ガス人間第１号

土屋嘉男のこれは　ほぼたった一本の主演作なのかどうかは　調べてないんだけど　子供心に土屋嘉男とゆう名を刻み付けた　一本　大人の恋愛悲劇　子供にも泣けます　ボクゼンでさえシリアス・モードです　

あるとき電車にのっていて考えたギャグ　「心臓ペースメーカーを御使用のお客様　携帯電話御使用のお客様の迷惑になりますのでただちに　スウィッチをお切りください」　あすいません大変不謹慎でした　反省します　でもちょっとおかしいですかペコペコ

それでガス人間だけに静電気一つにも逃げ回っていなきゃ　ならないんで　はた迷惑なやつ　ようく考えるとライターをつける八千草薫って　爆笑寸前なんですけど　そんなこと絶対考えちゃいけない　悲恋の味わいは役者ともども一級の　思い出映画になる要素はガスでなく充満です

「美女と液体人間」「電送人間」に続く東宝の変身人間シリーズの第3弾です。
シリーズの3作ともに怪奇映画に留まらず、人間ドラマもしっかりと描かれています。
本作で連想されるのは、やはり科学者のエゴでモンスターとなってしまった「フランケンシュタイン」です。
ガス人間となってしまった水野の「絶望」と「復讐」の気持ちが、落ちぶれてしまった日本舞踊の家元、藤千代への思いと共に哀愁を持って描かれています。
どんなにお金を積んででも春日流の発表会を実現させたい藤千代と、藤千代に資金の援助をするため、ガス人間である事を利用して銀行強盗に及ぶ水野。
自分の左胸に右手を置いて精神集中し、自らの体を変幻自在に操ります。
間違った形ではありますが、これは藤千代と水野のラブストーリーと言えなくもありません。
二人（正確には左卜全が演じる爺やと三人）の最期は、世間の混乱に収拾をつけるのと同時に、ある意味、無理心中のようにも思います。
藤千代の発表会への思いは達成できたものの、水野の人間としての「生」は奪われたままで、彼の無念の思いがあのラストの姿なのでしょう。

インタビュアーと八千草薫さんの音声解説もお聞き逃しになりません様に。
また特典では、円谷英二さんの特撮に関する映像と解説をたくさん観ることが出来ます。
ＣＧで表現するリアリティにも見劣りすることの無い、円谷監督の工夫と技術によって作り出されたリアリティを観ることが出来ます。

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「美女と液体人間」から流れてきました。

画面に八千草薫さんが登場したら、特撮も東宝
映画もどうでもよくなってしまった。

なんて凛としているのだろう、清楚なのだろう、
綺麗なのだろう。
わけても留置場での、掃き溜めに鶴を画面に
したような八千草さんを見よ。
ラスト、無理心中と云う形で水野（土屋嘉男さん）
の愛に報いる八千草さんを見よ。

などと取り乱さずにはいられないほどお美しい、
八千草さん主演の、哀しい恋愛映画です。

「ガス人間」だからと云って、たかを括ってはいけ
ないのでした。

なお、三橋達也さんと佐多契子さんは引き立て役
の、能天気なお馬鹿になってしまっています。

　懐かしの東宝変身人間シリーズ。もちろん、リアルタイムで見たわけじゃありませんけど、昔テレビでよくやっていて、夏休みなんかに見ましたね。怪獣映画の延長みたいに思っていたら、意外にシリアスな話でびっくりしたりして。ラヴァースさんは「液体人間」がお好きだということで、確かにあれも傑作だと思いますが、私はこっちもお勧めします。「液体人間」も「ガス人間」も、基本的には戦後ものなんですよね。ガス人間の主人公はアプレゲールみたいな心境で、冷え冷えとした心の中にも愛があって、子供のころにテレビで、大学生くらいのときにビデオで、２回見てるんですけど、２回とも感銘を受けました。「変身人間」というとチープな感じがしますが、これはちゃんとした大人の映画です。

　浅学にして全く知らなかった映画。あるレビューでこの映画のことを知り、それでもいかにもの怪しげなタイトルに長くためらった後、おそるおそる鑑賞。タイトルだけなら、どんなに古いB級怪人映画なのかと先入観で、おそらく観ていなかっただろう。そういう食わず嫌いな人は案外多いのではないだろうか。改めて過去の邦画の実力を思い知った。

　昭和35年制作だから当然古めかしいのだけれど、丁寧で細部まで神経の行き届いた、とても質の良い映像で、全然安っぽくない。例えば、何度も表れる新聞記事の構図など、さり気なく工夫されていて、手を抜かない仕事ぶり。思わずストップして隅々まで読んでしまった。多くの方が指摘している、楚々としていながらどこか妖しさを漂わせた春日流家元役の八千草薫の際立つ美しさはもちろんのこと、俳優たちは脇役に至るまで皆それぞれに品格がある。

　能や日本舞踊という古典の世界と先端科学、銀行強盗犯の追及というミステリー要素と純愛、人間がガス化するというSFの見事な特撮技術としっかりしたドラマ性、それらが違和感なく結びつき、最後のクライマックスに収斂されて、「情鬼」という情念と哀しみの格調高い日本舞踊とともに悲恋に昇華し、華々しく燃え上がって潔く終わる。マッドサイエンティストの実験の犠牲となり異形の存在となってしまったガス人間水野の孤独と哀しみ、才能ある舞踏家でありながら、世事に疎く零落し人里離れて孤立している藤千代の絶望感が共鳴し合って、悲しくも美しい物語となっている。

　「超ミュータントドラマ　ガス人間第１号　全世界の期待のうちにここに誕生　東宝が世界に誇る特殊撮影陣！！　空想科学映画の決定版」とは、予告編の宣伝文句だけれど、大仰というだけではない、この当時の映画人の矜持と気概を感じさせる。そしてそれに恥じない秀作映画だと思う。