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エレジー / ペネロペ・クルス

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「エレジー」 の解説・あらすじ・ストーリー

解説・ストーリー

『死ぬまでにしたい10のこと』のイザベル・コイシェ監督、ペネロペ・クルス主演で描いたラブロマンスドラマ。スペイン系キューバ移民の美女・コンスエラは、女性の肉欲のみを求めている大学教授・デヴィッドと出会い親密な愛情関係で結ばれるが…。

「エレジー」 の作品情報

作品情報

製作年:

2008年

製作国:

アメリカ

原題:

ELEGY

「エレジー」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

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1〜 5件 / 全62件

テーマは老いと死 ネタバレ

投稿日:2009/07/06 レビュアー:ミルクチョコ

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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これもまた、イントロがありませんね。
「死ぬまでにしたい10のこと」のイザベル・コイシェ監督が、ピューリッツアー賞作家フィリップ・ロスの小説を原作に描く年の差30のラブストーリーです。
コイシェ監督は、やはり死とか老いを扱っていて、単なる年の差カップルのラブストーリーとは異なっています。
一見、平凡なメロドラマのようですが、根底には、老いをどう生きるかというテーマで、男と女の意識のずれなどを丁寧に描き、生きることの意味を問うているような気がしました。

著名な大学教授のデビッド(キングズレー)は、自分の受け持つクラスの学生コンスエラ(B・クルス)の美しさに見とれ、たちまち惹かれてしまいます。しかし、コンスエラが家族に紹介したいと言われて、彼女の招待を年齢差を気にして、拒否してしまいます。
デビッドが、コンスエラの肉体に溺れてしまうのは、自分の老いへの抵抗なのかもしれません。

デビッドは、自分の体が若くないことを呪い始めたのでしょうか?
ところが、コンスエラの方は心が結ばれていたら、年の差など気にせずに受け入れていくところから、ずれが生じたのだと思います。

しかし、2年が経ち、コンスエラから意外な秘密を打明けられることから、初めて、デビッドは共に生きるパートナーとして彼女を受け入れることができたのだと思います。
切なさと死の瀬戸際で、再び寄り添っていくのは、お互いの人間の弱さや、愚かさを受け入れたということなのでしょうか?
予想に反して、初老の男性が、初めて真剣な恋愛を知り、生を渇望する姿を浮き彫りにした成長物語でした。

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本年度上半期ベスト1 ネタバレ

投稿日:2009/06/27 レビュアー:パープルローズ

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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今年見た映画の中では、今のところこれがベスト1だと思います。
大人の恋愛映画です。

老境を迎えつつある大学教授のディビッド(ベン・キングスレー)。気ままな恋愛を謳歌しながら生きてきて、妻と幼い息子を捨てたという過去を持つ男。
そのディビッドが30歳も年下の教え子コンスエラ(ペネロペ・クルス)と激しい恋に落ちる。

ただの老いらくの恋の物語なのかなと思っていましたが、さすがにイサベル・コイシェ、それだけでは終わってません。老いと死に対する恐れをきちんと描いていると思います。

ディビッドはコンスエラのまるで芸術品のような美しさに夢中になり、次第に彼女を独占したいという強い欲望にかられる。
コンスエラの「今晩は弟とクラブに踊りに行くの。」という言葉がほんとうなのか、どうしても確かめたくて、年齢に場違いな場所に足を踏み入れてしまう。
嫉妬と執着。それはまさに、彼が過去の恋愛において、もっとも嫌っていたものだったのに。
同時にディビッドはコンスエラの若さが恐ろしい。若くて美しいコンスエラは本当に自分を愛しているのか?ふたりの未来を本当に考えていいのか?

