クリーピー　偽りの隣人

こんなに豪華な顔ぶれなのに、全編にわたって薄っぺらい安っぽい雰囲気が漂いもったいない。

他人の家庭に入り込んで家族を支配しその心を操るという犯罪は近年日本でも起こったが被疑者自殺のため未だにその全容は解明されていない。
隣人が普通の人とは限らないという警告ともとれるこの作品、サイコパスを演じる香川照之が見事なほどの気味の悪さと豹変して正体のよくわからない隣人を創りあげている。
警視庁を退職し犯罪心理学を教えるようになった高倉、引っ越し先の隣人西野になんとは言えない違和感、不信感を覚えるようになる。
一方元部下の刑事からの依頼で未解決の日野一家3人失踪事件の調査を手伝うことに。
この二つが同時進行の形で描かれ不気味さを増幅させてゆく。
やがて失踪事件の方は結末を迎えるが、失踪事件の一家と隣家との位置関係が自分の家と隣人西野の家に似ていることに気づき、元部下に西野の素性の洗い出しを依頼する。ちよっと不自然さはあるがここはパスしよう。
そして又新たな事件が発生、西野の娘が漏らした「あの人、お父さんじゃありません」の衝撃的な一言、高倉は西野がサイコパスでありその犯罪を解明しようとするが、証拠もなく立証できないもどかしさに苛立つ。
そしていつの間にか妻の様子に変化が表れ、誰かに操られているような気配を感じる。
ストーリーは一気に終盤へと流れ、西野の隠された狂気が明かされ、エンディングへと進んでゆくが、結局なんで何故がわからないまま終わってしまい、尻切れトンボという感想が残ってしまうので妙に後味が悪い。
薬により人は善悪ががわからないまま支配されてしまったり、少女があそこまで完全に心を支配されてしまうのだろうかと大いなる疑問も残る。
こうしたサスペンススリラー作品では前半が奇異であればあるほど最後のまとめが難しいものなのだが、本作もその点では成功とは言えないだろう。

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クリーピー 偽りの隣人

東京都稲城市

過去に犯罪者に刺され警察を辞め大学で心理犯罪関係の教授をしている西島さんが主人公。

東京郊外に妻の竹内さんと越してきた。

その近所にはつかみ所の無い男と女子高校生と妻がいるらしい。

不信感を持ちながらも徐々に距離が縮まり不穏な犯罪に巻き込まれていく！

一方西島さんの仕事の絡みで後輩の刑事と過去に起きた一家失踪した未解決を調べていくうちに明らかになっていく真相！

この二つの不穏な事件の結末は！



◎後半戦はツッコミ多し！納得できないクオリティー
★彡ネタバレしない為、言えませんが、なんでこうなるの？と思える行動が多いと思いました。


◎70D点 前半の貯金を使い果たす後半のツッコミ所にガッカリ感ありました。




以外ネタバレありますよ！

犬以外全員おかしいと思う。

◎怒りのツッコミ軽く10連発！

★1彡引越ししてばかりの主人公の妻、竹内さんの行動と香川さんに取り込まれてしまう所は受け入れられない！（ドラッグ打たれる前ですよ！）※打たれた後は仕方ないか…


★2彡香川家に行く後輩刑事が、主人公になんの相談もせず、単独調査に行き殺されるのもイマイチ理解できなかった。




★3彡近所のガス爆発で刑事仲間が死体て見つかってるのに、香川さんをマークしないのはおかしいと思う。

★4彡サイコ香川さんの近所に住んでいるのに妻を一人にしていく主人公の気が知れず（泣）

★5彡誘拐犯として通報された主人公が連れていかれ調書を作る所で通報者の香川さんを勝手に帰宅させる下りは呆れてしまいました。
（インド人と話ししようとしている主人公みたいでなんか噛み合わない所が逆に恐怖でした）

★6彡刑事の偉い人 笹野さんも、単独行動でやられちゃう！ツマラナイから怒りになってきた！もうツッコミモード全開でいきまっせ！

★7彡銃を持っているかも死ねない香川さんの家にしかも笹野さんがいることも知っていて乗こむ西島さん！アホか！こんな見せ場いらないと思える！でも観ちゃうよ（笑）

★8彡妻を危ない所に待たせ、反省せず鉄扉を開ける西島さん！アホか2！先ずは妻を何処か安全な所に移動するでしょ〜
（ここまでくると、西島さんもサイコだったら驚いて全て納得できるのにな〜）


