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嗤う分身 / ジェシー・アイゼンバーグ

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「嗤う分身」 の解説・あらすじ・ストーリー

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解説・ストーリー

監督デビュー作「サブマリン」で高い評価を受けた英国の俊英リチャード・アイオアディ監督が、ドストエフスキーの『分身(二重人格)』を映画化した不条理ドラマ。主演は「ソーシャル・ネットワーク」のジェシー・アイゼンバーグ、共演にミア・ワシコウスカ。内気で要領が悪く、驚くほど存在感の薄い青年サイモン・ジェームズ。仕事でもプライベートでも何ひとつ良いことがない、冴えない人生を送っていた。当然、秘かに想いを寄せるコピー係のハナにもまるで相手にされないサイモン。そんなある日、彼の会社に新入社員がやって来る。期待の新人と紹介されたその青年は、サイモンとまったく同じ容姿をしていた。おまけに名前はジェームズ・サイモン。すっかり混乱するサイモンだったが…。 JAN:4988013285989

「嗤う分身」 の作品情報

作品情報

製作年:

2013年

製作国:

イギリス

原題:

The Double

「嗤う分身」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

関連作品

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ズールー大戦争

アリス・イン・ワンダーランド

日の名残り

ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋

ユーザーレビュー:9件

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1〜 5件 / 全9件

自分を傍観する僕はいったい?

投稿日:2015/06/16 レビュアー:ミルクチョコ

文豪ドストエフスキーの小説「分身」を元に、時代を近未来的世界に置き換え、不器用で気の小さい青年が、もう一人の自分に次第に人生を乗っ取られて行く姿を描いた不条理的な物語。
主人公のサイモン(ジェシー・アイゼンバーグ)は、要領が悪くて内向的な男。勤続7年にもなるのに、影が薄いため、会社の人間たちに顔も名前も憶えてもらえません。彼は会社のコピー係のハナ(ミア・ワシコウスカ)に秘かに恋しているのに、彼女にも相手にされず、毎晩、自分の部屋の向かいにあるハナの部屋を、ストーカーのごとく望遠鏡でのぞくのが唯一の楽しみです。そんなある日、サイモンの職場に彼と瓜二つのジェームズ(ジェシー・アイゼンバーグ)が入社して来ます。
突如出現した瓜ふたつのキレ者新入社員に人生を乗っ取られていくサスペンス・コメディ。

サイモンと瓜二つのジェームズ。初めは内気なサイモンを連れて、ナンパの指南をするなど、完璧なパートナーだった二人が次第に瓜二つの男に仕事も恋も奪われてしまいます。
同じ顔をいいことに、分身のアリバイ工作に使われ、自分の部屋までホテル代わりにされるサイモン。大切なハナまで傷つけられた時、彼の思いが爆発します。
追い詰められた主人公が最後に取った行動とは?
内向的な性格の主人公が、もっと自分を変えたい、男らしい男になりたいと望み、その潜在願望がもう一人の自分を生み出してしまうのでしょうか?

未来世界のようでもあり、どこかレトロな感じの建物が醸し出す雰囲気は過去の世界のようでもありました。
劇中、坂本九が歌う「上を向いて歩こう」や、ジャッキー・吉川とブルー・コメッツの「ブルー・シャトウ」などが流れたのはびっくりでした。

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嗤う分身 ネタバレ

投稿日:2015/06/03 レビュアー:片山刑事

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 イギリス映画だけど、どこが舞台なのかわからない異世界のような場所で気の弱い主人公が自分とは真逆の自分が目の前に現れて自分を追い詰めていく話。

 冒頭の誰もいない電車に座ってると「ここは俺の席だ」と言ってくる男。顔は見えずに誰が何のために言ってるのかわからない。結局最後までわからず。
 電車を慌てて下りてヒロインを追いかけるけど、会社のパスをハプニングで落としてしまって散々な目に遭う主人公の出だし。

 暗い照明に独特の小道具や美術が印象的な映画でした。それを見るだけでも価値のある作品だと思います。
 話は気の弱い主人公が同僚のヒロインに恋をするけど、ある日突然自分の分身が目の前に現れて自分を乗っ取っていく。

