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小さいおうち / 松たか子
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「小さいおうち」 の解説・あらすじ・ストーリー

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解説・ストーリー

中島京子の第143回直木賞受賞作を「東京家族」の名匠・山田洋次監督が映画化した感動ドラマ。日本が泥沼の戦争へと向かっていく昭和初期の東京を舞台に、赤い三角屋根のモダンで小さな家に女中奉公することになった若い娘タキによって語られる庶民の暮らしぶりと美しい女主人・時子の秘めたる禁断の恋の行方を、リアルな時代風俗描写とともにミステリアスに綴る。出演は時子役に松たか子、女中タキ役に黒木華、現代のタキ役に倍賞千恵子。その他の共演に片岡孝太郎、吉岡秀隆、妻夫木聡。大学生の健史は、亡くなった大伯母・布宮タキから彼女が遺した自叙伝を託される。そこには、健史が知らない戦前の人々の暮らしと若かりしタキが女中として働いた家族の小さな秘密が綴られていた――。

「小さいおうち」 の作品情報

作品情報

製作年:

2013年

製作国:

日本

受賞記録:

2014年 ベルリン国際映画祭 銀熊賞(女優賞)

「小さいおうち」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

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東京家族

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竜二 Forever

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封印された想い

投稿日:2014/08/08 レビュアー:ミルクチョコ

山田洋次監督が、中島京子の直木賞受賞小説を映画化。
一人の青年が、当時お手伝いさんだった女性が遺したノートを通じて、東京の山の手の郊外に建つ赤い三角屋根の小さいおうちで起きた恋愛事件を目撃し、60年以上の時を経て、その秘密が紐解かれていく様子を描きます。
田舎から上京したタキ(黒木華)は、奉公先の女主人時子(松たか子)による禁断の恋に気付いて、密かに心を痛めます。
タキが秘めた切ない事実が、晩年の回想で明らかになるミステリアスな語り口が面白いです。
山田監督としては、「不倫」にスポットを当てるのは珍しいと思っていたら、それが段々と戦争に向かっていく時代の空気や、歴史の不透明さに向かい合って再現しているのは、流石です。ちゃんとメッセージ性を感じました。

昭和初期の戦時中は、軍国主義の窮屈な世の中ばかりと思いきや、ブルジョアな人々は、そうでもなかったのが分かります。
モダンな小道や、ステンドガラスや照明が可愛いくて、本当に戦争が悲惨になるまで悲壮感は少なかったです。
当時の人たちは、ハガキで連絡を取ったり、用件は直接伝えるといった人間同士の付き合いが濃厚だったころの空気がちょっと鬱陶しい気もしますが、それだけに、人を大事にするという思いが感じられました。
お手伝いさんとして働いていたタキが憧れ慕っていた奥様の秘密の恋と、タキの大好きな家庭を守るために、彼女が下したある決断が謎解きのようになっていて、面白かったです。でも、その事を打ち明けられなかった苦しみを抱えて生き続けたことの想いはいかばかりであったか?と思います。

ベルリン国際映画祭で最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞した黒木華は存在感がありますね。

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原作が好きだっただけに、いろいろがっかり。 ネタバレ

投稿日:2014/06/22 レビュアー:パープルローズ

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昭和初期、東京の郊外にある小さな赤い屋根のおうち。
だんなさま(片岡孝太郎)、美しい奥さま(松たか子)、ぼっちゃんの幸せな家庭に起こった恋愛事件が、
女中のタキ(黒木華)の目を通して描かれる。

2010年に直木賞を受賞した中島京子の同名小説の映画化です。
原作が大好きだっただけに、「これでいいのか?」と思うところが多々あったのですが、
原作に思い入れがなければこれはこれとして受け入れられるのでしょうか?
監督や脚本を書いた人の読み込みが浅い気がしてならなかったのですが。

まずいちばんびっくりしたのが、
奥さまは再婚で、ぼっちゃんは連れ子(だんなさまとの血のつながりはない)だということや、
だんなさまと奥さまの間に夫婦生活がない(たぶんだんなさまは性的不能者か同性愛者)という、
この物語の大前提が全く説明されていないこと。
その前提があるのとないのでは、恋愛事件の意味もかなり違う気がするのですが、それでいいのでしょうか?

