オカルト

　『ノロイ』『裏ホラー』に続く白石晃士監督のフェイクドキュメンタリー形式のホラー。白石監督の得意な分野と言えるでしょう。
　『ノロイ』では嘘をどれだけ本当の話のように錯覚させるかが狙いでしたが、次のネット用の動画として作られれた『裏ホラー』は嘘という前提は見せておいて、ドキュメンタリー的な手法で遊んでしまおうというコンセプトが見えました。今回の『オカルト』はどちらかと言えば『裏ホラー』に近く、嘘をドキュメンタリータッチで見せるタイプの作品です。ただし選んだのが“アブナイ”テーマで同じような経験をされた方やワルノリを許さない一部の良識あるからは非難を浴びそうな作品です。

　フェイクドキュメンタリーと言うからにはカメラが回っているという必然性があるわけですが、これまでの他の作品では「一つのカメラ」＝「ひとりのカメラマン」という形式が普通でしたが、この作品では3台のカメラ、3人の撮影者の映像が使われているにも関わらず、違和感無くカメラが回っているという状況を上手く処理できています。このあたり流石にフェイクドキュメンタリーに長けた監督の力量発揮というところでしょうか。

　ただし作品としてはインタビュー形式が多く、前半はかなり退屈なようにも思います。前半はそれなりにドキュメンタリー感が溢れていますが、後半は次第にフェイク感が大きくなっていくギャップも少し気になりました。

　この作品何気に出演者が豪華です。その中でも一際目立つのが黒沢清監督の出演。本作とは全く関係ありませんが、黒沢清監督とミヒャエル・ハネケ監督、そして宮崎駿監督はとても容貌が似ているように思います。なんとなく作品の方向性も似ているかも。
　そして助監督は『映画監督になる方法』というこれまたトンデモ映画の主人公、イチゴちゃんのモデルという楽屋ネタ的な面白さはたくさん詰まった映画です。


　ラストは賛否両論われると思いますが、私はもうちょっと工夫が欲しかったなと言う気がします。

　一般的にはあまりお勧めはしませんが、トンデモ系映画が好きな方はトライしてみてください。

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通り魔殺人事件を追った、フェイクドキュメンタリー。
白石監督自身が取材しているという形をとっています。

密着取材される江野クンという人は、ネットカフェ難民で、
毎日、派遣の仕事を探しているその日暮らしの人。
先行きが見えない生活に苛立ちがちで、カッとすることも。
現実にもいそうな感じで、かなり怖いです。
（↓ネタバレあります）

神の命令で事件を起こしたと言った人が、現実にいたけれど
苦しい現実から逃れたくて、自分は特別だと思いたくて
すべての出来事を運命づけて、そうとしか思えなくなってくる心理状態って、
きっとこんな感じなんですね。

時々、ありえないシーンが出てくるのが救いです。
ほんとにリアルに作ってあったら、怖すぎる。

ピー音で消されている映画のくだり。
いや、まさかここにきて笑わされるとは…いつもの白石節です。
ドキュメンタリー風の展開なのにダレないし、さすがだと思いました。
音楽も不気味でコワイ。

ホリケンの名前があったけど、どこに出てたんでしょうか。

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フェイク・ドキュ風の展開がどうなるかさっぱりわからないオカルト系ホラー　JUCEさんも白石監督は追いかけてますね　勝王さんはこの作品　絶賛してますね　「ノロイ」のような　予算がかかった劇場版ってのではないのが残念ですが　低予算でも白石監督頑張ります　工夫と彼独特の不穏さが　ユニークな作品にしています

冒頭の吊橋で起こる狂気の通り魔殺人が　フェーク風に撮られるのですが　JUCEさんの言われるように　数台のカメラがたちまち虚構であることを暴露して　またも凡百のこの種シネマの先をいってしまっていて目をみはります

関係者のインタヴューが始まり　オカルト事象一般が語られるのかと思いきや　ネカフェ難民の青年が主人公に浮上してくるあたりも意外でいいんですね　オカルトよりも社会派のドラマみたいな展開が面白い　黒沢清監督が出ていますし　意外に「トウキョウソナタ」意識されてないでしょうか　また「遭難フウリーター」なんかも同時に見られていいでしょうね　オカルトを越え　この現実のフリーターなのか役者なのかのわからない江野さんに　共感と反発が生じてしまうのが　ドクメンタリー風反応でしょうか　予算がない分　どこか脱力なところもいいですね　ラストは監督悪乗りし過ぎかもしれませんが　断固として良識的な映画にはしないぞって意地が　不穏も不穏　おおーっとなってしまいます