一方コンスエラは、別の方法でディビッドの愛を確かめようとする。
ディビッドを家族に紹介したいコンスエラは、自分の卒業記念パーティに彼をを招待するが、直前になってディビッドは怯んでしまう。

2年後、再びディビッドの前に現れたコンスエラの口から告げられる衝撃の事実。

(ここからさらにネタバレ)
お互いに愛し合いながらも、不釣り合いだったふたりの関係が、コンスエラが不治の病を得たことで、初めて対等のものになる。
残された時間がわずかしかない、死というゴールが間近に見えるふたりとなって初めて、ふたりはそれまでの恐れや迷いを捨てることができたのだ。

ペネロペ・クルスは、ディビッドの「work of art」というせりふ通りの美しさです。
ディビッドの長年のセックスパートナー役のパトリシア・クラークソン、ディビッドの親友役のデニス・ホッパーも見逃せません。

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★★★★☆ あなたが愛しているのは、私の美しさだけなの? ネタバレ

投稿日:2009/08/14 レビュアー:ガラリーナ

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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なぜ、男はその簡単な言葉が言えないのだろう。「君を心から愛している」と。「君と別れてしまうことを想像すると夜も眠れない」と。なぜ、その胸の苦しみを素直に言葉にできないのだ。大学教授のデヴィッドは、文学的な表現で何度もコンスエラの美しさを称えるけれど、女が欲しているのは「私の美しさ」ではなく、「私自身」に向けられた愛の言葉なのに。

病に冒されたコンスエラが言う。「私の体が美しくなくなっても、あなたは愛してくれるの?」と。デヴィッドよ、あなたの間違った愛し方がこんな愚かな言葉を女に吐かせたのだ。なんと、罪深い男。死に直面したコンスエラを前にようやく素直になれたというのか。なんて、ずるい男。

あまりに愛しすぎると、人は臆病になる。その気持ちは重々承知の上で、老教授デヴィッドの愛し方をあなたはどう受け止めるでしょうか。よふかしさんがおっしゃる「自己中心的」に私は全く同意なのですが、それでも2人の愛の行く末について、観賞後いろんなことを誰かと語りたくなる逸品だと感じました。ビターな結末の中に、男と女、それぞれの思惑を想像させるテイストは、サラ・ポーリー監督作「アウェイ・フロム・ハー」とも大変良く似ています。もちろん、サラがイザベル・コイシェ常連組であることと無関係ではないでしょう。ふたり共、年老いた男のずるさを見事に描き出していると思います。

女があまりにも美しいから惹かれ、あまりにも美しいから我を忘れて嫉妬にかられる。そんなストーリーが成立しているのは、ペネロペ・クルスのおかげ。彼女は「それでも恋するバルセロナ」でアカデミーを獲っていますが、こちらの作品の間違いではないのか?と思うほどです。その美しさには文句の付け所がありません。これほど、主演女優の圧倒的な美しさに同性とはいえ、目眩がするほどクラクラしたのは、いつ以来でしょう。「裸のマヤ」に例えるような、しらじらしいお世辞がすんなりと観客に受け止められる女優、彼女の他に誰がいると言うのか。現在、35歳のペネロペ・クルス、その艶やかさにますます磨きがかかりそう。ハビエルの子を妊娠しているという噂もありますが、アルモドバルの新作は既に撮影済み。公開がとても楽しみです。