だんなさまの会社の社長の
「男は何歳になっても、子供は作れるからな。ガハハハ。」
というせりふも、この夫婦にとってはものすごく皮肉なことのはずなんだけど、
これでは観客にはその皮肉がわからないし、社長が単なる下品なおっさんにしか見えない。
(ラサール石井だからいいんだけど。)

ヤフー映画の感想を読んでたら、
「この夫婦はセックスレスだったのかもしれません。」という感想があったけど、
いや、そうなんだってば。ぼっちゃんはこのだんなさまの子じゃないんだってば。と思ってしまいました。

だんなさまと奥さまの関係を曖昧にすることで、観客に解釈をゆだねたと好意的に受け取ることもできるけど、
そこを曖昧にするのなら、奥さまと板倉の関係をもっと曖昧にしてほしかった。
台風の夜に、奥さまが板倉にキスをするシーンでドン引き。
これを入れてしまうと、ふたりの不倫関係は決定的ってことですよね。
帯の模様の反転でタキがふたりの関係を推察するというだけにとどめてほしかった。
板倉が自分の下宿の部屋に、奥さまの手をとって招き入れるシーンや、
「お茶はいりません。」というせりふなんて、もはやコメディでしかない(失笑)。

奥さまの太ももあらわなマッサージシーンとか、奥さまの友人(中島朋子)のせりふとかで、
タキの奥さまに対する気持ちはなんとなく推察できるようにはなってるんだけど、
恋愛事件そのものより、そのあたりのことの方が大事ではないでしょうか。

キャスティングを聞いたときから疑問だった板倉役の吉岡くん。
晩年の板倉を登場させるつもりのキャスティングなのか?と思いきや、
それもなかったので、それならもう少し若くてこぎれいな人にしてほしかったです。

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原作とはちょっと違うけど良作

投稿日:2014/06/15 レビュアー:KEE


その昔、ちょっと良い家庭には普通に女中がいる時代。

赤い屋根の「小さいおうち」に住み込みで女中をしていたタキの視点でお話は語られていく。



小さいおうち、はちっとも小さくはなく、立派なモダンな家である。

明るく美しく優しい奥様、時子を演じるのが松たか子。

先日観た 「夢売るふたり」とはうって変わって正統派美人の役。



実に美しい。

和装も洋装も素敵です。

恋愛事件というのでどんなドロドロな感じかと思いきや、そこはその時代の恋愛事件、なかなかミステリアスでよい感じです。



和装のときの帯の柄の向きが伏線になっていたり、窓ガラス越しに見える階段を上るときのちらっとみえるふくらはぎだったり。

いわゆる想像を掻き立てるような描写がいろいろあり、松たか子の色香が漂うシーンが多々あります。



若い女中のタキを演じるのが黒木華。このひと今大注目しています。

うまい女優さんですよね。

顔が昭和顔というか。

でも美人なので化けるとすごい。

タキちゃんが田舎から上京してきて奉公しているので、素朴でとてもかわいらしい。

しかしどうもどこかやっぱり女性同士ということでいろいろ思うところはあるのでは、という匂いもぷんぷんする。

この映画は若い時のお話を自叙伝として書く平成の時代のタキ(倍賞千恵子)の世界と時間軸がいったりきたりする。
そのあたりの兼ね合いも絶妙で、現代になるとタキの甥の次男 健史(妻夫木聡)とタキとの掛け合いが笑いを誘う。
時代背景的にタキの話には矛盾がある、と諭す健史。
一見、チャラい風な大学生なのに、意外と歴史に明るい健史に私は感心してしまった。



