ザ・ウォーカー

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

何か、大戦争みたいなことがあって、人類が滅亡寸前になって、
とある本が発禁停止になって、、、
すべて焼き払われる。
焚書抗儒みたいですな。。。

で、それから、３０年後、とある男が、唯一残ったその本を携え、
アメリカ大陸を西に向かっている。
その行く先にあるものは・・・

という内容。

以下、激しくネタバレですが、
基本、聖書にここまでの魅力を感じない私にとって、
それを守る意味に、そこまで共感できないことが１点、
それと、、、いくら焚書があったとしても・・・
ゼロになることは、正直、不可能だと思う。
データとしての聖書は、電気とか、ＰＣが作れなくなると、
意味がなさないとしても、
活版印刷技術が、まったく途絶えるというのも、理解しがたいし、
どこからスタートしてるのかわかんないけど、
３０年間、いくら、、、落ちの状況だったからといって、金門橋に着くのに、
３０年かかるって、、、
その３０年間に、まったく協力者が現れなかったというのも、
理解しがたいし・・・
３０年で、文字が読めない人が、それだけ増えるというのも、
よくわからない。
加えて、私は、キリスト教にはなんのゆかりもないものの、
３０年後に、聖書を諳んじている人が、彼だけになるというほど、
脆弱な宗教のようにも、思えない。
相当数が、覚えているような気がするし、彼がいなければ、
聖書が復活できない的な描き方は、あまり納得できない。

というわけで、論理的には、物語として成り立ってない
あるいは、説明不足が過大すぎると思うので、
それだけだと、１０点台っぽい感じで推移していたのだが・・・

落ちは、そこそこ、びっくりです。
ま、ある意味、徹底した焚書が行われた末にも、
見逃されたという理由はわかるものの・・・
ただ、あの表紙は、簡単にわかるよね。

落ちからすると、もっと、考察して描けば、ありな話も、
ありえるかなと思いはした。

あと、ＣＧアクションは、そこそこ、楽しめます。
ただ、リアリティは、全く無視ですけどね。

あと、、、西にああいう施設があるってのは、、、
ちょっと、西遊記っぽい感じの影響も受けているのかなぁ。。。
ま、宗教、違うけどね。。。

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

ヴェンダースのロード・ムーヴィかよと思わせる　ヨーロッパ映画にもアメリカ映画にも造詣の深さをうかがわせるシネマ

くすんだ色彩の撮影・照明そして美術が落ち着いていて優秀な画面と造形　絵的には申し分なし　しかし前半の演出はもったいぶっていて少々退屈　結局ルックだけの映画かなと思わせもするが　後半は聖書テーマでと世紀末アクションで盛り返します　「ガントレット」な一軒屋の銃撃戦の後　西方への道とはアルカトラズであり　クリント爺さんにオマージュ　この映画が暴力映画であることを告白します

しかし絵のことはおいといて中身となると　主題は聖書であり　いつも説教くさくボクはあまり好きじゃないデンゼルは　ここでは伝道師なわけ　初めに言葉ありき　言語文化の再構築を画策　これにてアメリカの建て直し　エスノ・セントリズムな　キリスト教原理主義です　あまりにあからさまで映画に興ざめてしまいます

最初　謎の本はマクガフィンであるのですが　それが物語り中ほどでバイブルと判明　バイブルの意味の重さは　逆に物語世界のほうをマクガフィン化してしまうとゆう奇妙な転倒が起こります

ぶっちゃけお話は「華氏４５１」なのだが　それならゲイリー・オールドマンの机の上にぶちまけられる駄本のほうこそ重要　ミラ・クニスがミッキー・スピレインを暗記しているとかの味付けが必要だろう　それによりウォーカーの複数化が生まれて　バイブルへの価値中心化から　読書体験全般の文化的高貴へと拡散　非焦点化して「華氏４５１」へと映画史的に繋がることになるだろう

能書き垂れずにもっと冷酷な世界観提示で四つ星　トリュフォーに連帯したなら五つ星にしたであろう惜しい作品　推薦はします　　　　　

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

ストーリーは単純明快。
問題の本が何かっていうことも早い時期に想像はつく。
だけど、これにがっかりしてはいけない。
別に隠しているわけではないようだし、想像がついたほうがより楽しめる。

