を吸い取られる話。

　冒頭の宇宙の映像と共にヘンリー・マンシーニ御大のメインテーマ曲が流れるスタートからテンション上がる素晴らしいメインテーマでした。スペースバンパイアに精気を吸い取られた人も2時間後には同じくスペースバンパイアになっちゃって、どんどんと増えていってしまうという。SF映画でありゾンビ映画でもあるという設定は面白かったです。

　ただジャンル映画としては120分はチト長くて、序盤のスペースバンパイアを回収するまでの宇宙船のくだりが結構長かったり、バンパイアがロンドンの街に逃げての捜索とかもあんまり捜索している感じはしなくて、ただただ女優さんの全裸の姿だけしか印象に残らなかったです。

　どんどんと身体を変えていくスペースバンパイアを追いかけて、アメリカ人の宇宙飛行士はスペースバンパイアに惹きつけられておどおどしているだけだし、イギリス人の特殊部隊の人はそこまで強さを発揮しない感じで男のスペースバンパイアも強そうに出てくるわりには剣が簡単に突き刺さっちゃうという。

　いろんな映画のごった煮感いっぱいですが、THE80年代な雰囲気が楽しめる映画でした。