レッド・バロン / ジョン・フィリップ・ロー
レッド・バロン
/ロジャー・コーマン
平均評価点:
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全体の平均評価点: (5点満点)
(7 )
解説・ストーリー
第一次大戦のドイツ空軍の英雄、レッド・バロンと異名をとった、マンフレッド・フォン・リヒトホーフェンの半生を描いた空戦ドラマ。撃墜王として恐れられた華々しい経歴から、彼が死を迎えるまでを描く。監督はR・コーマン。
第一次大戦のドイツ空軍の英雄、レッド・バロンと異名をとった、マンフレッド・フォン・リヒトホーフェンの半生を描いた空戦ドラマ。撃墜王として恐れられた華々しい経歴から、彼が死を迎えるまでを描く。監督はR・コーマン。
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「レッド・バロン」 の解説・あらすじ・ストーリー
作品詳細
解説・ストーリー
第一次大戦のドイツ空軍の英雄、レッド・バロンと異名をとった、マンフレッド・フォン・リヒトホーフェンの半生を描いた空戦ドラマ。撃墜王として恐れられた華々しい経歴から、彼が死を迎えるまでを描く。監督はR・コーマン。
「レッド・バロン」 の作品情報
「レッド・バロン」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
レッド・バロンの詳細
収録時間:
字幕:
音声:
96分
日本語吹き替え用
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語 2:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
レイティング:
記番:
レンタル開始日:
NKDF2065
2004年12月10日
在庫枚数
1位登録者:
2位登録者:
5枚
0人
0人
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語 2:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
レッド・バロンの詳細
収録時間:
字幕:
音声:
96分
日本語吹き替え用
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語 2:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
レイティング:
記番:
レンタル開始日:
NKDF2065
2004年12月10日
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ユーザーレビュー:7件
兵士なのか、殺人者なのか
投稿日:2006/08/04
レビュアー:よふかし
B級映画の帝王として知られるロジャー・コーマンの監督作。実に素晴らしいA級の作品です。 第一次世界大戦の西部戦線上空で繰り広げられる、複葉機同士の空中戦。あまりミリタリー方面に詳しくはないので、機体のあれこれは分からないのですが、ここまで激しく、美しく、空の戦いを再現した映画は少ないと思います。 誇り高きドイツ空軍の撃墜王リヒトホーフェン男爵は、機体を迷彩色に塗装して敵に見えにくくしろという命令に憤慨し、あえて自機を目視しやすい深紅に塗り替えます。それゆえ彼はレッド・バロンと呼ばれるようになり、部下たちもそれぞれの機体を赤や青、黄色に塗りました。フランス北部の田園地帯の緑を背景に、七色の複葉機が編隊を組んで飛ぶ様は(史実に忠実かどうかは別として)、本作のもっとも美しい場面のひとつです。 戦争とはいえ、正面からの一対一の戦いで雌雄を決し、相手には限りない尊敬の念を持つ。こうした騎士道精神を持つ空の英雄は、時代のあだ花と言えます。 航空機、戦車、毒ガスなどが登場した第一次大戦において、戦争は変質しました。ロマン溢れる戦いの物語は失われ、大量破壊兵器による大量殺戮の時代が始まったのです。ただ、急激な兵器の進歩に、兵士の精神が追いついていなかった。前世紀の騎士の精神を持った兵士が、最新鋭の複葉機を操って英雄となる時が、ほんの少しだけあったのです。 映画は、戦いが「汚いもの」に変わっていく様を淡々と描き出します。夕食時を狙って病院まで爆撃する英空軍。その報復に、非戦闘員の別なく銃撃するドイツ軍(ドイツ空軍の中で、英雄リヒトホーフェンを痛烈に批判するのが、のちの空軍大臣ゲーリングであるというのはとても興味深いところです)。 その趨勢を一方で認めながら、英軍でもドイツ軍でも、男たちは自問します。自分たちは、祖国のために戦う兵士なのか、それとも単なる殺人者なのか? 華麗な空中戦を離れると、案外に思索的な作品でもあるのです。幕切れも見事で、85点。