この作品自体がまるで「創世記」のように作られてて数え切れないほどの
聖書そのもののようなカットには思わず見とれてしまう。
何度、ポーズボタンを押したことかわからない。

人間の未来に創世記に続く物語があるとしたら、何ともいえない皮肉で
強烈な切なささが漂ってしまう。現代の脆さや虚構のような街は美からは
ほど遠い存在に思えてしまう。
「廃墟」、「荒廃」、「世紀末」、そこにこそ美があると言わんばかりの映像
がこれでもか、これでもかと続く。
モノト―ン調の映像が独特の美しさに増幅して、イーライの本はその価値
と意味に引き込まれていくわけだ。

予断だが、途中で知り合った老夫婦、最高だな。死んじゃったけど。
あれだけ武器あったのに、もったいない。
ここたぶん大幅にカットされたんじゃないだろうか。
あそこにも物凄いメッセージはありそうだったんだけど。

オチは中途半端って見方もありそうだけど、あれでいい。
いや、あれがいいです。
私は嫌いじゃない。

”あの戦争”から３０年
それを生き延びたほんの少しの大人たちと
戦争後に生まれた大勢の若者たち・・・

賛否両論分かれそうな内容ですが
私はこの世界観にどっぷり浸かってしまって
一瞬も気を緩めることができませんでした

リュックに”ある本”を入れ、西に歩き続ける男イーライ（デンゼル・ワシントン）
最後に明かされた彼の素性にそんなワケない！と驚愕しながらも
後で見返してみるとライターの火を確かめたり本を読む姿が・・・

あの戦争で何もかも焼き尽くされた地球上で
殺人や強盗なくしては生きていけない
寝る場所はおろか水さえ手に入らない
暴力が支配するこの世界で、イーライもまた武器を持ち
暴力で対抗するしかないのですが
その描かれ方が目を背けたくなるほど残酷な部分もあって
最初は必要以上に荒々しいような気がしましたが
ただ、そうでもしなければ恐らく今の彼はいなかったわけで
歩き続けるにはそれほどの割り切った残忍さがなければ生き残れない
そんな世界の無情さが重く響いてきました

彼が歩んできた３０年の長い旅路が
どれだけ血に染まったものであっても
最後にこの世に残したモノの大きな意義に
神の許しがあればと祈るばかりです

あの本に執着するばかりに堕ちてゆくゲイリーの哀れさも
破滅後の世界のＣＧ映像も見応えありました

　こないだ映画館で観たと思ったら気がつけばもうレンタル開始か・・・。
　以下、mixiの日記加筆訂正。　


　核戦争後のアメリカ大陸で、１冊のある本を抱えて、ただ西へと３０年間歩き続ける男、イーライの物語。

　監督が、『フロム・ヘル』のヒューズ兄弟ということで一抹どころではない不安を抱いていたんですけど、その通り、何とも微妙な感じでした。

　その本が何なのかは、けっこう早いうちから判ってしまうんですけど、自分自身無宗教なんで、その本にどれほどの価値があるかという部分には正直ピンとこない。
　本を運ぶイーライ（デンゼル・ワシントン）にしても、本の持つ力を信じ、自らの権力を増大させるものとして本を奪おうとするカーネギー（ゲイリー・オールドマン）にしても根本に「信仰」があるからこその行動なんだろうとは思うけど、心底理解できないので、ちょっと遠目に眺めていたという感じでした。

　ただ、過去から培ってきた人類の文明を潰えないよう次代に伝えるという意味では理解は出来る。
　もし、自分が世界でただ１冊だけ残った「広辞苑」を持っていたとしたら「大事に守ってしかるべきところへ持っていかねば」くらいは考えるかもしれないなあ。

　とにかく全体としては決してつまらなくはないけど、面白かった〜とまではいかなかったです。

　ラストに明かされる「本」のある特徴・・・というよりはイーラのアレには、ちょっと意表を突かれましたけど。ていうか、ちょっとムリありすぎやわね。
　

　それにしてもヒューズ兄弟、本作が『フロム・ヘル』以来久しぶりの監督作らしいけど、９年間の空白は何なんやろ？それが一番気になります。