燃ゆる女の肖像 / ノエミ・メルラン
燃ゆる女の肖像
/セリーヌ・シアマ
平均評価点:
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全体の平均評価点: (5点満点)
(9)
解説・ストーリー
「水の中のつぼみ」のセリーヌ・シアマ監督が18世紀の抑圧された女性たちの愛と葛藤を描き、カンヌ国際映画祭脚本賞受賞をはじめ数々の映画賞に輝いたラブストーリー。望まぬ結婚を控える貴族の娘と、彼女の肖像画を依頼された女性画家を主人公に、2人の切なくも情熱的な禁断の愛の行方を美しい映像とともに繊細な筆致で描き出していく。主演はノエミ・メルランとアデル・エネル。共演にヴァレリア・ゴリノ、ルアナ・バイラミ。18世紀のフランス。画家のマリアンヌは、伯爵夫人の依頼を受けブルターニュの孤島を訪れる。注文内容は娘エロイーズの縁談のための肖像画を描くこと。しかし結婚を望まぬエロイーズは描かれることを拒み続けていた。そこで画家であることを隠してエロイーズに近づき、秘密裏に肖像画を完成させようとするマリアンヌだったが…。 JAN:4589921413626
「水の中のつぼみ」のセリーヌ・シアマ監督が18世紀の抑圧された女性たちの愛と葛藤を描き、カンヌ国際映画祭脚本賞受賞をはじめ数々の映画賞に輝いたラブストーリー。望まぬ結婚を控える貴族の娘と、彼女の肖像画を依頼された女性画家を主人公に、2人の切なくも情熱的な禁断の愛の行方を美しい映像とともに繊細な筆致で描き出していく。主演はノエミ・メルランとアデル・エネル。共演にヴァレリア・ゴリノ、ルアナ・バイラミ。18世紀のフランス。画家のマリアンヌは、伯爵夫人の依頼を受けブルターニュの孤島を訪れる。注文内容は娘エロイーズの縁談のための肖像画を描くこと。しかし結婚を望まぬエロイーズは描かれることを拒み続けていた。そこで画家であることを隠してエロイーズに近づき、秘密裏に肖像画を完成させようとするマリアンヌだったが…。 JAN:4589921413626
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「燃ゆる女の肖像」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
「水の中のつぼみ」のセリーヌ・シアマ監督が18世紀の抑圧された女性たちの愛と葛藤を描き、カンヌ国際映画祭脚本賞受賞をはじめ数々の映画賞に輝いたラブストーリー。望まぬ結婚を控える貴族の娘と、彼女の肖像画を依頼された女性画家を主人公に、2人の切なくも情熱的な禁断の愛の行方を美しい映像とともに繊細な筆致で描き出していく。主演はノエミ・メルランとアデル・エネル。共演にヴァレリア・ゴリノ、ルアナ・バイラミ。18世紀のフランス。画家のマリアンヌは、伯爵夫人の依頼を受けブルターニュの孤島を訪れる。注文内容は娘エロイーズの縁談のための肖像画を描くこと。しかし結婚を望まぬエロイーズは描かれることを拒み続けていた。そこで画家であることを隠してエロイーズに近づき、秘密裏に肖像画を完成させようとするマリアンヌだったが…。 JAN:4589921413626
「燃ゆる女の肖像」 の作品情報
「燃ゆる女の肖像」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
燃ゆる女の肖像の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
122分 |
日・日(大字幕) |
仏:ドルビーデジタル5.1ch |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
PG-12 |
GADR2362 |
2021年06月02日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
30枚
|
0人