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空が血塗られていく様を淡々と描いていく
本作をレンタルしたつもりが、同じタイトルの『 レッド・バロン 』(ニコライ・ミュラーション監督 ドイツ映画版 2008年)を借りるというミスをやらかしてしまい (^^ ; 、レビューが遅れました。 申し訳ありません。 ( ネタばれあり) 二度にわたる世界大戦でドイツはいずれも敗れて世界史上、賊軍として扱われる。 第一次世界大戦でもカイザーの野心と毒ガス、戦後のワイマール体制の破綻と不況とナチ台頭、第二次大戦ではナチとホロコーストによって、この間の歴史は否定的に描かれるのが常。 そうした屈辱にあって、敗戦国ドイツの心のよりどころのヒーローは、第二次大戦ではロンメル、そして第一次大戦では本作が描くマンフリート・フォン・リヒトホーヘン。 しかしロジャー・コーマンは単純で感傷的な” 敗軍の悲劇のヒーロー “モノとはしていない。 原題『 Von Richthofen and Brown 』が示すように、リヒトホーヘンと、彼を撃墜したブラウン( 但し、今日撃墜したのは彼ではないことが通説 )を対比して描いています。 両者の戦争観の違い。 騎士道精神のロマンチシズムと虚無的なリアリズム。 前にも書いてきたことですが、 「 戦争は殺し合いに過ぎない 」というのは、平時においては絶対的な戦争否定の” 真理 “ですが、戦時になるとそれは敵への攻撃・殺戮を正当化する” わりきり “となり、虐殺を促す。 それが戦争がもたらすパラドックス。 戦争をゲームとして捉える考えは批判もされますが、ゲームだからこそルールもあり、ゲーム・セットもある。 やっかいなのは聖戦とか宿敵とか使命感で武装された正義の戦争観。 そこには歯止めがない。 任務と規律と名誉が、兵士を機械ではなく人間にとどめるという考えもある。 でもこの考えは戦争や軍隊の容認につながるとして、現代、特に今の日本では一般には受け入れられない。 エスカレートする戦闘で、自己目的化した殺し合いの中で、リヒトホーヘンの騎士道は周囲と乖離とて孤立していきます。 先に一線を越えるのがイギリス側というのが、従来の第二次大戦モノの映画とは違いますね。 イギリス側のブラウンにドイツ側で対応するのが、リヒトホーヘンではなく、ヘルマン・ゲーリングという視点も。 そして両者を単純に悪としていないのも。 ブラウンは敵を撃墜しても喜ばないし、ゲーリングも美術蒐集の教養がある人物として描いているし、部下から慕われているのもリヒトホーヘンではなくゲーリングというのも皮肉なリアルさ。 冷徹に達観して、戦争に適応する。 コワいですね。 ライト兄弟が初飛行して15年後にはこうした殺し合いに使われているのですね。 複葉機の飛ぶ光景は美しいけれども、『 紅の豚 』のようなロマンはなく、本作は空が血塗られていく様を淡々と描いていくのです。 ( ykk1976さんの映画会112回のレビュー )
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手練れどもの競演。
投稿日:2020/12/15
レビュアー:ぴよさん
複葉機のバトルを遠くから引いて見ると「ヒラヒラ」という優雅な形容が当てはまる。だが その中では相手機の後方を取る為の熾烈なドッグファイトが行われているのだ。エンジンの 低出力を補う為の“複”葉なわけだが、それだけに失速墜落の危険も高く、パイロットの腕と 勝負運が試されていた。実戦では一対一の戦いが30分以上になることもあったというから、 複葉機によるバトルは今とはまるで違う性質の戦いだったのだ。 今作ではその複葉機の空戦が見事に再現されている。何よりそのほとんどが実機による撮影 というのがすごい。かなり密集させての乱戦シーンや、撃墜されてヒラヒラ落ちていくサマ (結構下まで落ちてる!)