タキが自分のなかにだけ閉じ込めていた小さいおうちの秘密。
それが明らかになるのだが、この秘密にはいろんなひとのいろんな思いがあったのだなあ、とじわじわ感じました。


良作ですよ。役者も適材適所。

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奥様の「秘密と反戦」・・・静かに綴る女中さんの日記

投稿日:2021/09/14 レビュアー:アーモンド

2014年。監督:山田洋次。原作は中島京子の直木賞受賞作です。

昭和11年に田舎から東京に女中奉公に来た布宮タキ(黒木華)
奉公先の「小さい赤い三角屋根のおうち」の9年間は一生涯タキの心に、懐かしさと悔恨を
残すものでした。

お婆さんになったタキ(倍賞千恵子)が親戚の健史(妻夫木聡)に相談しながら綴るノート。
倍賞千恵子と妻夫木聡が実の祖母と孫のようで、心からほのぼのとしました。
でも口当たりはソフトですが、内容は重かったです。

タキが憧れる奥様(松たか子)の秘密と平井家の日常。
何より太平洋戦争に突入する日本の様子が、克明に綴られ「庶民から見た・・・それも田舎から来た女中さんの目に写った戦争」が、とても分かりやすかったです。

日本が満州に侵略して、まるで世界制覇を目論む今の中国みたいです。
真珠湾攻撃をして開戦すると、まるでもう勝ったようなお祭り騒ぎ。
そしてそして戦局は日に日に悪化して行きます。

そんな中、奥様は旦那様の会社の部下の青年(吉岡秀隆)と道ならぬ恋に気を取られています。
松たか子が本当に美しく着物姿が素敵でした。
(私はあのご両親から生まれたにしては不細工だ・・・などと思ってたんですよね、
不美人とか普通とか思ってたなんて、とんでもないです。お母様(藤間紀子)譲りの臈長けた美女ですね。
大豆田とわこ・・を見て、なんと魅力的なのだろうと、思いました。
今では日本を代表する美人女優と思っております・・すみません)

兎も角、奥様は若い青年によろめいてしまわれるのです。
そして戦局の悪化で、病弱な青年の吉岡秀隆までに赤紙が届くのです。
赤紙とは戦争への「召集令状」のこと。
その紙の色が赤かったからそう呼ばれました。

そして若い女中タキちゃんは、奥様に一世一代の嘘を付くのです。
若い女中さんが、奥様一家の幸せを願って付く嘘。
この嘘は後々、タキちゃんを後悔に引きずり込むことになります。
(60年後に思い出しても泣き崩れる程の後悔)
そして奥様一家を起こる不幸な出来事。

この映画は「反戦」とは一言も言いません。
なのに戦争の愚かさと不条理が、観るものにクッキリと伝わってきます。
原作の良さ、そして山田洋次監督の手腕でしょう。

観て良かったと思う作品でした。

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時子が書いた手紙のゆくえ

投稿日:2019/10/03 レビュアー:かつ

2013年(公開は2014年) 日本映画
監督:山田洋次

手厳しいレビューもある様ですが、私は素直に温かい気持ちになれる映画でした。
山田洋次監督の手に掛かると禁断の恋もこんなにも温かい作品になるんだと感心しました。
あ、もちろん駄目ですよ、その行為は。それは大前提として・・・です。

物語は、新井健史(妻夫木聡)の大叔母である布宮タキ(倍賞千恵子)が亡くなる所から始まります。
生前、タキは健史の勧めで自身の自叙伝をノートに綴っていて、健史とタキのやり取りと回想シーンがが交差しながら進んで行きます。この健史とタキのやり取りが何とも微笑ましい。

話は淡々と進みますが、ラストではあの時子(松たか子)が書いた手紙で「そういう事だったの!」と、意外な展開を見せます。米倉斉加年があの恭一少年の晩年を演じていますが、映画が公開された2014年に80歳で亡くなられたのですね。
黒木華の女中姿が自然体である事や、松たか子の昭和モダン風の美しさも全く違和感なく素晴らしい。
この映画の出演陣は皆、無理して演じている感が無いのが凄い。
それと、吉岡秀隆が出演しているとは知らずに観始めたので、得した気分になりました。

