ジョン・F・ドノヴァンの死と生

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ジョン・F・ドノヴァンの死と生 / キット・ハリントン
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「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」 の解説・あらすじ・ストーリー

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解説・ストーリー

グザヴィエ・ドラン監督が、主演のキット・ハリントン、ジェイコブ・トレンブレイをはじめナタリー・ポートマン、キャシー・ベイツら豪華スターを起用し、自身初の英語作品に挑んだヒューマン・ドラマ。人気俳優と一人の少年の秘密の文通が引き金となった悲劇の顛末と、遠く離れた2人を強く結び付けていった互いの孤独と葛藤を美しく繊細な筆致で描き出す。2006年、ニューヨーク。ある日、スター俳優のジョン・F・ドノヴァンが29歳の若さでこの世を去る。謎に包まれた彼の死の真相を探る上で、鍵を握っていたのは11歳の少年ルパート・ターナーとの秘密の文通だった。ルパートはアメリカからイギリスに引っ越し、学校でイジメに苦しんでいた。そんなルパートにとって、憧れのスター、ジョン・F・ドノヴァンとの秘密の文通だけが心の支えだったが…。 JAN:4988105978553

「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」 の作品情報

作品情報

製作年: 2018年
製作国: カナダ/イギリス
原題: THE DEATH AND LIFE OF JOHN F. DONOVAN

「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

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ユーザーレビュー:5件

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1〜 5件 / 全5件

僕のヒーローが死んだ!!彼はゲイ・・・だった。

投稿日:2020/10/11 レビュアー:カマンベール

2018年(カナダ/イギリス)123分
グザヴィエ・ドラン監督は子役出身で幼少期からテレビ・映画に出演。
主役の少年・ルパートも子役志望でゲイと虐められてる少年。

ゲイであることを認めているドランの自伝的要素も感じられる映画です。
アイドル俳優と文通するファンの少年・・・
「タイタニック」に感動したドラン監督がレオナルド・ディカプリオに
ファンレターを書いたエピソードをヒントに膨らませたのがこの映画です。

ルパート(ジェイコブ・トレンブレイ)テレビ映画の人気俳優・ジョン・F・ドノヴァン(キット・バリントン)に、ファンレターを出します。
7歳の時です。
そしたらジョンから返事が来たのです。
その文通はこっそりと母に内緒で5年間続いて、ジョンから100通の手紙が届いたのです。
(ジョン直筆の緑色インクの手紙・・・ルパートが舞い上がったのも当然です)

映画のファーストシーンは、ジョンが死んで、発見されるところからはじまります。
自殺か?他殺か?事故か?
そこに至るまでに何がジョンに起きたのか?
成人して人気俳優になったルパート(ベン・シュネッツァー)が、記者の
インタビューに答えて、ジョンの生と死の真相を振り返る形式で進みます。

正直言って、「死の真相」に、新鮮さのカケラもなかったです。
込み上げる感情も湧かない映画でした。
ジョンはルパートのヒーローだったけれど、私たち観客のヒーローにはなれない男です。

映像・音楽・撮影・美術はクオリティが高い。キャスティングも良い。
総合点では3・5かもしれないけれど、実質的には3・・・かな?
ルパートのジェイコブ君、凄く可愛かった。
ピュアな笑顔と頬ぬらす涙、悪態までが刺さりました。
「ルーム」や「ワンダー君は太陽」のジェイコブ君です。
それだけでも観る価値はあるます。
グザヴィエ監督の永遠のテーマである「母親との確執」と「差別されるゲイ」
きっと永遠に言い続けたいテーマなんでしょうね。
ルパートのママはナタリー・ポートマン。
離婚したシングルマザーですが、真面目で一生懸命で、美しい。
しかしジョン・F・ドノヴァンのママはスーザン・サランドン。
ナタリーの対照的にアルコール依存症気味の、ジョンと心の通わない母親です。
(この点もジョンには不利・・・だったんですね)

グザヴィエ・ドランは、自身のアイデンティティである「ゲイである自分」
そして愛し過ぎて憎んでしまう「マザー」
このテーマから、彼はいつ卒業するのでしょうね。
それほど当人にとっては、重大でも普遍的テーマは他にもあるはず!
「好きでこんな身体(心?)に生まれたわけではない!!」
一応ノーマルな私ですが、彼の心の傷の深さはどうしても窺い知れません。
差別と闘うことが、使命・・・なのでしょうか?

