オーメン

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レビュー３本目のビギナーですが宜しくお願いしますm(_ _)m
ツタヤディスカスのレビューを読んでいる未来の監督や俳優、脚本家などの卵の方達に是非、読んで欲しいです。

本作はオカルト（ホラー）映画の奇跡的傑作だと思います(^^)…これ以上の作品が在るという方がいたら是非是非教えて欲しいです。マジです。
ホラー嫌いの人でも、映画が好きなら観て欲しい作品です。（でも怖いので、自己責任で観てね！(^^;）
少し前にジャパニーズホラーブームが在った様ですが…お化け屋敷の様なパターンに陥っていないかと思います。…突然の音とか…必要以上に暗い映像とか…
映画はやはり総合芸術であり、バランスがとても大事だと思います。予算、テーマ、脚本、演出、配役、音楽、美術、編集、などなど（順番に意味は無し）
コメンタリーを聞くと監督の「この作品を撮りたい」っと言う強い情熱と、徹底的に拘って撮った作品である事は痛い程伝わってきます。
実に丁寧に書かれた脚本。確かな表現力を持った俳優陣のキャスティング。しっかりとした拘りのある演出。バランスが絶品です。

沢山の方が既に詳しいレビューをされているので、私は俳優陣の演技面からレビューしてみたいと思います。
本作は大変珍しく、ホラー映画でも演技が重要だと…俳優の存在価値を教えてくれる作品でもあるからです。
（文字数制限のため深い話を超かいつまんで書きますので、説明不足等はお許しをm(_ _)m）

グレゴリー・ペックの演技に着目して欲しい。
他の方も書いていますが、ニューヨークにあるネイバーフッド・プレイハウスと言う演技学校で基礎を学んでいます。
いわゆる【★１メソッド】俳優の一人。（ネイバーフッド・プレイハウスはマイズナーテクニックを主とし、ゲレース・ケリーやサンドラ・ブロックなども卒業生）
リー・レミックもアクターズスタジオ（リー・ストラスバーグが芸術監督）出身のメソッド俳優。
海外の演技派と呼ばれる俳優陣の大多数が何らかのメソッドを学んでいる。（デニーロ、パチーノはもちろん、メリル・ストリープなど）
メソッドアプローチの特徴は超ザックリ言えば、いかにリアルで自然な演技をするか。そのための方法論なのです。

この二人（ダミアンの養父母）がメチャメチャ一流な演技を炸裂させています(^^)

例えば、キャサリン（リー）が動物園に行った後ベッドでの二人の会話。
キャサリン：Then help me. Find me a doctor.（助けて。良い先生を見つけて）
ロバート：I will. Of course I will.（捜すよ。もちろん捜すよ。）
…解るでしょうか？(^^;…ホラー映画のホラーでないシーンのレヴェルの高さです。
このシーンだけでも、いや、この２行の台詞だけでも、キャサリンの不安感、二人が愛し合っている事、が完璧に演じられています。
悪魔などのフィクションは、どれだけストーリーを信じられるか？どれだけリアルか？が何よりも大事なのです(^^)
そして忘れてはいけないのがダミアン役のハーヴィー君(^^)
彼はほとんど台詞がない。演技も出来ない。…演技が出来ないという事は「下手な、余計な、芝居」も出来ないという事です。
コメンタリーの中でも監督が話していますが、相当苦労して撮影したとの事。…でも良いんです。
ダミアンは喋れないから怖いんです！音を消して映像だけ観てみて下さい。ダミアンは普通の子供に見えるはずです。…だから、自覚していないから、リアルなんです。怖いんです。