このレビューは気に入りましたか? 8人の会員が気に入ったと投稿しています

陳腐で子どもな主人公 ネタバレ

投稿日:2009/07/09 レビュアー:よふかし

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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 それで、イーストウッドの『愛のそよ風』を観ながらこの映画を思い出していました。そっくりなんですよ、ところどころ。
 こちらは歳の差30歳、向こうは「二倍」という台詞がありましたが、見た目では40歳近い差がありそうです。どちらも一見シニカルで現実的な男のほうが、実は人と強い結びつきを持ったことがなくて、子どもっぽく、女に甘えているところ。
 若い恋人を持ったことを、友人にいろいろ相談するのも一緒なら、その場所がサウナやテニスクラブ(本作はスカッシュ)というのも同じ。当然というか、会話の中身も似たようなもの。年齢差におびえて、別れを切り出すのが男のほうというのも同じ。まあ、よくある物語ということなんでしょうね。
 しかし『愛のそよ風』は大好きになりましたが、『エレジー』は退屈で、僕にとってはあまり心惹かれる映画ではありませんでした。
 舞台装置はこちらのほうがゴージャスです。美術の専門家という設定もあって、ゴヤだのベラスケスだのカフカだのがちらちらしていますし、音楽もバッハやエリック・サティ。ベン・キングズレーの自宅フラットもモノトーンでセンスよく、総じてスノッブで高級感に溢れています。主演のふたりも芝居は上手いし、ペネロペ・クルスは美しい(ヌードも)。
 でも、映画として面白くはありませんでした。
 脚本が退屈を呼んでいると思えたのは、内面を説明するあからさまな台詞が多すぎるということがひとつ。最初のほうでは、キングズレーのモノローグが意外と軽快な感じを作品に与えていて、面白そうに思えたのですが、次第にペネロペ・クルスもデニス・ホッパーも、二十年来の愛人も、皆人生と愛とセックスについて一家言あって、どんどん分析し、しゃべる。それもお互いの違いを際立たせるというより、キングズレーのことを思いやって、分かってあげるもんですから、その都合よさにちょっとうんざりしてしまいました。 
 一見真摯な愛についての会話は幼く他愛なく、スノッブなアイテムも単なるファッション、装飾程度の意味しか持ち得ませんでした。あちこちで大人のムードが演出されている割に、どこまでも自己中心的なキングズレーの行動はあまりにも子供じみていました。苦悩ではなく、駄々をこねているようにしか見えません。
 そして最後まで、彼が彼女の何を愛しているのか――若さか、身体か、心か、彼女を愛する自分をか――僕には分かりませんでした。それなのに、わざわざ彼女のほうから戻ってきて、重大な秘密を打ち明けてくれ、彼に再び彼女を愛する機会を与えてくれるのです……。
 このような詰まらないお話でも、演出次第で面白くなることは『愛のそよ風』が証明していますが、この監督さん(よく知らないのですが)にはちょっと重荷であったように感じます。
 いかにもな音楽のつけ方は鼻白みますし、たとえばブラインドを下ろすだけのアクションをどうしてああおも勿体付けるのか、分かりません。たぶん、作り手が物語を客観視できていないんですね。そして冒頭で肉欲について高らかに語りながら、セックスがあまりエロティックに描かれないのは致命的と思えてなりません。この映画は、こちらがどきどきするくらいエロティックでなければならなかったような気がするのですが……。
 イーストウッドの空間演出と語りの見事さを引き合いに出してはかわいそうかもしれませんが、35点。

このレビューは気に入りましたか? 7人の会員が気に入ったと投稿しています

雨音に打たれながら

投稿日:2010/03/24 レビュアー:ビンス

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テーマは老いと死

投稿日

2009/07/06

レビュアー

ミルクチョコ

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これもまた、イントロがありませんね。
「死ぬまでにしたい10のこと」のイザベル・コイシェ監督が、ピューリッツアー賞作家フィリップ・ロスの小説を原作に描く年の差30のラブストーリーです。
コイシェ監督は、やはり死とか老いを扱っていて、単なる年の差カップルのラブストーリーとは異なっています。
一見、平凡なメロドラマのようですが、根底には、老いをどう生きるかというテーマで、男と女の意識のずれなどを丁寧に描き、生きることの意味を問うているような気がしました。

著名な大学教授のデビッド(キングズレー)は、自分の受け持つクラスの学生コンスエラ(B・クルス)の美しさに見とれ、たちまち惹かれてしまいます。しかし、コンスエラが家族に紹介したいと言われて、彼女の招待を年齢差を気にして、拒否してしまいます。
デビッドが、コンスエラの肉体に溺れてしまうのは、自分の老いへの抵抗なのかもしれません。

デビッドは、自分の体が若くないことを呪い始めたのでしょうか?
ところが、コンスエラの方は心が結ばれていたら、年の差など気にせずに受け入れていくところから、ずれが生じたのだと思います。