★9彡西島さんが最後に見せる復活がWhy？
色んな理由があると思うけど、妻が薬を少な目に売ったとか、ビスケットが解毒ざいとか言われてますがどれもピントこなかったな〜

★10彡香川さんは人を殺せないと自信満々の主人公？女子高校生の母や刑事の偉い人笹野さんを殺している様なのに人は殺せないと豪語する自信満々の西島さんの事は理解できない。



◎前半だって香川さんのドスの効いた脅しや女子高校生の行動、色々ツッコミがあるけれど、
後半戦が特にひどかった。


◎後半の笑った所。

★彡妻を側近にし、優位に立った香川さん。
西島さんは香川さんに言う「何が望みだ！」
「別に何も」と香川さん！ここは笑ったし、お気に入りのシーンですね。




◎ネタバレ保管記憶用

西島さんも一人で香川さんの家に行くと、妻の竹内さんがドラッグでラリってる。

妻を囮にされ、劣勢になった西島さん。
しかし強気の香川さんに銃は撃てないと根拠の無いたわ言で追い詰めるが、まさかの妻に裏切られドラッグ注入される（笑）

新しい家族が出来た香川さん一家！
新天地で4人と犬を連れて16号線を北に！

犬が邪魔になった香川さん。
犬を撃てと西島さんに銃を渡し、自分が撃たれる(๑˃̵ᴗ˂̵)

妻が騒ぎ女子高校生は犬と散歩！香川さんの血が出ていない死体でおしまい！

★彡これはコメディーに違いない！

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オープニングは、被疑者の青年に高倉が話を訊いているところから。
青年がサイコパスだと気付いた高倉は興味津々。青年はしかし、隙をみて逃走、人質を取る。
そして高倉はまんまと出し抜かれてしまった・・・。
もしかしたら、作品全体をこのオープニングで表現しているのかも？なんて思ったりもしたのですが。
（甘かった）

とても残念に思うのは、西野が言葉巧みなサイコパスではなく、クスリを使って操り、殺人を「自分の手を汚したくないから」という理由で澪ちゃんにやらせている。
コレを長時間観たら、疲労感しかありません。。。
（この造り方はパロディ向きで、本気でやると下衆になります）

しかし本編よりも西野亡き後の澪ちゃんが気になります。
澪ちゃんは最後、西野に”小言みたいにフツーに罵声を浴びせた”後、犬と嬉しそうにどこかに走って行ってしまった。それがもの凄い違和感で残ってます。
私の中では彼女は変な殺人者になって帰ってきそうなのです。。。せめて放心状態の演出にしてほしかった。

原作はめっちゃ不気味で、「クリーピー」（ゾクゾクするような、気味の悪い）というタイトル通りの展開で、すごく引き込まれて一気に読みました。
なので、映画の方もそれなりに楽しみにしてたんですが、、、。思わず「これはあかんやろ」って、これじゃあまるで別物です。

何であんなに設定を変えてしまったのか、しかも話はぶつ切りで内容も薄っぺら、原作を知らない人にとっても、わかりずらいと思います。おまけに高倉さん、セリフ棒読み過ぎですよ。川口春菜に問い詰める場面も、実際あんな事する？って、しらけてしまいました。
西野は家の中にわけのわからん牢獄みたいなの作ってるし。（いつの間に作ったん？）

だいたいから、この話は、生来の悪の天才とも呼ぶべき西野（矢島善雄）が、いかに狙った家族を取り込み、支配し、やがてはその家族に”なりすまし”一家を食いつぶして行くか、と云うプロセスと、図らずも事件に巻き込まれて行く大学教授とその妻の恐怖を描かなければ、映画化の意味ないと思います。一番大事な怖いとこが抜けてる。残念です。

もし映画を見て「な〜んだ」と思われた方は、是非原作を読んでみて下さい。何倍も怖いですよ。