を見ると、よほどの手練れを集めたのだろうなと思わせる。俳優の アップもそこだけ合成などにならず、搭載のカメラで実際に捉えている。故に同じような画 ばかりになってしまっているのは否めないが、臨場感は高い。 そして一番の手練れは、カメラ マンを乗せて飛んでる撮影機のパイロットだ。あの乱戦を絶妙な距離感で捉えるのは至難の業 だったろうな。 演出に関しては、ロジャー・コーマンらしからぬ硬質さ。まるでドキュメンタリーフィルムを 思わせるような淡々とした語り口で進む。独軍と連合軍、それぞれの兵士の姿を均等に扱う。 卑怯さも等しく表わし、どちらが正義でどちらが悪かも決めていない。戦争の無常をただ写す。 …いや、コーマンっぽくないなぁ。 撃墜王、マンフレッド・フォン・リヒトホーフェン。戦場のアイドルたる要素のカタマリだ。 「堂々と戦いたい」という思いから、自分の機体を深紅に塗るというのは、当時の空戦の常識 からすれば考えられないものだったろう。(部下達が指揮官機を視認しやすいように塗ったと いう説もあるが) 赤い彗星シャア・アズナブルが彼を模倣しているのは間違いなかろう。シャア専用機の赤色 についても様々な説があり「ミノフスキー粒子は赤外線を吸収するので、赤い機体は逆に見え にくくなる」なんてのはマシな方で「嫌がらせで錆止めの赤色塗装そのままにされた」だとか 果ては「アニメ製作時にピンクの塗料が余っていたから」なんて身も蓋も無い説まである。 でもやっぱりそこは、「リヒトホーフェンのように、自信と矜持を相手に示すためだった」 としておきたいよなぁ。 ( ykk1976’s movie club 112 th )
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3人 の会員が気に入ったと投稿しています
空を飛んでいるだけなら楽しいんだけど
投稿日:2020/12/19
レビュアー:さっちゃん
本作をテレビで観たのは随分昔だったと思いますが、監督がロジャー・コーマンだと知ったのは割合、最近でした。多分、彼の監督作品としては一番、予算が使えたものじゃないかと思います。なんせ鋼管羽布張りの複葉機とはいえレプリカを何機も製作してますからね。 物語は原題のとおり第一次世界大戦のドイツ軍の撃墜王(実際に公認記録だけで連合軍、協商軍双方の中でダントツの撃墜数らしい。)マンフレート・フォン・リヒトホーフェンと英軍の戦闘機乗りロイ・ブラウンとの運命の交錯を描いております。冒頭のリヒトホーフェンが搭乗した戦闘機が単機、飛行する姿や地上近くまで降りてきて馬を追いかける場面は美しく、空を飛ぶ楽しさを感じるほどです。それもつかの間、低く飛び過ぎたリヒトホーフェンは木の枝を引っかけて危うく墜落しそうになります。 このエピソードで、まだ彼が新米なのだと分かるようになっている演出で、まぁ、その辺りは職人監督のコーマンらしく、ある意味、ベタともいえる描き方が随所に見られます。ヘルマン・ゲーリングを嫌な奴として描いているのもヒトラーとナチスの代弁者というイメージを反映したものかと思います。 本作は娯楽映画としてのリヒトホーフェン像なので結構、フィクションが勝ってるかと思いましたが、意外に事実に即した面もあります。ゲーリングや、これまた後にナチス・ドイツの空軍総監となるエルンスト・ウーデッドも同じ飛行隊にいるという描かれ方から、いくらなんでも集めすぎと思ったら、実際にゲーリングはリヒトホーフェン戦死後に飛行隊隊長になっていますし、ウーデッドはリヒトホーフェンが自分の飛行隊に引き抜いたみたいです。また、飛行隊長のオズヴァルド・ベルケが墜死したのも史実も僚機との接触が原因ですから細かいところを除けば史実が元になっています。 ただ、コーマンらしいのは、それぞれのキャラクターを、より強調した描き方で描いているという点でしょう。リヒトホーフェンはハンターのように敵機と渡り合って撃墜することに意味を見出す男として、ブラウンは騎士道精神などというお伽噺を軽蔑して、生き残ることを第一に考えるリアリストとして描いております。 その中でもブラウンと英軍飛行隊のメンバーとの確執やドイツ軍が英軍基地を奇襲した際にゲーリングが医療施設を銃撃したことをリヒトホーフェンが叱責するとか内部の問題もあり、様々なドラマ部分もしっかりと描かれています。