 話が進むうちにどっちが本物でどっちが分身なのかわからなくなっていって、片方が傷つくと片方も傷つくらしい。そして片方が窓から飛び降りて、その時もう一人はベッドに手錠をつけられていて……。結果。。
 あの状況だと、窓から飛び降りたのが分身でベッドにいたのが本物なのか? だとしたら主人公散々な目に遭いすぎて辛いです。

 いきなりの昭和歌謡なんかもびっくりでした。

 エンタメとしては難しいけど、こういう作り手の頭の中どうなってるんだろう? と気になってしまう映画が作られるのは凄いと思いました。

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「こちら」と「あちら」が逆転するスリリング

投稿日:2019/06/24 レビュアー:ポッシュ

ドストエフスキーの『分身』(岩波文庫では『二重人格』と訳されてます)が元ネタとのこと。

陰気で小心者の主人公の前に、突然、自分とそっくりの男が現れる。
その男は主人公と真逆の朗らかさと積極性を持ち合わせ、職場でのし上がり、
やがて主人公の立場を乗っ取ってしまう・・・という大筋は似ているかな。

19世紀半ばに上梓されたロシアが舞台の原作では、管理社会・身分社会の中で、
自己発揚できずにもがき苦しみ、ついには精神を病んでいく小役人の姿が描かれていた。
で、本作の方は、いつの時代だか分からない、そこはかとなく非現実感がただよう世界で
鬱々とした雰囲気は共通している気がする。
薄暗い地下室のような社屋も、古くて殺風景なアパートメントの中も、なにしろ画面がずっと暗い。
(たぶん)太陽の光が射してるシーンって1度も出てこなくって、夢と現実が入り混じったというか、
非現実が現実を凌駕していくような不思議世界は、ダーク・ファンタジーのようでもあります。
どこからどこへ行くのか分からない、永遠にグルグル走ってそうなレトロな電車も
浮遊感があって良かったですね。名作SFって雰囲気(笑)。

ジェシー・アイゼンバーグとミア・ワシコウスカというキャストも嬉しかった!
物事をちゃんと考えてそうな顔つきをしていて好きなんです、この2人。(根拠なき憶測)
私の中ではミアちゃんって蒼井優とカブります。
ジェシー君は内気男とチャラ男の演じ分けが見事で、楽しませてもらいました。

ミアちゃんが描いた絵が、ルネ・マグリットの『不許複製』によく似ています。
(彼女が会社のコピー係っていうのは『不許複製(コピー禁止)』にひっかけたジョークか?)
鏡に映る自分の姿が後ろを向いている絵ですね。
自分自身にすら背を向けられているという絶望感なのか、或いは、「これは自分」と思って
見ている存在は、実は自分ではない偽物なのだ、という空虚感なのか。
ともあれ、彼女が人知れず抱えている孤独に気づいているジェシー君は、彼女に思いを寄せる。
素直に心を打ち明け合えば仲良くなれそうな2人なのに、上手くいかないもどかしさよ。
ドッペルゲンガーに美味しいところを全部持ってかれちゃう、オリジナル君のウジウジ具合が
身につまされました。
人生うまくいかんよな〜という、うなだれ気味の猫背な日常を生きているオバサンとしてはさ(苦笑)。

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黄泉の世界で、もう一人の自分に遭う...

投稿日:2018/06/16 レビュアー:哲郎

ドッペルゲンガーを題材とした映画はいくつか観てるんだけど、どうもどれもスッキリと切れのいい仕上がりになっていない印象がある。これももう一つかなぁ...

乗客がほとんどいない地下鉄?車両での不可解な出来事からはじまり、会社のエントランスでの不自然なやりとり、そこで警備員をしている男は後半では医者になって登場している。そして会社はといえば、なぜか定年をとうに過ぎた老人社員ばかりなのだ。そして中年域の社員も変な人ばかり。若手といえば、主人公のサイモン(ジェームズ)と彼が慕うハンナだけ。これは大佐が催すパーティーでも同じで、宴はまるでご長寿クラブのような感じだ。

