引き裂かれた女

引き裂かれた女の画像・ジャケット写真
引き裂かれた女 / リュディヴィーヌ・サニエ
全体の平均評価点:
(5点満点)

12

  • DVD
ジャンル:

「引き裂かれた女」 の解説・あらすじ・ストーリー

2010年9月に惜しくもこの世を去ったヌーヴェル・ヴァーグの巨匠クロード・シャブロル監督の最晩年の作品となるサスペンス・ラブストーリー。対照的な2人の男を愛してしまった情熱的なヒロインが辿る悲劇的な運命をサスペンスフルに描く。主演は「スイミング・プール」のリュディヴィーヌ・サニエ。共演にブノワ・マジメル、フランソワ・ベルレアン。高名な作家にしてプレイボーイのシャルル・サン・ドニは、ローカルTV局のお天気キャスター、ガブリエルと出会い興味を抱く。さっそく大人の魅力で彼女を虜にしていく。一方、若くてハンサムな資産家の御曹子ポールも彼女にひと目ぼれして猛烈アタックを開始するが…。

「引き裂かれた女」 の作品情報

製作年: 2007年
製作国: フランス
原題: LA FILLE COUPEE EN DEUX/THE GIRL CUT IN 

「引き裂かれた女」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

引き裂かれた女の詳細

  • 旧作
収録時間: 字幕: 音声:
115分 日本語 1:ドルビーデジタル/ステレオ/フランス語
レイティング: 記番: レンタル開始日:
DABR4058 2011年11月04日
在庫枚数 1位登録者: 2位登録者:
8枚 1人 0人

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ユーザーレビュー:12件

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シャブロル爺の描く人間模様はオモシロ悲しい(少しネタバレ)

投稿日:2011/11/12 レビュアー:ポッシュ

 いやぁ、よくもこんな三文小説並の“痴情のもつれ”バナシをオサレに仕上げたもんだと、いつもながらシャブロル爺の手さばきに唸る。

 私はこの監督さんの作品に漂う「不穏なムード」が好きだ。狂気や不安が静かに満ちてきて、なんとなく息苦しさを感じさせる空気感。色彩もカメラワークも穏やかで明るく静かな雰囲気なのに、何故か気持ちが晴れないアンビバレント。どうもこれは自分の「人生観」にぴったりと合っているようで、憂鬱を飼い慣らして生きてきたヒネたおばちゃんには、実にしっくりとくるのでした(苦笑)。

 作家シャルル・サン・ドニ(フランソワ・ベルレアン)は、結婚と恋愛を矛盾なく両立できる強靭な精神を持つ男。こういう人って結局、孤高に生きているのだと思う。妻や愛人といった他者に精神的に依存することは皆無なんだろな。だから一緒に暮らすことも逢うことも逢わないことも、彼なりの哲学で意志的・必然的に行うのであって、感情には左右されない。非常に強固な自我の持ち主だ。

 一方の金持ちの御曹司ポール(ブノワ・マジメル)は真逆の感情直流男で完全なるお子ちゃま。母親の愛情に飢え、常に欠乏感を抱えている。きっと自分を満たしてくれる他者がいて初めて安定できるのでしょう。ガブリエルに対する好意もひたすら「結婚したい」(=所有したい)ってだけで、シャルルに捨てられたガブリエルをようやく手に入れても、今度は「調教済み」の彼女が許せない。昔の男の影がチラつく彼女に苛立つ。どこまでも他者の存在に自分の感情をかき乱される、脆弱な自我の持ち主なのだ。

 そんな2人の男性の間で「引き裂かれる」女、ガブリエル(リュデヴィーヌ・サニエ)。彼女はホントにフツーの女の子だよね。性悪ではないけど清純でもない。馬鹿ではないけど利口でもない。こんな奴らに出会ってしまって気の毒だったねとしか言いようがない(苦笑)。しかも、クジャクのコスプレとか、おやじギャグかと思うラストのオチとか、シャブロル爺さんったら何やらせてんだか。

 まぁ、なにしろ人間模様が面白くて最初から最後まで目が離せなかった。3人の役者には「アッパレ」と言ってあげたいですが、中でもブノワ・マジメルのバカ殿ぶりは必見です!