|
1人
|
燃ゆる女の肖像の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
122分 |
日・日(大字幕) |
仏:ドルビーデジタル5.1ch |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
PG-12 |
GADR2362 |
2021年06月02日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
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|
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ユーザーレビュー:9件
男性を排除した女性だけの世界
忘れ難いその思い出があれば強く生きていけるのだ、という映画。ほとんどの場面、母親の伯爵夫人、娘エロイーズ、小間使いソフィ、画家マリアンヌと、登場人物は女性4人に限られる。外の世界にはエロイーズの結婚相手やソフィを妊娠させた匿名の人物、マリアンヌの父親等が存在しているが、彼らをシャットアウトして、女性だけの隔絶した世界を静謐に描いている。
18世紀のフランス。女性の画家など評価されなかった時代に、父親の跡を継ぎ画家となったマリアンヌは、貴族の令嬢エロイーズの肖像画を描くよう依頼され、ブルターニュの孤島に赴く。令嬢は、見知らずの結婚相手に贈られる自分の肖像画の完成を拒否している。マリアンヌは最初、画家の身分を隠したまま令嬢と親しくなろうと、荒涼とした海岸を一緒に散歩し、友人同士のようにふたりだけの時間を過ごして観察し、密かに肖像画を描きあげる。
いざ完成してエロイーズに真実を打ち明け、肖像画を見せるが、彼女は気に入らない、これは私に似ていないと言う。伯爵夫人が所用でパリに出掛ける僅か5日間に、描き直すことになる。エロイーズ、マリアンヌ、それにソフィという若い女性3人だけの束の間の極めて親密で濃密な関係を、息詰まるような緊迫感で映画は描写する。マリアンヌとエロイーズは、描く主体と描かれる客体として真剣に見つめ合い、理解し合おうとして、やがて互いに深い愛へと変わっていく。
5日後、伯爵夫人が帰宅して、キッチンで食事をする男性の姿が、夢のような甘美な女性だけの時間の終わりを告げる。完成した肖像画は梱包されミラノへと送られる。ふたりの別れは、オルフェウスの神話に喩えられている。禁じられているのに、オルフェウスが妻を振り返ってしまった行為を、夫ではなく詩人として妻の思い出を選択したのだとエロイーズは語り、マリアンヌにも恋人ではなく画家としての思い出を選択させる。(これは、花瓶の枯れてしまった花とその美しい刺繍という対比にも表れている。)
ふたりは、それぞれの生きる道を選択するけれど、心には、マリアンヌがあの時チェンバロでつま弾いた旋律(ヴィヴァルディ「四季」夏の第3楽章)が響いている。オーケストラが、再びその曲を激しく高らかに演奏するラストシーンには想いが凝縮されていて、とても美しい。
このレビューは気に入りましたか?
8人の会員が気に入ったと投稿しています
男社会で生きる不条理を、男なしで期限付き「孤島ユートピア」で描く
舞台は18世紀のフランス、ブルターニュの孤島。
女性画家マリアンヌ(ノエミ・メルラン)はとある孤島に呼ばれ、屋敷の令嬢エロイーズ(アデル・エネル)のお見合い用の肖像画を描くことになる。
ところがエロイーズは頑なに結婚を拒んでいて肖像画を描かれることを拒否しており、
エロイーズの母はマリアンヌを散歩の付き添いだと紹介し、彼女の顔を覚えさせて、
こっそり絵を描かせようとする。
エロイーズとマリアンヌは見たり見られたりして、次第に親しくなり、さらに女中のソフィとも屈託なく付き合ってゆく。
マリアンヌは絵が出来上がるまでという期間限定で屋敷に滞在している上、エロイーズはやがてはミラノに嫁ぐ。