そしてひとつ残念だったのは少年ルパート役のジェイコブ君の外見が、
7歳から11歳に変化して見えなかったこと。

もう一つ、俳優の100通の手紙とルパートの100通の返事を、
読みたいです。
何が書かれているのか、とても興味があります(たとえ虚構でも・・・)

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グザヴィエ・ドラン監督の母親への想いを感じる作品

投稿日:2020/10/16 レビュアー:飛べない魔女

好きな監督さんです。
俳優としても好きです。
自身もゲイであることをカミングアウトしているグザヴィエが描くこの世界は
美しくも切ない世界で、微塵も嫌らしさとか汚らしさを感じさせないのです。
むしろ普通の愛として受け取ることが出来るのです。
そしてグザヴィエが常に描いてきたのが母親の存在。
ここでも二人の母が描かれています。

一人はジョン・F・ドノヴァンの母(スーザン・サランドン)。
俳優として成功したジョンを愛しながらも、別れた夫の面影を見せるジョンに対して
時として冷たい態度をとる母。
そんな母を愛しながらも、距離をとろうとするジョン。
母親との関係が軸となってジョンの運命があるような気がしました。

そしてもう一人の母はジョンと文通を続ける少年ルパートの母(ナタリー・ポートマン)。
元女優でシングルマザーの彼女は、自分の夢を息子ルパートに託して子役にしようとしているのだと思いました。
母を愛しながらもアメリカを離れてロンドンに連れてこられたことに腹をたてていたルパート。
慣れない地で友達も出来ず、孤独な中での唯一の糧がジョンとの文通だったのでしょう。
母親に理解してもらえないことで反発する彼ですが、母と和解するシーンは感動的でした。ルパートの少年時代を演じたジェイコブ・トレンブレイくん、相変わらずの演技の上手さです。

二組の母と息子を通して描かれるジョン・F・ドノヴァンの死の真相。
その真相はそれほど重要なポイントではありません。
手紙の内容を基に、大人になったルパートが記者に語るその内容は
人気俳優として成功したかに見えたジョンの愛と孤独の日々でした。
ジョンに憧れたルパートは今や若手人気俳優となっていました。
そしてその姿はかつてのジョンの通った同じ道を行っているように見えます。

ジョンを演じたのは世界一面白いドラマ『ゲームオブスローンズ』でシーズンと通じて主役級のジョン・スノウを演じたキット・ハリントン。
今回の役名もジョンということで因縁を感じずにはいられません。



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何故か気になるグザビエ・ドラン監督作品

投稿日:2021/04/13 レビュアー:ラストシアター

何故か気になるグザビエ・ドラン監督作品

人気俳優のジョン・F・ドノヴァンが29歳の若さでこの世を去る

11歳の少年ルパートは、ジョンと100通以上の手紙を交わしていた

ジョンの生き様とルパートの人生が重なり合う不思議な2人の物語

心に深く響く作品

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バックに大きな愛あり。

投稿日:2021/06/02 レビュアー:★5レビュー

強烈な怒りや憎しみ、相変わらず複雑に交差しまくっているけど、、バックに大きな愛あり。
まさに、グザヴィエドラン作品、ブラボー。

焦点の絞られた画は、爽やかで美しいトーン。
ゆったりとした流れを感じるんだけど、心はかき乱される。
華やかな空気と重い空気の映し出し方は見事。絶妙なバランス。

感情がコントロールされているかのように、ぴったりと心がハマる。

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きゅんきゅんなラストシーンがたまらん。

投稿日:2020/12/19 レビュアー:

いやぁ。
こんなにきゅんとしてドキドキして切なくなったのはいつ以来だろうか。

俳優としてのグザヴィエドラン が大好きで、制作側になるとどんな作品を撮るのだろう
という興味から手にした。

同性愛の映画って、ちょっと自分の感覚では追いつかない部分が多々あって、
どうしても感情移入ができない。
なので、ふうんくらいで終わっちゃう。
こちらも恐らくそういう感じで終わっちゃうのだろうなと思っていた。