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薄気味悪い恋愛サスペンス

投稿日:2011/11/03 レビュアー:よふかし

 冒頭のクレジットからワクワクさせ、ラストのラストではタイトルの意味に仰天させるシャブロル晩年の秀作(怒る人もいるかもしれない)。
 好色な作家シャルル(フランソワ・ベルレアン)と美人お天気キャスター・ガブリエル(リュデヴィーヌ・サニエ)、ボンクラ御曹司(ブノワ・マジメル)の、お話だけ取り出せばまこと通俗的な情痴劇である。それが演出の力によって、見事に不安感に満ちた恋愛サスペンスになっているところが見どころと言えると思う。
 映画の始まりから、どこか歪んでいるような、胸のざわめきを感じるのは、映画の刻むリズムそのものが不安定なため。フランソワ・オゾン作品のミューズでもあったサニエ演じる美人キャスターが二人の男の間で「引き裂かれる」、まさにその言葉通りに「切断」を意識したシャブロルは、「シークエンスが自然な結末の前に終わるか、反対に、観客の予想を越えて引き延ばされ」るように編集したという(パンフレットより)。この言わば「心地よくないリズム」がサスペンスを醸成しているのだろう。
 同じことは人物の描き方にも当てはまる。悲劇を呼んだ主要な三人に対する評価を、映画を観終わってなお観客はたやすく下せないだろうと思う。三人まとめてアホというのは簡単だが、それは思考停止というもの。いい奴悪い奴を簡単に決められないように演出されているので、いつまでも安心することはできない――そこがとてもサスペンスフルとなのである。
 このような薄気味悪い恋愛劇と言えば、やはりヒチコックの『めまい』を思い出さずにいられない(いくつかの場面ではヒチコックのタッチを感じさせもする)。あの映画ではジェームズ・スチュワートが二人の女の間で引き裂かれていくが、本作ではそれがサニエの役どころなのかな、と思う。
 シャルルに捨てられ自暴自棄となっていくガブリエル。サニエは相変わらず可愛い。本作は様々に男の妄想に満ちたセックスが題材になっているのだが、直接描写は皆無で、かつシーンそのものが省略されていることも多いのに(秘密の二階とか)、いやかえってそのためか、ひじょうに淫靡な印象を与える。それはサニエのやや白痴的な美しさがあってこそだろうし、ちょっと頭の足りない感じで随所に暴力性を浮かばせるマジメル、冷酷かつ知的、愛妻家かつ浮気者という作家を演じたベルレアンも素晴らしく、主役三人は実に見事なキャスティングだ。80点。

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言葉では真実は語れない

投稿日:2012/12/14 レビュアー:みみ

 著名な作家シャルル・サンドニ。引用を多用した含蓄のある言葉と知的で気品のあるたたずまいで、多くの人を魅了する初老の紳士。
 ハンサムな御曹司ポール・ゴダンス。地元の資産家のボンボンで、欲しいものはすべて自分の手に入ると思い込んでいるワガママなお坊ちゃま。
 そんな2人にほぼ同時に愛されたことで、ガブリエルの運命は大きく変わります。
 
 若いガブリエルが、サンドニの大人の魅力に惹かれたのはよくわかります。フツウなら何度か逢引を重ねるうちに、きっと彼の老いや凡人らしさに幻滅してゆくものと思いますが、幸か不幸かこの男、ガブリエルの若さや美貌を以ってしても歯が立たないほど相当な手練手管でした。
 そんなサンドニにボロボロの雑巾同然に捨てられた後、ポールにしがみつきたい気持ちになったのも何となく同情できます。
 私は、もしガブリエルが引き返せるとしたなら間違いなくここだと思うけど、老練サンドニとその仲間たちに散々辱められ、プライドもずたずたになっていた当時の彼女の判断力が鈍っていたとしても、それはそれでうなずけるような気がするのです。

 結局、2人の男によって運命を狂わされ(まあ3人とも狂ったのだけど)、世間には同情されるどころか、穢れた売女のごとく軽蔑され、ステージの上で人知れず涙をひとしずく流す彼女。
 それでも彼女はきっと後悔していないと思う。
 言葉では真実は語れない。
 2人を彼女なりに真剣に愛した彼女の真実は、誰にも理解されることなく、彼女の中にあります。

 何作でも続けて観れてしまう、シャブロル監督作品。こういう中毒性のある監督がどんどんいなくなってしまうのは、とても残念なことですね。
 また、新作映画さえ厳しいというこのご時世で、過去の日本未公開作品をこうやってまとめて世に出すには、相当なご尽力が必要だったのではとお察しします。こうして鑑賞できたことに、この場をお借りして感謝したいと思います。

