アンブレイカブル

評価：★☆☆☆☆（１つ）

ゆっくりとした展開の映画で、最初は何が言いたいのか全くわからない内容の映画です。

ブルース・ウィリスが過去に車事故、電車事故などに遭遇し、無傷で一人だけ助かったので、漫画のヒーローだと勘違いされ、ブルース・ウィリスがヒーローだと最後に自覚して人を助ける映画。

しかし、映画は、昔の日本映画のような、暗い、ゆっくりとした展開で、いつまでも先にストーリーが進まず、途中で見るのをやめようと思うような展開です。

「シックス・センス」のシャマラン監督作。ブルース・ウィリス出演で期待した映画ですが、結局、最後まで見ても、無駄な時間を過ごしてしまったと後悔する作品です。

Ｍ・ナイト・シャマランとブルース・ウィリスということで、やはり「シックスセンス」以上のものを期待してしまった。それがいけなかったのか、全体的に何か物足りなさが残りました。

始まってしばらくは「きっと最後にどんでん返しがあって、そのための伏線がはってあるに違いない」と思い、期待しながら見ていたのですが、あまりにも淡々としていて、途中からは退屈でしたね。

ラストは、少なからず驚かされましたし、それまでの様々なエピソードがあのシーンで初めてつながったという感じはしましたが、衝撃が小さすぎて「え？これで終わり？」という印象でした。

それに、多数の死者を出した大惨事で一人生き残ったのは不死身の体を持つからって、それじゃ納得しませんよねぇ。

全編が静かでうち沈んだ印象を与える。
妻との関係に悩む一見普通の男、デイビット。
デイビットのような男を捜し続けていたと言うイライジャ。
デイビットは果たしてイライジャの望むような男なのか、そしてイライジャとは何者か…。
この映画、派手なところがないので飽きる人は早々にと言う印象。
見て良かったぁ！って爽快感は無し。
ジワジワと来ます、何かが。
強いて言えば悪者と呼ばれるものの哀しみ？世の中の歪み？
さぁ、興味が湧きましたか？知りたいというあなたはどうぞ。

アンブレイカブル（２０００年・アメリカ、カラー、１０７分）

ブルース・ウィリスの登場シーンがいいですね。
フィラデルフィアに向かう列車に乗っている姿が自然で、座席の間から見える小さな女の子に愛嬌をふりまいたり、隣の席に若い女性が座ってくると、こっそり自分の手（薬指）の指輪を外したり。
相手役のサミュエル・Ｌ・ジャクソンは、いつもながらの怪演で、この両者の対局が本作の見どころの一つといっていいでしょう。

デヴィッド・ダン（ブルース・ウィリス）はアメリカン・フットボールのスタジアムで警備員をしている。妻のオードリー（ロビン・ライト）と一人息子ジョセフ（スペンサー・トリート・。クラーク）との３人暮らしだ。ある日、ダンが乗った列車イースト・レイル１７７号が脱線事故を起こし、ダンを除く乗客・乗員が死亡するという大事故が発生した。唯一の生存者となったダンは病院で目を覚ましたが、かすり傷ひとつない。不思議な現象に戸惑ううち、彼は車のワイパーに挟まれたカードを見つけた。 ‘あなたは今までの人生で何日病気にかかりましたか？’という謎のメッセージが書かれており、カードに書かれた場所をもとにメッセージの送り主を訪ねた。送り主はコミック原画専門ギャラリーのオーナーであるイライジャ（サミュエル・Ｌ・ジャクソン）という黒人男性だった。コミックの熱烈な収集家のイライジャは、骨形成不全症を患っており、車椅子生活である。イライジャによれば、「生まれつきの身体のせいで引き籠りになり、自分は弱者であるが、対局のヒーローのような人物がいるのではないかと思うようになった。それが貴男だ」と。そして「少年の頃に母親から貰ったコミック本にのめり込むようになった」とも言う。俄かに信じ難いダンだったが、自分は今まで一度も大きな怪我や病気に罹ったことがないと、あらためて気づかされる．．．。

ブルース・ウィリスの職業がスタジアムの警備員というのも気が利いています。
制服姿（ジャンパー）で群衆の中を警備しながらも、彼の脳裏には少しずつ違和感を感じる人物が捉えらえるシーンなど、不気味で緊張感が漂います。
家庭では普通の父親であり、夫なのですが、妻のオードリーはなにかしっくりこない様子。
息子のジョセフは、かつてフットボールの花形選手だった父親が自慢で、自宅で強度なバーベルを上げる父親の姿にも憧れを抱いています。

一方のサミュエル・Ｌ・ジャクソンのヘアスタイルが漫画的（失礼）なうえ、わずかな衝撃で骨折してしまう足に装着した器具が複雑な形をしています。彼はどんな作品でも抜群の存在感を感じさせるのですが、本作ではシャマラン監督の魔術にかかったような雰囲気でした。（笑）

ストーリーの ‘入り’ は１９６１年のフィラデルフィアで、デパートの救護室で黒人の赤ちゃんが泣き叫んでいるのですが、
診察した医師は‘（赤ちゃんは）胎内にいたときから、両足、両腕がすでに骨折していた’ とショッキングな診断を母親に告げるのです。

Ｍ・ナイト・シャマラン監督は「シックス・センス」（９９年）があまりにも有名ですが、「ヴィレッジ」（２００４年）は独特な怖さがありました。
「アフター・アース」は残念な作品でしたが、「ミスター・ガラス」はいつか観てみようと思っています。

　シャマラン監督は、あまりにも期待されすぎていて、大変だなとは思う。
　シックスセンスと同じレベルを常に要求されるとそれは無理だろうと思うが、この映画はすごく面白かった。コミックのヒーローには古くからの親友がいて、結局二人は仲たがいをして、善と悪に分かれて戦う運命になる、というまさにアメコミやスポ根ものにある設定を映画の中で、悪者に語らせる。現実もそうなんだと。この考えって、なるほどな、と納得。スパイダーマンにしても、Ｘメンにしても。
　ヒーローが活躍するアクション映画ではなく、静かなドラマ。ＳＬジャクソン演じる弱者が、ヒーローを探し出して満足する、探し出されたヒーローも自分の使命を理解して満足する、そういう映画なんだけれど、弱者にしては、経済的にえらく裕福な弱者だなという印象。

　息子が拳銃を発射していたら、どうなったんだろうと思う。
やっぱ、シャマランは面白い映画を撮るんだな。