ガス人間第１号

　新着ＤＶＤの「オペラ座の怪人」をご覧になった方も多いと思いますが、それよりも５０年近く前にあった日本版「オペラ座の怪人」が、このガス人間第一号です。

　東宝の撮影スタッフの映し出す美しい場面の連続に、八千草薫さんの古風で端正な顔立ちがベストマッチングです。

　特典部分の楽しみも大きく比較して見て見てはどうでしょう？
センスオブワンダーの軍配はこちらかもしれません。

　落ち目の家元がお金にあかせて人集めをして発表会をしようとするくだりが興味深い。しがない図書館員の歪んだ愛に、ライター点火で応える家元の心。別にガス人間にならなくても、お話になりそうだ。
　左ト全演じるじいやがいい味。
　八千草さんもきれいだが、女性記者役の「新人」佐多契子さんのウキウキな演技がお気に入りです。

　当時としては良心的な脚本なのだが、いかんせん時代劇の流れにＳＦを加味した普通の本だと思う。

　演出は上手い。クレジットタイトルあたりのテンポの良さ。流石黒澤明の助監督であった本多猪四郎。現存しているフィルムを比べるとそのカラーの良質なこと。

　この後あたりから円谷プロはＴＶに移行して、さらにまた大ブームを引き起こす。

　しかし、ぼくの関心は、幽玄と怪奇性。そのあたり、上手くＴＶに流れたのはやはり「怪奇大作戦」ではないでしょうか？

　昭和４０年頃から４５年頃のＴＶは、ＴＶどころかマンガ・映画・雑誌・プラモデル、怪奇物の嵐でした。海外作品もその手のものが多かった。

　少年の頃に見たそれらは怖くて怖くて。話が広がり過ぎたのでここから岸田森さん限定話とします。

　岸田森さんのファースト円谷は「怪奇大作戦」。「狂鬼人間」の回では主人公側の人なのだが、枕に仕掛けられた脳波を狂わす装置によってバカボンの目ん玉おまわりさんのように空に銃を放ちながら狂い笑いで走り回るのだ。壮絶。

　火曜日の女シリーズの「木の葉の舟」。家一軒の持ち島は満潮になると陸からは助けに行けない孤島となる。そこに嫁いだヒロインが怪しい姉弟にひどい目にあわされる。森さんはひどい弟でカエルの脚から皮を剥いでいき葉っぱの上にむき出しカエルを置いたりする奴なのだ。このドラマでは姉を演じた（確か？）犬塚道子さんの役があまりにもひどいため、脅迫状がきて、新聞沙汰となりました。

　そういう流れから森さんはドラキュラ映画に移行するのだが、時代が悪い、カルト的人気はあるものの、差別表現のある怪奇物はすたれていくのでありました。

　無茶苦茶なレビューとなりましたが、このあたりは語りたいことが多くて多くて、例えば傑作映画「蛇娘と白髪魔」（若き平泉征さんがヒロインを救う！）とか復活しないかなあと思っています。子供の頃見たんで傑作だったのかなあ？との危惧はありますが。

おっとりとしたおばさんのイメージしかなかった 八千草薫さんですが、超綺麗で芯のしっかりとした 八千草薫さんが見れてとても新鮮でした。こんなに綺麗な人だったんですね。驚きと新鮮さにやられてしまいました。
でも、予告編のコピーは酷いですね。
若きベテラン刑事（若いのにベテランなんて居るわけないぢゃん）
清純の婦人記者（どうみても清純には見えないが）
全世界の期待のうちにここに誕生（100%ウソだろう！）
映像特典の東宝特撮映画小道具大辞典は本編以上に貴重な映像です。

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

人殺しはいけません!!!

俺なら、もっと他の方法を考える。その方法って…ヒ・ミ・ツ^^;