Ｄｅａｒダニー　君へのうた

ジョン・レノンが新人ミュージシャンに宛てた一通の手紙が数十年の時を経て本人の手に渡ったという実話をベースにしたアル・パチーノ主演作品。

過去の栄光にすがる往年のロックスターダニー（アル・パチーノ）の元にジョン・レノンからの手紙が数十年の時を経て届き、音楽への真摯な態度を忘れるなというアドバイスに、はるか昔に失くした情熱を再燃させ、今まで顧みなかった息子とその家族の信頼と絆を取り戻そうとします。
絶頂期を過ぎた人間の切なさが滲み出るアル・パチーノもいいし、マネージャー役のクリストファー・ブラマーがカッコいいです。

アル・パチーノが大観衆を前に歌うライブシーンは、ロサンゼルスのグリーク・シアターで行われたロックバンド・シカゴのコンサートの休憩時間を利用して撮影されたものだそうです。
深刻な病をかかえた息子とダニーがラストにみせるシーンが良かったです。

軽いタッチの映画でした。
アル・パチーノと言えば、オーバーなアクションの
『大芝居』がお決まりで、『またまた、演ってるや・・・』
が楽しみです。この映画は、結構パチーノにしては、お茶漬けさらさら・・みたいな映画でした。

今は盛りの過ぎたロックスターのダニー(アル・パチーノ)は、
歌い飽きたヒット曲とツアー生活にも、行き詰まりを、
感じています。
そんな時、長年連れ添ったマネージャー(クリストファー・プラマー)
から、43年前に書かれた新人のダニーを励ます手紙を、
受け取ることに・・・。

ダニーは今の生活を、突然方向転換します。
ツアーを中止！
ドラッグを断つ。
若い愛人と手を切る！
それより、何よりしたかったことは、
生き別れの息子を訪ねることでした。

このあたりから、アル・パチーノ、好々爺全開です。

嫌味が無くていいのかもしれませんが、
もっともっとアル・パチーノの大芝居を
楽しみたかったですね。

ポスターのアル・パチーノの横顔が高田順次にしかみえなくて、
あんまり観る気になれなかったんですが、意外とおもしろかったです。
ジョン・レノンが新人歌手あてに書いた手紙が、
30年以上たって本人の手に届いたという出来事が実際にあったそうで、
それをモチーフにしています。
パチーノ演じる過去の栄光にすがった歌手が、レノンからの手紙をきっかけに立ち直ろうと奮闘します。
レノンの楽曲もたっぷり楽しめるし、アネット・ベニングが素敵でした。

アル・パチーノ主演で、典型的な昔の名前で出ていますのロックスターが、ジョン・レノンから若いころの自分に送られていた「音楽に対して真摯であれ」という言葉から、自分の生き方を見直す。あらすじだけ見ると「いつものアル・パチーノが大げさな濃い演技でやっているんだろうな。無理からの展開でお涙頂戴か・・・」と思ってしまうのですが、意外や意外、いい。

いつもより抑えられたアル・パチーノの演技。そして劇的な展開も、映画っぽい感じで進みつつも、少しだけ現実的な部分も入れていて、逆にこれが嘘くさくなくて良かったです。「そんな人間、急に変わるかいな。」という外野のツッコミを見事にすかしてくれています。だから、すごくいいんです。

感動ドラマは、もう涙することが目的なんで、これでもか、これでもか、という展開はいいんですが、やりすぎるとウソ臭くなる。特に今回は役者が役者だからね。でも、これはちょうどいい塩梅で、憎めないじいちゃんロックスターをアル・パチーノが演じていて良かったなぁ。

ところどころ入るジョン・レノンの歌がうまくはまってました。観る価値あり作品です。

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　デビューアルバムがヒットしてインタビュー受けたら、そのインタビューを読んだジョン・レノンから手紙来たけど。受け取った記者がそれを渡さずに何十年も経って、手紙の存在を知った主人公が「このままじゃだめだ」と息子との関係を見直す話。

　今現在のアル・パチーノの存在感とこの主人公とのキャラクターがバッチリとハマっていて、めっちゃかっこよくてそれを見られるだけで満足の作品でした。主人公だけではなく、親友でマネージャーやホテルの支配人、息子家族。全員が好感のもてるキャラクターたちでニコニコしながら見られる100分間でした。

　主人公の好き勝手生きる生き方がそのまま体現しているアル・パチーノにヒロインである支配人との軽妙なセリフのやりとりとか見てて面白いです。それでかつてのヒット曲ばかり歌っていて新曲を1曲も作らずにツアーばかりしている生き方をやめにして、再び新曲を作り始めるけど、大衆が望むのは…。
　この時の「あーあ、やっぱりダメか」感もなかなか胸が熱くなりました。

　とはいえ、お金でなんでも解決しちゃったり。お金に関しては何十年と援助していなかったのでその分を取り戻すためだから仕方ないかな?　とは思いますが、主人公を愛せないとなかなか辛いのかな?　だったり。難病とかが結構軽かったりと全体的に軽いタッチなので好き嫌い別れそうですが、良いエンタメ映画だと思いました。