子供の頃から子役という形で世間に身を晒し、実生活では疎外される。
強烈な個性を持つめんどくさいタイプのシングルマザーと二人暮らし。
男の子で、男の子が恋愛対象。

共通点をいくつも持つ年の離れた者同士が、ファンレターのやりとりという形で
心の交流を持ち、それが幾分かの心の安定剤となっている。

スター俳優の死。
それが二人の心の交流の永遠の断絶となる。
(のが多すぎるな)

緑色のインク。
どのような内容が書かれていたのかは分からない。
嘘で覆われ嘘のハリボテみたいになっちゃって、もう自分が何なんだか分からなくなってくる
スター俳優にとって、遠いイギリスで自分に夢中な男の子とのやりとりが
唯一自分に戻れる場所だったのかもしれない。

音楽がいい。
グザヴィエドラン がどっぷり90年代な世代だからだろうか。
今ほど娯楽も生き方も多様化していない時代にあって、
音楽は今よりももっと濃厚な娯楽だった。

サクサクダウンロードして指先で音楽をかいつまむ時代ではない。
ひとつの音楽にアクセスするには雑誌やラジオから嗅覚を働かせ、名前を調べ、
あるいはレコードショップやCD屋さんでポップを読んだり視聴したりして
これというアーティストの1枚を結構な対価を支払いやっと耳にすることができる。

一つの音楽へ辿りつくには、それなりの労力が必要だった。

そんな時代に愛された音楽。
それをグザヴィエは物語に、映像にどんどんぶつけてくる。

男の人が男の人を愛おしく思う。
そこには感情がどうしても入らなかったのに、なぜかグザヴィエのこの映画では
自分の10代の頃の苦しくてしょうがなかったあの感覚がぶわーーっと蘇ってきた。
あ、この感覚。
忘れてた。

クラスでは子役として浮いた存在で、男の子が恋愛対象ってことでさらに虐められる。
家に帰れば帰ったで、煮ても焼いても食えない母親が待っている。

唯一の心の場所が失われた時。
心が張り裂けそうなくらいに大好きな人から拒絶された時。

二人の選んだ道が対照的だ。

ずっと暗闇にひとりで座っていた。
その少年の未来の姿があまりにも光が溢れて眩しくて、
きゅんきゅんして泣きそうになる。

空から、見てくれていたらいいのに。

はあ。
ほんと、いいラストシーンだった。

でも、海外での初上映後の反応は最悪だったようで、そうかーと深いため息をついた。
また母親の話かよ、
また同性愛の話かよ、
ということらしい。

絵画や彫刻、本なら同じモチーフを何度も繰り返し題材にすることは当たり前にあって、
それに対してこんなに強く拒否反応は起こらない。
映画は同じモチーフだとダメなのかなぁ。
ホドロフスキーは見事に同じモチーフを扱っているけど。
見る層が違うからか。

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ジョン・F・ドノヴァンの死と生

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僕のヒーローが死んだ!!彼はゲイ・・・だった。

投稿日

2020/10/11

レビュアー

カマンベール

2018年(カナダ/イギリス)123分
グザヴィエ・ドラン監督は子役出身で幼少期からテレビ・映画に出演。
主役の少年・ルパートも子役志望でゲイと虐められてる少年。

ゲイであることを認めているドランの自伝的要素も感じられる映画です。
アイドル俳優と文通するファンの少年・・・
「タイタニック」に感動したドラン監督がレオナルド・ディカプリオに
ファンレターを書いたエピソードをヒントに膨らませたのがこの映画です。

ルパート(ジェイコブ・トレンブレイ)テレビ映画の人気俳優・ジョン・F・ドノヴァン(キット・バリントン)に、ファンレターを出します。
7歳の時です。
そしたらジョンから返事が来たのです。
その文通はこっそりと母に内緒で5年間続いて、ジョンから100通の手紙が届いたのです。
(ジョン直筆の緑色インクの手紙・・・ルパートが舞い上がったのも当然です)

映画のファーストシーンは、ジョンが死んで、発見されるところからはじまります。
自殺か?他殺か?事故か?
そこに至るまでに何がジョンに起きたのか?
成人して人気俳優になったルパート(ベン・シュネッツァー)が、記者の
インタビューに答えて、ジョンの生と死の真相を振り返る形式で進みます。

