崖っぷちの男

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映画館で見た映画。

無実の罪で、刑務所にいた元刑事が、
脱走し、ホテルの高層階から飛び降り自殺しようとする。

その男が交渉役に指名したのは、
最近、交渉に失敗した女性刑事。

その交渉が始まる中、男の素性が明らかになるが、
本当の目的は？

というストーリーで、
ちょっと、舞台っぽい設定な感じもするが、
それでいて、普通のアクション映画的な要素もあり、
謎解き的な要素もあり、
うまい具合に、ストーリーがちりばめられていて、
とても、映画らしい映画になっていると思う。

そういう意味で、オリジナリティとか、
そういうのになると、やや落ちるが、
映画のエンターテイメント性という意味では、
なかなかの高レベルにあると思うし、
楽しめるないようになっていたと思った。

評価７６点（１００点満点）
なかなか面白いつくりのサスペンス作品。
ＮＹの高層階の室にチエック・インした男が朝食を済ませるとおもむろに窓を開けて外壁へ、６５センチぐらいしかないスペース、一歩誤れば
転落死、でもこの自殺志願者妙に落ち着いている。下ではたちまちヤジ馬が集まり交通規制、テレビの中継車は来るし大変な騒ぎなのだ。
無責任なヤジ馬は「早く飛べ」とけしかける。
自殺志願者はかけつけた警官にリディア・マーサーという女性の交渉人を指名、そしてリディアとの会話が始まる。
ここで場面は戻ってこの男、元警官でダイヤモンド強奪の容疑で２５年の刑を宣告されて服役中だったニック、父親の葬儀に参列した際に脱走を計って、
今ホテルの外壁に立っているということが明らかにされる。
追い詰められたニック、まさに崖っぷち、飛ぶのか飛ばないのか。でも彼の本当の目的は自殺志願じゃないと自然に分かる流れになっている。
彼が警察の目をひきつけている間に進行している大胆な計画、最新のハイテクでガードされた金庫室に侵入しようとする弟とその彼女、
ここら辺りは「ミッション・インポシブル」「オーシャン12」のシーンとどこかダブル。
交渉人リディアはニックとの会話で彼が無罪であると信じるに足る信頼関係をつくり、正体がバレたニックへの強硬突入による射殺を阻止しようと
体をはる。
なかなかテンポの良い作品なんだがいろんな場面でちよっと無理があるのが目立つのが気になる。
たとえばラストのシーンなんて確率的に非常に低い偶然に頼っているがそこはやはり映画の世界ということなのだろう。

ただの飛び降り自殺願望の男の話しをどう繋いで行くんだろう？まさか説得だけに1時間半？回想シーン？

少しだけの興味で観賞。

いやいや、なかなかどうしてなるほどな〜！！

縁起の悪い題名に反したサクセスストーリーにスカッとさせられ気分も爽快。

もう一回じっくり観て見ようと思ってしまった・・・。

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最近観た「クライム・アクション・サスペンス」の中では格別に面白い作品でした。「舞台演劇」や「小説」に対して「映画」の最大の強みは「場面、視点の転換」だと思うんですがそこを十分に生かした「同時進行」演出がサエてるし、さらに従来の「定番」を何とか打破して面白い作品を作ってやろうという工夫を随所に施していて、良い映画だなぁと思いましたね。
主人公ニック（サム・ワ―シントン）は元刑事だけどハメられて無実の罪で服役中。冤罪を晴らし、ハメた相手に復讐するために脱走してN.Y.の高層ホテル21階の窓外棚（ledge）にヘバリ着いて説得役の女交渉人りディア（エリザベス・バンクス）を通じて種々の要求を出す。この「初期設定」が完了するまでの「導入部」で主要な登場人物のキャラ紹介とラストに向けた幾つかの伏線が張られるワケですが、これがなかなか手際良くて役者の配し方も納得感高いし登場のさせ方も手抜きせず丁寧にエピソードを繋ぎます。ニックの弟ジョーイ役のジェイミー・ベルは一見ヤサ男でチンピラ風ですが中盤から大活躍しますし、かなり確かな演技をするなぁ、と感心して後で調べたら「リトル・ダンサー」（2000年）の主役で脚光を浴びた演技派で、何と私が贔屓にしてるエヴァン・レイチェル・ウッドのダンナなんですね。その恋人アンジー役のジェネシス・ロドリゲスは典型的なスペイン系美人で、私的にはルックス満点だけどどうせ「添え物」のチョイ役だろうと思ったら、これまた中盤から大活躍。チラリズムもなかなか素敵で演技も達者なんで、元々贔屓にしてたエリザベスを抜いて初登場上位ランク入りの勢いです（笑）。「悪役」エド・ハリスはちょっと痩せ過ぎで老け過ぎの感があり、もうそろそろ彼本来の善人役に徹したほうがイイ年齢かな？とちょっと寂しかったですが、逆にりディアの同僚役でちょこっと登場するエドワード・バーンズが若い頃の粗野な雰囲気が消えて堂々たる体躯そのままの包容力が滲む非常にイイ味出してました。
と、「脇役」たちそれぞれの魅力的なキャラと活躍が描かれる間、主人公ニックは多くの野次馬やマスコミの注視の中「ledge」にヘバリ着いたまんまで、役者としてもかなり地味臭いサム・ワ―シントンですから「ニックの場面」はホント「地味」そのものなんです。面白くないし殆ど時間も割いて無い。しかし実は彼が人々の注意を引きつけてジョーイとアンジーの宝石奪還作戦実行を助けるという重要な役割を担っていることに加え、自分は一切動いて無いけど事態の全てを計画し、進行を把握し、高みから俯瞰する「神の視点」にいる、というこの「設定」はかなり「新しい」し、ラストへの期待を高める効果的「伏線」になってますね。終盤一転して彼自身がledgeを離れてアクションに参加する「場面、視点の転換」は最近のアクション映画に比べて迫力、スマートさに欠けるものの「伏線」が効いてかなり興奮させます。ニックの21階からの大飛翔はアクションの見せ場と言うより「場面、視点の転換」の象徴として作者は意図したんだと思えました。エリザベスも前半の「静」の演技より終盤の「健気」なアクションのほうが格段にカワイくて良かったなぁ（笑）。

　ああこんな映画もそういやありましたね。
　少し前の『ザ・レッジ』とよく似ているのは、どちらかが真似したんでしょうけれども、どちらもＢ級な作品です。
　この作品はそれなりにスターが出ていて、お金をかけている気配（街中でのロケやエキストラの動員）がします。
　けれど娯楽アクション大作みたいに扱われると、がっかりしてしまうでしょう。隣のビルの爆破はあまりにＣＧぽいですしね。Ｂ級サスペンスとして観たなら、案外楽しめる作品かもしれません。
　序盤は高層ビルの窓の外に立った男サム・ワーシントンを巡ってのクライムサスペンス調なんですが、ジェイミー・ベル＆その彼女のコンビが動き出すと、なんだか映画はおかしな方向に向かいます。
　軽いコミカルは泥棒映画になっていくので、その軽いタッチと、サム・ワーシントン側のお話のタッチが合わない。
　合わないのでシナリオがどこに向かうのか分からないという利点はありますが、先行きが見えないからと言って面白いとは言えず、あんな動機であんな面倒くさい犯罪をひねり出すかという大きな疑問符がつくばかり。
　その仕掛けの複雑さ・偶然頼みが、緩いコンゲームものというトータルな印象をもたらすことになりました。
　一言でいうと、凡作でしょう。35点。