はじまりへの旅

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はじまりへの旅 / ヴィゴ・モーテンセン
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「はじまりへの旅」 の解説・あらすじ・ストーリー

奇想天外な一家の絆を描いたロードムービー。ベンと6人の子どもたちは、アメリカ北西部の森の奥で現代社会から離れて暮らしていた。ある日、入院中に亡くなった母の葬儀と最後に残したある願いを叶えるため、ニューメキシコへ2400kmの旅に出る。※PG12

「はじまりへの旅」 の作品情報

製作年: 2016年
製作国: アメリカ
原題: CAPTAIN FANTASTIC

「はじまりへの旅」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

はじまりへの旅の詳細

  • 旧作
収録時間: 字幕: 音声:
119分 英:ドルビーデジタル5.1ch
レイティング: 記番: レンタル開始日:
PG-12 DZ9612 2017年10月04日
在庫枚数 1位登録者: 2位登録者:
21枚 1人 1人

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ユーザーレビュー:18件

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1〜 5件 / 全18件

親離れ、子離れ

投稿日:2017/10/12 レビュアー:ミルクチョコ

人里離れた森で過酷な自給自足生活を送っていたキャッシュ家の父子7人が、母の葬儀に参列するため、そして母のある願いをかなえるために自家用バスで遠くの街へと向かいます。

結局は父親のベンが大人になる話なのかもしれません。ベンの理想が無残に打ち砕かれていきます。
大自然の中で世間から隔離して育った彼らは、多言語を話し、体はアスリート並みに鍛えられ、動物は狩猟して自らさばくのが当たり前と育ち、幼い子供が哲学や政治を語る姿が笑いを誘います。
子供たちの質問に対して、オブラートに包まれた返答をせず、子供たちの大人びた返答も面白いです。
そんな彼らが父親の教えが世界に通用しないと知った時のショック。それまで絶対だと思っていた父親の考え方に矛盾を感じます。
息子は父親は乗り越えるべき壁なのかもしれません。
旅の結果新たな価値を受け入れ、変容する家族のあり方も微笑ましかったです。

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インテリ万引き家族

投稿日:2018/11/18 レビュアー:ポッシュ

俗世間から離れて、自主独立の生活を送る。本を読み、身体を鍛え、知識と体力を備えて
この世界を「自力で」サヴァイヴしていく。
ヴィゴパパが目指してたのはそんな事かもしれんが、年端もいかない子どもがナンタラ憲章について
意見を開帳するシーンなど、オバサンは心が痛んだ。
年上のいとこ達が不甲斐ない返答しか出来なかったところへ、自分は日ごろの訓練の賜物を披露して
叔父叔母の度肝を抜き、パパを大いに喜ばせたのだ。この時、この子は学んだだろう。
「自分が知恵者であることを誇示して他人に赤っ恥をかかせるのは素晴らしいこと」だと。
げげー。

「人民に力を」「権力にノーを」とかって言っても、別に社会変革を目指して運動してる訳じゃないし、
単に反社会的に行動しているだけ、家族で万引きしてんじゃねーよ、とフツーのオバサンは呆れてしまうのでした。
ノーム・チョムスキーの誕生日なんて知らんがな。

でも、なんだかんだで、このお父ちゃんも学ぶのです。子ども達もちょっとだけ世間を知る。
ママの葬儀に向かう旅は、「軌道修正」の道のりとなった。これは天国のママからのプレゼントだったのかな?
・・・おっと、ママは仏教徒でした。現住所は天国じゃないですね(苦笑)。

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再レビューです

投稿日:2017/11/17 レビュアー:hinakksk

 どうしてもこだわってしまう悪い癖で、しつこくてすみません。

 映画の好みが全く違うので、こんなことはめったにないのですが、この映画の気分の悪さについて、夫と議論しました。夫は考え方が極めて保守的、私はかなりラディカルなのですが、この映画に関しては珍しく意見が一致しました。

 ストレートに主張すればいいものを、(公権力に逮捕されるのを父親のベンが恐れるように)子どもたちを前面にして過激さを和らげ、家族愛、兄弟愛という甘い糖衣にくるんで、過激なアナキズムを描く(少なくとも否定はしていない)という、姑息なやり方に、気分が悪くなる。妹の子どもたちを意地悪いほど愚鈍に描き、ベンの子どもたちの賢さを際立たせる。父親ベンの反社会的行動や義父母の意向には従わず完全無視の振舞いは、ヒーローのように格好良く見せているのに、私教育の名を借りて子どもたちを自分に服従させていることについては、微笑ましい愛情のオブラートでごまかしている。一瞬、軌道修正をしたのかと思えるが、ベンの反省は(息子の反抗も)本質的ではなく、ひげを剃るという表面的な行為でしかない。結局、義父母が体現しているような価値観は全否定されたまま。だから、長男は、いくら母親の望みであっても、父親とは決定的に対立する象牙の塔の象徴たる大学には進学しない。父親の教えに従順で、反抗や批判をしたりしない限り、愛に満ちた家庭は平穏だ。

