存在の耐えられない軽さ

存在の耐えられない軽さの画像・ジャケット写真
存在の耐えられない軽さ / ダニエル・デイ=ルイス
全体の平均評価点:
(5点満点)

70

  • DVD
ジャンル:

「存在の耐えられない軽さ」 の解説・あらすじ・ストーリー

「ライトスタッフ」で一躍有名になったP・カウフマンが69年のチェコ動乱、いわゆる“プラハの春”を題材にして描いた超大作。若者の間に芽生えた民主化要求の波がソ連軍の軍事介入で圧殺されていく中、プレイボーイの医師と二人の女の青春が鮮烈に描かれる。古いニュース・フィルムと本編の画調を完璧に合わせるという離れ技を、ベルイマン作品で鳴らした名カメラマン、スヴェン・ニクヴィストが見事にやってのけている。

「存在の耐えられない軽さ」 の作品情報

製作年: 1988年
製作国: アメリカ
原題: THE UNBEARABLE LIGHTNESS OF BEING

「存在の耐えられない軽さ」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

存在の耐えられない軽さの詳細

  • 旧作
収録時間: 字幕: 音声:
173分 日本語・英語・スペイン語・ポルトガル語・インドネシア語・中国語 1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語
レイティング: 記番: レンタル開始日:
DLR36226 2003年06月09日
在庫枚数 1位登録者: 2位登録者:
5枚 6人 1人

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ユーザーレビュー:70件

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ハリウッド映画の耐えられない軽さに飽きた人に、ちょうど良い映画。

投稿日:2005/06/08 レビュアー:レビュアー名未設定

人は、その国、その体制、その社会、その親など何一つ選べず、この世にある日放り出されるかのように無防備に生まれてくるものです。チェコという国に関して私の知識は浅薄ですが、少し言えるのであれば、チェコは過去に何度も何度もあの国この国に吸収され、かと思うとそこから離反したり・・を繰り返さざるを得ない、非常に独立性の希薄な運命の国であったということぐらいです(縁は薄かったものの、実の叔母が戦後チェコスロバキアに嫁いだので、興味がありました)。この映画の原作は、そんなチェコという困難な国で物書きとして自己を確立したミラン・クンデラ氏です(同氏はフランスに亡命)。

原作のコンセプトが非常にしっかりしているので、映画は単にその色合いや風景の具体化に大変貢献したという程度に、全体が難なく収まっていると思います。

あっちの女、こっちの女とカサノヴァもどきに女をあさるトマーシュ。彼の底辺にある虚無感・・人間の存在などというものは軽いものさという・・を、主演の男優さんはよく出していたようです。対するテリーザは、トマーシュのそんな浮ついた生き方に怯え、傷つきます。所詮、男と女は大いなる矛盾であり、求めれば求めるほど傷つけ合うしかないものなのでしょうか・・。でも作者は言うのです;「カレーニン(二人が飼った犬)を愛するように、女は男を愛しなさい。カレーニンには、”私とあの人のどちらを愛しているの?”とか聞かず、見返りを求めないだろう・・」と。

「生きることは重く、重ければ重いほど、私達の人生は地面に近くなり、具体的になり、充実するのだ」というのが、この原作に対する作者ミラン氏のメーッセージですが、プラハの田舎に暮らし始め、土に生き、限りなく地面に近付いたトマーシュとテリーザの暮らしだったのに、その結末が・・。暗示的とは言え、人生はかくも厳しい、と観る者に伝えます。でもその余韻を残すクライマックスが、この映画を単なるエロスの映画かどうか判断されるために、最高でした。音楽も控えめで、スラブの民族音楽がときに人生をコミカルに諷刺しているかのよう。

3時間近い作品ですが、一冊の本を読むのと同じ価値が凝縮されていると思えば、決して退屈させられることはないことでしょう。

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与えるもの、奪うものネタバレ

投稿日:2008/01/12 レビュアー:ひろぼう

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冒頭の、医師トマシュの軽々しい行動に、耐えられない何かが在ると観続けると、本作の核心には近付けないので御用心。