2人で幸せになれる見込みが全くないまま激しい恋が燃え上がる様子を考え抜いた台本と映像で描いている。セリフも登場人物も少ない作品だが、インパクトはあると思う。
この映画の特徴のひとつは、男がまったく介入しない完全に女性の世界を描いた作品だということにある
しかしながら、エロイーズが結婚しなければならないという点では、男性に人生が振り回されているということになるのだが、その男がまったく登場しない。。また、女中のソフィが中絶をするのにエロイーズとマリアンヌが協力するが、、ソフィの相手の男も一切出てこない。
画家のマリアンヌは、「女性は描ける絵に限りがある」と言われていたり、女性の絵は見向きもされず、出品すらされないことを暗に仄めかしていて仕事の差別が存在する。
男を登場させはしないが、むしろ、ガッツリ存在する男社会が鮮明に浮き彫りになる。
あどけない顔をしたソフィが妊娠3ケ月だという事実に驚くが、(男に要求したり責めたり泣いたりする場面はなく)淡々と、堕胎させるため色々やったり、取り上げ婆さんが堕胎も請け負ってるようなので、そこで可愛い赤ちゃんの顔を眺めながら処置してもらったり。
出産も堕胎もどちらも命がけの事ではあるのだが、生殖に関連するものとして自然に受け止めているのがわかる。
淡々とした印象がするのは、劇伴が極端に少ないこともある。
だが、数年後を描くラストでは、白いドレスで消えたように見えるエロイーズが遠い人になったという伏線はさておき、今まで一切なかったオーケストラでの音楽が朗々と鳴り響き(ヴィヴァルディ「夏」)、エロイーズの頬に伝わる滂沱の涙、画家としての将来をつぶさないためにあの時、自分は別れたが、それはオルフェウスに『振り返っちゃダメだ』という心境だったのだよ、という愛の深さがわかって鳥肌が立つ思いをしました。
ベテランのアデル・エネル、目ちからが鋭い新鋭のノエミ・メルラン、熱演でした。
このレビューは気に入りましたか?
8人の会員が気に入ったと投稿しています
18世紀のブルターニュの孤島・・・の、ガールズラブ
たとえ世界から絶賛されようと、この映画は一流でも後世に残る名作でもないと思います。
そこには自立した強く美しい肖像画家の女性と、孤島に幽閉される貴族の娘の、ひと夏の
ハーレクイン・ロマンスがあります。
真の芸術とは、こんな甘っちょろい映画を指さないと思うのが自論です。
2019年(フランス)監督・脚本:セリーヌ・シアマ
カンヌ国際映画祭で脚本賞とクィアパルム賞をW受賞。
(クィアパルム賞とはLGBTやクィアをテーマとした映画に贈られる賞)
18世紀のフランスのブルターニュにある小島。
貴族の娘エロイーズを嫁に出そうと、母親はミラノの見合い相手に肖像画を
渡す必要があった。
選ばれた女性画家のマリアンヌは、小さな手漕ぎの船に乗り孤島を訪れる。
望まぬ結婚を控えるエロイーズはナーバスで、以前男の肖像画家に、一度も顔を見せなかった過去がある。
素性を隠したマリアンヌは、エロイーズを観察して肖像画を完成させるが・・・
エロイーズに「この絵は嫌い、私ではない」と拒絶されてしまう。
激怒したマリアンヌは肖像の顔を黒く汚してしまう。
《肖像画の描き直し》
エロイーズの母親は自分の5日間の留守の間に、肖像画の描き直しを命じるのだった。
ここからはエロイーズとマリアンヌが急接近します。
音楽や文学に飢えているエロイーズに、マリアンヌは頼もしい自立した教師。
マリアンヌがチェンバロで奏でるヴィヴァルデイ協奏曲第2番ト短調「夏」
この一瞬のメロディが美しい!!
マリアンヌはエロイーズにとっては、パリの都から来た美術・音楽・文学の師!!
この時代の女の芸術への渇望が痛いようです。
母親の不在の開放感に、心も身体もひとつになるエロイーズとマリアンヌ。
この描写が百合(ガールズラブ)なんですねー。
「一夏のアバンチュール」
女性映画の王道です。
ブルターニュの孤島の貴族?
貧乏貴族?