正直言って、「死の真相」に、新鮮さのカケラもなかったです。
込み上げる感情も湧かない映画でした。
ジョンはルパートのヒーローだったけれど、私たち観客のヒーローにはなれない男です。

映像・音楽・撮影・美術はクオリティが高い。キャスティングも良い。
総合点では3・5かもしれないけれど、実質的には3・・・かな?
ルパートのジェイコブ君、凄く可愛かった。
ピュアな笑顔と頬ぬらす涙、悪態までが刺さりました。
「ルーム」や「ワンダー君は太陽」のジェイコブ君です。
それだけでも観る価値はあるます。
グザヴィエ監督の永遠のテーマである「母親との確執」と「差別されるゲイ」
きっと永遠に言い続けたいテーマなんでしょうね。
ルパートのママはナタリー・ポートマン。
離婚したシングルマザーですが、真面目で一生懸命で、美しい。
しかしジョン・F・ドノヴァンのママはスーザン・サランドン。
ナタリーの対照的にアルコール依存症気味の、ジョンと心の通わない母親です。
(この点もジョンには不利・・・だったんですね)

グザヴィエ・ドランは、自身のアイデンティティである「ゲイである自分」
そして愛し過ぎて憎んでしまう「マザー」
このテーマから、彼はいつ卒業するのでしょうね。
それほど当人にとっては、重大でも普遍的テーマは他にもあるはず!
「好きでこんな身体(心?)に生まれたわけではない!!」
一応ノーマルな私ですが、彼の心の傷の深さはどうしても窺い知れません。
差別と闘うことが、使命・・・なのでしょうか?

そしてひとつ残念だったのは少年ルパート役のジェイコブ君の外見が、
7歳から11歳に変化して見えなかったこと。

もう一つ、俳優の100通の手紙とルパートの100通の返事を、
読みたいです。
何が書かれているのか、とても興味があります(たとえ虚構でも・・・)

グザヴィエ・ドラン監督の母親への想いを感じる作品

投稿日

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レビュアー

飛べない魔女

好きな監督さんです。
俳優としても好きです。
自身もゲイであることをカミングアウトしているグザヴィエが描くこの世界は
美しくも切ない世界で、微塵も嫌らしさとか汚らしさを感じさせないのです。
むしろ普通の愛として受け取ることが出来るのです。
そしてグザヴィエが常に描いてきたのが母親の存在。
ここでも二人の母が描かれています。

一人はジョン・F・ドノヴァンの母(スーザン・サランドン)。
俳優として成功したジョンを愛しながらも、別れた夫の面影を見せるジョンに対して
時として冷たい態度をとる母。
そんな母を愛しながらも、距離をとろうとするジョン。
母親との関係が軸となってジョンの運命があるような気がしました。

そしてもう一人の母はジョンと文通を続ける少年ルパートの母(ナタリー・ポートマン)。
元女優でシングルマザーの彼女は、自分の夢を息子ルパートに託して子役にしようとしているのだと思いました。
母を愛しながらもアメリカを離れてロンドンに連れてこられたことに腹をたてていたルパート。
慣れない地で友達も出来ず、孤独な中での唯一の糧がジョンとの文通だったのでしょう。
母親に理解してもらえないことで反発する彼ですが、母と和解するシーンは感動的でした。ルパートの少年時代を演じたジェイコブ・トレンブレイくん、相変わらずの演技の上手さです。

二組の母と息子を通して描かれるジョン・F・ドノヴァンの死の真相。
その真相はそれほど重要なポイントではありません。
手紙の内容を基に、大人になったルパートが記者に語るその内容は
人気俳優として成功したかに見えたジョンの愛と孤独の日々でした。
ジョンに憧れたルパートは今や若手人気俳優となっていました。
そしてその姿はかつてのジョンの通った同じ道を行っているように見えます。

ジョンを演じたのは世界一面白いドラマ『ゲームオブスローンズ』でシーズンと通じて主役級のジョン・スノウを演じたキット・ハリントン。
今回の役名もジョンということで因縁を感じずにはいられません。