しかし、2年が経ち、コンスエラから意外な秘密を打明けられることから、初めて、デビッドは共に生きるパートナーとして彼女を受け入れることができたのだと思います。
切なさと死の瀬戸際で、再び寄り添っていくのは、お互いの人間の弱さや、愚かさを受け入れたということなのでしょうか?
予想に反して、初老の男性が、初めて真剣な恋愛を知り、生を渇望する姿を浮き彫りにした成長物語でした。

本年度上半期ベスト1

投稿日

2009/06/27

レビュアー

パープルローズ

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今年見た映画の中では、今のところこれがベスト1だと思います。
大人の恋愛映画です。

老境を迎えつつある大学教授のディビッド(ベン・キングスレー)。気ままな恋愛を謳歌しながら生きてきて、妻と幼い息子を捨てたという過去を持つ男。
そのディビッドが30歳も年下の教え子コンスエラ(ペネロペ・クルス)と激しい恋に落ちる。

ただの老いらくの恋の物語なのかなと思っていましたが、さすがにイサベル・コイシェ、それだけでは終わってません。老いと死に対する恐れをきちんと描いていると思います。

ディビッドはコンスエラのまるで芸術品のような美しさに夢中になり、次第に彼女を独占したいという強い欲望にかられる。
コンスエラの「今晩は弟とクラブに踊りに行くの。」という言葉がほんとうなのか、どうしても確かめたくて、年齢に場違いな場所に足を踏み入れてしまう。
嫉妬と執着。それはまさに、彼が過去の恋愛において、もっとも嫌っていたものだったのに。
同時にディビッドはコンスエラの若さが恐ろしい。若くて美しいコンスエラは本当に自分を愛しているのか?ふたりの未来を本当に考えていいのか?

一方コンスエラは、別の方法でディビッドの愛を確かめようとする。
ディビッドを家族に紹介したいコンスエラは、自分の卒業記念パーティに彼をを招待するが、直前になってディビッドは怯んでしまう。

2年後、再びディビッドの前に現れたコンスエラの口から告げられる衝撃の事実。

(ここからさらにネタバレ)
お互いに愛し合いながらも、不釣り合いだったふたりの関係が、コンスエラが不治の病を得たことで、初めて対等のものになる。
残された時間がわずかしかない、死というゴールが間近に見えるふたりとなって初めて、ふたりはそれまでの恐れや迷いを捨てることができたのだ。

ペネロペ・クルスは、ディビッドの「work of art」というせりふ通りの美しさです。
ディビッドの長年のセックスパートナー役のパトリシア・クラークソン、ディビッドの親友役のデニス・ホッパーも見逃せません。

★★★★☆ あなたが愛しているのは、私の美しさだけなの?

投稿日

2009/08/14

レビュアー

ガラリーナ

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なぜ、男はその簡単な言葉が言えないのだろう。「君を心から愛している」と。「君と別れてしまうことを想像すると夜も眠れない」と。なぜ、その胸の苦しみを素直に言葉にできないのだ。大学教授のデヴィッドは、文学的な表現で何度もコンスエラの美しさを称えるけれど、女が欲しているのは「私の美しさ」ではなく、「私自身」に向けられた愛の言葉なのに。

病に冒されたコンスエラが言う。「私の体が美しくなくなっても、あなたは愛してくれるの?」と。デヴィッドよ、あなたの間違った愛し方がこんな愚かな言葉を女に吐かせたのだ。なんと、罪深い男。死に直面したコンスエラを前にようやく素直になれたというのか。なんて、ずるい男。

あまりに愛しすぎると、人は臆病になる。その気持ちは重々承知の上で、老教授デヴィッドの愛し方をあなたはどう受け止めるでしょうか。よふかしさんがおっしゃる「自己中心的」に私は全く同意なのですが、それでも2人の愛の行く末について、観賞後いろんなことを誰かと語りたくなる逸品だと感じました。ビターな結末の中に、男と女、それぞれの思惑を想像させるテイストは、サラ・ポーリー監督作「アウェイ・フロム・ハー」とも大変良く似ています。もちろん、サラがイザベル・コイシェ常連組であることと無関係ではないでしょう。ふたり共、年老いた男のずるさを見事に描き出していると思います。