よそ行きのドレスは緑が、たった一枚。
父親不在・・・(ここも、いかにもの、女性映画)
ほぼ4人の出演者の映画です。
ラストの方で、島民たちの焚き火のシーンがあるのと、
ラストのラストでミラノのオペラ座が写るシーン以外は、
エロイーズの母親、お手伝いのソフィ、そしてマリアンヌとエロイーズの4人の登場人物。
舞台劇みたいです。
撮影もブルターニュの孤島を使い、絵画のようなショットが散見されます。
肖像画も美しいのですが、マリアンヌの絵をレンブラントやフェルメールの肖像画と較べるのは酷というもの。
マリアンヌがチェンバロで奏でたヴィヴァルディの「夏」がフルオーケストラで盛り上げる
ラストは、ちょっとほだされます。
主役のマリアンヌのノエミ・メルランとエロイーズのアデル・エネルが、毅然としてとても美しい。
(アデル・エネルはセリーヌ監督の元パートナーだったとか)
美しい映画です。
しかし、大の大人が観るような本物の芸術作品とは到底思えません。
多感な若い女性には、結構愛される映画なのかもしれませんね。
このレビューは気に入りましたか?
7人の会員が気に入ったと投稿しています
籠の鳥
投稿日:2022/12/29
レビュアー:こうさま
舞台は18世紀のフランス、荒海を小舟に乗って離島へ向かう女性画家のマリアンヌ、島で暮らす貴族の令嬢イエローズの肖像画の依頼を受けたらしい。
この時代未婚女性の肖像画は見合い写真のような役割を果たすものだったらしい。
屋敷で働くお手伝いの女ソフィーによると、令嬢の姉は自殺し、姉の代わりに妹のイエローズが修道院から呼び戻されたらしいが、本人は結婚を全く望んでおらず、ポーズを取ることすら拒否しているという。
だから女性の画家を雇い、目的を隠してイエローズと接触し、表情を盗み取って肖像画を完成させるというなかなか難しいミッション。
この時代の背景としては完全な男社会で、女性はその所有物としか認識されていなかったのだろう、従って結婚の自由もなく定められた家に嫁ぐというのが一般的であったみたい。
そんな不安にかられているイエローズは「籠の鳥」状態だったのだろう。
マリアンヌとイエローズの関係はどうなってゆくのだろうかと思わせるサスペンス的な要素も楽しませてくれる。
マリアンヌがイエローズを観察しているという一方通行だけではなくイエローズもマリアンヌを詳細に観ていたという事実、イエローズが肖像画のモデルを承諾し、奥様(母親)が島をはなれている5日間ソフイーとの女性3人忘れ得ぬ思い出が作られて行く。
神話の解釈をめぐる3人の議論も伏線になっている。
ストーリーの流れはレスビアン・ロマンスではあるが、そこには男社会に所有される女性の行き場のない悲しみのようなものが感じられる。
エンディングは説明もないまま流れて行くがいろいろと想像させられる印象深いシーンとなっている。
映画好きには評価の高そうな作品。
このレビューは気に入りましたか?
3人の会員が気に入ったと投稿しています
全てシーンが写真の様に美しい。女の宿命と決意を感じた。
燃えゆる女の肖像
1700年代 フランス ブルターニュ地方。
孤島に住む謎多きお嬢様の結婚用肖像画を頼まれる主人公マリアンヌ。
結婚を拒否し、肖像画を嫌がるお嬢様。
マリアンヌの任務は画家の身分を隠して、お嬢様の肖像画を描く事だった。
肖像画を描くうちに芽生える新たな感情の先は!
◎75E点。
★ストーリー、映像、風景、役者さん全て綺麗でした。表情で訴える感情表現が凄かったです。
◎見所5!
@映像美に癒される。
A表情から読み取る感情表現が肝?
Bヌードのスケッチをするシーンのボカシ。
★これは斬新で笑えた。
C濃厚な時間で体験した女3人の忘れられない出来事や想い出。
★結婚、妊娠、恋愛の女の人しか共有できない忍耐強さを感じました。
D加速する2人の感情と2人の行末。
このレビューは気に入りましたか?
