真夏の方程式

映画館にて。（もう随分前なもので、忘れないうちに…笑）
朝いち上映の割には予想以上に混んでいた記憶があります。
確か夏休み前、『ポケモン』だの『忍たま』だのお子様向けが幅をきかせ、大人の選択肢が極端に少なかったせいでしょうか。

ＴＶ版は数える程しか観てないんですが、尺が長いだけの「特番」的印象は拭えません。
「誰かが誰かをかばってる」って簡単に読めてしまう、ミステリーというよりお涙頂戴の愛情物語。
謎解きの「泣き」の部分が間延びして、終盤かなり退屈でした。
結局真相は隠したまま、いくら苦しんだって「口を拭ってる」状態に変わりは無いんですもんねぇ。
到底「少年の将来をねじ曲げない」説明が出来るとは思えない、なんとなくあやふやなお話に思えました。
あくまで主役ふたりのキャラクター頼りで、これが駄目だとどう仕様も無い。
福山雅治はともかく、吉高由里子の喋りがひっかかるようでは、どだい無理だったのかも知れません。
ふたりの掛け合いにあちこちからクスクス笑いが聞こえましたが、なにが面白いのかさっぱりでした。
何故こんなに人気があるのか……湯川ってあくまで傍観者、一切窮地に立たないし、何があってもコタエない「安心感」故でしょうか。
他レビューを拝見するに概ね高評価なのが意外で、自分の観る目が無いのかも、とも思うのですが。

美しい海とあの男の子は良かったです。
でも、『容疑者Ｘの献身』の方が（まだ）上だったかも。

今回の設定は夏・海・子供となっており、夏に観るのが、しかも猛暑が過ぎ時折秋風が吹く晩夏の時期に観るのがピッタリなお話でした。
トリックもそんなに手の込んだものではなく、その謎を解く手法は「方程式」というより「自由研究」と言った方がふさわしいくらいで、罪の償いを誰がどうやって行うかに焦点を絞っていくストーリーに魅力を感じます。子供を絡めるなんて「ガリレオ」に似合わないし、だいいち卑怯だなぁと思って観ていたのですが、最後の方で・・・、そう来たかと思いましたよ。
物理学の論理と人間の倫理にのっとり謎を明らかにする湯川が最後に出した答えは、罪を受け継がせることだった。法律で裁ききれない償いを、ある人の記憶に楔として打ち込んだのです。決して分かち合えない秘密を抱えて生きることを求められたのです。それはある意味懲役刑よりも辛い償いとなったかもしれませんが、湯川も含めた皆で、その重さを支え合うことで救いを与えているのでしょう。冒頭の海底資源開発の論争には、この償いを「すべてを知ってから判断してほしい」と、誰もが納得できる答えは無いこととして重ねているのでしょうね。
夏の海の綺麗な映像に挿入される回想シーンの鮮烈なショットが、罪を抱えた者の心の闇を強く印象付けます。後半、それが繰り返し行われるのでテンポを悪く感じはしますが、徐々に明らかにされていく秘密に闇の深さを感じられるし、浪花節的な効き目もあって一般的な日本人の私に強く響きました。
繰り返しになりますが、晩夏に観た方がもっと心に沁みたと思いました。

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　海底掘削事業の説明会にやってきた湯川教授が宿泊先の旅館で殺人が起きて、物理学の教授らしい独自の捜査で事件を解決していくという話ですが。

　海底掘削することにより自然が破壊されるのは仕方ない、けれど資源が手に入るため、どちらを選択するのか?　という湯川教授の問いかけは面白く。お互いが自分の意見しか言わず相手の話を聞かないことを批判する、環境問題をほんのちょこっとだけ描いてるのはよかったです。
　そして事件が起きて、教授にしかわからない捜査をしていきます。今回、相棒的な役割をするのは旅館の子どもで自由研究のようなことしながら子どもが観客の目線となり湯川教授に質問してそれに答えるという構図。
　湯川教授と子どもというバランスも見てて面白いと思いました。海中のシーンなんかも綺麗で映像の美しさもよかったです。

　事件の犯人は物語の中盤であきらかになりますが、この映画の本質は家族のかばい合いを描いていて、ミステリーはたいてい事件の加害者側の過去の境遇で泣かせようとしますが。この映画もその形をとっていて、中盤から加害者側にある16年前の殺人事件の発端から始まり、ある人物を守るためにかばいあっていく姿が描かれます。
　ここら辺は、ほとんど湯川教授の推論として長々とセリフで語られ、回想が挿入されるという展開でチト退屈でしたが。前田吟さん、風吹ジュンさん、白竜さん、杏さんの熱演で胸が熱くなるものでした。
　やはり、家族が家族をかばうというのは無条件で泣きそうになりますが。新鮮さということでは薄いような気がしました。

　そして旅館での事件のために、さらにある人物の人生を壊してしまっているという構図。これは見ててはたしてこの答えでいいのだろうか?　と考えるもので、その後のその人の人生なんかを一緒になって思いながら見ることができて意外な展開で面白かったです。
　
　犯人を捕まえるという面白さではなく、ある家族の絆と悲劇を描くもので。そこの主人公たちが見守るという映画で見方をどこに持っていくかで面白さが変わってしまうと思いますが、ボクは愛する者を守るという行動をとる人たちを見て感動してみることができた映画でした。

『ガリレオ』シリーズ、映画第二弾！

海沿いの民宿で起こったある事件…
事故か他殺か……。
物理学者湯川が、ナゾを解く！！

正直、ストーリー自体は普通。
いや、違うな…
＜ナゾ解きもの＞としては、かなり物足りない！

でも、
＜少年と物理学者のある夏の物語＞として見れば、
それなりにイイ感じのストーリー♪♪

少年と湯川先生の夏…
事件と実験と……
『真夏の方程式』…、実にピッタリなタイトル♪

子供が＜苦手＞ではなく、＜嫌い＞な湯川先生が、みもの♪♪
何気ない二人のやりとりだけで楽しめて…
何気に、二人の距離が縮まっていって……

なかなか心温まる物語でした♪♪


少年にとっては、
楽しくもホロ苦い思い出となるんだろうな……。


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ちなみに、
助手の栗林さんが、出てこなくて、残念。
お気に入りのキャラなのに（笑）

発売からずっと待ってけど来なかった。
ようやく来たと思えば、週末に地上波デジタル放送・・・

容疑者Ｘは、「献身じゃなくて自己満足だろ」という解釈で、一般的な評価とは全く違って、かなりショックだったが。今回も多分同じ。

まず、あの扱いで相手を刺してしまうという行動が理解出来ない。
しかも、無かった事みたいにスルーされている。
親の気持ちは分からなくも無いが、娘は何を思って今まで生きてきたんだろうか、この辺が理解出来てないので、イマイチ乗れなかった。