カラー作品なのにどこかセピア色っぽい雰囲気がするのも一層温かみを感じさるのでしょうね。
話の内容とは直接関係ありませんが、1940年(昭和15年)に東京オリンピック(夏季)が開催予定だったことは、映画を観てはじめて知りました。
山田洋次監督は79歳にして初のラブストーリーに挑戦し、本作は82作目だったそうです。

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小さいおうち

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封印された想い

投稿日

2014/08/08

レビュアー

ミルクチョコ

山田洋次監督が、中島京子の直木賞受賞小説を映画化。
一人の青年が、当時お手伝いさんだった女性が遺したノートを通じて、東京の山の手の郊外に建つ赤い三角屋根の小さいおうちで起きた恋愛事件を目撃し、60年以上の時を経て、その秘密が紐解かれていく様子を描きます。
田舎から上京したタキ(黒木華)は、奉公先の女主人時子(松たか子)による禁断の恋に気付いて、密かに心を痛めます。
タキが秘めた切ない事実が、晩年の回想で明らかになるミステリアスな語り口が面白いです。
山田監督としては、「不倫」にスポットを当てるのは珍しいと思っていたら、それが段々と戦争に向かっていく時代の空気や、歴史の不透明さに向かい合って再現しているのは、流石です。ちゃんとメッセージ性を感じました。

昭和初期の戦時中は、軍国主義の窮屈な世の中ばかりと思いきや、ブルジョアな人々は、そうでもなかったのが分かります。
モダンな小道や、ステンドガラスや照明が可愛いくて、本当に戦争が悲惨になるまで悲壮感は少なかったです。
当時の人たちは、ハガキで連絡を取ったり、用件は直接伝えるといった人間同士の付き合いが濃厚だったころの空気がちょっと鬱陶しい気もしますが、それだけに、人を大事にするという思いが感じられました。
お手伝いさんとして働いていたタキが憧れ慕っていた奥様の秘密の恋と、タキの大好きな家庭を守るために、彼女が下したある決断が謎解きのようになっていて、面白かったです。でも、その事を打ち明けられなかった苦しみを抱えて生き続けたことの想いはいかばかりであったか?と思います。

ベルリン国際映画祭で最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞した黒木華は存在感がありますね。

原作が好きだっただけに、いろいろがっかり。

投稿日

2014/06/22

レビュアー

パープルローズ

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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昭和初期、東京の郊外にある小さな赤い屋根のおうち。
だんなさま(片岡孝太郎)、美しい奥さま(松たか子)、ぼっちゃんの幸せな家庭に起こった恋愛事件が、
女中のタキ(黒木華)の目を通して描かれる。

2010年に直木賞を受賞した中島京子の同名小説の映画化です。
原作が大好きだっただけに、「これでいいのか?」と思うところが多々あったのですが、
原作に思い入れがなければこれはこれとして受け入れられるのでしょうか?
監督や脚本を書いた人の読み込みが浅い気がしてならなかったのですが。

まずいちばんびっくりしたのが、
奥さまは再婚で、ぼっちゃんは連れ子(だんなさまとの血のつながりはない)だということや、
だんなさまと奥さまの間に夫婦生活がない(たぶんだんなさまは性的不能者か同性愛者)という、
この物語の大前提が全く説明されていないこと。
その前提があるのとないのでは、恋愛事件の意味もかなり違う気がするのですが、それでいいのでしょうか?

