ハイ・フィデリティ

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ヤバい。ロブって、学生のときのわたしとほぼおんなじ。

スミスのブートレグも、エコバニのキリング・ムーンも、ジグジグ・スパトニックも、リューイチィサカモートーも持ってる。しかも、わたし、大学生のとき、ノートに本日の男の子ベストテンほぼ毎日つけてた・・。ロブはふられた女の子ベスト５だけど、まあまあ似たようなことしてたってことだ。

エコバニのシングルならキリング・ムーンよりもカッター。ジグジグスパトニックは、だいすきだった男の子が絶賛してて、影響受けまくりのわたしは速攻すきになった。大学生のときは、身近にあまりにもおっとこまえやらパンクやらかっこいい男の子がわんさといて、誰が自分でもいちばんすきなのか混乱して、それで、律儀にベスト１０をつけて、理由まで書いて、連続１位１ヶ月続いたら告白しようとか考えていた。結局、順位はころころ激しく入れ替わり、ひとりには絞りきれなかったけど。

そして、なにわともあれ、レコードやさん巡りがだいすきだった。愛しのフォーエバーレコード。ジグジグを教えてくれた男の子がデートで連れて行ってくれて、なんと、その小さなレコードやさんのレジスターには、初恋の男の子が座っていたという映画みたいなおまけつき。よく通ったなあ。だから、ああいう、レコードやさんの雰囲気、めっちゃめちゃわかる。

ロブもふられっぱなし。わたしもふられっぱなし。なんで？なんで俺じゃだめなのさ。みみちいのはわかるけど、でも、気になるんだもーん。ストーカーって言われちゃうかもだけど、気になるもんはしょうがない。

ロブは、予備校〜大学生のときのわたしの等身大。わたしの内なる声が、ロブの内なる声。ロブは、カメラのこちら側に、ねえ、そうだろ？ってはなしかけてくる。うんうん、わかるよ、わかるよ、ロブ。

俺をふった女、ローラは、恐らく階上のイアンに、気が移ったらしい。もう、寝たのか？いや、寝たに違いない・・。聞いてみる、え？まだだって！？ひゃっほう〜！って飛び出すバックに、クイーンのうい〜あざちゃんぴお〜んが大げさに流れる辺りのセンスがたまらない。

ブルース・スプリングスティーンがギターでこちらに歌いかけてくれる辺りのセンスがたまらない。そんで、ロブのレコードやさんで働く、ジャック・ブラックの、自分のお葬式にかけてほしい曲がワン・ステップ・ビヨンドってセンスがたまらない。実は、わたしも、密かに、自分のお葬式にかけてほしい曲があって、どんとのひなたぼっこなんだけど、そういうの考えてるところが、もう、いっしょだぁって共感しまくりなのだ。

そんで、ジャック・ブラックの歌にはおどろいたな。ソウルフル。めっさ、うまい。

ロブのお洋服は、ねずみいろにあずきいろのストライプ。趣味わるぅー。でも、ロブ、あんたがだいすきだよ。そんで、ふられまくりだったわたしも、こうやって、今、すてきなダーリンとたのしく暮らしてるんだから、生き写しのようなロブもきっと、しあわせになるのだ！

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　最高に面白かった！　そして面白かったので、語りたくなった！
　まぁ、聞いてくれよ！


　「ジャック・ブラックが出ている」という単純な理由で借りたんだけど・・・痛い。痛すぎるぜ、この映画。

　「ロックの名盤が次々と出てくる」と当時（2000年）話題だった映画。中古レコード店を経営する主人公は「なぜ俺は振られるんだろう」と過去の自分の行いを振り返る。

　その内容が、誰にでもある過去の恋愛話。「あー、あるある」と思いながら見た。

　でも、だんだんと、この男は、「ガキ（大人に成りきれて居ない）」であると気づく。このあたりから、映画を見ながら、主人公が語る恋愛話やエピソードに突っ込みを入れながら見ないといけなくなる。
　

　たとえば！　主人公が過去の彼女たちに会いに行く。その一人には、「私を振ったのはあなたじゃない！」と言われ、「そういえば、そうだったな」と思い出す。
　別の一人は難病にかかっていて、それだけで主人公は身構える。別の一人はハイ・ソサエティで主人公は置いてけぼりだ。　

　主人公は、30過ぎの、ただの子供だ。

　現在の彼女を追いかけるのも「自分が彼女に振られた」ということが腹が立つから。追いかけるのも、自分のためだからだ。


　この映画は、「クソガキの独りよがり」の主人公が、過去を振り返り、すべての原因は「自分の未成熟」によって起こったことだ！　と気付く。
　僕は、見ながら、主人公と自分を重ね合わせて恥ずかしくてたまらなかった。



　ラスト、「僕は今まで幻想の女性を追い続けてきた。幻想の女性は君みたいに布のダサいパンツを履いたり、ところかまわずパンツを干したりしない。でも、僕は、君を、日常にしたい」というプロポーズを決めてくれる！


　ここで、リュックベッソンの「アンジェラ」を引き合いに出したい！
　「アンジェラ」は「未成熟な私を」「未成熟なままで」「愛してくれる」というオタク男の妄想を撮っただけのもので、見ていて心底怖かった。

　「電車男」のプロットと同じで、「僕は何も変わらない」でいて、それでいて「無償の愛を提供してくれる人と出会う」という恐ろしい妄想で、他者の想いや人格というものに対する想像力が著しく欠如している。


　この映画は、その自分の想像力の無さ、未成熟さに気付き、他者の想いを洞察し、寛容に受け入れることができる心を会得する、という部分が描かれていて、驚いた。

　いやぁ、恥ずかしいんだけど、この映画は、クソガキのまま大人になった人のための青春映画です。最高でしたぜ。

洋楽好きにはたまらなくおもしろい映画だと思います。
でもそんなに知らなくても十分おもしろい映画だと思います。

何が最高かっていうと、この映画はキャスティングがすばらしい！もうハマリすぎっっっ！！！
バリー役のジャック・ブラック最高です！！！
自分の好きな音楽を語り始めたらいっこうに相手のことをかまわないところ、すごく笑える。
他にもハマリ役がいっぱいだけど、これは見て確かめてください。

人間の弱い部分やどうしようもない部分を素直に表現してる部分がこの映画には多くて、なんとも憎めない愛すべき映画だと思った。

　ジャック・ブラックのパフォーマンス（Let's get it on)が満点！！！

　ジャーマン映画には出たくない。。というセリフがあったけど、あれは「ドイツ映画」ではなく、「デレク・ジャーマンの
映画」ですよね？もう一度見直します。

期待通りのマニアックな中古レコード店内がうれしい。（アメリカの平均的なレコード屋さんってあんな感じ？）昔、渋谷でレコード漁りをしていた頃が懐かしい。

物語の主人公は、中古レコード店の経営者だけどね。結局、音楽オタクは変わらない。人生の出来事の何にでもベスト５をつけるのには笑える。（自分もそうです）
店員の一人はあの、いかした（イカレタ）ロックの学校の非常勤講師ではないか！物語の最後に彼が最高のパフォーマンスを見せてくれるのだが、それは見てからのお楽しみ。久々の１０点