何故か気になるグザビエ・ドラン監督作品

投稿日

2021/04/13

レビュアー

ラストシアター

何故か気になるグザビエ・ドラン監督作品

人気俳優のジョン・F・ドノヴァンが29歳の若さでこの世を去る

11歳の少年ルパートは、ジョンと100通以上の手紙を交わしていた

ジョンの生き様とルパートの人生が重なり合う不思議な2人の物語

心に深く響く作品

バックに大きな愛あり。

投稿日

2021/06/02

レビュアー

★5レビュー

強烈な怒りや憎しみ、相変わらず複雑に交差しまくっているけど、、バックに大きな愛あり。
まさに、グザヴィエドラン作品、ブラボー。

焦点の絞られた画は、爽やかで美しいトーン。
ゆったりとした流れを感じるんだけど、心はかき乱される。
華やかな空気と重い空気の映し出し方は見事。絶妙なバランス。

感情がコントロールされているかのように、ぴったりと心がハマる。

きゅんきゅんなラストシーンがたまらん。

投稿日

2020/12/19

レビュアー

いやぁ。
こんなにきゅんとしてドキドキして切なくなったのはいつ以来だろうか。

俳優としてのグザヴィエドラン が大好きで、制作側になるとどんな作品を撮るのだろう
という興味から手にした。

同性愛の映画って、ちょっと自分の感覚では追いつかない部分が多々あって、
どうしても感情移入ができない。
なので、ふうんくらいで終わっちゃう。
こちらも恐らくそういう感じで終わっちゃうのだろうなと思っていた。

子供の頃から子役という形で世間に身を晒し、実生活では疎外される。
強烈な個性を持つめんどくさいタイプのシングルマザーと二人暮らし。
男の子で、男の子が恋愛対象。

共通点をいくつも持つ年の離れた者同士が、ファンレターのやりとりという形で
心の交流を持ち、それが幾分かの心の安定剤となっている。

スター俳優の死。
それが二人の心の交流の永遠の断絶となる。
(のが多すぎるな)

緑色のインク。
どのような内容が書かれていたのかは分からない。
嘘で覆われ嘘のハリボテみたいになっちゃって、もう自分が何なんだか分からなくなってくる
スター俳優にとって、遠いイギリスで自分に夢中な男の子とのやりとりが
唯一自分に戻れる場所だったのかもしれない。

音楽がいい。
グザヴィエドラン がどっぷり90年代な世代だからだろうか。
今ほど娯楽も生き方も多様化していない時代にあって、
音楽は今よりももっと濃厚な娯楽だった。

サクサクダウンロードして指先で音楽をかいつまむ時代ではない。
ひとつの音楽にアクセスするには雑誌やラジオから嗅覚を働かせ、名前を調べ、
あるいはレコードショップやCD屋さんでポップを読んだり視聴したりして
これというアーティストの1枚を結構な対価を支払いやっと耳にすることができる。

一つの音楽へ辿りつくには、それなりの労力が必要だった。

そんな時代に愛された音楽。
それをグザヴィエは物語に、映像にどんどんぶつけてくる。

男の人が男の人を愛おしく思う。
そこには感情がどうしても入らなかったのに、なぜかグザヴィエのこの映画では
自分の10代の頃の苦しくてしょうがなかったあの感覚がぶわーーっと蘇ってきた。
あ、この感覚。
忘れてた。

クラスでは子役として浮いた存在で、男の子が恋愛対象ってことでさらに虐められる。
家に帰れば帰ったで、煮ても焼いても食えない母親が待っている。

唯一の心の場所が失われた時。
心が張り裂けそうなくらいに大好きな人から拒絶された時。

二人の選んだ道が対照的だ。

ずっと暗闇にひとりで座っていた。
その少年の未来の姿があまりにも光が溢れて眩しくて、
きゅんきゅんして泣きそうになる。

空から、見てくれていたらいいのに。

はあ。
ほんと、いいラストシーンだった。

でも、海外での初上映後の反応は最悪だったようで、そうかーと深いため息をついた。
また母親の話かよ、
また同性愛の話かよ、
ということらしい。

絵画や彫刻、本なら同じモチーフを何度も繰り返し題材にすることは当たり前にあって、
それに対してこんなに強く拒否反応は起こらない。
映画は同じモチーフだとダメなのかなぁ。
ホドロフスキーは見事に同じモチーフを扱っているけど。
見る層が違うからか。

1〜 5件 / 全5件