だんなさまの会社の社長の
「男は何歳になっても、子供は作れるからな。ガハハハ。」
というせりふも、この夫婦にとってはものすごく皮肉なことのはずなんだけど、
これでは観客にはその皮肉がわからないし、社長が単なる下品なおっさんにしか見えない。
(ラサール石井だからいいんだけど。)

ヤフー映画の感想を読んでたら、
「この夫婦はセックスレスだったのかもしれません。」という感想があったけど、
いや、そうなんだってば。ぼっちゃんはこのだんなさまの子じゃないんだってば。と思ってしまいました。

だんなさまと奥さまの関係を曖昧にすることで、観客に解釈をゆだねたと好意的に受け取ることもできるけど、
そこを曖昧にするのなら、奥さまと板倉の関係をもっと曖昧にしてほしかった。
台風の夜に、奥さまが板倉にキスをするシーンでドン引き。
これを入れてしまうと、ふたりの不倫関係は決定的ってことですよね。
帯の模様の反転でタキがふたりの関係を推察するというだけにとどめてほしかった。
板倉が自分の下宿の部屋に、奥さまの手をとって招き入れるシーンや、
「お茶はいりません。」というせりふなんて、もはやコメディでしかない(失笑)。

奥さまの太ももあらわなマッサージシーンとか、奥さまの友人(中島朋子)のせりふとかで、
タキの奥さまに対する気持ちはなんとなく推察できるようにはなってるんだけど、
恋愛事件そのものより、そのあたりのことの方が大事ではないでしょうか。

キャスティングを聞いたときから疑問だった板倉役の吉岡くん。
晩年の板倉を登場させるつもりのキャスティングなのか?と思いきや、
それもなかったので、それならもう少し若くてこぎれいな人にしてほしかったです。

原作とはちょっと違うけど良作

投稿日

2014/06/15

レビュアー

KEE


その昔、ちょっと良い家庭には普通に女中がいる時代。

赤い屋根の「小さいおうち」に住み込みで女中をしていたタキの視点でお話は語られていく。



小さいおうち、はちっとも小さくはなく、立派なモダンな家である。

明るく美しく優しい奥様、時子を演じるのが松たか子。

先日観た 「夢売るふたり」とはうって変わって正統派美人の役。



実に美しい。

和装も洋装も素敵です。

恋愛事件というのでどんなドロドロな感じかと思いきや、そこはその時代の恋愛事件、なかなかミステリアスでよい感じです。



和装のときの帯の柄の向きが伏線になっていたり、窓ガラス越しに見える階段を上るときのちらっとみえるふくらはぎだったり。

いわゆる想像を掻き立てるような描写がいろいろあり、松たか子の色香が漂うシーンが多々あります。



若い女中のタキを演じるのが黒木華。このひと今大注目しています。

うまい女優さんですよね。

顔が昭和顔というか。

でも美人なので化けるとすごい。

タキちゃんが田舎から上京してきて奉公しているので、素朴でとてもかわいらしい。

しかしどうもどこかやっぱり女性同士ということでいろいろ思うところはあるのでは、という匂いもぷんぷんする。

この映画は若い時のお話を自叙伝として書く平成の時代のタキ(倍賞千恵子)の世界と時間軸がいったりきたりする。
そのあたりの兼ね合いも絶妙で、現代になるとタキの甥の次男 健史(妻夫木聡)とタキとの掛け合いが笑いを誘う。
時代背景的にタキの話には矛盾がある、と諭す健史。
一見、チャラい風な大学生なのに、意外と歴史に明るい健史に私は感心してしまった。



タキが自分のなかにだけ閉じ込めていた小さいおうちの秘密。
それが明らかになるのだが、この秘密にはいろんなひとのいろんな思いがあったのだなあ、とじわじわ感じました。


良作ですよ。役者も適材適所。

奥様の「秘密と反戦」・・・静かに綴る女中さんの日記

投稿日

2021/09/14

レビュアー

アーモンド

2014年。監督:山田洋次。原作は中島京子の直木賞受賞作です。

昭和11年に田舎から東京に女中奉公に来た布宮タキ(黒木華)
奉公先の「小さい赤い三角屋根のおうち」の9年間は一生涯タキの心に、懐かしさと悔恨を
残すものでした。

お婆さんになったタキ(倍賞千恵子)が親戚の健史(妻夫木聡)に相談しながら綴るノート。
倍賞千恵子と妻夫木聡が実の祖母と孫のようで、心からほのぼのとしました。
でも口当たりはソフトですが、内容は重かったです。