一方、空中戦もかなりの尺を割いていて、その点はさすがコーマンと感心します。 で、ここらで毎度の“趣味の時間”とまいりましょうか。冒頭でも書きましたように第一次大戦中の鋼管羽布張りの戦闘機が残っている筈もなく、全ての機体がレプリカであります。英軍機はSE5aを再現したものと見ました。実物はイスパノスイザの水冷エンジンを搭載していて四角い機首が特徴です。レプリカは多分、空冷エンジンに周りをカバーで囲っているのだと思います。 ドイツ軍は最初にリヒトホーフェンが乗っていたのが多分、ファルツDVかアルバトロスDVを再現したものだと思います。地上に降りてきたときに並んでいるのはフォッカーDZで間違いないでしょう。そして、リヒトホーフェンだけが乗るフォッカーDrT三葉機。これはかなり力を入れて製作したのだと思います。エンジンが星型である点を除いて実物に良く似せています。実機はロータリーエンジンといい、中心軸を機体に固定してエンジン自体がぐるぐる回るという現在の眼で見るとヘンな構造です。でも、やっぱり三葉機はベースにできる機体がないのか彼の乗る1機だけしかできなかったようです。 機銃はドイツ側がマキシムの水冷ジャケットを穴あきの空冷式に改修したものを機首に2丁、英軍がヴィッカース機銃を、やはり空冷式に改修したものを機首に1丁、上翼に空冷式のルイス機銃を1丁、装備しております。ただし、空中戦のシーンでは実銃の空砲作動ではなくプロパンガスを使ったプロップです。これは強い風の中で銃口炎が吹き消されてしまうためだそうです。 空中戦は腕のいいスタント・パイロットが参加していると見えて、旋回や宙返りなどを駆使した巴戦や煙の帯を曳いて落ちていく演技など見ごたえがあります。飛行中の俳優のアップは恐らく複座の後席に乗せて撮ったのでしょうね。クリストファー・ノーランの『ダンケルク』でも同じ方法で撮影しておりました。撃たれて不時着したリヒトホーフェンを巡って英独の兵士が撃ち合う場面では、イギリスで撮影したのでしょう。ドイツ兵も第二次大戦中の英軍の小銃リー・エンフィールド・ライフルを使用しております。 70年台の映画ですから全て実機かミニチュアでの撮影ですが、それゆえにCGにはない存在感が嬉しい一品でした。 (ykk1976さんの映画会 第112回)
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2人 の会員が気に入ったと投稿しています
空中戦がナイスです
マンフレート・フォン・リヒトフォーヘンは第一次世界大戦におけるドイツの撃墜王。公式記録で80機撃墜。23歳にして連隊長となり25歳で空に散った貴族出身の若き英雄でした。 同名のドイツ産がありますが、こちらは連合国側のライバルなどのドラマもあり視点がちょっと違います。 また見どころでもあり、大きな違いは空中戦シーンが多いところ。複葉機の飛ぶ姿が美しい。 71年作品ですから、まだ整備された期待や腕のいい飛行機乗りがたくさんいたのでしょう。曲芸飛行にワクワクします。 撮影許可は田園地帯しか下りなかったのでしょうが、CGよりモノホンの迫力がグッときました。 ドイツ産の「レッドバロン」が「風たちぬ」のような雰囲気なら本作は「紅の豚」の雰囲気。 ロジャー・コーマン監督は大衆が見たいもの撮るのに長けているのでした。
このレビューは気に入りましたか?
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ユーザーレビュー
兵士なのか、殺人者なのか
投稿日
2006/08/04
レビュアー
よふかし
B級映画の帝王として知られるロジャー・コーマンの監督作。実に素晴らしいA級の作品です。 第一次世界大戦の西部戦線上空で繰り広げられる、複葉機同士の空中戦。あまりミリタリー方面に詳しくはないので、機体のあれこれは分からないのですが、ここまで激しく、美しく、空の戦いを再現した映画は少ないと思います。 誇り高きドイツ空軍の撃墜王リヒトホーフェン男爵は、機体を迷彩色に塗装して敵に見えにくくしろという命令に憤慨し、あえて自機を目視しやすい深紅に塗り替えます。それゆえ彼はレッド・バロンと呼ばれるようになり、部下たちもそれぞれの機体を赤や青、黄色に塗りました。フランス北部の田園地帯の緑を背景に、七色の複葉機が編隊を組んで飛ぶ様は(史実に忠実かどうかは別として)、本作のもっとも美しい場面のひとつです。 