エビータ

ミュージカルが苦手なもので、とてもまともにみられなかった。
早回ししまくり。
ミュージカル仕立てにする必要はあったのか。
これほどの人とお金がかかっているなら、
もっとスピード感を出し、かつ、
じっくりと描いてフツーの大作路線を
行った方がよかったんじゃ…。そっちの方が見たかった。
冗長な場面が多く、長い。
どうしてこうなってしまったんでしょう…
ミュージカル好きの人にはいいのでしょうか。

アルゼンチンの当時の衣装とか雰囲気はかなり忠実に再現していると思いました。が、
それにしても、マドンナの勘違いが酷過ぎる。たしかに生い立ちとか、女性としては
異例の政治手腕とか、愛人からの成り上がり人生とか、多少似たところもなくはないものの、
エビ―タはアルゼンチンでは、国家的、歴史的に特別というか神聖に近い存在です。

かたや、マドンナはアメリカの歌手で、女優としては？？？
しかもアメリカは中南米から見て微妙なんですよね。好きな国ではないと思う。
むしろ対抗してきたという意識なんじゃないかと。

昔はアメリカより発展してたくらいの意識が、今でもどこかアルゼンチンにはある感じがします。
だって、英国にでも喧嘩売るような度胸がある国ですからね。
しかし、映画で敢えてミュージカル風って・・・、それもスペイン語ならまだ許せるが英語とは。
やるならやるで、もっと努力してみては・・・しかも英語なら英語で統一しなきゃ。
と色々言いたくなってしまうのでした。

他の方も指摘しておられるように年齢のサバの読み方もきつ過ぎだし、
なんだか周囲の男たちもまるでイエスマンばっかりに見える。
あっちの男性社会はもっとマッチョですよ。

現実のアルゼンチンという国家の歴史背景とか、文化とか、実際に根本的なところは
まったく理解せずに製作されたとしか思えません。アメリカが世界を体現しているつもりなのか。

一応、ブエノスアイレスで芝居とかオペラを見たことがあると、
この映画が作品として、全然そういう現地の高度な文化レベルに達していないので
当然、現地で相手にもされない映画だと思います。残念ながら。

ま、とりあえずはどの程度の映画だったかを一応見られたので満足としましょう。

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悪い映画ではなかったが、なかなか評価が難しい。

二回に分けて観たが、恐らく、一気に観ていたら相当長く感じただろう。
農家の妾の娘として生まれた女がアルゼンチンの都会ブエノスアイレスに行き数々の男を踏み台にして遂には大統領夫人までに登り詰める。

それを、自身、ゴミ箱も漁った事もあるというマドンナがミュージカル仕立てで演じたのは適役だったと言えるだろう。

また、労働者の味方である夫を助け、自分も民衆を愛し愛されたいと願っていたのは恐らく真実なのだろう。
それと、ディオールに身を包みヨーロッパ外遊を成功させる姿なども民衆の憧れを掻き立てたようだ。
つまり、民衆と世界観を共有していたのだ。

そこで効いてくるのが映画の狂言回しとして各場面で色々な姿に替え登場する、チェことアントニオ・バンデラスである。
彼は主にエビータの負の側面に目を向ける役回りだ。
彼の役名「チェ」はチェ・ゲバラから取ったというエピソードは頷ける。
彼の存在が映画に深みを与えていた。
それに、意外と歌が巧かった。
「レ・ミゼラブル」のラッセル・クロウよりは抑揚があって随分巧かった。

とはいえ、映画全体としてはイマイチ盛り上がりに欠けた。

ミュージカル映画好きな私ですが、これは・・・ありゃ・・・・なんだろう、ひたすら歌っている作品。物語の流れは分かりやすくていいんですが、ひたすら歌って歌っているんです。そして、どの歌も似たような感じの高揚する系統の歌ばっかりでして、疲れるし、正直退屈してしまう。これ、ほんまにミュージカルとして、このまんまやっていたんやったら、劇場で観ている人はしんどいんちゃうかなぁ、といらぬ心配をしてしまったりしました。

映画としては、上記したようにわかりやすいし、映像もうまいこと出来ているし、いい映画なんでしょうが・・・うーーーん。マドンナはやっぱりいいなぁ、って思いつつ、バンデラスが出てたから、なんとか良かったのかも知れないね、とか思ったり・・・

ミュージカル、いいです。新しい歌、綺麗な歌、マドンナは素晴らしい！バンデラスも歌が良い。