タキが憧れる奥様(松たか子)の秘密と平井家の日常。
何より太平洋戦争に突入する日本の様子が、克明に綴られ「庶民から見た・・・それも田舎から来た女中さんの目に写った戦争」が、とても分かりやすかったです。

日本が満州に侵略して、まるで世界制覇を目論む今の中国みたいです。
真珠湾攻撃をして開戦すると、まるでもう勝ったようなお祭り騒ぎ。
そしてそして戦局は日に日に悪化して行きます。

そんな中、奥様は旦那様の会社の部下の青年(吉岡秀隆)と道ならぬ恋に気を取られています。
松たか子が本当に美しく着物姿が素敵でした。
(私はあのご両親から生まれたにしては不細工だ・・・などと思ってたんですよね、
不美人とか普通とか思ってたなんて、とんでもないです。お母様(藤間紀子)譲りの臈長けた美女ですね。
大豆田とわこ・・を見て、なんと魅力的なのだろうと、思いました。
今では日本を代表する美人女優と思っております・・すみません)

兎も角、奥様は若い青年によろめいてしまわれるのです。
そして戦局の悪化で、病弱な青年の吉岡秀隆までに赤紙が届くのです。
赤紙とは戦争への「召集令状」のこと。
その紙の色が赤かったからそう呼ばれました。

そして若い女中タキちゃんは、奥様に一世一代の嘘を付くのです。
若い女中さんが、奥様一家の幸せを願って付く嘘。
この嘘は後々、タキちゃんを後悔に引きずり込むことになります。
(60年後に思い出しても泣き崩れる程の後悔)
そして奥様一家を起こる不幸な出来事。

この映画は「反戦」とは一言も言いません。
なのに戦争の愚かさと不条理が、観るものにクッキリと伝わってきます。
原作の良さ、そして山田洋次監督の手腕でしょう。

観て良かったと思う作品でした。

時子が書いた手紙のゆくえ

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2019/10/03

レビュアー

かつ

2013年(公開は2014年) 日本映画
監督:山田洋次

手厳しいレビューもある様ですが、私は素直に温かい気持ちになれる映画でした。
山田洋次監督の手に掛かると禁断の恋もこんなにも温かい作品になるんだと感心しました。
あ、もちろん駄目ですよ、その行為は。それは大前提として・・・です。

物語は、新井健史(妻夫木聡)の大叔母である布宮タキ(倍賞千恵子)が亡くなる所から始まります。
生前、タキは健史の勧めで自身の自叙伝をノートに綴っていて、健史とタキのやり取りと回想シーンがが交差しながら進んで行きます。この健史とタキのやり取りが何とも微笑ましい。

話は淡々と進みますが、ラストではあの時子(松たか子)が書いた手紙で「そういう事だったの!」と、意外な展開を見せます。米倉斉加年があの恭一少年の晩年を演じていますが、映画が公開された2014年に80歳で亡くなられたのですね。
黒木華の女中姿が自然体である事や、松たか子の昭和モダン風の美しさも全く違和感なく素晴らしい。
この映画の出演陣は皆、無理して演じている感が無いのが凄い。
それと、吉岡秀隆が出演しているとは知らずに観始めたので、得した気分になりました。

カラー作品なのにどこかセピア色っぽい雰囲気がするのも一層温かみを感じさるのでしょうね。
話の内容とは直接関係ありませんが、1940年(昭和15年)に東京オリンピック(夏季)が開催予定だったことは、映画を観てはじめて知りました。
山田洋次監督は79歳にして初のラブストーリーに挑戦し、本作は82作目だったそうです。

1〜 5件 / 全29件