戦争とはいえ、正面からの一対一の戦いで雌雄を決し、相手には限りない尊敬の念を持つ。こうした騎士道精神を持つ空の英雄は、時代のあだ花と言えます。 航空機、戦車、毒ガスなどが登場した第一次大戦において、戦争は変質しました。ロマン溢れる戦いの物語は失われ、大量破壊兵器による大量殺戮の時代が始まったのです。ただ、急激な兵器の進歩に、兵士の精神が追いついていなかった。前世紀の騎士の精神を持った兵士が、最新鋭の複葉機を操って英雄となる時が、ほんの少しだけあったのです。 映画は、戦いが「汚いもの」に変わっていく様を淡々と描き出します。夕食時を狙って病院まで爆撃する英空軍。その報復に、非戦闘員の別なく銃撃するドイツ軍(ドイツ空軍の中で、英雄リヒトホーフェンを痛烈に批判するのが、のちの空軍大臣ゲーリングであるというのはとても興味深いところです)。 その趨勢を一方で認めながら、英軍でもドイツ軍でも、男たちは自問します。自分たちは、祖国のために戦う兵士なのか、それとも単なる殺人者なのか? 華麗な空中戦を離れると、案外に思索的な作品でもあるのです。幕切れも見事で、85点。
空が血塗られていく様を淡々と描いていく
投稿日
2020/12/18
レビュアー
ロキュータス
本作をレンタルしたつもりが、同じタイトルの『 レッド・バロン 』(ニコライ・ミュラーション監督 ドイツ映画版 2008年)を借りるというミスをやらかしてしまい (^^ ; 、レビューが遅れました。 申し訳ありません。 ( ネタばれあり) 二度にわたる世界大戦でドイツはいずれも敗れて世界史上、賊軍として扱われる。 第一次世界大戦でもカイザーの野心と毒ガス、戦後のワイマール体制の破綻と不況とナチ台頭、第二次大戦ではナチとホロコーストによって、この間の歴史は否定的に描かれるのが常。 そうした屈辱にあって、敗戦国ドイツの心のよりどころのヒーローは、第二次大戦ではロンメル、そして第一次大戦では本作が描くマンフリート・フォン・リヒトホーヘン。 しかしロジャー・コーマンは単純で感傷的な” 敗軍の悲劇のヒーロー “モノとはしていない。 原題『 Von Richthofen and Brown 』が示すように、リヒトホーヘンと、彼を撃墜したブラウン( 但し、今日撃墜したのは彼ではないことが通説 )を対比して描いています。 両者の戦争観の違い。 騎士道精神のロマンチシズムと虚無的なリアリズム。 前にも書いてきたことですが、 「 戦争は殺し合いに過ぎない 」というのは、平時においては絶対的な戦争否定の” 真理 “ですが、戦時になるとそれは敵への攻撃・殺戮を正当化する” わりきり “となり、虐殺を促す。 それが戦争がもたらすパラドックス。 戦争をゲームとして捉える考えは批判もされますが、ゲームだからこそルールもあり、ゲーム・セットもある。 やっかいなのは聖戦とか宿敵とか使命感で武装された正義の戦争観。 そこには歯止めがない。 任務と規律と名誉が、兵士を機械ではなく人間にとどめるという考えもある。 でもこの考えは戦争や軍隊の容認につながるとして、現代、特に今の日本では一般には受け入れられない。 エスカレートする戦闘で、自己目的化した殺し合いの中で、リヒトホーヘンの騎士道は周囲と乖離とて孤立していきます。 先に一線を越えるのがイギリス側というのが、従来の第二次大戦モノの映画とは違いますね。 イギリス側のブラウンにドイツ側で対応するのが、リヒトホーヘンではなく、ヘルマン・ゲーリングという視点も。 そして両者を単純に悪としていないのも。 ブラウンは敵を撃墜しても喜ばないし、ゲーリングも美術蒐集の教養がある人物として描いているし、部下から慕われているのもリヒトホーヘンではなくゲーリングというのも皮肉なリアルさ。 冷徹に達観して、戦争に適応する。 コワいですね。 ライト兄弟が初飛行して15年後にはこうした殺し合いに使われているのですね。 複葉機の飛ぶ光景は美しいけれども、『 紅の豚 』のようなロマンはなく、本作は空が血塗られていく様を淡々と描いていくのです。 ( ykk1976さんの映画会112回のレビュー )
手練れどもの競演。
投稿日
2020/12/15
レビュアー
ぴよさん