まだまだあるぞ。なぜ会社のトップは“大佐”などと呼ばれているのか?途中でサイモンの身分確認をした偉そうな人も、軍服を着ていて高級将校のような身なりをしていた。それにあの会社、エレベーターがあるのだが、事務室の様子はどこも地下にあるように思えてならない。会社の中に限らず、画面は昼を映した場面はなく、陰鬱な暗い夜のシーンばかりだ。
ほかにも不自然なことは多々ある。プライベートの時間のメイン場所となるあの妙なレストラン。そこになぜかサイモンの母から彼に唐突に電話がかかってくるのだ。これだけ揃っていれば、ネタというか、これがなにを映しているのかわかろうというもの。

サイモンは黄泉の世界へ入り込んだ。そこで現世での自身の経験を基に、自分の中にいたもう一人の自分、正反対の積極性と果敢さをもった分身とともに現実にあった出来事を追体験しているのだ。
ラストの様子からすると、自殺を試みたものの仮死状態で、黄泉の世界での体験はその間に起きたことなのかもしれない。サイモンには(黄泉の世界の)IDが無かった。
もう一つ重要なこと。実はハンナも死者である可能性がある。彼女もサイモンと同じく孤独にあり、自身のレーゾンデートル(存在価値)に悩んでいた。彼女が細切れにして捨てていた絵には、二重身の彼女が描かれていた。彼女もまた自死によって黄泉の世界に彷徨う存在かもしれないのだ。

こりゃ、こたえるなぁ...
私にはサイモンに似たところが少しある。
おまけに、まだ内心の迷宮に囚われたままの自分がここにいるのだ。

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不思議な雰囲気に呑まれる作品

投稿日:2018/05/30 レビュアー:飛べない魔女

これって近未来というよりは、1950年代なのかな?と思いました。
建物のレトロ感といい、コピー機の古めかしさといい、なにせテレビはブラウン管TVです。
掲題電話も存在していないようです。
内気で目立たない青年サイモン・ジェームスが、
自分とは間逆な性格のドッペルゲンガー(その名もジェームス・サイモン)の存在に
次第に脅威を感じるようになる様がスリリングに描かれています。
そしておかしなことには、誰一人、サイモンとジェームスが瓜二つであることを
指摘する人がいないこと。
これってもしかしたら彼が二重人格だった、ということなのでしょうか?
そう思うと、いろいろつじつまが合うのですよね。
いずれにしても今の自分を変えたいという強い願望が
ジェームスという別人格の人間を生み出したということは間違いないですね。
そして最後に残った人格は果たしてどちらなのか?
そこも曖昧でしたが、それは見ている人の気持ち次第なのでしょうか。

どういうわけか、劇中に九ちゃんの『上を向いて歩こう』や
日本のグループサウンズの音楽が流れます。
突然流れた日本語にびっくりでした。

あと、ジェシー・アイゼンバーグの立て板に流れる水がごとくの早口英語は
相変わらず耳に心地いいです(笑)

なかなか興味深く、面白かったです。

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嗤う分身

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自分を傍観する僕はいったい?

投稿日

2015/06/16

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ミルクチョコ

文豪ドストエフスキーの小説「分身」を元に、時代を近未来的世界に置き換え、不器用で気の小さい青年が、もう一人の自分に次第に人生を乗っ取られて行く姿を描いた不条理的な物語。
主人公のサイモン(ジェシー・アイゼンバーグ)は、要領が悪くて内向的な男。勤続7年にもなるのに、影が薄いため、会社の人間たちに顔も名前も憶えてもらえません。彼は会社のコピー係のハナ(ミア・ワシコウスカ)に秘かに恋しているのに、彼女にも相手にされず、毎晩、自分の部屋の向かいにあるハナの部屋を、ストーカーのごとく望遠鏡でのぞくのが唯一の楽しみです。そんなある日、サイモンの職場に彼と瓜二つのジェームズ(ジェシー・アイゼンバーグ)が入社して来ます。
突如出現した瓜ふたつのキレ者新入社員に人生を乗っ取られていくサスペンス・コメディ。

サイモンと瓜二つのジェームズ。初めは内気なサイモンを連れて、ナンパの指南をするなど、完璧なパートナーだった二人が次第に瓜二つの男に仕事も恋も奪われてしまいます。
同じ顔をいいことに、分身のアリバイ工作に使われ、自分の部屋までホテル代わりにされるサイモン。大切なハナまで傷つけられた時、彼の思いが爆発します。
追い詰められた主人公が最後に取った行動とは?
内向的な性格の主人公が、もっと自分を変えたい、男らしい男になりたいと望み、その潜在願望がもう一人の自分を生み出してしまうのでしょうか?