2人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
男性を排除した女性だけの世界
投稿日
2021/06/13
レビュアー
hinakksk
忘れ難いその思い出があれば強く生きていけるのだ、という映画。ほとんどの場面、母親の伯爵夫人、娘エロイーズ、小間使いソフィ、画家マリアンヌと、登場人物は女性4人に限られる。外の世界にはエロイーズの結婚相手やソフィを妊娠させた匿名の人物、マリアンヌの父親等が存在しているが、彼らをシャットアウトして、女性だけの隔絶した世界を静謐に描いている。
18世紀のフランス。女性の画家など評価されなかった時代に、父親の跡を継ぎ画家となったマリアンヌは、貴族の令嬢エロイーズの肖像画を描くよう依頼され、ブルターニュの孤島に赴く。令嬢は、見知らずの結婚相手に贈られる自分の肖像画の完成を拒否している。マリアンヌは最初、画家の身分を隠したまま令嬢と親しくなろうと、荒涼とした海岸を一緒に散歩し、友人同士のようにふたりだけの時間を過ごして観察し、密かに肖像画を描きあげる。
いざ完成してエロイーズに真実を打ち明け、肖像画を見せるが、彼女は気に入らない、これは私に似ていないと言う。伯爵夫人が所用でパリに出掛ける僅か5日間に、描き直すことになる。エロイーズ、マリアンヌ、それにソフィという若い女性3人だけの束の間の極めて親密で濃密な関係を、息詰まるような緊迫感で映画は描写する。マリアンヌとエロイーズは、描く主体と描かれる客体として真剣に見つめ合い、理解し合おうとして、やがて互いに深い愛へと変わっていく。
5日後、伯爵夫人が帰宅して、キッチンで食事をする男性の姿が、夢のような甘美な女性だけの時間の終わりを告げる。完成した肖像画は梱包されミラノへと送られる。ふたりの別れは、オルフェウスの神話に喩えられている。禁じられているのに、オルフェウスが妻を振り返ってしまった行為を、夫ではなく詩人として妻の思い出を選択したのだとエロイーズは語り、マリアンヌにも恋人ではなく画家としての思い出を選択させる。(これは、花瓶の枯れてしまった花とその美しい刺繍という対比にも表れている。)
ふたりは、それぞれの生きる道を選択するけれど、心には、マリアンヌがあの時チェンバロでつま弾いた旋律(ヴィヴァルディ「四季」夏の第3楽章)が響いている。オーケストラが、再びその曲を激しく高らかに演奏するラストシーンには想いが凝縮されていて、とても美しい。
男社会で生きる不条理を、男なしで期限付き「孤島ユートピア」で描く
投稿日
2021/06/04
レビュアー
くまげらの森
舞台は18世紀のフランス、ブルターニュの孤島。
女性画家マリアンヌ(ノエミ・メルラン)はとある孤島に呼ばれ、屋敷の令嬢エロイーズ(アデル・エネル)のお見合い用の肖像画を描くことになる。
ところがエロイーズは頑なに結婚を拒んでいて肖像画を描かれることを拒否しており、
エロイーズの母はマリアンヌを散歩の付き添いだと紹介し、彼女の顔を覚えさせて、
こっそり絵を描かせようとする。
エロイーズとマリアンヌは見たり見られたりして、次第に親しくなり、さらに女中のソフィとも屈託なく付き合ってゆく。
マリアンヌは絵が出来上がるまでという期間限定で屋敷に滞在している上、エロイーズはやがてはミラノに嫁ぐ。
2人で幸せになれる見込みが全くないまま激しい恋が燃え上がる様子を考え抜いた台本と映像で描いている。セリフも登場人物も少ない作品だが、インパクトはあると思う。
この映画の特徴のひとつは、男がまったく介入しない完全に女性の世界を描いた作品だということにある
