ワンス・アンド・フォーエバー

「プライベート・ライアン」とか「ブラック・ホーク何とか」はその演出のあからさまな美学的アプローチにおいて
エンタメとして楽しむべきものだろうが

この作品は下手糞な戦闘シーンが　妙なリアルを生み出している　
この殺風景な地形自体が映画向きでなく　かなり大胆な選択なのだ　ま実話だからね
映画で言及される　カスターの第七騎兵隊　それを映画化した　ラオール・ウォルシュのものが　この地形を見事に生かしていた

ベトナム戦争はやはりアメリカの勝利ではないだろうか
見事なツラ構えの軍曹が「戦死40名」と言うとき　北ベトナム正規軍　ベトコンは2000人ぐらいは死んでるはずだ
このアンバランス　枯葉剤　ナパーム弾のまきちらし
戦後の経済封鎖等　何十年ものダメージをあたえて　知らん顔！

演出意図をカン違いして　キリスト教徒としての敬虔さなどを　メルが出せば出すほど　不気味な戦争のリアルが
表出してくる　奇妙な戦争映画

今までベトナム戦争を題材にした映画は腐るほどありましたがこの作品のように兵士達だけではなくその妻や家庭までをも描いた作品はこれが初めてなのではないでしょうか？結構斬新だと思いましたし、これにより兵士達の思い、そして妻達の思いが見ている者にダイレクトに伝わり感情移入してしまい気がつけば感動している自分に気がつくという感じでした。

原作は作品にも出てくるメル・ギブソン演じるハル・ムーア氏とバリー・ペッパー演じるジョー・ギャロウェイ氏で、この両人は実際に制作に立ち会っているためかなりの再現率なのは間違いありません。ハル・ムーア氏曰く「８５％の事実が描かれている」とのことです。ですからあの戦場のリアルさは納得できます。セル版にあるメイキングを見るとハル・ムーア夫妻、ジョー・ギャロウェイ氏、グレッグ・キニア演じるヘリのパイロットのクランドール氏など生存している方はかなりいらっしゃったのには驚きました。

作品の中で印象的だったのは、敵の数がわからないまま適地に乗り込み、気がつけば４００名弱の部隊を２０００名以上の敵が周りを取り囲み、味方の一個小隊が孤立しその小隊を無数の敵が襲うシーンで、敵が迫りくる恐怖は背筋が寒くなるほど見事に描かれていました。また、訃報が家庭へ届けられたときの家族の苦しみを描いたシーンは涙を誘います。

戦争の残酷さを描いた作品だと思うのですがこの作品を作ったのはアメリカです。そして昨今のイラク戦争を引き起こしたのもアメリカです。アメリカの正義とはいったいどこにあるのでしょうか？ふとそんな疑問に捕らわれました。

ほとんど実話に近いこの作品、感動しない人はいないのではないでしょうか？

戦闘シーンは「プライベートライアン」と比して遜色ないくらいの迫力が有り戦闘の凄惨さがリアリティに描かれており、さすがハリウッド映画としての醍醐味はあったと思う
但し印象に残ったのはそれだけでストリー的には余り印象深いものは無かった。
逆にこの作品では多くのアメリカ兵士の死が「祖国の為」ではなく「戦友の為」であると定義付けている部分には違和感を感じざるを得ない。
おそらくアメリカならではの表現だと思う。
なぜならばアメリカは過去の大戦や近代戦において、唯一自国が戦場とならなかった（パールハーバーは別として）稀有の国で有り、戦禍の対象はあくまでも戦闘要員であって、戦争に巻き込まれた非戦闘要員（一般市民）の悲惨さは肌身では感じえない国だからである。
このベトナム戦争においてもご承知の様に多くの一般のベトナム人が犠牲となっています。（戦中も戦後も）。祖国が戦場となった彼らベトナムの戦士が果たしてアメリカの様に「戦友の為」という綺麗ごとで戦っていたかどうか。
もしも多くのアメリカ人がこの映画の様に戦禍を戦闘要員にだけに定義付けて戦争を行っているとしたら．．．．．
（無論、戦争そのものがそういうものだけど）