未来世界のようでもあり、どこかレトロな感じの建物が醸し出す雰囲気は過去の世界のようでもありました。
劇中、坂本九が歌う「上を向いて歩こう」や、ジャッキー・吉川とブルー・コメッツの「ブルー・シャトウ」などが流れたのはびっくりでした。

嗤う分身

投稿日

2015/06/03

レビュアー

片山刑事

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 イギリス映画だけど、どこが舞台なのかわからない異世界のような場所で気の弱い主人公が自分とは真逆の自分が目の前に現れて自分を追い詰めていく話。

 冒頭の誰もいない電車に座ってると「ここは俺の席だ」と言ってくる男。顔は見えずに誰が何のために言ってるのかわからない。結局最後までわからず。
 電車を慌てて下りてヒロインを追いかけるけど、会社のパスをハプニングで落としてしまって散々な目に遭う主人公の出だし。

 暗い照明に独特の小道具や美術が印象的な映画でした。それを見るだけでも価値のある作品だと思います。
 話は気の弱い主人公が同僚のヒロインに恋をするけど、ある日突然自分の分身が目の前に現れて自分を乗っ取っていく。

 話が進むうちにどっちが本物でどっちが分身なのかわからなくなっていって、片方が傷つくと片方も傷つくらしい。そして片方が窓から飛び降りて、その時もう一人はベッドに手錠をつけられていて……。結果。。
 あの状況だと、窓から飛び降りたのが分身でベッドにいたのが本物なのか? だとしたら主人公散々な目に遭いすぎて辛いです。

 いきなりの昭和歌謡なんかもびっくりでした。

 エンタメとしては難しいけど、こういう作り手の頭の中どうなってるんだろう? と気になってしまう映画が作られるのは凄いと思いました。

「こちら」と「あちら」が逆転するスリリング

投稿日

2019/06/24

レビュアー

ポッシュ

ドストエフスキーの『分身』(岩波文庫では『二重人格』と訳されてます)が元ネタとのこと。

陰気で小心者の主人公の前に、突然、自分とそっくりの男が現れる。
その男は主人公と真逆の朗らかさと積極性を持ち合わせ、職場でのし上がり、
やがて主人公の立場を乗っ取ってしまう・・・という大筋は似ているかな。

19世紀半ばに上梓されたロシアが舞台の原作では、管理社会・身分社会の中で、
自己発揚できずにもがき苦しみ、ついには精神を病んでいく小役人の姿が描かれていた。
で、本作の方は、いつの時代だか分からない、そこはかとなく非現実感がただよう世界で
鬱々とした雰囲気は共通している気がする。
薄暗い地下室のような社屋も、古くて殺風景なアパートメントの中も、なにしろ画面がずっと暗い。
(たぶん)太陽の光が射してるシーンって1度も出てこなくって、夢と現実が入り混じったというか、
非現実が現実を凌駕していくような不思議世界は、ダーク・ファンタジーのようでもあります。
どこからどこへ行くのか分からない、永遠にグルグル走ってそうなレトロな電車も
浮遊感があって良かったですね。名作SFって雰囲気(笑)。

ジェシー・アイゼンバーグとミア・ワシコウスカというキャストも嬉しかった!
物事をちゃんと考えてそうな顔つきをしていて好きなんです、この2人。(根拠なき憶測)
私の中ではミアちゃんって蒼井優とカブります。
ジェシー君は内気男とチャラ男の演じ分けが見事で、楽しませてもらいました。

ミアちゃんが描いた絵が、ルネ・マグリットの『不許複製』によく似ています。
(彼女が会社のコピー係っていうのは『不許複製(コピー禁止)』にひっかけたジョークか?)
鏡に映る自分の姿が後ろを向いている絵ですね。
自分自身にすら背を向けられているという絶望感なのか、或いは、「これは自分」と思って
見ている存在は、実は自分ではない偽物なのだ、という空虚感なのか。
ともあれ、彼女が人知れず抱えている孤独に気づいているジェシー君は、彼女に思いを寄せる。
素直に心を打ち明け合えば仲良くなれそうな2人なのに、上手くいかないもどかしさよ。
ドッペルゲンガーに美味しいところを全部持ってかれちゃう、オリジナル君のウジウジ具合が
身につまされました。
人生うまくいかんよな〜という、うなだれ気味の猫背な日常を生きているオバサンとしてはさ(苦笑)。

黄泉の世界で、もう一人の自分に遭う...

