コネクション　マフィアたちの法廷

去年亡くなった巨匠シドニー・ルメット監督の小品。

ライトでコミカルな語り口で実際のマフィア（ルッケーゼファミリー）の裁判を
かなり忠実（←重要）に再現した作品（実際に記録に残っているらしい）。

マフィアが「人間性（魅力）」を武器に無実を勝ち取る話なので、
観終わった後、「それで良いのか？」というモヤモヤ感が残るけど、
「それで良いのか？」っと（様々なことについて）思わせることこそが、
この映画の狙いなのかもしれない。

狙いじゃないかもしれないけどね←オイ

１２０分間全くダレることなく観れる作品なので、様々な疑問を得る為に観てみるのも良いかもね〜
オススメかというと微妙ですが・・・

個人的満足度　６６点！
オススメ度　６０点！

評価８１点（１００点満点）
「１２人の怒れる男」を撮ったシドニー・ロメット監督作品だけあって久人ぶりに面白い法廷劇を観た感じがする。
アメリカ裁判史上最長となったニュージャージーのマフィア、ルッケーゼファミリーの裁判で被告２０人、６７の訴件の一括審理だけあって延べ２１ケ月を費やしたというもので、法廷でのやりとりは実際の記録に基づいているという解説がある。
そりゃそうだろう冒頭陳述にしたって２０人の弁護士が順次行ってゆくのだから時間のかかるのは当たり前の気がするが、それらの評議をしなきゃならない一般市民から選ばれた陪審員の負担も大変なものだったろう。
主役はファミリーの一員ジヤッキー・ディノーシオ、自身は別件で懲役３０年の受刑者、減刑を条件に被告側の証人になるといういわゆる「司法取引」をもちかけられるが断固拒否、今回の裁判では自らを弁護するという異例の行動に出る。勿論弁護人の資格があるわけではないし法廷でのルールを熟知しているわけでもない、仲間からは猜疑の視線ではあるが、ともかく自分の思うままを語るという信念ではじめる。当時施行されていたＲＩＣＯ法は日本で言う暴対法みたいなものでマフィアに対して強力にしめつける法律、マフィアが集まるとすぐに共同謀議とみなされてしまう。
時おり法廷で暴走してしまうジヤッキーだが、その話ぶりは妙に人の心に入り説得力がある。次々と登場する検察側証人に対する反対尋問もツボはずさず専門家とは違う切り口で迫るという巧みさもみせる。同じファミリーとはいえ被告人同士の対立や腹の探り合いは半端じゃない、しかしジャッキーの度胸、意志の強さに加えてファミリーへの無条件の忠誠心と愛がグループを結束させ、それが裁判結果にも大きな影響を与えたのは間違いなかろう。
こうした裁判においては陪審員に強いインパクトを与えた側が有利になるということは否定できまい、それもこの制度ゆえなのかもしれない。
本作の７０％が法廷シーンだが決して退屈しない作品。

丁度『ゴッド・ファーザー』を見始めていたので、マフィアの裁判と知り第一優先で観ました。
この監督はあの『十二人の怒れる男』や『ワイルド・スピード』も製作された方と知り、より興味が増す。

最初の場面がなんと人殺しの場面。しかも撃つ方が下手なので眠っている男の首をかする。
虫と間違えて眠りながら手で払う。次にまた撃つ、また外れる。やっと気づいた撃たれる側
それが主人公のジャッキー・ディノーシオ。実に、大らかな人と言う印象を受けた。

その彼がアメリカを代表するマフィア・ファミリーの一つ“ルッケーゼ一家”と一緒に起訴された。
前年の裁判で負け、弁護士を付けても刑期３０年は変わらないと弁護料を惜しんで自分で弁護することにした。

このジャッキーは小学校しか出ていないが、目の付け所が違う。なかなか良い質問をするし、痛いところを突いてくる。
そしてユーモアのセンスもあり、法廷が笑いの渦。

そんな、楽しい感じで裁判は続きます。なかなか見どころのある、そしてホットになれる作品です。
刑務所仲間の励ましや検事側の嫌がらせに虐待。そんななかにあっても自分のスタイルを突き通す強い意志の持ち主
だが、その反面愛に満ちた心とか、ヒョウキンではあるがとても素直な性格が裁判官には好かれたようです。

この裁判の行方…気になりませんか。是非、映画からその答えを得て下さい。

『アニマルキングダム』の凡庸なムード演出に比べると、いかに凡作とはいえシドニー・ルメットはさすがというほかありません。
『12人の怒れる男』や『評決』という法廷ものの秀作を作ってきたルメットとはいえ、実話ベース、ヴィン・ディーゼル主演、06年作品なのに今まで未公開だった、などの要素は「つまらない臭」をぷんぷんとさせています。
実際、地味ですごく良い出来とは言えませんが、意外にも充分楽しめる一遍になっていました。
アメリカでもっとも長く続いたと言われるマフィアの集団裁判を実話をもとに描いています。
映像面では「ひょっとしてテレビムービー？」と思えるほどですが、ルメットの語りがうまく、ドンパチなどアクションはほとんどないのに、飽きさせません。
主人公ヴィン・ディーゼルはおとり捜査で捕まって、すでに刑務所にいるのですが、そこからこの裁判に被告として引っ張り出されます。ほかの仲間との境遇の違いが、彼を孤立させる。弁護士を付けずに自分で自分の弁護をするのですが、もちろん法律なんてよくわからないので頓珍漢なことになってしまう。そこここにユーモアを交えながら、次第に彼の懸命さが浮かび上がってくるあたり、ルメットの語りはやはり面白い。
カメラは引き気味で、背景の中で主人公をとらえており、その臨場感はさすがだと思います。
この作品も実話を扱っている以上、あまり無理はできないのですが、十分ドラマティックな展開を構築することに成功しています。
まあ、マフィアを持ち上げてしまうところに疑問がないではないですが、楽しめました。55点。

ヴィン・ディーゼルが、愛想あって、義理人情に厚い、ぶきっちょおじさんヤクザをやっています。この人に法廷劇は無理だろうと思ってしまうのですが、さにあらず。そういう奴のストーリーでして、これがうまく出来ている。監督はシドニー・ルメット、法廷劇を得意とする監督だけあって流石の仕上がり。正義の法廷劇ではないですがこういう描き方も面白いと思わせる作品です。

12人の怒れる男では陪審員制度の意義と正義を。一方でこの作品では陪審員制度の矛盾を描いています。どっちも正しくてどっちも間違っている。裁判というのは難しいものだと改めて思いますね。なかなかの作品です。