女があまりにも美しいから惹かれ、あまりにも美しいから我を忘れて嫉妬にかられる。そんなストーリーが成立しているのは、ペネロペ・クルスのおかげ。彼女は「それでも恋するバルセロナ」でアカデミーを獲っていますが、こちらの作品の間違いではないのか?と思うほどです。その美しさには文句の付け所がありません。これほど、主演女優の圧倒的な美しさに同性とはいえ、目眩がするほどクラクラしたのは、いつ以来でしょう。「裸のマヤ」に例えるような、しらじらしいお世辞がすんなりと観客に受け止められる女優、彼女の他に誰がいると言うのか。現在、35歳のペネロペ・クルス、その艶やかさにますます磨きがかかりそう。ハビエルの子を妊娠しているという噂もありますが、アルモドバルの新作は既に撮影済み。公開がとても楽しみです。

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 こちらは歳の差30歳、向こうは「二倍」という台詞がありましたが、見た目では40歳近い差がありそうです。どちらも一見シニカルで現実的な男のほうが、実は人と強い結びつきを持ったことがなくて、子どもっぽく、女に甘えているところ。
 若い恋人を持ったことを、友人にいろいろ相談するのも一緒なら、その場所がサウナやテニスクラブ(本作はスカッシュ)というのも同じ。当然というか、会話の中身も似たようなもの。年齢差におびえて、別れを切り出すのが男のほうというのも同じ。まあ、よくある物語ということなんでしょうね。
 しかし『愛のそよ風』は大好きになりましたが、『エレジー』は退屈で、僕にとってはあまり心惹かれる映画ではありませんでした。
 舞台装置はこちらのほうがゴージャスです。美術の専門家という設定もあって、ゴヤだのベラスケスだのカフカだのがちらちらしていますし、音楽もバッハやエリック・サティ。ベン・キングズレーの自宅フラットもモノトーンでセンスよく、総じてスノッブで高級感に溢れています。主演のふたりも芝居は上手いし、ペネロペ・クルスは美しい(ヌードも)。
 でも、映画として面白くはありませんでした。
 脚本が退屈を呼んでいると思えたのは、内面を説明するあからさまな台詞が多すぎるということがひとつ。最初のほうでは、キングズレーのモノローグが意外と軽快な感じを作品に与えていて、面白そうに思えたのですが、次第にペネロペ・クルスもデニス・ホッパーも、二十年来の愛人も、皆人生と愛とセックスについて一家言あって、どんどん分析し、しゃべる。それもお互いの違いを際立たせるというより、キングズレーのことを思いやって、分かってあげるもんですから、その都合よさにちょっとうんざりしてしまいました。 
 一見真摯な愛についての会話は幼く他愛なく、スノッブなアイテムも単なるファッション、装飾程度の意味しか持ち得ませんでした。あちこちで大人のムードが演出されている割に、どこまでも自己中心的なキングズレーの行動はあまりにも子供じみていました。苦悩ではなく、駄々をこねているようにしか見えません。
 そして最後まで、彼が彼女の何を愛しているのか――若さか、身体か、心か、彼女を愛する自分をか――僕には分かりませんでした。それなのに、わざわざ彼女のほうから戻ってきて、重大な秘密を打ち明けてくれ、彼に再び彼女を愛する機会を与えてくれるのです……。
 このような詰まらないお話でも、演出次第で面白くなることは『愛のそよ風』が証明していますが、この監督さん(よく知らないのですが)にはちょっと重荷であったように感じます。
 いかにもな音楽のつけ方は鼻白みますし、たとえばブラインドを下ろすだけのアクションをどうしてああおも勿体付けるのか、分かりません。たぶん、作り手が物語を客観視できていないんですね。そして冒頭で肉欲について高らかに語りながら、セックスがあまりエロティックに描かれないのは致命的と思えてなりません。この映画は、こちらがどきどきするくらいエロティックでなければならなかったような気がするのですが……。
 イーストウッドの空間演出と語りの見事さを引き合いに出してはかわいそうかもしれませんが、35点。

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