愛の神、エロス

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「THE　HAND」（若き仕立て屋の恋）観まして。王家衛ワールド炸裂だったと思います。超ツボでした。
４０分強の短編なんだけどお腹いっぱい。
ほかのも観たけど王家衛効果で、記憶に残りませんでした。

堕ちてゆく高級娼婦と彼女のドレスを愛情込めて作る仕立て屋の
成就できない恋（あれは出来た！と言えるのか？私には分かりませんが）。

花様年華でおなじみの鏡越しのカメラワーク。
クリストファードイル絶妙だし。

とにかく、出てくるチャイナドレスが本当にセンスいい！！
赤くて竜の絵が描いてあるようなイメージしか
なかったもので、これだけでも大収穫。

チャイナドレスって２０箇所以上も採寸するらしい。
毎回、密室で二人きりで、ってシチュエーション、娼婦が客の男や愛人と逢瀬を重ねていることより、ずっと濃ゆい関係に見えてしまうのが、この演出の憎いところ。
娼婦の客との電話のやりとりが採寸中の仕立て屋の耳に入らないわけがない。誰よりも彼女の素を一番よく知ってる彼。

また、仕立て屋の職場での仕事振りが、彼の誠実で優しい人となりを上手に表現していて、王監督うまいなぁ、と。
彼女のドレスの縫い目をはがして、やせた体に合わせて縫い直して
（これがまた一針一針丁寧に縫う）、アイロンをかけてるシーン。
チャイナドレスってこんなにくびれてるんだ？！、って
思うと同時に、服に優しく手を添えて、そのくびれに沿ってゆっくりアイロンをかけて行く様には、仕立て屋の愛情が伝わると同時に、実際、女性に対してもそんな風にするんだろうと想像させられ、エロチシズムを感じます。

コン・リーの男に捨てられ、別の男にすがって、でも駄目で、どんどん堕ちてく娼婦ぶり、なかなかいい演技でした。
チャンチェンの最初は初々しい仕立て屋が
髭生やしてポマードつけて、容姿は一人前な男になって行くのに
心はいつまでも、彼女にかしずいている様もいい味出してます。
プラトニックのようで完全プラトニックじゃないような。
性欲をぐっと抑え続ける男の魅力がなんとも言えません。
恋愛に「お姫様と騎士」願望がある女性にはたまらない映画と
なるでしょう。

３話のオムニバス。

１話は愛人暮らしの女性と仕立て屋さんの話。ウォン・カーウァイ監督で、ちょっと花様年華みたいな感じです。

２話は夢の中にいつも同じ女性が出てくる話。あんまりよくわからなかった。

３話はバカンス中なのにケンカばっかりしてる倦怠期の夫婦と、二人が出会う若い女性の話。ちょっとエロいです。

　「愛の神　エロス」この題名・・・単なるエロを期待している方には不向きです！　きっぱり！
　ウォン・カーウァイ監督作品ということで、「若き仕立屋の恋」を観ました。画像、音楽だけでもいけてます。しかし、終わってみると、、、、何が言いたいのだろう！？
　しかし、この監督の場合　それは考えないことにしています。「２０４６」では、苦しみました（笑）
　＃プライドを持つ女性の愛し方をこの映画では学べるかも

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ウォン・カーウァイ監督作品は、音楽も情緒的だし、
カメラワークはどこをとっても一枚絵になる感じがすごい好きなのに、「２０４６」はちょっと長いと思っていましたが、
この「仕立て屋の恋」はちょうど良い長さだし、ストーリーの感じも好きでした。

娼婦の住んでる部屋も可愛かったし、ドレスも素敵なものばかりでそこも楽しめました。


ラストシーンのあの顔は、印象的なシーンです。
その前の彼女のプライドを守るための嘘も
彼の優しさや希望を含んだものと感じられ、切なさと純粋さを
感じました。

「エロス、愛の神」というタイトルですが、
その言葉だけの意味よりも、もっと違う感覚で見れた。



あと、オススメなんですが、
特典のインタビューはちょっと面白かった。
コン・リーが喋る喋る（笑）
ちょっとあんなに喋る人とは知らなかったので
ひっきりなしに10分弱喋る姿は、身近に感じました。
良いね、コン・リー

面白くもない。エロスも感じない。私のように感性の弱い人には不向きなのだろう。