しかしながら、エロイーズが結婚しなければならないという点では、男性に人生が振り回されているということになるのだが、その男がまったく登場しない。。また、女中のソフィが中絶をするのにエロイーズとマリアンヌが協力するが、、ソフィの相手の男も一切出てこない。
画家のマリアンヌは、「女性は描ける絵に限りがある」と言われていたり、女性の絵は見向きもされず、出品すらされないことを暗に仄めかしていて仕事の差別が存在する。
男を登場させはしないが、むしろ、ガッツリ存在する男社会が鮮明に浮き彫りになる。
あどけない顔をしたソフィが妊娠3ケ月だという事実に驚くが、(男に要求したり責めたり泣いたりする場面はなく)淡々と、堕胎させるため色々やったり、取り上げ婆さんが堕胎も請け負ってるようなので、そこで可愛い赤ちゃんの顔を眺めながら処置してもらったり。
出産も堕胎もどちらも命がけの事ではあるのだが、生殖に関連するものとして自然に受け止めているのがわかる。
淡々とした印象がするのは、劇伴が極端に少ないこともある。
だが、数年後を描くラストでは、白いドレスで消えたように見えるエロイーズが遠い人になったという伏線はさておき、今まで一切なかったオーケストラでの音楽が朗々と鳴り響き(ヴィヴァルディ「夏」)、エロイーズの頬に伝わる滂沱の涙、画家としての将来をつぶさないためにあの時、自分は別れたが、それはオルフェウスに『振り返っちゃダメだ』という心境だったのだよ、という愛の深さがわかって鳥肌が立つ思いをしました。
ベテランのアデル・エネル、目ちからが鋭い新鋭のノエミ・メルラン、熱演でした。
18世紀のブルターニュの孤島・・・の、ガールズラブ
投稿日
2021/06/03
レビュアー
カマンベール
たとえ世界から絶賛されようと、この映画は一流でも後世に残る名作でもないと思います。
そこには自立した強く美しい肖像画家の女性と、孤島に幽閉される貴族の娘の、ひと夏の
ハーレクイン・ロマンスがあります。
真の芸術とは、こんな甘っちょろい映画を指さないと思うのが自論です。
2019年(フランス)監督・脚本:セリーヌ・シアマ
カンヌ国際映画祭で脚本賞とクィアパルム賞をW受賞。
(クィアパルム賞とはLGBTやクィアをテーマとした映画に贈られる賞)
18世紀のフランスのブルターニュにある小島。
貴族の娘エロイーズを嫁に出そうと、母親はミラノの見合い相手に肖像画を
渡す必要があった。
選ばれた女性画家のマリアンヌは、小さな手漕ぎの船に乗り孤島を訪れる。
望まぬ結婚を控えるエロイーズはナーバスで、以前男の肖像画家に、一度も顔を見せなかった過去がある。
素性を隠したマリアンヌは、エロイーズを観察して肖像画を完成させるが・・・
エロイーズに「この絵は嫌い、私ではない」と拒絶されてしまう。
激怒したマリアンヌは肖像の顔を黒く汚してしまう。
《肖像画の描き直し》
エロイーズの母親は自分の5日間の留守の間に、肖像画の描き直しを命じるのだった。
ここからはエロイーズとマリアンヌが急接近します。
音楽や文学に飢えているエロイーズに、マリアンヌは頼もしい自立した教師。
マリアンヌがチェンバロで奏でるヴィヴァルデイ協奏曲第2番ト短調「夏」
この一瞬のメロディが美しい!!
マリアンヌはエロイーズにとっては、パリの都から来た美術・音楽・文学の師!!
この時代の女の芸術への渇望が痛いようです。
母親の不在の開放感に、心も身体もひとつになるエロイーズとマリアンヌ。
この描写が百合(ガールズラブ)なんですねー。
「一夏のアバンチュール」
女性映画の王道です。
ブルターニュの孤島の貴族?
貧乏貴族?