本作品もリメイクされました。もし、時間とお金に余裕の在る方はリメイク版と見比べて下さい。
ほぼ同じ設定、監督と俳優だけ違うともみれます。撮影技術も機材もあらゆる面で、2006年版の方が進化しているはず。制作費なんてほぼ１０倍！
どっちが怖いですか？(^^)…どっちが面白い？ですか？(^^)
これと同じ現象が、いや、それ以上に「椿三十郎」では味わえます。黒澤明版と森田芳光版。これは、カット割り、台詞、ほぼ一緒です！
最近流行の名画のリメイクを「オリジナルへの冒涜」みたいに感じている人は多いと思いますが、オリジナルの良さを教えてくれる、演技の重要性を確認させてくれる、的な楽しみ方もあるのではないでしょうか？(^^)

★１メソッド（method）とは直訳すると「体系的な方法・方式。」1920年代にロシアで開発されたスタニスラフスキー・システムと言った演技法（俳優の教育方法）
後に米国でリー・ストラスバーグ、ステラ・アドラー、サンフォード・マイズナーなどにより様々なスタイルが分かれて行く。
残念ながら、我が国日本では未だに少数派(T_T)メソッド俳優を嫌う監督も多いとか…

よくできた映画ですよね。主人と「ホラーといえないこともないけど、どちらかといえばサスペンス的かなぁ」なんて言ってました。ゾンビやゴーストがでるわけじゃなく、次々に死んでいく人々も原因が絶対かというとそうともいえない、という風にもとれる。

画像もいかにもホラーなシーンはないんですが・・・ないんですが、なぜかやっぱり怖かったです。メイキングをみてその怖さがわかった気がします。よく、効果音で「くるぞ、くるぞ、きたー！」っていう感じがあるじゃないですか。この映画では、それをやらないようにしていたらしいです。音によってそのシーンがわかるのを避けた、と。なので、リラックスした静寂の中でいきなり「ひぃ〜」ってシーンがでてきます。あと、ダミアンのテーマ曲、グレゴリア聖歌。ダースベイダーのテーマ曲くらい印象的です。

でも、なによりもこの映画で印象的なのが黙示録です。映画はよかったと思うのですが、聖書や黙示録に対する知識がまったくないので、それがあったらもっとこの映画を満喫できただろうなぁと思います。この映画はとても宗教的というのでしょうか、そんな印象を受けました。私は特に信心深いわけではありませんし、これを機にクリスチャンにとも思いませんが、聖書や黙示録に対する興味を非常に持ちました。

ものすごい衝撃を受けた。
この素晴らしく完成度の高い作品が
1976年、つまりは34年前の作品であるということに!!

ストーリーの素晴らしさはもちろん
子役をはじめとする、キャストの演技力の高さには圧倒される。
また音楽は、この世の果てから響いてくるような恐怖を見事に演出。

34年前に、この演出でこれほどの恐怖を作りだした
スタッフやキャストには本当に驚かされる。
今鑑賞しても、本当に怖いと感じる。
本当に興味深い作品だ。

[追記]
特典映像で、この作品制作中に
様々な兆し（オーメン）が起こったという告白があった。
ありがちな話ではあったが、やはり・・・・。
ガラスでの首切りを担当したスタッフの彼氏が
一緒に外出中、事故に遭い首を切ったというストーリーにはゾ〜ッ・・・。
あら？
オーメン鑑賞時、私のランキングが666位!!!!
これって・・・・・?!

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もっとダミアンが恐いのかと思ってたけど、そうでもなかった。
悪魔が殺していくはずなんだけど、何ぜだか事故に見せかけたような、ピタゴラスイッチ風な殺し方が恐くないなあ…。

２つの岸（だったかな？）の政治を動かして、戦争をもたらしって、いうのが現実を皮肉っているのかな。向こう側にもダミアンがもう一人いるのね。

昔深夜テレビで見たきり、本腰を入れてみたのは初めてです。
これはホラーといっていいのでしょうか。これをホラーというならば、今のホラーといわれる映画は何だ？という感じをうけます。

音楽のすばらしさは言うまでもないですね。各俳優さんの演技のすばらしさに驚きました。グレゴリィペックだけではなく、みんなが、です。

こんなホラーをまた作ってほしいです