人が性交を持つのは、快楽という2次的な衝動がもたらす行いだが、本来の目的は子孫を残す事で、いわゆる種の保存の本能にある。だが、意思を持ち単なる動物から進歩した人間は、そこに生物の根源的な願望以上のものを見出す。それは世間一般で囁かれる“愛”というものである。
愛とは何か? 与えるものなのか、奪うものなのか。それとも、意思の交わりを持った者達が創りだすものなのだろうか。
オスとメスの間でしか成り立たないのか? 肉体的な交わりを持って保つものなのだろうか。
個人で密やかに育むものなのか? 集団である国家としての愛も成り立つのではなかろうか。

その謎が本作に提示されている。

耐えられない程の軽い思想を持った人々が、多数登場する本作。
トマシュの見かけの軽さは、人の本質を理解して、耐え難くて軽く生きいようと決意したもの。その表層の軽さを見破り、私と共に生きてと叫んだのがテレザで、真意を汲み取って、彼の思うままに自らも生きたのがサビーナ。

でも、これは私の感じたこと。
この映像の持つ力は凄まじい。観た者で様々な思いを紡ぎ出してくれる。
詰らないと思うのも結構。エロいと思うのは、それ然り(笑)。
皆が観て、様々な感想を持てばよい。それほど懐の広い度量を持つ映画に、久々に出会った。感無量です。

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純な女によって「重さ」を得る男の人生ネタバレ

投稿日:2009/11/28 レビュアー:港のマリー

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 これはミラン・クンデラの原作の方が圧倒的にいい。と言うより映画は原作とは別物と考えるべきかもしれない。
 ニーチェの「永劫回帰説」から語り始める小説に度肝を抜かれたものだ。歴史の彼方の幾多の事件が、ニーチェの説通りもう一度くり返されるなら、「影の軍隊」の冒頭のテロップのように、「いやな思い出だ。しかし、ようこそ、はるか彼方の青春の時代よ」などとほろ苦く懐かしんではいられない。あの陰惨な苦しみをもう一度身に引き受ける覚悟を要求される。ヒットラーも再び現れユダヤ人虐殺も再現される。一度生起した出来事は決して記憶の向こうに飛び去ってなどいかないのだ。一つのことを為す度に、それがくり返されることを念頭に置かなければならない恐ろしいほど「重い」世界観。
 一方、時間は直線上を進み出来事すべては過去へと振り捨てられていくならば、人間は身軽に生きられる。しかし、あらゆることがその場限り一回だけの刹那的な世界観は、生きることに確かな手触り、充実した現実感をもたらすだろうか。「重さ」と「軽さ」、実はどちらかよいか、単純には言えない。
「重さー軽さの対立はあらゆる対立のなかでもっともミステリアスで、もっとも多義的だということである。」

 ところで映画は、複雑な構造を持ち時間軸を行きつ戻りつする迷路のようなこの小説を単純化し、哲学的、政治的な話題もできるだけ割愛し、「重い」生き方をする純粋な女が、「軽さ」を身上とする多情な男を、自分の「重さ」の世界へと引っ張り込む物語にしたと、私は解する。「プラハの春」の政治的緊張を味方につけて、おそらく生まれ変わってもこの男を愛したいと言い出しかねない一途な女が、その一途さで男を完全に自分のものにしたのである。チェコ有数の脳外科医で、結婚して一児をもうけたものの夫の役目も父親の役目もすぐに放り出し、親兄弟とも縁を切り、幾多の「性愛的友人」とつかの間の情事を楽しむ男を、最後は田舎の農場の土のうえに縛り付け、自分と飼い犬以外に目を向けさせないことに成功した。傍目には男の人生を淪落させたかに見える頬の赤い田舎娘のおそるべき愛の執念。軽い浮気男の心にふと侵入した純で可憐な存在への「同情」が、抜き差しならぬ恋の牢獄に自らを追いやったともいえる。もちろん映画も原作も、この二人を祝福している。
 愛は「重さ」を持たなければならないのである。相手のからだの重みを受け止めると同様、相手の心の苦しみを共に苦しもうとするとき、人生は重さを得る。それを厭うべきではないと、言っているようだ。