 内容については触れられていないので、これは全くの憶測ですが、『カラマーゾフ』や『ミドルマーチ』が取り上げられているのも、優れた文学作品だからというよりも、虐げられ搾取される貧しい人々が描かれていたり、社会的規範から逸脱した人間が地域社会でどんなに酷い扱いを受けるのかが書かれているせいなのかもと、思ったりします。もちろんこれは作品のほんの一面でしかありません。

 過激さや時代錯誤に笑いの甘いヴェールをかけて、火傷しそうな思想や生き方をこっそり賛美したり憧憬する映画なのかと思えます。

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21世紀のヒッピーパパと6人の子供たちの「巣立ち」

投稿日:2017/10/11 レビュアー:カマンベール

アメリカ北西部の山奥で文明を否定して、サバイバル生活を送る
パパのベン(ヴィゴ・モーテンセン)
電気もガスも水道も、もちろんネットもない自給自足の生活。
書物とベンに学問を学び、子供たちは6ヶ国語を操る。
肉は狩猟で捕獲して捌く。
子供は18歳の長男から7歳の末娘まで6人。
狩猟やロッククライミングやヨガで身体を鍛え、父親の教育方針に
さして疑問も抱かなかった。
しかしある日、療養中のママが自殺した。
ママに会いたい。ママにお別れを言いたい。ママの顔を見たい。

パパのためらいを押し切って一家7人はニューメキシコまでの2400キロのオンボロバスの旅を始めます。
途中でママの妹一家の庭で一泊。
9歳のレスリーはすっかりカルチャーショックを受ける。
そしてついにママの両親の仕切る葬式へ出席します。
パパは真紅のスーツ姿(ヤバっ!!)

ママの遺書には葬儀の希望がかかれていました。ママは仏教徒で、火葬と遺灰をトイレに流すことを願っていました。
そして何より子供たちは、ママの顔を見たい。ママに触れたい。
温もりを感じて心からお別れをしたかったのです。

そして決行するプロジェクト。
美しいシーンでした。
80年代後半に最も勢いのあったヘビメタのロックグループ、
ガンズアンドローゼズの「Sweet Child O'Mine」
この曲がパパや兄妹のギター、ハーモニカ、歌声で流れると、
ママは幸せに葬られたのだと静かな感動が込み上げてきました。

ママのお祖父ちゃんやお祖母ちゃんに会い、パパも生き方を考えます。
いつか子供たちはパパを超えて行かなければなりません。
オンボロ緑色のレトロなバス。その2400キロの道のりは、
生き方を見直し修正する素晴らしい道のりとなるのかもしれません。

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遅れてきたヒッピー的生き方の是非

投稿日:2017/11/15 レビュアー:hinakksk

 この映画には居心地の悪さを感じ、とても賛同できない。

 子どもたちを学校に行かせるよう説得する妹夫婦に対し、我が子の知的レベルを誇示して煙に巻いたように、瞠目するような知性や身体能力の高さで幻惑し、個性的で可愛らしい子どもたち、強き父親が導き守る和やかな家庭像で緩和しているが、父親が教え込んでいるのは過激なアナキズムであり無神論だ。それでも、多様な知識を身につけて子どもたち自身で選択したのであれば、かまわない。けれど、父親の教育は明らかに偏向している。

 子どもたちは思想を語るが、例えばアリストテレスやキルケゴールは読んでいるとは思えない。アリバイのように『カラマーゾフ』や『ミドルマーチ』を読むシーンはあるが、性愛に関して以外、文学について議論する場面はない。

 誕生日を祝うほどノーム・チョムスキーを信奉しているが、それはチョムスキー自らがアナキストだと公言している、無政府主義的な過激な政治信条の面だけである。彼が一方で、言語学の権威として、保守的な学術分野の頂点に君臨していることは、故意にか無意識にか、まったく無視されている。ケーキで子どもたちが無邪気に喜んでいるのが、何だか痛々しい。

 軽率な行動で娘が骨折し、父親がついに自らを省みて不全を認識し、ドラスティックな結末を迎えるのかと思ったら、すべては中途半端な妥協で終る。お墓を違法に掘り起こしてまで妻の遺言は遂行するが、長男を大学に進学させたいという彼女の強い願いは一顧だにされず、彼は単身アフガニスタン(!)に旅立つ。父親以上に母親は、本能的に子どもの将来を案ずるものだ。夫の反対を恐れ、秘密にしてまで、どんな思いで長男に受験資格を取らせたのだろう。

 妻の遺言の実行は、妻の所有権は俺(と子どもたち)にあるという義父母に対する大人げない主張に見えて、本当の意味で妻を尊重しているとは感じられない。長男が大学進学を断念するかわりに、年下の子どもたちは学校に行く。森の極端な生活は捨てるが、消費文化に毒されない自給自足の暮らしは続ける。すべて妥協の産物だ。

 結局子どもたちは父親に従順で、批判的にはならない。(それを微笑ましい家族愛と言われれば、そうなのかもしれないが…。)家族の中心となり導き守る強い父親像を、あくまでも壊したくなかったのだろう。

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