よそ行きのドレスは緑が、たった一枚。
父親不在・・・(ここも、いかにもの、女性映画)
ほぼ4人の出演者の映画です。
ラストの方で、島民たちの焚き火のシーンがあるのと、
ラストのラストでミラノのオペラ座が写るシーン以外は、
エロイーズの母親、お手伝いのソフィ、そしてマリアンヌとエロイーズの4人の登場人物。
舞台劇みたいです。
撮影もブルターニュの孤島を使い、絵画のようなショットが散見されます。
肖像画も美しいのですが、マリアンヌの絵をレンブラントやフェルメールの肖像画と較べるのは酷というもの。
マリアンヌがチェンバロで奏でたヴィヴァルディの「夏」がフルオーケストラで盛り上げる
ラストは、ちょっとほだされます。
主役のマリアンヌのノエミ・メルランとエロイーズのアデル・エネルが、毅然としてとても美しい。
(アデル・エネルはセリーヌ監督の元パートナーだったとか)
美しい映画です。
しかし、大の大人が観るような本物の芸術作品とは到底思えません。
多感な若い女性には、結構愛される映画なのかもしれませんね。
籠の鳥
投稿日
2022/12/29
レビュアー
こうさま
舞台は18世紀のフランス、荒海を小舟に乗って離島へ向かう女性画家のマリアンヌ、島で暮らす貴族の令嬢イエローズの肖像画の依頼を受けたらしい。
この時代未婚女性の肖像画は見合い写真のような役割を果たすものだったらしい。
屋敷で働くお手伝いの女ソフィーによると、令嬢の姉は自殺し、姉の代わりに妹のイエローズが修道院から呼び戻されたらしいが、本人は結婚を全く望んでおらず、ポーズを取ることすら拒否しているという。
だから女性の画家を雇い、目的を隠してイエローズと接触し、表情を盗み取って肖像画を完成させるというなかなか難しいミッション。
この時代の背景としては完全な男社会で、女性はその所有物としか認識されていなかったのだろう、従って結婚の自由もなく定められた家に嫁ぐというのが一般的であったみたい。
そんな不安にかられているイエローズは「籠の鳥」状態だったのだろう。
マリアンヌとイエローズの関係はどうなってゆくのだろうかと思わせるサスペンス的な要素も楽しませてくれる。
マリアンヌがイエローズを観察しているという一方通行だけではなくイエローズもマリアンヌを詳細に観ていたという事実、イエローズが肖像画のモデルを承諾し、奥様(母親)が島をはなれている5日間ソフイーとの女性3人忘れ得ぬ思い出が作られて行く。
神話の解釈をめぐる3人の議論も伏線になっている。
ストーリーの流れはレスビアン・ロマンスではあるが、そこには男社会に所有される女性の行き場のない悲しみのようなものが感じられる。
エンディングは説明もないまま流れて行くがいろいろと想像させられる印象深いシーンとなっている。
映画好きには評価の高そうな作品。
全てシーンが写真の様に美しい。女の宿命と決意を感じた。
投稿日
2022/12/14
レビュアー
★彡ムービードリンク
燃えゆる女の肖像
1700年代 フランス ブルターニュ地方。
孤島に住む謎多きお嬢様の結婚用肖像画を頼まれる主人公マリアンヌ。
結婚を拒否し、肖像画を嫌がるお嬢様。
マリアンヌの任務は画家の身分を隠して、お嬢様の肖像画を描く事だった。
肖像画を描くうちに芽生える新たな感情の先は!
◎75E点。
★ストーリー、映像、風景、役者さん全て綺麗でした。表情で訴える感情表現が凄かったです。
◎見所5!
@映像美に癒される。
A表情から読み取る感情表現が肝?
Bヌードのスケッチをするシーンのボカシ。
★これは斬新で笑えた。
C濃厚な時間で体験した女3人の忘れられない出来事や想い出。
★結婚、妊娠、恋愛の女の人しか共有できない忍耐強さを感じました。
D加速する2人の感情と2人の行末。
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