投稿日

2018/06/16

レビュアー

哲郎

ドッペルゲンガーを題材とした映画はいくつか観てるんだけど、どうもどれもスッキリと切れのいい仕上がりになっていない印象がある。これももう一つかなぁ...

乗客がほとんどいない地下鉄?車両での不可解な出来事からはじまり、会社のエントランスでの不自然なやりとり、そこで警備員をしている男は後半では医者になって登場している。そして会社はといえば、なぜか定年をとうに過ぎた老人社員ばかりなのだ。そして中年域の社員も変な人ばかり。若手といえば、主人公のサイモン(ジェームズ)と彼が慕うハンナだけ。これは大佐が催すパーティーでも同じで、宴はまるでご長寿クラブのような感じだ。

まだまだあるぞ。なぜ会社のトップは“大佐”などと呼ばれているのか?途中でサイモンの身分確認をした偉そうな人も、軍服を着ていて高級将校のような身なりをしていた。それにあの会社、エレベーターがあるのだが、事務室の様子はどこも地下にあるように思えてならない。会社の中に限らず、画面は昼を映した場面はなく、陰鬱な暗い夜のシーンばかりだ。
ほかにも不自然なことは多々ある。プライベートの時間のメイン場所となるあの妙なレストラン。そこになぜかサイモンの母から彼に唐突に電話がかかってくるのだ。これだけ揃っていれば、ネタというか、これがなにを映しているのかわかろうというもの。

サイモンは黄泉の世界へ入り込んだ。そこで現世での自身の経験を基に、自分の中にいたもう一人の自分、正反対の積極性と果敢さをもった分身とともに現実にあった出来事を追体験しているのだ。
ラストの様子からすると、自殺を試みたものの仮死状態で、黄泉の世界での体験はその間に起きたことなのかもしれない。サイモンには(黄泉の世界の)IDが無かった。
もう一つ重要なこと。実はハンナも死者である可能性がある。彼女もサイモンと同じく孤独にあり、自身のレーゾンデートル(存在価値)に悩んでいた。彼女が細切れにして捨てていた絵には、二重身の彼女が描かれていた。彼女もまた自死によって黄泉の世界に彷徨う存在かもしれないのだ。

こりゃ、こたえるなぁ...
私にはサイモンに似たところが少しある。
おまけに、まだ内心の迷宮に囚われたままの自分がここにいるのだ。

不思議な雰囲気に呑まれる作品

投稿日

2018/05/30

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飛べない魔女

これって近未来というよりは、1950年代なのかな?と思いました。
建物のレトロ感といい、コピー機の古めかしさといい、なにせテレビはブラウン管TVです。
掲題電話も存在していないようです。
内気で目立たない青年サイモン・ジェームスが、
自分とは間逆な性格のドッペルゲンガー(その名もジェームス・サイモン)の存在に
次第に脅威を感じるようになる様がスリリングに描かれています。
そしておかしなことには、誰一人、サイモンとジェームスが瓜二つであることを
指摘する人がいないこと。
これってもしかしたら彼が二重人格だった、ということなのでしょうか?
そう思うと、いろいろつじつまが合うのですよね。
いずれにしても今の自分を変えたいという強い願望が
ジェームスという別人格の人間を生み出したということは間違いないですね。
そして最後に残った人格は果たしてどちらなのか?
そこも曖昧でしたが、それは見ている人の気持ち次第なのでしょうか。

どういうわけか、劇中に九ちゃんの『上を向いて歩こう』や
日本のグループサウンズの音楽が流れます。
突然流れた日本語にびっくりでした。

あと、ジェシー・アイゼンバーグの立て板に流れる水がごとくの早口英語は
相変わらず耳に心地いいです(笑)

なかなか興味深く、面白かったです。

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