 大いに不満な点は、時の経過が充分に描かれていないところ。
原作では10年ほどの時が過ぎ、医師トマシュは老いているが、ダニエル・デイ・ルイスは若いままだ。大作にしてはスケール感に乏しいような。
 純情なテレザより、自立した女で永遠に「重さ」から逃げ続けるザビーネの方が私にとっては魅力的である。彼女はトマシュの分身でもあろう。ぜひ逃げるという負い目に耐え続けて欲しいものだ。「行進で足並みを揃えることができない」ザビーネに心から共感する。スイスの亡命チェコ人たちが「武器を取って戦うべきだと」と気勢を上げれば、「ではすぐ帰国してそうすれば」と冷たく言い放つ。かっこよかった。
 ミラン・クンデラは犬好きなのか、テレザの愛犬カレーニンが愛おしい。トマシュをあれだけ愛し続けたにもかかわらず、「あなたよりカレーニンを愛しているかもしれない」はよかった。犬への愛には嫉妬もなければ何の見返りも期待しない。無垢な命をありのまま抱きしめるだけだ。そのままこの二人が行き着いた愛の姿なのかもしれない。

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再生不可能な俗世だからこそ軽く生きるのか重く生きるのかネタバレ

投稿日:2007/12/05 レビュアー:コリンスキー

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女性の間を蝶の如く軽やかに舞うトマシュは男として
その生き方に嘘がないという点で純粋だ。
それを軽すぎると受容できないテレザもまた無垢な心で
彼を愛していることに変わりはない。

愛犬を失うことで教えられた本当の‘求めない愛’。
それを悟るまでに試練の歳月は要したけれども
洗練とは程遠かったテレザが生来の鋭い感性を頼りに自立し
トマシュを虜にしていく過程には目を見張るものがある。
ジュリエット・ビノシュ、ダニエル・デイ・ルイス共に
若さという輝きを放出し合う姿が美しい。

レナ・オリン演じるサビーナ(画家)の存在は語りべとも
或いは本質的な主人公とも言えるのではないだろうか。
芸術家にとって束縛とは死を意味するとでもいうような
ある種の潔い行動には共感と同時に溜飲が下がる思いがした。
永遠の憧憬に値する人間像とまで言ってしまおう。

サビーナとトマシュの繋がりは奔放なように見えても
互いに自己が確立しているからこそ成りたつ成熟した関係だ。
続けようと思えば一生継続しうる関係だろう。

サビーナがアメリカ行きを誘うがトマシュは首を縦には振らない。
人に依存しない確立した自己を形成していたはずのトマシュが
知らず知らずのうちテレザに依存していくという男女の機微の味わい。
脱出先のスイスからテレザを追ってプラハに戻ってしまうのも
‘軽さ’のなせる技なのだ。

チェコ動乱という時代のうねりの中、踏みにじられた国家的な自由と
彼等が別の世界で手に入れた自由。その代償は重い。
また、遠くアメリカへ軽く飛び立ったサビーナが
1人流す涙も実に重い。




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人生とは軽いものを重くしようとする悪あがきネタバレ

投稿日:2007/03/19 レビュアー:Carrie

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この作品は、原題のThe Unbearable Lightness of Beingを考えながら観ないとわからないと思います。beingとはハムレットがTo be, or not to beと悩んだのと同じbeです。ハムレットの場合、「あるべきかあらざるべきか」という訳もありますが、一般的にわかりやすいのは「生きるべきか死すべきか」ですね。意味が広いので、とても日本語にしにくい言葉です。

beingが軽いのをトマシュのことと解釈し、トマシュの生き方は軽いと思って観ていると(もちろんそれも間違っていませんが)、最後の最後で、beingにこめられたもっと深い、絶望的な意味に気づかされます。われわれの「生」そのものが、耐えられないほど軽い、と。だからこそ大河ドラマのように長い話なのに、あっけなく終わるのです。わかっている人には何をいまさらな話なんですが、そこで「なぜ?」と思った人は、もういちどこのタイトルの意味を考えながら観てください。

According to Kundera, "being" is full of "unbearable lightness" because each of us has only one life to live
「beingは耐え難い軽さにみちている。なぜなら私たちには1つしか命がないからだ」クンデラ

軽い男がどうとか、それに悩む女がどうとか、そういった問題を最後のところで超越し、仏教の諸行無常的な考えに帰結する物語だと思います。まさにそれが真理なわけですが。そういうわけで非常に深い映画です。

しかし「生」は耐えられないほど軽いからこそ、やはり重いのですね。そこがまた胸に響いてくるのです。多少無茶してでも、ちゃんと生きないとダメだなって。私はこの映画を観て「きみは生きているか?」と問われたように感じました。

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