アウェイ・フロム・ハー　君を想う

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一面の銀世界にまっすぐ伸びる２本のスキートレイル。
静寂の中かすかに響く、ふたりのスキーの音。
２本のトレイルはいつしか別の方向に分かれ、そして１本になってしまう。
彼女は僕を残してたったひとり、別の世界にいってしまうのだろうか？

４４年連れ添ったフィオナとグラント。大学教授だったグラントは、過去に学生と不倫に走ったこともあったが、今はふたりで落ち着いた生活をしている。ところが妻のフィオナがアルツハイマー病を発症してしまう。

ふたりで食事の後かたずけをしていると、フィオナはフライパンを冷蔵庫にしまってしまう。
それをだまって本来の場所にもどすグラント。
フィオナはある時は貴婦人のようにしっかりしているのに、ある時は別人のようだったり。「ヴェロニカ」という過去の浮気相手の名前をさらりと口に出すフィオナに、グラントは戸惑う。

ある日ひとりでスキーをはいて出かけたフィオナだが、自分が誰でどこに帰ればいいのか、わからなくなってしまう。フィオナは自ら施設に入る決意をするが、 「早く施設に慣れるため」という理由で、グラントは１ヶ月の面会禁止を言い渡されてしまう。

１ヵ月後、フィオナは表面上は今までとかわらないレディなのに、グラントのことを夫だとは認識できなくなっている。
そして同じ施設の入所者の男性オブリィの世話をかいがいしく焼く。まるでフィオナの夫はオブリィであるかのように。

グラントは思う。
彼女は僕を罰しているのだろうか？
２０年も前に浮気をしたことを彼女はまだ許せずにいるのだろうか？
彼女は行ってしまう。僕から遠く離れてしまう。 ふたりの４４年間の記憶をなくしてしまえば、彼女はもうフィオナではない。だけど、こんなふうに別の道を歩くしかないのだろうか？

涙を誘おうとする描写は一切なく、ひたすら静かな映画。それなのに深く心を動かされてしまう。
フィオナを演じるジュリー・クリスティのすばらしい演技。これではなくて、変装エディット・ピアフのマリオン・コティヤールに主演女優賞をあげてしまったアカデミー会員の目は節穴じゃないでしょうか？
そしてそのすばらしい演技をひきだしたのはまだ２０代で初監督のサラ・ポーリーだということに驚愕します。
２００８年まぎれもないベスト１。

幸せな生活を営む老夫婦。突然妻がアルツハイマーを患う。
夫の負担軽減のために妻は療養所へ入る。当初の３０日間は面会ができない。
その期間が経過して会いに行った夫は、
そこで同じ療養者の男性の面倒を甲斐甲斐しく見る妻の姿を見ることになる。
夫は、彼女のしたいことをさせたいと思いつつ、内心は揺れる。
男心を見事に描いた作品で感心しました。
監督は女性のサラ・ポリー。原作者も女性であるアリス・マンロー。
女性が微妙な男性心理を描ききっています。
女性映画のように思えますが、男の方が共感できるのではないでしょうか。
男は勝手に自分の都合で人生を歩いてきて、
でも最後には愛する人のためにつくす。
特に印象的だったのは、最初に療養所へ妻を送っていった駐車場で、
夫が妻に「行くな。」という所。
胸にズンと来ました。
心の整理をつけようにもつけられないその気持ちがよくわかります。
愛する人を永遠に失ってしまうのではないかという寂しさ。せつなさ。
夫婦役のジュリー・クリスティとゴードン・ピンセントの息遣いが最高です。
加えて、静かな映像が作品全体の品格をよくしています。
恋愛映画の傑作。

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「死ぬまでにしたい１０のこと」で主演を演じたサラ・ポーリーの監督デビュー作。
アルツハイマー病に冒された妻と、その夫の愛を綴った物語で、夫の取った行動は別として、家族がどう行動し、どのように選択しなければならないかなど、色々と考えさせられる作品でした。

グラント（Ｇ・ビンセント）と妻のフィオーナー（Ｊ・クリスティ）は、結婚４４年目を迎えた夫婦。
グラントは、アルツハイマー型認知症に侵された妻を、泣く泣く老人介護施設に入れることに。しかし、入所後３０日経って面会のお許しが出て、行ってみると、そこで見たのは、自分に会いたくて駆け寄ってくる妻ではなくて、娯楽室で車椅子の男と寄り添い、カードゲームに興じる妻の姿だった。
僅か３０日で、妻の記憶から自分の存在は消失していたのを見て、若い頃に浮気をしたことのある自分を振り返り、妻の行動は自分の罪ではないか？とか復讐ではないか？とか、自分を諦めてもらうための演技ではないかと？

記憶をなくした妻から見れば、夫は他人であり、果たしてそこには夫婦愛などというものは、成り立つのでしょうか？
一瞬記憶を取り戻した妻が自分を捨てて、新たな人生を歩むように夫に促すシーンが涙を誘います。
しかし、車椅子の男の妻と云々という唐突な展開は、どう見ても性急すぎます。男の身勝手さばかりが目に付いてしまいました。

しかし夫婦とは、どこまで共有できるものなのか？とか、色々と考えさせられるものが多かったことは事実です。

俺もここまで愛してくれる人があらわれることを祈っていますが未だ現れず・・・・
南無阿弥陀仏・・・・

『スイート・ヒア・アフター』『『死ぬまでにしたい10のこと』等、女優として有名なサラ・ポーリーが27歳という若さで監督をした長編処女作で、様々な映画賞を受賞した『アウェイ・フロム・ハー　君を想う』を観ました♪

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アルツハイマーを患ったフィオーナと彼女を見守るグラントの姿を、第三者の視点（自分は天使の視線と呼んどります）を決して崩さずにあるがままをただただ撮り続けた姿勢はすばらしーっすね♪

あくまでも27歳の女性からの視点（第三者）で、キチンと丁寧に繊細に決して背伸びせずに描かれてるんよね。せやからこっち（観客）の心までキッチリ届くんよね〜♪さすが27歳にして20年以上も映画に携わってきたのはダテやないっすね！

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ただ、ちょっとどうなんやろ？って思うのは、このストーリーの場合やったらある程度年齢を重ねた監督が、当事者の視点や考えを入れつつ描いたほうが良かったような気もするんよね〜・・・。

この内容を27歳の監督の視点で描くのは面白くはあるんやけど、27歳の女性が描かなければならない作品なん？っつー感じがするのも事実なんよね〜。

まぁ、この作品で長編デビューしてしまうとこが、ハリウッド嫌いのサラ・ポーリーらしいっちゃあらしいけどｗ

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オススメ！って強くは言えないけど、かなり良く出来た作品やね♪女優賞や脚色賞などいろいろ賞も獲ってる作品なんで、観て損は無い作品っすよ〜（°∀°）b

個人的満足度　70点（ちょい甘め）