俺たちに明日はない

　後にアメリカンニューシネマと呼ばれるようになる一連の作品の先駆けとなった作品。実在した犯罪コンビのクライドとボニーによる犯罪旅行のロードムービー。

　誰もが触れる所だろうがやはり一番印象に残るのはエンディング。飛び立つ鳥、二人のアップ、激しいカット割り、波打つ体、これほど衝撃のラストはそうそう観れない。

　だがイージーライダーなんかもそうだが、“なんとなくかっこいい雰囲気”を感じる人はいるかもしれんが、本当に共感できる人は少ないだろうな。だから“勝手に生きてくれ”的な観方になる人もいるかも。

　星３，５　個人的には周りの評価ほど楽しめたわけではなかったが、まぁ映画史上重要な作品には変わりはない。

何度も見ているので公開当時の衝撃は薄れましたが、傑作です。

冒頭の二階のボニーに声をかけるクライド、それに答えてボニーが階段をバタバタバタと降りてくるカットが素晴らしい。
街のしょうもないアンちゃん、ネエちゃんであるということがすぐ見て取れる。
恐慌の時代を背景にしたこの二人の成長譚とも言える。
特に終盤へと至るフェイ・ダナウェイがどんどん美しくなる様はただ事ではない。

二人をヒーローとして描いている映画ではない、それを求める恐慌時代の大衆によりヒーローとされた者の映画である。
前半のナイーブな幸せなときに徐々に現実の影が差し、絶頂時に現実が一気に襲いかかる。
見事な青春物語でありラブストーリーだと思う。

最後の、林から鳥が飛び立つショット、フェイ・ダナウェイの顔のアップ、二人がお互いを見つめるショット、カット割りそしてフェイ・ダナウェイの演技が素晴らしい。

フェイ・ダナウェイは素晴らしいの一言。
ウォーレン・ビィーティーは若干平板な感じだが、気の弱い不能の役柄にはよかったのかも知れない。
ジーン・ハックマン、マイケル・J・ポラードなどもいい。
「フォギーマウンテン・ブレイク・ダウン」も忘れられない。

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　私はボニーがすごくカッコイイと思った。
美人とか何とか言う前に、カッコイイ！！！
あの女のくせに妙にさばけている所、すごく好きです。
ボニーはクライドの事が好きで、ボニーは２人きりになりたいけど、クライドは女心に鈍感で、ボニーのすねたりする所がすごく可愛かく、ボニーのやるせなさが痛い程伝わってきた。
現実でボニーの様な女がいたら尊敬する。
世の中にはきっとブランチの様な女の方が多いだろう。

　ブランチも結構面白かった。大声ばかり出して、バックが死ぬ時は嘆き悲しみブランチもバックが好きなんだなあと思った。ブランチも普通の育ちの、普通の女なんだろう。けどボニーもママに会いたがってるシーンなんかを見るとやっぱり普通の女の子で・・・そういうボニーの強さと弱さのバランスがすごく私を魅了させた。
私が男だったら絶対惚れる！！！

若き日のウォーレン・ベイティの男前が拝めます。個性的な顔立ちは今とあまり変わりませんが。にやけたような顔、クライド役にピッタリです。私生活でもプレイボーイだそうですが、いかにもですね。
前半はコメディタッチ。いいテンポで明るく楽しく進みます。が、ボニー＆クライドが転落しきった後半、急激に暗い雰囲気に。どこへ行ってもお尋ね者。必死の逃亡生活、心休まる暇も、体を休める暇もありません。画面に映っている以外の時も、「俺たちに明日はない」なんて、しょっちゅうぼやいていそうです。邦題は本当にうまく付けたものだと思いますが、暗い結末をあらかじめ予測させてしまう点では失敗でしょうか。
ラストシーンで、観ている方もどん底に突き落とされます。この結末はあまり好きではありません。
「テルマ＆ルイーズ」のラストシーンで、この映画のことを思い出しました。

2人とその仲間の破天荒ぶりは見てて爽快であったり不安になったり見ていて常にはらはらモノです。1930年代当時のアメリカが良く再現されていて非常に「いい感じ」が伝わってくるのと同時に出てくるファッション等は今見てもなにか目新しさもある。今見ても古臭さは全然感じさせない名作です。主役のボニーが母親に再開するシーンで一気に現実に引き戻され、一気に全てが崩れていく。母親が最後にボニーに「さようなら」と言うところに全ての要素が凝縮されています。