ＳＰ　革命篇

　面白かったです。前作はテレビでみましたが、こっちのほうが当然意味がわかって、また国会の場面が緊張感あって、よかったと思いますし、ＳＰの仕事は、大変だなあと思います。実際、ＳＰしている人がこれをみても、違和感がないのか、知りたいところです。映画の試写会かなんかに招待して、アンケートとったら面白かったんじゃないかと思いました。まあ、来る人は少ないでしょうが、覆面で答えてもらえるといいかなと。

　全て解決じゃないみたいだけれど、そこのところは、すっきりしてほしいと思います。そこは、テレビの特別番組でやってくれればいいのに。

ドラマの映画化としていろんなものが出ていますが、
標準的に面白い作品です。
SPの各役者がいいですね。

ストーリーはまさにドラマ仕立てなので場当たり的な
ものになりますが、説得力や心動かされるということ
ではなく、ドキドキしながらずっと画面から目を離せ
ないかどうかがこういう映画の良否を決めるんでは
ないかなと思います。

その点でいい作品だと思います。
まだまだ続きそうなので楽しみにしておきたいと思い
ます。

ほんとはツッコミどころもあるんだろうけど、そんなところに思いが及ばない
ほどに、脚本がすごく良く出来ていて、緊迫感ばっちりです。

これはこれで、この「ＳＰ」という作品世界の中では究極の完成度を
極めているんだと思います。

しかし、惜しむらくは、描かれている「大義」というのが、陳腐で嘘っぽい
ところです。

そこのところが、この映画が第一級の娯楽作品ではあっても、
オトナの映画になり得ていない、原因なんだと思います。

テレビドラマ分から、どんどん駄作に落ちてしまった感が・・・・
挙句の果ては、完全に続編込みの結末・・・・
続編は・・・・
絶対に見ない・・・・

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　事件収束後（半年後という設定）に、井上たち４人は通常任務に復帰していますが、これはないと思います。
　実際にあのような国会占拠事件が発生し、井上たちのようにＳＰが単独で事件解決のために動いたら、その結果如何に関わらず、事件後に彼等は間違いなく処分されます。それも相当に過酷で、懲戒免職か、下手をすれば逮捕。
　上層部の指示に従わず勝手な行動をとったこと、議員や政府関係者という「群衆」がいる場で危険な発砲を繰り返したこと、事務用品の窃盗容疑…その他諸々、面子をつぶされた警察上層部は、自己保身もあって、彼等４人を詰問し、つるし上げ、厳重処分に処したであろうことは容易に想像できます。
　さらに、衛視も含めて末端の関係者も片っ端から処分されるでしょう。いわゆる蜥蜴のシッポ切りで、総理を除いて議員諸氏や関係者を救ったＳＰたちの「功績」など一顧だにされない。もしされたとしても、懲戒免職が退職勧告になるくらいが関の山です。
　省庁など所属する組織および役人個人の利益・権益につながる仕事は勧奨するが、それを離れて、国家国民のために働こうとするまっとうな職員は、即刻「異端者」としてはじき出されるのが、今の霞ヶ関の在り方です。
　尖閣諸島沖で中国漁船（に仮装した軍船）が海上保安庁の船に衝突（実際は体当たり攻撃）したビデオ映像を、国家国益のためにと公開した一色正春保安官が、その後どういう目にあったか。現役官僚として公務員改革に取り組んできた経産省職員の古賀茂明氏が、現在どのように冷遇されているか。これらの現実を見れば、井上たちが無事に済むはずがなく、映画のような職場復帰は甘すぎます。
　また、危機管理・危機対応についても、あんなに簡単に国会を占拠できるのか？という声がありましたが、現実は国会に限らず、国内主要施設の警備体制はお粗末そのもの。羽田空港の警備の不備を空港関係会社や新聞に投書した男が、提言を無視された（当時の運輸省は対策を民間に丸投げし、民間会社はコストを言い立てて結局は放置した）ことに腹を立て、実際に警備の不備を突いて全日空便をハイジャックし、その結果、機長が死亡するという痛ましい事件が1995年に発生していますし、今年３月の福島の原発事故では事故対応ばかり問題にされていますが、警備体制については未だに誰も論じません。
　いやはや、事実は「映画」よりも奇なり。エモーションだけで突き進み、尾形のいう「大儀」の説明がろくになく「革命」の意味がまるでわからない非論理的な脚本や、情緒過多で子供っぽい人物描写など、映画としての出来は褒められませんが、それでも政治家や官僚の危機意識の低さ、国家観のお粗末さを暴き、実際に犠牲者が出ないと何もしない危うい状況を観客に提示したことだけは、評価できます。
　映画の出来がよければ、もっと観客の危機意識を呼び起こせたでしょうが…。
最後に素朴な疑問。クレイモア（地雷）を踏んだままその場に立ちん坊で残された衛視たちは、あの後どうなったんでしょうか？