ハングリー・ラビット

ニコラス・ケイジという俳優のキャリア・ハイは
とうに過ぎてしまった・・・というのが世間の評価なのか
ここ最近はもっぱらこの手のアクションやらサスペンスやら
中の中的な作品に出倒しているイメージのニコラスですが
個人的には、もっとドラマ性の高い物語でも活躍してほしい俳優です。
なんつったってニコラスは瞳の演技が素晴らしいので。
で、今作ですが
そういうモチベーションで観ているからか何なのか
ギュっとコンパクトにまとまったストーリーが展開され
ハラハラドキドキを持続させて楽しませるという
最近のニコラス作品では「アタリ」の部類のものとなりました。
妻を演じたジャニュアリー・ジョーンズは
「マッドメン」を観てからの好きな女優だし
ガイ・ピアースは謎の男が様になります。
ハラハラドキドキが持続するとさっき書きましたが
その燃料はと言えば
今回は「苛立ち」です。
こういう手口でくる奴ら
めちゃ嫌いです。
弱みにつけこんで
知らずに巻き込んでいく
勝手にスタメン入りさせられている
いきなり試合出ろって言われる
こういうのは心底腹立ちます。
さらにこういう奴らに限って
崇高的な使命を持って行動している、と思っている
勘違いの自分酔いの程度の低さを露呈してくる
こうなってくると苛立ちという燃料は
どんどん冷えてきて
サブッ！
さぶッ！！
さぶさぶッ！！！！ってブルブルしてしまう
自分が特別だ、と思っていることを
他人に悟られる、暴かれる、見透かされることほど
恥ずかしいことはないのです。
面白かったです。

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　平凡な高校教師の奥さんが暴行されて、謎の男に声かけられて復讐を頼んだら犯人が死んで。したら、謎の男から脅迫されるようになり……。という巻き込まれていき、「これで最後だから」と案の定、どんどんと深みにはまっていく。

　法の手を逃れた犯罪者どもに鉄槌を下す組織というのはよくある設定ですが、主人公のニコラス・ケイジさんがなかなかのハマり役で全編出っ放しで、奥さんを守りたいという気持ちで動く男で感情移入ばっちりで見てました。

　悩みに悩んで組織の言うとおりに動いたら、今度は警察に狙われて両方から逃げつつ。新聞記者を追いかける。この新聞記者が組織を追っていてその取材を簡単に主人公が見つけちゃったりするのもあっけないなぁと思ったりもしますが。主人公に奥さんという弱点があるので、それもピンチになったりして結構ドキドキしました。

　ただ、謎の組織があまりにもお粗末で。自らの手で実行するのではなく、主事脳と同じ犯罪被害者を使ったりするので当然失敗しますが。主人公を襲わせるのも老人を使ったりして絶対ムリだろと思わせる刺客を差し向けたり。自分たちの予定通りの動きをとらないと簡単にパニックになったり、ガイ・ピアーズ演じる支部長が暴走してるみたいなことになってますが。そんな簡単に私物化できるのかな?　と思ったり。
　クライマックスも高校教師だったはずの主人公が、めちゃくちゃ強くなって格闘してたりしちゃったり。

　とはいえ、100分ドキドキして見てしまう映画でした。

絶対トラブルに巻き込まれても最後には大丈夫というのが、ニコラスケイジの主演でもうわかってしまう。
だから、安心して（でも、最初から最後までハラハラドキドキして）見ることができました。

ガイピアースもファンなので（彼の悪役を見るのは初めてだったなぁ。）楽しめました。

ニコラスケイジみたいな旦那さん、いいなぁ。（数々の作品で夫役のとき、
いつも妻や娘を守って大事にしてくれてるような気がする・・・。どの作品も
そういう展開だから当たり前だけど）

The hungry rabbit jumps, eh?

最後のセリフ・・ぞっとした。

でもこの作品の原題は「ハングリーラビット」ではなく
Seeking Justice（正義をもとめて）なのです！

この作品についていえば、邦題の方がセンスいいと思った。

って感じ。
ちょっと強引なストーリーの感じもするけど、アメリカ人が食いつきそうなストーリー（笑）
素直に娯楽作品として楽しめました。

　なかなかよくできた話で、面白かった。ニコラスケイジはあまり好きな俳優ではないが、この映画ではいい味をだしている。顔がヒーローじゃないから、こういう普通の人がしかたなくっていう役のほうがあっている。ダスティンホフマンもそんな感じかな。

　だれが組織の人間かわからなくて、友達までそうだったり、警察にもいたり、まあ、暴走は暴走ではあるけれども、こういう組織が秘密裏に存在していてもまったく不思議ではないし、デスノートの人間版だから、かなり現実的だと思う。

　警察に頼っていたら解決しない事件をあっというまに解決してくれる、報酬をもらえばこれは必殺仕置き人なので、報酬なしであんなことをやってくれるのだから、その見返りがどうなのかを最初に考えるべきだった。何事もただより高いものはないのだから。

　最初から最後までサスペンスフルでよかったと思う。