複葉機のバトルを遠くから引いて見ると「ヒラヒラ」という優雅な形容が当てはまる。だが その中では相手機の後方を取る為の熾烈なドッグファイトが行われているのだ。エンジンの 低出力を補う為の“複”葉なわけだが、それだけに失速墜落の危険も高く、パイロットの腕と 勝負運が試されていた。実戦では一対一の戦いが30分以上になることもあったというから、 複葉機によるバトルは今とはまるで違う性質の戦いだったのだ。 今作ではその複葉機の空戦が見事に再現されている。何よりそのほとんどが実機による撮影 というのがすごい。かなり密集させての乱戦シーンや、撃墜されてヒラヒラ落ちていくサマ (結構下まで落ちてる!)を見ると、よほどの手練れを集めたのだろうなと思わせる。俳優の アップもそこだけ合成などにならず、搭載のカメラで実際に捉えている。故に同じような画 ばかりになってしまっているのは否めないが、臨場感は高い。 そして一番の手練れは、カメラ マンを乗せて飛んでる撮影機のパイロットだ。あの乱戦を絶妙な距離感で捉えるのは至難の業 だったろうな。 演出に関しては、ロジャー・コーマンらしからぬ硬質さ。まるでドキュメンタリーフィルムを 思わせるような淡々とした語り口で進む。独軍と連合軍、それぞれの兵士の姿を均等に扱う。 卑怯さも等しく表わし、どちらが正義でどちらが悪かも決めていない。戦争の無常をただ写す。 …いや、コーマンっぽくないなぁ。 撃墜王、マンフレッド・フォン・リヒトホーフェン。戦場のアイドルたる要素のカタマリだ。 「堂々と戦いたい」という思いから、自分の機体を深紅に塗るというのは、当時の空戦の常識 からすれば考えられないものだったろう。(部下達が指揮官機を視認しやすいように塗ったと いう説もあるが) 赤い彗星シャア・アズナブルが彼を模倣しているのは間違いなかろう。シャア専用機の赤色 についても様々な説があり「ミノフスキー粒子は赤外線を吸収するので、赤い機体は逆に見え にくくなる」なんてのはマシな方で「嫌がらせで錆止めの赤色塗装そのままにされた」だとか 果ては「アニメ製作時にピンクの塗料が余っていたから」なんて身も蓋も無い説まである。 でもやっぱりそこは、「リヒトホーフェンのように、自信と矜持を相手に示すためだった」 としておきたいよなぁ。 ( ykk1976’s movie club 112 th )
空を飛んでいるだけなら楽しいんだけど
投稿日
2020/12/19
レビュアー
さっちゃん
本作をテレビで観たのは随分昔だったと思いますが、監督がロジャー・コーマンだと知ったのは割合、最近でした。多分、彼の監督作品としては一番、予算が使えたものじゃないかと思います。なんせ鋼管羽布張りの複葉機とはいえレプリカを何機も製作してますからね。 物語は原題のとおり第一次世界大戦のドイツ軍の撃墜王(実際に公認記録だけで連合軍、協商軍双方の中でダントツの撃墜数らしい。)マンフレート・フォン・リヒトホーフェンと英軍の戦闘機乗りロイ・ブラウンとの運命の交錯を描いております。冒頭のリヒトホーフェンが搭乗した戦闘機が単機、飛行する姿や地上近くまで降りてきて馬を追いかける場面は美しく、空を飛ぶ楽しさを感じるほどです。それもつかの間、低く飛び過ぎたリヒトホーフェンは木の枝を引っかけて危うく墜落しそうになります。 このエピソードで、まだ彼が新米なのだと分かるようになっている演出で、まぁ、その辺りは職人監督のコーマンらしく、ある意味、ベタともいえる描き方が随所に見られます。ヘルマン・ゲーリングを嫌な奴として描いているのもヒトラーとナチスの代弁者というイメージを反映したものかと思います。 本作は娯楽映画としてのリヒトホーフェン像なので結構、フィクションが勝ってるかと思いましたが、意外に事実に即した面もあります。ゲーリングや、これまた後にナチス・ドイツの空軍総監となるエルンスト・ウーデッドも同じ飛行隊にいるという描かれ方から、いくらなんでも集めすぎと思ったら、実際にゲーリングはリヒトホーフェン戦死後に飛行隊隊長になっていますし、ウーデッドはリヒトホーフェンが自分の飛行隊に引き抜いたみたいです。また、飛行隊長のオズヴァルド・ベルケが墜死したのも史実も僚機との接触が原因ですから細かいところを除けば史実が元になっています。 ただ、コーマンらしいのは、それぞれのキャラクターを、より強調した描き方で描いているという点でしょう。リヒトホーフェンはハンターのように敵機と渡り合って撃墜することに意味を見出す男として、ブラウンは騎士道精神などというお伽噺を軽蔑して、生き残ることを第一に考えるリアリストとして描いております。 