9.11テロにおいては多くのアメリカの一般市民が犠牲になりました。こういった残虐なテロ行為は絶対に許すことは出来ません
しかし自国が戦場と化した国においてはこういった惨状が日常
茶飯事である事、あるいはあった事をアメリカ人はもう少し知るべきです

因みに
第二次世界大戦での戦争犠牲者は約６５００万人と言われています。
仕掛けた方、仕掛けられた方の理屈の善悪に関わらず、その内武器を持たない一般市民の犠牲者が４０００万人以上。殆どがアジア、ヨーロッパ諸国の人々です。

戦争での死を「戦友の為」とかっこつけたこの作品にはある種の怖さと憤りさえ感じます。

ンデ
評価は
星　２．０

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渾身の戦闘シーンの暗転、さわやかなアメリカの住宅街。
主役の中佐の家で、奥さんが、隣の家にタクシーが止まったのを窓から見ます。タクシーの運転手は隣家の奥さんにナニカを渡し、彼女は泣き崩れました。
そのタクシーが中佐の家の前に止まる。
ドキドキする奥さん。気持ちの整理をつけてやっと出たら、タクシー運転手は言った。
「この住所のお宅はどこでしょう？」
「あなたっ！　私がどんな思いで出たと思ってるのっ！」
運転手は、昨晩の戦場の、訃報の電報を届けていたのでした。
彼の手には、一抱えの電報が……


この映画は文句無く見どころ満載で面白い。
血まみれの戦場も秀逸だが、僕はこの奥さんのシーンが一番好きだ。

この映画を見て、僕が簡単に『戦争映画』を楽しめる訳がわかった。
大体僕が選ぶ戦争映画はアメリカが主役のモノ。
本土決戦をしたことがないアメリカの戦争モノ、というのは、結局は、『しなくて良い戦いをしている』戦争。

だから、「そこで死ぬ兵士」に命の尊さをあまり感じない。

アメリカ軍兵士は良く言う。
「戦友（仲間）の為に戦う」と。
けれど、一番友の為を思うのならば、全員出兵しなければ良い。
そうすれば誰も死なない。
勝手に出兵してきて、仲間の為に戦う、ってそりゃないだろう、と思う。

日本の戦争モノが精神的にきついのは、本土決戦が控えているし。当然自国民の戦争、ということもあるけれど。
日本の軍人に『仲間のため』に戦っている者はいないだろう。
殆どが『国のため』に戦っている筈だ。（『国のせい』で戦った人もいただろう）
当然隣で戦っている友人は大事だが、『お題目』は国のため以外に無い。

『仲間の為に戦う』という兵士の、その唯我独尊の姿勢が、アメリカの戦争モノを気軽に観られる原因だと、この映画を見て気づいた。『ブラックホークダウン』とか、友人に話したら笑い話にされてしまった。
（実際には、ベトナム戦争には徴兵も来ているので、みんなが志願と言うわけではないが。ベトナムのせいで徴兵制がなくなったアメリカでは、ベトナムより後の戦争は全員志願兵だ）
奥さんのシーンが辛いのは、兵士の奥さんは古今東西みんな一緒だからだ。

ベトナムで何万人のアメリカ人が死のうと、それは『他国に手を出したアメリカ』の自業自得であり、死んだ兵士に感情移入は、僕はできない。自国を護る戦いでは無いのだから。
アメリカの作った戦争映画は、あくまでも『アクション映画』であるのはそこなんだろうと思う。

ただ、その中でもこの映画は『戦争アクション』『殺人アクション』度が高かった。半事実だというのがさらに凄い。

戦争モノが好きな人にはぜひ観てもらいたい映画だ。
主役の中佐が、『こんな作戦は無茶だ』とちゃんと否定していたのが好印象だった。
あんなずぼらな体制でベトナム戦争がはじめられたのかと思うとゾッとする。

同じベトナムものならプラトーンや、フルメタル・ジャケットの方が絶対いいです。
なんか戦争映画なんでしょうか？これ。

それに同じメル・ギブものなら、ブレイブ・ハートの方が絶対いいです。

これはなんか、、、、、、。伝わってきません。