音楽と言うか音響がいいなと思ったら　中原昌也でした　彼のノイズミュージックはよく知らないんだけど　とゆうか古臭いと思うんだけど「エリエリレマサバ」なんか見てるとね　でもこの映画ではやっぱ才能がある人なんだなあと感じます　音楽もよく聞いてね

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私的には、現代日本版「タクシードライバー」であり、江野くんの人柄に共感しつつもあかんやろと思ってしまいました。

秋葉原無差別殺人事件は良くないと思いながらも犯人の境遇に同情していた人達がいるのも事実です。しかし、精神障害者に襲われ、左親指の１部をなくし、右胸に数十針を縫う重傷を負った私からしてみると、負傷者を助けにいって刺されたタクシー運転手が仕事に戻る事を信じてリハビリしているニュースを見るたびに事件を思い出し泣いてしまいます。

ある信念に基づいて行動する人は止める事はできません。ただ、刺された事のある経験者としてガイキチ君に襲われたときのアドバイスを。

１、背中を向けるな。
まず刃物をみた恐怖心で刺されるのではと足がすくみ、逃げたくなります。しかし、背をむけると間違いなくさされます。相手の心理的優位は武器を持っている事だけなので相手が反撃したほうが逆にリスクが減ると思います。私は反射的に刃物をつかんで親指の１部をなくしましたが、背中から刺されるリスクよりましです。ビデオでは被害者は「助けて」としゃがみこんでいましたが、あれでは刺されてくださいといっているようなものです。
２、武器になる物を身につける。
刺されて全く手ぶらでは外出しなくなりました。車の鍵には催涙スプレー、運転時には防刀手袋、車に武器、自分の知らない所には基本的には外出しません。少なくとも靴は逃げ足のよいスニーカーで。自宅鍵も握って殴れば十分に武器になります。刺されて死ぬ事があっても相手の目をつぶす、金玉を蹴りつぶす、などやられっぱなしにはならない相打ちの心がけが必要です。刺されて助けてでなく、命の代わりにおまえの肉体の１部をもらってくという覚悟が必要です。そのためには格闘技、武術の経験があったほうがいいかもしれません。少々、血がでても戦えるよう、スプラッター映画みるのもいいかもしんない。
（冗談のように思って笑っている人、いるかもしんないけど刺されて死んでからでは遅すぎですから。明日は我が身ですよ。）

あっちの世界の映像がチンケでよかったです。良い場所ならきっと似たような事件が頻発するでしょう。

政府が自殺が多いから自殺対策基本法を作ってその責任を医療に丸投げしましたが、本当に自殺を防ぐなら失業率を改善をとある医師が言っておりました。まさしくそのとおりで死ぬ前にうつになるのは当たり前です。
願わくは今度の選挙で政権が交代し、景気が良くなって、江野くんみたいな人が減ってくれることを願っています。

今更ですが、白石監督のキワモノえいぎゃ（？）の「オカルト」をおかるっとしました！

へへへっ♪
えへへへっ♪
えけけけっ♪
エケケケッ！
面白かったです♪

これは、ノレるとかなり面白いっすね！
フェイクドキュメンタリーのエンターテイメント性とは何か？をキチンと魅せてくれます！

白石監督の目指すフェイクドキュの形が、決して本物の映像と思わせる為にあるのではなく
「フェイクと解ってるのに現実であるかのような感覚になってしまう瞬間」を作り出そうとしてるのが解る作品っすね！

現実世界と薄皮一枚で存在するパラレルな世界を観ているような感覚にさせてくれる素晴しいフェイクドキュです（°∀°）b
そしてその世界とコッチの世界が一瞬融合して同化したかのような不思議な感覚に酔いしれましたヽ（ ´ ▽ `）ノ

フェイクと解ってるから、何をしても良いというダメ映画が氾濫する中、設定そのものは絶対に曲げない白石監督の姿勢に非常に好感がもてます♪

設定そのものは曲げずに描いてるから、コッチもノレるし、面白いんすよね〜♪
最近のダメダメフェイクドキュ映画を作った方たちは、この映画を観て勉強しなさいと言いたいっすね！

まぁ、ハッキリ言いまして、オススメはしませんけどね←

満足度　75点！　オススメ度　35点！