その中でもブラウンと英軍飛行隊のメンバーとの確執やドイツ軍が英軍基地を奇襲した際にゲーリングが医療施設を銃撃したことをリヒトホーフェンが叱責するとか内部の問題もあり、様々なドラマ部分もしっかりと描かれています。一方、空中戦もかなりの尺を割いていて、その点はさすがコーマンと感心します。 で、ここらで毎度の“趣味の時間”とまいりましょうか。冒頭でも書きましたように第一次大戦中の鋼管羽布張りの戦闘機が残っている筈もなく、全ての機体がレプリカであります。英軍機はSE5aを再現したものと見ました。実物はイスパノスイザの水冷エンジンを搭載していて四角い機首が特徴です。レプリカは多分、空冷エンジンに周りをカバーで囲っているのだと思います。 ドイツ軍は最初にリヒトホーフェンが乗っていたのが多分、ファルツDVかアルバトロスDVを再現したものだと思います。地上に降りてきたときに並んでいるのはフォッカーDZで間違いないでしょう。そして、リヒトホーフェンだけが乗るフォッカーDrT三葉機。これはかなり力を入れて製作したのだと思います。エンジンが星型である点を除いて実物に良く似せています。実機はロータリーエンジンといい、中心軸を機体に固定してエンジン自体がぐるぐる回るという現在の眼で見るとヘンな構造です。でも、やっぱり三葉機はベースにできる機体がないのか彼の乗る1機だけしかできなかったようです。 機銃はドイツ側がマキシムの水冷ジャケットを穴あきの空冷式に改修したものを機首に2丁、英軍がヴィッカース機銃を、やはり空冷式に改修したものを機首に1丁、上翼に空冷式のルイス機銃を1丁、装備しております。ただし、空中戦のシーンでは実銃の空砲作動ではなくプロパンガスを使ったプロップです。これは強い風の中で銃口炎が吹き消されてしまうためだそうです。 空中戦は腕のいいスタント・パイロットが参加していると見えて、旋回や宙返りなどを駆使した巴戦や煙の帯を曳いて落ちていく演技など見ごたえがあります。飛行中の俳優のアップは恐らく複座の後席に乗せて撮ったのでしょうね。クリストファー・ノーランの『ダンケルク』でも同じ方法で撮影しておりました。撃たれて不時着したリヒトホーフェンを巡って英独の兵士が撃ち合う場面では、イギリスで撮影したのでしょう。ドイツ兵も第二次大戦中の英軍の小銃リー・エンフィールド・ライフルを使用しております。 70年台の映画ですから全て実機かミニチュアでの撮影ですが、それゆえにCGにはない存在感が嬉しい一品でした。 (ykk1976さんの映画会 第112回)
空中戦がナイスです
投稿日
2014/09/22
レビュアー
恋次郎
マンフレート・フォン・リヒトフォーヘンは第一次世界大戦におけるドイツの撃墜王。公式記録で80機撃墜。23歳にして連隊長となり25歳で空に散った貴族出身の若き英雄でした。 同名のドイツ産がありますが、こちらは連合国側のライバルなどのドラマもあり視点がちょっと違います。 また見どころでもあり、大きな違いは空中戦シーンが多いところ。複葉機の飛ぶ姿が美しい。 71年作品ですから、まだ整備された期待や腕のいい飛行機乗りがたくさんいたのでしょう。曲芸飛行にワクワクします。 撮影許可は田園地帯しか下りなかったのでしょうが、CGよりモノホンの迫力がグッときました。 ドイツ産の「レッドバロン」が「風たちぬ」のような雰囲気なら本作は「紅の豚」の雰囲気。 ロジャー・コーマン監督は大衆が見たいもの撮るのに長けているのでした。
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@「TSUTAYA DISCAS」の定額プラン(定額プランの種類は問いません。以下同じ)の利用開始時に「無料お試し」を利用したことがない方
A2022年10月2日以前に「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用を終了された方であって、2022年10月3日以降、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランを利用していない方
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レッド・バロン
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