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「洒脱」ではなく「軽薄」ネタバレ

投稿日:2011/11/20 レビュアー:忙中有閑

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ウ〜ム。つい最近「最後の賭け」という同じクロード・シャブロル監督の作品観て「フランス映画らしい!」と絶賛してしまったんだけど(フランス映画のことそんなに分かってるワケでもないのに)、今回この映画でまた分かんなくなっちゃいましたね、フランス映画も、シャブロル監督も。製作年から言うと「最後の賭け」が1998年(シャブロル監督68歳)でこちらの「引き裂かれた女」は2007年(77歳。亡くなる3年前)でほとんど「遺作」に近いし、この他に私が観た「沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇」(1995年、65歳)、「石の微笑」(2004年、74歳)の2作は私的観かたからすると「最後の賭け」よりこの「引き裂かれた女」に近いから、つまり「最後の賭け」のほうが例外的に「シャブロル的」では無くて、こちらの「引き裂かれた女」の方がよっぽど「シャブロル的」であり、もしかすると「フランス映画的」なのかも知れませんね。でもね、それは少なくとも私の「期待」とは全然違うんですねぇ。
私的には「フランス映画的」「シャブロル的」とはどのようなもの(であって欲しかった)かというと、一言で言えば「軽妙洒脱」です。私の定義では「洒脱」の反対は「軽薄」でして、もう少し具体的に言うと「表層が軽くて深層が重い」のが「洒脱」で、「表層が重たいのに深層が軽い」のが「軽薄」です。ミステリーの場合、動機(深層)が軽い(嫉妬とか劣等感とか)のに犯行(表層)が重い(殺人とか暴力とか)のはどうも「洒脱」さが感じられないし、コメディでも深層(ネタ)が軽いのに表層(アクション)ばかりが重い(ドタバタ)のは「軽妙」さに欠ける、と思うんですね。別の言葉で言えば「軽薄」とはつまり「子供」であり、「洒脱」というのは「オトナ」ということであり、さらに言ってしまえばアメリカ映画が「子供っぽい」のに対してフランス映画は「オトナの映画」(であって欲しい)ということなんです。
この映画、オハナシは「三文小説(ポッシュさん)」そのものの典型的三角関係(男2+女1)メロドラマなんで、女に惚れる純情男、女をコマす性悪男、そして間に挟まって苦悩する美しいヒロイン、という図式が定番だし、実際この映画もそうなってるんだけど、そこは流石にフランス映画だしシャブロル監督だから、3人のキャラ設定も彼らを取り巻く脇役たちのキャラも、そしてオハナシの展開も一筋縄では行かなくて面白い。若くてキレイなヒロイン、ガブリエル(リュデヴィーヌ・サリエ)はTVのお天気キャスターとして人気上昇中でかなりのモテモテ女だし結構したたかで計算高い面もあって、とても「ウブで清純な」ヒロインではない。初老の作家シャルル・サン・ドニ(フランソワ・ベルレアン)はただの性悪な女たらしというワケでは無く、妻や古い愛人もそれなりに大事にするし、自らの「老い」を自覚して反省もし、ガブリエルの将来を心配するだけの知性もある。イケメンだけどアホなドラ息子ポール(ブノワ・マジメル)もかなりの「お子ちゃま」で直情径行だけどガブリエルがシャルルを忘れられずに今も愛し続けていることに気付くだけのアタマは持ち合わせている。
しかしね。私はやっぱり不満なんですね。3人とも「表層」は十分軽いんだけど「深層」の重さが足りない。これではとても「洒脱」とは言えないと思う。「深層の重さ」とは何か?それはシャルルとガブリエルの「愛」の深さであり、ポールのガブリエルへの「愛」の深さだと私は思うんですね。そこが全然表現出来て無い。いや、シャブロル監督は「深層の深さ」など最初から「表現する」つもりは無かったんでしょう。最初から「軽薄」なラブ・ミステリー・コメディを作るつもりだったんですね。私が「期待」し過ぎたんでしょう(笑)。

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引き裂かれた後、再び輝かしい未来を歩んでいけるのか。

投稿日:2018/01/22 レビュアー:伝衛門

20世紀初頭のアメリカで実際に起き、過去にも題材に取り上げられた名高い情痴犯罪事件を、
巨匠・シャブロル監督でエレガントに映画化。

『スイミング・プール』のL・サニエをヒロインに、
彼女を軸に『悪の華』のB・マジメルと『トランスポーター』シリーズのF・ベルレアンが
三角関係を織り成す恋人役を演じています。

可愛らしいお天気キャスター、高名なる初老の作家、金持ちの御曹司の織り成す恋愛模様は、
”どっちにするの?”の中山美穂さん主演ドラマにありがちな設定ではありますが、
全て一目惚れとい一切の余計な駆け引きを除いた演出が惨劇に向けて突き進む
ショッキングな展開を際立たせてくれます。

数年前に鑑賞した時は、ラスト数分を除いた
絶望的な結末の方が好ましいように感じていたのですが、
”女”シリーズとして再鑑賞した今回、
ラスト数分で救われた気分になったことに面白みを感じました。

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