サブウェイ１２３　激突

久々のヒット？デンゼル君！
君にはやっぱりアクションがお似合い！大変楽しませてもらいました

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午後２時のニューヨークの地下鉄。
何者かに乗っ取られた、ペラム駅１時２３分発の列車（原題のpelham 123はこの意味）は、１両目だけが切り離されて、乗客１９人が人質となる。

福知山線の脱線事故のあと、
「今後絶対１両目には乗らない！！」
と堅く決意していた私も、最近はそんな決意はどこへやら・・・ですが、この映画をみて
「やっぱり１両目は危ないよな。」と思いました。

何かがあると「すわ、テロか？！」と騒ぐところなんかが、９１１がアメリカにあたえた影響の大きさを感じさせますし、１時間以内に１０００万ドルを用意するよう要求した犯人とのやりとりが、分刻みですすんでゆくところは、TVシリーズの「２４」の影響の大きさを感じる、そんな映画です。

よくも悪くもトニー・スコットらしい映像で、好きな人は好きなのでしょうが、老化の進んだ私の目には、あのグルグルする映像はついてゆくのが大変！すっごく疲れました。

それにしても、地下鉄の運行指令って、航空機の管制官並みの大変な仕事なんですね。
そして、偶然犯人からの無線を受けたガーバー（デンゼル）が、ごく普通の交通課の職員で、夫が危険な任務にいかされることを知った妻が、「牛乳買って、さっさと帰ってきなさい！！」というあたりにはちょっとウルウル。

でもねえ、終盤の展開は疑問に感じてしまいました。
警官でもないガーバーが、何で犯人を追わなきゃいけないのか？
それよりも暴走している列車を止めるのが先ではないのか？
まあ、映画的にはデンゼルとトラボルタの対決シーンがあるほうが、盛り上がるでしょうけど。

ニューヨーク市長は「ソプラノズ」のジェームス・ガンドルフィーニなので、どうしてもやくざみたいに見えます。
そしてこの市長がかなりの悪で、犯人とも接点があるようだったのですが、そこらへんが追求されないのも不満でした 。

　ニューヨーク地下鉄のぺラム123と呼ばれる列車がハイジャックされ、先頭車両１両だけが切り離されて、19人が人質となり、1000万ドルを要求される。しかも制限時間は１時間、犯人側は、1分遅れるごとに人質１人を殺していくと脅迫する。鬼気迫る凄みのある主犯のライダー役をジョン・トラボルタが、運行指令室で列車の異常に気付き、偶然無線で対応したために交渉役をやる破目になる運行司令官のガーバー役をデンゼル・ワシントンが演じていて、見応えがある。１時間と時間が制限されていて、しかも人質の命が懸かっているので、最後まで緊迫感が漂い、目が離せない。

　何の経験もないのに、犯人によって交渉役に指名されてしまったガーバーは、人質の命を守るために彼なりに必死に対応する。緊迫したやり取りを通して、次第にふたりの背景がぼんやりと浮き彫りになってくるのだが、その話の内容があまり面白くない。本当のことを言わなければ人質を殺すと犯人に迫られて、ガーバーは賄賂を受け取ったと白状するのだが、デンゼル・ワシントンがそんな人物には見えないので、信憑性が感じられない。人質を助けるために嘘を言ったのかもと思えてくる。善人にも裏の顔があると、人間の二面性を描きたかったのかもしれないけれど、あまり成功しているとは思えない。

　スピード感があって面白い展開なのに、身代金を運ぶパトカーが大クラッシュ事故を起こしたりとか、スナイパーが鼠に噛まれたりとか、チャットのやり取りとか、一刻を争う時に長々と妻と電話で話したりとか、演出側のサービス精神なのかもしれないけれど、間が抜けていてスタイリッシュさを損なっている。ちょっとしたことでキレてマシンガンを乱射するような粗暴犯が、いつの間にか知能犯に変貌しているのも一貫性がないような気がする。

　結末を丁寧に最後まで描くのも親切心なのかもとは思うけど、マンハッタンブリッジで終っていた方が余韻があって格好良かったのではないだろうか。とは言え、能動と受動という対照的な主演ふたりの演技は見事だし、最後までどうなるのか分からないというサスペンスフルな展開は充分楽しめました。

　飛び抜けて派手だとか、終始ハラハラというほどではないが、トラボルタとデンゼルの交渉は結構愉快で皮肉が利いてて良かったぁ。地下鉄アクションだから秘密の路線だの、列車事故だの出て来るかと思ったが、そういうのは特に無かったね。やっぱりあの二人の対決に味があったってことだろう。


※レーティングは、A+,A,A-＞B+,B,B-＞C+,C,C- の9段階。

　トニー・スコットにデンゼル・ワシントンです。
とりあえずビール！って感じで観てしまいました。夏だし。（意味不明）

　で。リメイクということですがオリジナルは観てないので、単体での感想。

　地下鉄職員が犯罪に巻き込まれて大活躍ってとこは、小市民の心をワシづかんじゃいます。指令係のＤ・ワシントンは、たまたまその日の勤務だったからってことで、地下鉄ジャック犯（ジョン・トラボルタ）と交渉するハメになる。もう、どうやって事態を収拾しようかって頭ん中はフルスピードで丁々発止のやり取りを繰り広げる訳ですが、絵的にはどーんと座ってるので、これは純粋に心理戦の面白さで魅せる（魅せなきゃいけない）映画なんですね。で、まぁ、そこんとこは良かったと私は思うのだけど。主人公が社会的な立場を危うくされるハメになったり、犯人の方も身元が割れそうになったりと、お互いに腹を探り合い出し抜き合い、それなりにハラハラする展開だったのではと。

　で、す、が。

　なにぶんトニー・スコットなので、画がうるさい。目がチカチカするやたらめったらなカット割りに過剰なカー・アクション。デンゼルの座り仕事が地味だからって、他の場面を派手にしようってことなのか知らんが、こーゆーのはこの映画の面白さを損ねているんじゃないかしらん。デンゼルは動かなくたっていーんだよ。それは「ボーン・コレクター」（99）で証明済み。（？）　ラストなんてホント余計。鉄道職員はそこまでせんでいい。

　犯人のジョン・トラボルタも頭いいのか悪いのか、金目当てなのかそうでないのか、よく分からんかった。つまりは、話を転がす駒でしかないのですね。その場その場の設定を牽引しているだけなので人として生きていない。人物造形が不徹底なのです。キャラ的には魅力的な感じがしたのにこれは勿体ないと思いました。

　そんな訳で、とりあえず頼んだビールは、ちょっとぬるかったと。ん〜、大体、私はビール嫌いだし。（なんだよ、それ）